Osvaldo N. Oliveira Jr., Tacito T. A. T. Neves, Fernando V. Paulovich, and Maria Cristina F. De Oliveira
Chem. Lett. Advance Publication DOI:10.1246/cl.140762 (オープンアクセス)

 ☆化学センサーとビッグデータ
 あらゆる人間活動の電子化にともなって膨大なデータが日々蓄積されている昨今,ビッグデータの解析は新たなビジネスチャンスや社会の動きを知るための重要な鍵となりつつあります.この論文はChemistry Lettersに掲載されたものですが,化学センサーからの多様な情報をビッグデータ解析して臨床診断に活かすアイデアを示したレビューです.

 流行の話題×化学というテーマに惹かれて読み進めるうちに,情報科学に近い内容で自分の手に負えないと分かったものの,読者の方の参考くらいにはなるかもしれないと思い,ご紹介することにしました.目次は以下の通りです.

1. 序論
2. 化学センサーの最先端
3. ローカルに保存されているデータに関する挑戦
* 機械で読み込めるデータへ
* データの可視化と検索
* 異なるタイプのデータの統合
* 分類
4. クラウドデータ
* データキュレーションと倫理的な問題
* 大容量データの高速配信と処理能力向上のためのハードウェアとソフト ウェアの開発
5. ビッグデータの応用例
6. 結語

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著者らは論文中で個々の情報を知識化するまでの流れを上図に示しています.どのステップでどのような化学センサーが活用できるのか,もう少し具体例が多く書かれているといいのですが,このように全体像が分かっていると各々のセンサーを見る目が変わってくるのかもしれないとは思います.

<語句>
State-of-the-art:最新鋭の,最先端の.
サポート・ベクター・マシーン(Support Vector Machine, SVM)
デジタル・キュレーション(Digital curation)