今年の映画鑑賞一本目、ユナイテッドシネマ豊洲で「宇宙人ポール(原題:Paul)」を観る。──
「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」でもコンビを組み、「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」でも双子のように瓜二つなコンビの刑事を演じているサイモン・ペグとニック・フロストが共同で脚本を手掛けて主演し、グレッグ・モットーラが監督を務めるSFコメディ、イギリス人のSFオタクの仲良しコンビが、憧れのアメリカにやってきて、キャンピングカーを借りて、オタクの祭典“コミコン”(日本でいうコミケのようなもの)を見物して、さらに、UFOが目撃された地点など、アメリカ各地のSFオタクにとっての“聖地”を巡るうちに、本物のエイリアン“ポール”に遭遇して、当局から追われるエイリアンを母星に逃がすために逃走劇を繰り広げるバディムービーにしてロードムービーという趣の作品。
「宇宙人ポール」で登場する宇宙人(=エイリアン)は、カップヌードルのCMに出てくるような“いかにも”という姿だが、そのエイリアンは流ちょうな英語で“ポール”と名乗り、マリファナを吹かし、見た目は宇宙人だが、陽気なアメリカ人のオッサンという感じで、イギリスから来た二人組=外国人(=エイリアン)がアメリカ文化に戸惑う姿と合わせて、SFというよりもドタバタコメディのような可笑しさを醸し出している。
また、自ら脚本を手掛けているだけあって、サイモン・ペグとニック・フロストの仲良しオタクコンビがユーモラスで可笑しい。サイモン・ペグは、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」で、トム・クルーズの仲間を演じているが、真面目なスパイ役よりも、
「ホット・ファズ」や「宇宙人ポール」のようなおバカ映画の方が合っている。
「宇宙人ポール」は、“宇宙人の存在を合衆国当局が隠蔽し続けてきた”というお約束の設定や、定番のSFネタがちりばめられ、いかにもという造形のUFOなど、SFのパロディのような趣で面白い。
また、逃げてきたエイリアンを、「メン・イン・ブラック」風の謎の黒服の男が追って来るなど、徹底的にSF作品のパロディのように作られている。
ラッセル・クロウ主演の「消されたヘッドライン」で事件の鍵を握るオカマっぽいコンサルタントを演じていたジェイソン・ベイトマンが、そのエージェントを演じている。
他に、エージェントとは別にエイリアンを追う刑事役のビル・ヘイダーは、秋野太作さんに似ていた。
「宇宙人ポール」では、色々なSF作品へのオマージュがちりばめられているが、「E.T.」も「Xファイル」もポールのアイディアだとしていて、劇中で、1980年当時の回想として、ポールが「E.T.」のアイディアを伝授する電話では、スティーブン・スピルバーグ監督本人が登場するのも可笑しい。
さらに、“エイリアン”を執拗に追うエージェントの女ボスを、「エイリアン」シリーズに主演しているシガーニー・ウィーヴァーが演じているのも可笑しい。
また、驚くことに現在も進化論を否定しているキリスト教原理主義に対する当てこすり的な描写も多く可笑しかった。
「宇宙人ポール」は、爆笑するほどではないが、シガーニー・ウィーヴァーの出演を含めてSF作品へのオマージュや小ネタがふんだんにちりばめられていて、気軽に楽しめる作品でなかなか面白かった。
★★★☆☆
ユナイテッドシネマ豊洲が入るアーバンドックららぽーと1階の“H.B.グリル”で、ストーングリル・リブロースを食べる。
高温に焼いた溶岩石の上に乗せて遠赤外線でじわじわと加熱して、肉の旨味を逃がすことなく、石の表面に無数に空いた穴が余分な脂を吸収して、美味しく仕上げるのだそうだ。
豊洲アーバンドックを出港する遊覧船ヒミコ。
SFっぽいデザインだと思ったら、松本零二さんのデザインなのだそうだ。
O船の居酒屋“くいもの屋・わん”で親戚と新年会。
個室で落ち着けるなかなかいい店だった。若い店長(?)の正人君がとても行き届いて接客がよかった。