前の記事にも書いた通り、5年ぶりに福岡の実家に帰省してきました。
特に何かあったわけではなく、親がまだ元気な内(頭がしっかりしている内)に今後のことをいろいろ話し合うためです。

1か月に一度程度電話で話していて、声の感じや話す内容から母親の方は年の割には元気だと感じていました。
元々の性格もあって、父の方が心配でした。

でも、娘の障害・上の子達の進路・経済問題などで家庭内がごたごたしており、ここ15年は親の生活は二の次だったため、両親がどのような生活を送っているか、経済状態はどうなのか実はほとんど知らないと言ってもいいくらいです。
私物の整理という名目で、本音は現状把握のための帰省という意識で帰りました。

あれこれ想像していたよりはましな状況でしたが、やはり実際に見てみないとわからない部分がたくさんありました。

まず何より堪えたのは、「遠い」ということです。
自分が還暦近くなったのでよけいにそう感じました。

費用の関係で格安航空会社を利用して、羽田⇔福岡は2時間弱で済むのですが、空港までが遠いのです。
今住んでいるところから羽田まで1時間。
福岡空港から実家までは乗り継ぎの待ち合わせも含めると2時間。
空港には早目に行く必要があるので、なんだかんだで7時間はかかります。
今回は定刻通りの出発でしたが、格安航空会社はよく遅れると聞きますので、半日がかりの移動になると覚悟しなければなりません。

実家は田舎なので、在来線の便数も少なく、代替手段も路線バス位です。
今回のように計画的に行く場合はいいのですが、これではいざという時には間に合わないでしょうし、しょっちゅう行き来するのも、ましてや行ってすぐ帰ってくるのも難しいと思います。

妹が県内にいてちょくちょく立ち寄っているようなので、私は基本的には“遠距離介護”のスタンスで煩雑な事務作業の方を担当させてもらうしかありません。

さて、今回帰省して聞こうと思ったこと・やろうとしたことは以下の通りです。
  1. 貴重品(特に通帳や証書類)の保管場所
  2. 経済状態(貯金や年金額)
  3. 暗証番号
  4. 保険の種類
  5. 印鑑登録の有無
  6. 友人の名前と連絡先
  7. 民生委員の名前と連絡先
  8. 健康状態
  9. かかりつけの病院ともらっている薬の種類
  10. 近所づきあいについて
  11. ゴミ出しについて
  12. 葬儀のこと
  13. 墓のこと
  14. 1人になった時どうしたいか
  15. 今困っていること
  16. 不安に思っていること
  17. 私物の処分
  18. 生活パターンの把握
  19. 食生活の把握
  20. 家の中の点検
こうやって書きだしてみると大変な作業のように思えますが、ネットもつながらず食事も冷蔵庫にあるもので済ませたので、時間は持て余すほどあり、ほぼ目的を達することができました。

貴重品の保管場所や通帳の内容、葬儀や墓などかなりつっこんだ話もし、人によっては抵抗のあることを聞いたにもかかわらず、割とすんなりと答えてもらえて助かりました。
(娘に留守番をさせてまで帰った私の覚悟のほどを感じてくれたのだと思います。)

特に経済状態は自分の資産(ひいては娘の行く末)にも関わってくるので、通帳全てを実際に見て全体像を確認し、これなら生活費はもちろん介護費用も自分達でまかなえそうなので安心しました。
田舎のあまりはやらない理髪店で、年金も国民年金だけなのにコツコツ貯めてくれてたおかげです。
(とは言え旅行したり、趣味や洋服にはお金をかけたりとプチぜいたくはしています。)

ただ、貯金を定期預金にしているので、本人が認知症になった時すぐ下ろせないのが不安材料です。
超低金利であることを考えると、少しずつ解約して普通預金に入れていく方向で説得しようと思います。
(銀行があの手この手で引きとめるのでやっかいですが・・・)

血圧や腰痛などで病院にかかり、ご多聞に漏れず薬もたくさんもらっていますが、今のところ深刻な症状はなく、日常生活は不便なく送れています。

母は相変わらず働き者で、常備菜はこまめに作り、父の晩酌のつまみも(ぶつぶつ文句を言いながら)ささっと用意しているようです。
簡単な家計簿もつけていました。
家事の中では掃除に一番力を入れていて、しんどいと言いながらも毎朝必ずぞうきんがけをし、寝る前にはシンクをぴかぴかに磨き上げるそうです。

2年前軽い鬱状態になった父は精神科にもかかっていますが、今は1か月に1回程度受診して話を聞いてもらうのが心の安定につながっているようです。
強迫神経症気味(不潔恐怖)であれこれ細かく注文はつけても無理強いはしないので、娘のこだわりに長年付き合っている私からすれば楽勝に思えます。
「はい、はい。」と言って適当に合わせていればいいのですから。

ただ、父の性格を知りぬいているはずの母がいちいちそれにダメ出しをするのには参りました。
と言うか、父のすることなすこと全てにケチをつけるので、聞いていていい気持ちがしません。
父は年老いて鈍くなったのかあまり気にならないようですが、私の方がイライラしてしまい、思わず説教してしまったほどです。

強迫神経症や認知症の人への接し方としては(健康な状態であってもですが)最悪なので、これから先がちょっと心配です。
考えるより先に口に出てしまっているようなので、改善は難しく思えます。
あまり強く言うと、母の心が折れそうだし・・・

生活面では父は子どものようになってしまっていて、携帯のかけ方もATMの使い方も覚束ないほどです。
文句を言いながらも母が全部やってしまっているのでしょう。
「お母さんの方が先に死んだら、施設に入る。」と言ってくれているのが、悲しいけれど救いです。

体の衰えや知的な面での衰え(二人とも新しいことをほとんど理解できなくなっている)がかなり感じられ、今は大丈夫でも年々厳しい状況になっていくのだなあと改めて感じました。

また、家の老朽化とゴミ問題も重くのしかかります。
引越ししたことがなく、二人とも捨てられない人達なので、押し入れや箪笥の中は物でいっぱいです。
それでも母は少しずつでも片付けようとしてくれているのですが、父は病的なほど捨てるのに抵抗があるようです。
外でもらってきたり、買い物依存だったりしないだけでもましな方なのでしょうか・・・
1年に一回帰るくらいでは焼け石に水で、結局は亡くなった後業者に頼むしかないのかもしれません。

家は持ち家ですが老朽化しており、町の中心部ではあっても田舎なので土地の価格も安く、結局取り壊しと売値がトントンなら儲けものという感じでしょうか。
近所の病院の駐車場になりそうなのが安心材料ではあります。

これからの10年は親の介護と看取り、それから先は自分の生前整理と娘の自立ーというようにやらなければならないことは山積みです。
今後社会情勢や福祉の状況がどのようになっていくか分からない面があり、長期の方針は立てづらいのですが、今やらなければならないことを少しずつでも着実にやっていくしかないんだなあと改めて思いました。

取りあえずは情報収集と自分の持ち物減らしと娘のライフスキル向上ですね。
あ、健康管理(体力増強)が最優先かも(^_^;)
がんばります!

*行く前に『70歳をすぎた親が元気なうちに読んでおく本』を(ちょっと遅めではありますが)読んでいきました。
筆者の体験が漫画になっており、情報部分も分かりやすくまとめられた読みやすい本です。
自閉症者の自立や老後に関してもこんな本があればいいのになあ・・・






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