ご存知の方もおいでと思うが、不死のクラゲがいるらしい。絶対に死なないというわけではなく、老衰で死ぬ前にポリプ(さなぎのような状態)になり、その中で細胞が若返り、やがて幼生の姿に戻って、再び成長を始めるということだ。なので「不老不死」ではなく、「老衰では死なない」ということなのだろう。
その名前を「ベニクラゲ」という。体長が1センチにも満たない小さなクラゲということだ。ベニクラゲ自体は世界の各地に生息しているが、イタリアの特定の海岸付近のベニクラゲが、このような不思議な挙動を示すようだ。
(引用終了)
1994年ごろ、ベニクラゲの研究をしていた レッチェ大学のボエロ博士は、偶然にこの事実を発見しました。学生が水槽に入れておいたクラゲの世話を忘れ、長時間ほったらかしにしたのです。全滅してしまっただろうと思って中をのぞいてみると、クラゲの死体は見あたらず、生まれたばかりの姿になってよみがえっていたのす。その後、国立海洋研究所のピライノ博士が研究を受け継ぎ、5年間で4000体ものベニクラゲの観察を繰り返し、そのすべてが若返ることを確認しました。
(引用終了 http://www2u.biglobe.ne.jp/~moozoo41/)
日本のベニクラゲでも、同じような挙動が観察されたということだ。
(引用開始)
鹿児島湾で採取されたベニクラゲから、個体として死なず、若い世代の形態に生
まれ変わる″若返り″現象が、鹿児島市のかごしま水族館で確認された。これまでイ
タリアの地中海産だけにみられ、遺伝子プログラム解明による「不老不死」の研究
材料として注目されている。ベニクラゲは直径は1センチ程度で、オセアニアや太平洋など、世界の温熱帯海域の沿岸や浅海に生息。日本でも北海道から沖縄まで広く分布している。
和歌山県の京都大学大学院理学研究科付属瀬戸臨海実験所の久保田信・助教授と
かごしま水族館の築地新光子学芸員が昨年九月、同館近くで捕獲した四個体のベニ
クラゲを深さ5センチ、直径9センチほどのシャーレの中で観察したところ、動か
なくなった一個体が溶けていかず底に沈んで根状に変化。約二週間で、若い成体に
なる以前の「ポリープ」と同様の形態を整えた。約半年たった十二日現在も群体を
形成し、成長を続けている。
(引用終了 http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/Benikurage.shtml)
クラゲは、植物のような生態である「ポリプ」を経る風変わりな生物であり、それが不死のキーなのだろう。さらなるメカニズムの解明を期待している。残念ながらそのまま「哺乳類などの不老不死の研究」には生かせないかもしれないが、生命の神秘に一歩近づいたような夢のある話だ。
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