2004年04月20日

いかりや長介さんの遺作となった「恋人はスナイパー」

先月、亡くなったドリフターズのリーダー、いかりや長介さんの最後の出演作となった映画「恋人はスナイパー(劇場版)」を観た。
「恋人はスナイパー(劇場版)」は、水野美紀演じる女刑事と内村光良演じる国際的なスナイパーが恋人同士という設定のテレビ・シリーズに、トラベル・ミステリーでお馴染みの推理作家・西村京太郎氏が1978年(昭和53年)に発表した「華麗なる誘拐」の犯罪プロットを取り入れて映画化された作品だ。
西村京太郎原作の「華麗なる誘拐」からは、“無差別連続殺人を行う犯人グループが「日本国民全員を誘拐した。誘拐の定義は、人質の命をいつでも奪うことが可能な状態」として、実際に人質を取ることなく、政府に巨額の身代金を要求する”という犯罪のプロットだけが使われている。
「華麗なる誘拐」では、喫茶店の砂糖に青酸カリが入れられて、無差別に一般市民が殺害されるが、「恋人はスナイパー」では、犯人グループによる無差別狙撃事件という形に置き換えられている。
西村京太郎氏の「華麗なる誘拐」は、発表当時、大胆な着想から話題となり、「華麗なる誘拐」にヒントを得たのではないかとも言われる「青酸コーラ事件」が起きたり、その後の「地下鉄サリン事件」のような無差別殺人を予見したかのような先見性のある作品として知られている。

「恋人はスナイパー」では、世界の要人を次々と暗殺してきたという国際的スナイパーを演じるウッチャンの、凶悪犯には見えない風貌と、どこか寂しげな表情が、「根は優しい孤独なスナイパー」という役柄によく合っていた。
ウッチャンも得意のカンフーを披露しているが、スナイパーの恋人で刑事役の水野美紀も、かなり激しいアクション・シーンに挑んでいた。
長さんは、刑事役の水野美紀の父親役で、中華料理屋の親父を飄々(ひょうひょう)と演じていた。
長さんの温かみのある演技が、もう見られないかと思うと実に寂しい。
中村獅童の悪役ぶりや、竹中直人のうさん臭い犯罪組織のボス役や、阿部寛の外国帰りのエリート弁護士役など、それぞれ実によく合ったキャラクターを演じている。
「恋人はスナイパー」は、元々テレビ・シリーズの劇場版という位置付けのせいか、個性派を揃えたキャスティングと大胆なプロットのわりには、盛り上がりが少なく、やや物足りない印象だ。
もう少し、事件の核心部分や、解決に至る道筋をしっかり見せてほしかった。

最後に、この場を借りて・・・。
いかりや長介さんのご冥福をお祈りします。


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「思った以上に楽しめた。メンズデー1000円なら儲けもん。」 そんなことはてっ
恋人はスナイパー【30歳独身男"Kazuaki"の映画日記】at 2004年05月02日 08:31
六車 俊治監督/水野 美紀・内村 光良主演 レンタルでTVドラマだったEPISODE1&2を見て、かなり下がったテンション(笑)で一応見にいったのですが、これが結構良かった。注釈をするなら「ドラマとして」ですが。EPISODE1&2のストーリーの出来がイマイチだったのに対し
恋人はスナイパー【劇場版】 ★★★★☆【◆覇王の書斎◆】at 2004年05月05日 23:20
[映画] 本数:2004_33/100(目指せ年間100本!!) 鑑賞日:2004/05/06 題名:恋人はスナイパー 場所:舞浜。 ジャンル:ドラマ+刑事+アクション(中国拳法)+長さん遺作 寸評or感想: 始まりは良かった。 終わりはぼちぼち。 全体を通して纏まってた。 ウッチャンの演技は・・.
[映画]恋人はスナイパー【arrr[アルレロ]@blogで日記】at 2004年05月14日 00:35
 「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ。」名文句を前作では生みました。事件の緊迫感と感動、そして笑いなど見事に調和させていると思います。故いかりや長介の哀愁たっぷりの演技も見逃せません。 for more info⇒踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レイ
踊る大捜査線 THE MOVIE 2【DVD SELECTION】at 2004年05月19日 01:13
この記事へのコメント
tb有難うございます。
「ネタバレ」に気遣い過ぎてあんなエントリーになってしまった訳ですが(汗

途中、スジの不鮮明な点も多く見られましたし、
特撮で「・・・(汗」な点もありました。

キャストたちが、それをカバーしていたような気が・・・。

そして、長さんは、もう・・・。
Posted by 番記者O at 2004年04月30日 16:02
番記者Oさん
コメントありがとうございます。

もう長さんの姿が見られないと思うと、本当に寂しいですね・・・

映画版だけ、西村京太郎のミステリーと組み合わせたというアイディアは面白いと思います。
原作を読んで知っていたのと、長さんの遺作ということで観に行きました。
Posted by 千晶 at 2004年05月06日 21:34
こんにちは、夏川です。
この映画に出ておられる水野さんですが、
割りに好きな女優さんだったりします。
倉田アクション出身らしいですね。
Posted by 夏川 at 2004年05月10日 20:04
夏川さん、こんにちは
水野美紀さん、長年の特訓の成果が生かせる映画でしたね。
せっかくカンフーが得意でも、普通の役ではなかなか出番がありませんから・・・
Posted by 千晶 at 2004年05月10日 23:20
トラックバックありがとうございました。
原作があるということは映画を観終わってから知りました。
アイデアだけいただいても「原作」ということになるんですね。
いかりや長介さんは病気のせいかセリフが大分聞きづらかったのですが、ここぞというシーンでは味のある演技でセリフもしっかり聞き取れたので感心しました。
Posted by ネコツキ at 2004年08月26日 23:13
原作があってあの規模の事件がおきてたんですね。それは知りませんでした。
「恋人はスナイパー」の最後のエピソードとして華々しい事件と終焉だったけど、原作をご存知の方には「なんじゃこりゃー」ってなっちゃうところもあったでしょうね。
Posted by Pepper Pot at 2006年02月01日 14:16