2009年10月16日

ケビン・ベーコン主演「狼の死刑宣告」

シアターN渋谷で、ケビン・ベーコン主演「狼の死刑宣告(原題:Death Sentence(死刑宣告))」を観る。
チャールズ・ブロンソンの主演で映画化された「狼よさらば(原題:Death Wish)」の作者、ブライアン・ガーフィールドが1975年(昭和50年)に発表した同名小説を、「ソウ」シリーズを手掛ける中国系マレーシア人のジェームズ・ワン監督が映画化した作品で、投資会社の幹部で、非常に真面目で善良な夫であり父親である主人公が、アイスホッケーの有望な選手で、将来を嘱望されていた息子を、目の前でストリート・ギャングに殺され、犯人は逮捕されるが、大した罪にならない現実を前に、自らの手で復讐を誓うという、先日の「さまよう刃」とよく似たプロットの作品で、近年は、クリント・イーストウッド監督作「ミスティック・リバー」にも出演しているケビン・ベーコンが、佳き父親から復讐の鬼となる主人公を熱演している。──しかし、ケビン・ベーコンというと、「ワイルドシングス」や「ミスティック・リバー」などでの青年かちょっと年取った青年というイメージだったが、今回は大きな子供のいる役で、いいオジサンになった・・・。
我が子を殺された父親が、前後の見境なく、法で裁けぬ犯人に復讐するところまでは、東野圭吾原作、寺尾聰さん主演の「さまよう刃」と同じだが、静かで淡々とした展開の「さまよう刃」とは対照的に、「狼の死刑宣告」では、さらにギャング側の報復で、“死刑宣告”された上で、妻を殺され、次男も瀕死の重傷を負って生死の境をさまよい、自らも重傷を負った主人公が、武装してストリート・ギャングと徹底抗戦し、激しいバイオレンス・アクションが繰り広げられるところが、日本とアメリカの国民性の違いだろうか?
主人公がギャングたちに待ち伏せされて、オフィス街を逃げ回り、立体駐車場に逃げ込んで激しいアクションを繰り広げる場面は、手に汗握る緊迫感があった。

「狼の死刑宣告」で描かれる、突然訪れた悲劇によって家庭が崩壊していく様子は、我が子が轢き逃げされたことから自分を見失っていく父親を穂描いた「帰らない日々」をも思い起こさせる。
また、クライマックスで、これまで善良なビジネスマンだった主人公が、ボロボロになりながら、完全武装して別人のような姿でストリート・ギャングのアジトに乗り込む様子は、「パニッシャー」のようだった。
「狼の死刑宣告」では、タツノコ・プロのアニメ「マッハGoGoGo」をウォシャウスキー兄弟が実写映画化した「スピード・レーサー」では、スピード家の父親を演じていたジョン・グッドマンが、自動車の解体解体工場を表向きにしたドラッグや銃を密売人で、主人公にも自慢の銃器を多数売った後から、ストリート・ギャングのボスが自分の息子であることを告げるオッサンを演じていて、少ない登場シーンながら存在感がある。──ジョン・グッドマンは、しゃがれ声やブクっとした容貌が遠藤辰雄さんに似ていた。
主人公がショットガンや強力なマグナム銃を入手したときに、実はギャングのボスの父親でもあるジョン・グッドマン演じる銃の密売人が“好意”で、主人公に取扱説明書をサービスで渡していたが、アメリカ製品の取扱説明書の常套句である“It's Easy(簡単です)”と書かれていた。
そして、それまで銃や犯罪とは縁の無かった主人公が、重武装して、単身、ギャングのアジトに乗り込んで死闘を演じることになるが、ごく平凡な善良な市民から、“パニッシャー”か“ランボー”かというような姿に変身しても、ケビン・ベーコンの存在感が抜群で、不自然さはなく、迫力溢れるクライマックス・シーンへとつながる。最後は、復讐鬼と化した主人公が、──実際どこから見てもそうなのだが──ギャングのボスから、“俺たちと同じだぜ”と言われるのが印象的だった。
「狼の死刑宣告」の上映前に、悪趣味なホラー映画──“悪趣味でないホラー映画”といものもないだろうが──の予告ばかり続けて見せられて辟易した。それにしても、単館系で15分以上もの予告編は長過ぎる。

★★★★☆

ハマトラ
隣のアカネちゃんに似たトラ猫を発見。
横浜のトラ猫を“ハマトラ”と言う。。。(ウソ)

地鶏やの鶏重
シアターNの近くの“地鶏や”で、“伊達鶏の鶏重”(930円)を食べる。
要するに、いわゆる鶏そぼろ丼(重)で、まあそこそこ美味しい。
しかし、カウンター前の若い料理人が、年配の──恐らく再就職で入ってきた後輩の──年配の料理人にずいぶん威張った口を利いていてイヤな感じだった。客には愛想のいいお兄さんだが、内弁慶というか裏表がありそうなタイプ・・・。お客は、見てるんだけどね・・・。
今時、ランチタイムでさえ、禁煙になっていないし、席についても、こちらが言うまでお茶も出てこないし、あまりいい店とは言えない。
ところで、先日の“味噌汁や”といい、今日の“地鶏や”といい、何で本来漢字で“屋”となるところだけ平仮名にしているのだろう?

乱歩展
帰りに神奈川近代文学館で開催されている“大・乱歩展”に立ち寄る。
ミステリー小説の始祖エドガー・アラン・ポーから取った名前は、バスター・キートンから取った益田喜頓と並んで面白いが、洋物の亜流であることは否めない。


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狼の死刑宣告 (デス・センテンス) / Death Sentence【我想一個人映画美的女人blog】at 2009年10月29日 12:10
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