Zhaoyong Lu † , Yong Li † , Jun Deng and Ang Li*
Nature Chemistry 5, 679–684 (2013) doi:10.1038/nchem.1694

 ☆ユズリハアルカロイドの攻略
  ユズリハの木は、複雑な骨格のアルカロイドを多数作っていることで知られます。それらの全合成研究も多数行われており、 中でもHeathcockらによるホモセコダフニフィリン酸メチルの合成は、歴史に残る傑作全合成として教科書 などにもよく取り上げられています。

Daphny
ホモセコダフニフィリン酸メチル
 
  今回の論文では、やはりユズリハアルカロイドの一種であるダフェニリンの全合成が行われています。下図のように6つの環が複雑に縮環した構造で、芳香環を含んでいるのが特色です。

Daphenylline
 ダフェニリン

  これらの環をどう構築していくかがポイントになるわけですが、金触媒を用いた6員環形成、6π電子環状反応による芳香環形成、ラジカル反応による7員環の環化など、いずれもきれいに決まっています。無駄の少ないルートであり、鑑賞に値する全合成かと思われます。