ミチユキのぷら〜り散歩「今が旅」

「どうってことない風景が好き」「遠くに行かない」「本当に寛げる場所を探して」などをテーマに持つ写真家、詩・エッセイスト、シンガーソングライター、小説家による、街と文化を探る散歩旅。http://blog.livedoor.jp/chico100/

タグ:就活

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(写真は本文の内容と関係ありません。以下も)


久しぶりのブログ。前回から3か月も経っていたなんて、時間が経つのは早い。
去年の年末からしばらく音楽活動で忙しかったから、という理由もあるけれど、
ブログから離れている間に書きたいこともまた増えてくるもので、
ネタ集めの期間だったと思うことにしている。

さて、ここ最近の話。ぼくはいつものように就活にかこつけて、企業への
突撃取材を続けてきた。
「自分に合わないところはすぐに辞めてしまうのもいいじゃないか」という持論
を展開するぼくは、「転職家」「就活レポーター」的な存在に映るかもしれない。

今まで就活というカテゴリーで発信されてきたレポートは、
企業に採用されてそこに自分を合わせていくためのノウハウ、
採用する側の求める人材像に合わせていくためのアドバイスが多かったが、
自分が持つ個性や才能を存分に活かして、溌溂とした人生を歩む方法や発想
の在り方について語るものは少なかった。

しかし、ここ数年の間に広がりつつある「働き方改革」の掛け声とともに、
採用される側の本音や期待が取り上げられる時代になりつつあると、
最近実感している。これは、ぼくが今まで書いてきたことがようやく時代に
はまってきたということであり、大変好ましく思う。

ブログを休んでいる間も、ホテル清掃責任者、公的補助のコールセンター
スタッフに応募し、その会社や業界内部を1日〜3日、研修期間を使って取材
することができた。特にやりたかったのは、該当する業界の動き、
勤務現場における問題点などを探ること。

コンプライアンスにひっかかるため、企業名や具体的な名前には触れないことを
前提に、就活の際には見えてこなかった業界内部の問題や、競合相手との競争
に勝つための課題など、企業からの視線、就職サイトの視点では紹介されなかっ
た情報が今後はもっと必要になっていくはずだ。

ぼくの目や耳で集めた情報をまとめ、さらに自分らしく生きるための仕事選び
という視点でレポートや本にできれば、現代の日本がかかえる就活・働き方改革
のお役に立てると信じている。

もちろん、応募した仕事や企業の体制が気に入れば、そのまま仕事を続けていく
つもりではある。
だが冒頭から問題が山積する仕事に入って、その後システムや管理面での上司
とのやり取りを考えるとやっぱりやめておこうと考えるのが本音。

ぼくのような思い切りのはっきりした就職活動はなかなか現実的に実行が難しい
かもしれないが、会社を選ぶ立場をもっと尊重すべきだし、
堂々と理路整然と話ができる人材が増えてほしいと思う。


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ちなみに、大阪市内のホテルにおける清掃責任者の研修1日で見えてきたのは、新しいホテルの清掃スタッフとして入りその後責任者になった人たちが管理している現場。清掃スタッフのロッカーがなく、着替えは2畳ほどの事務所の棚に並べられている。休憩室もない。ホテル清掃業務は、宿泊客がチェックインする15時までに清掃とチェックを完了させなければならないため、忙しい日・月曜日には休憩時間はほとんどないことが多い。さらに新人が多い職場では、チェックの後にやり直し作業がかさむため、チェッカーやチーフの仕事がさらに増える。そういう急ごしらえの職場だから、ぼくが行った1月の末辺りで3日に1件の割合で不備やクレームが出ていた。清掃の研修のためにぼくがベッドメイクやバス清掃するのを教える監督に、各フロアからひっきりなしに電話がかかってきた。現場責任者は、毎日のように場当たり的な質問対応に追われているのが現状のようだった。本当は清掃責任者は、スタッフのシフト管理や給料計算だけではない、不備クレームをなくすための方策を考え、計画するような仕事をしなくてはならない。それに着手できない現状も問題だが、現状における課題解決に対して行動計画ができていないことが問題だと感じられた。ぼくがそこに就職すれば、きっと現在の清掃管理者と激しいやり取りをするだろうと懸念が残った。

また、コールセンターにおいては、導入研修の3日間で多くのことがわかった。タイムカードの細かな指示忘れから始まり、トークスクリプトの不整備で、トークの組み立てが混乱するうえに、ミスが増え、そのミスをなくすために書類を書かなければならないような体制、電話の自動発信ができず、電話番号をいちいちコピぺしなければならないような古い架電システムなどなど。職場には50代〜70代の人しかいないのは、若い人たちが入社してもそのような杜撰な態勢を嫌っているからではないのかと疑ってしまいたくなるほどだった。

就活している間に、こういったいろいろな会社、組織、職場を取材することができた。これは望むと望まざるにかかわらず新人が経験することだ。そこで得たものは、次の職場にかぎらず、将来に役に立っていくはずだ。ましてや、ぼくのような就職情報誌に何十年もかかわってきた人間なら、そこで得たものを広く社会に還元しなくてはならないと思ている。

突撃取材というのは結果的なことで、ぼくとしてもいい会社で自分らしく活躍できるところで続けて働きたいという気持ちはある。もしそういう会社なら、逆に自分らしく働ける会社とはどういうところなのかを研究する機会を得ることになっていただろう。実際、ぼくにもそういう活躍の場が与えられたこともある。そこでのマネジメント経験もいずれ発信することになるだろう。

今ぼくが思うことは、今までのように人材を採用する側が上位で、採用される側が下位に位置するという価値観は、もう古いということだ。採用される側ではなく、その企業で活躍し、業績を伸ばす側という位置で、就職を考えてほしい。そうでなければ古いヒエラルキーに引きずられ、ハラスメントの末に自殺を選ぶような悲しい時代は終わらない。働く側改革、ともいえるような、意識改革で、自分の仕事に責任と自信が持てる時代が来ることを心から願ってやまない。

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健康上の問題で見切りをつけたセキュリティの仕事を辞めて、

有休処理の期間に、友だちの曲に詞を書いたり、

自分の新曲を書いたり、オリジナルソングを発表したりしているうちに

自由な日々は過ぎ去って、

内定が決まった会社の入社研修に通い始める。

しかし、吝嗇な企業の採用時の対応や

研修の進め方を見ていると、自分がやりたかった営業とは

まったく違っていることに気づかされ、

途中で嫌になってくる。

会社の姿勢に疑問を感じた。

本当に人を育てる気持ちがあるのか

疑問に思えてくる。


実際の営業電話をモニターする。

通販の商品を売り込む電話には、顧客のニーズよりも

売ることばかりにしか意識が感じられない。

商品をたくさん売れ。そんなふうにコールスタッフたちは言われ続けているのだろう。

だから、ぼくは研修の講師であり上司に伝える。

これは、ぼくが本当にやりたい仕事ではないのです。


そう、もちろん

講師は、切れる。

曰く、「そのモニターした営業は教えたことができていない」。

しかし、それは教える者の逃げ口上でしかない。

できるように指導してはじめて、教える側の目標を達成したことになるのだから。

「こう教えたよね。だからできるはずだよね」

これは、指導するものが言ってはならないセリフ。

あした、ロールプレイングの指導を受け、

売ることしか考えていないトークスクリプトを押し付けられたら、

早々に抜けようと思っている。

どんな風に人に評価されようが、ぼくはまったく気にしない。

世の中のために活躍できる場所は、まだまだあるはずなのだ。


翌日。

朝方にロールプレイングをして、昼から実際に営業電話をかける予定になっていた。

辞退するなら、今しかないと思った。

昼食前に指導官に辞意を伝えた。

研修の日給は出ませんよ、それでもいいですね。と、上司に言われた。

あ、大丈夫です。

そう言って会社を出た。

ぼくにとって、また一つの会社取材が終わった。

入ってみなければ見えないものが、世の中にはたくさんある。

こういう経験は、必ず形になっていくだろう。

就職相談とかもいいし、小説や歌詞といった作品に昇華していくだろう。


玄関を出ると、街は、むせ返る酷暑だった。

ぼくは駅までの川沿いの道を歩いた。

構想途中にある新曲の歌詞を考えながら。

数日後には、新開地でオリジナルソングを披露することになっている。

帰ったら、最近作った曲を練習しようと思った。



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久しぶりに娘が家に遊びに来たので、刺身で夕食を摂った。最後に、天然タイの皮締めで「鯛茶漬け」に。しかし、熱々の出汁をかけても今一つ身が縮まなかったので、電子レンジで温めて、最後に塩昆布を載せてみた。これがまた、ほろりと身がほぐれて最高のできになりました。(写真と本文は関係がありません)


ここ半年、データセンターのセキュリティとして
あまり人が訪れないコンピュータルームの警備をし、
居眠り防止を兼ねて、小さな部屋を歩きながら
本を読んできてはいるが、
どうも退屈でならない。

吸収する時間ばかりが積み重なっても、
行動する時間が得られないというのでは
何のための思考なのか、わからなくなってくる。

そこで、最近、年金支給額決定のための対応策として、
休日を多くとることにした。

年金の支給では、給料収入の上限が決まっていて、
その上限を超えると、支給されないことになっている。

日本の年金は、ケチなことになっているのだ。
だから、その上限に達しないように

給料の額を減らすという策に取り組んだ。
稼働日数を減らし、実費支給の交通費も減らせば、
年金はちゃんと支払われる、その限度額以内に抑える計算だ。

そして、同時に、休日が増えたことで、
ぼくは音楽活動や、小説の構想に取り組む
時間を手に入れることができる。

一石二鳥だ。

しかし、ここでまた、新たな問題が発生するのである。
休みが増えてくると、だんだん仕事に行く気持ちがなくなってくるのである。

この前などは、10日ほどの休日の合間に、支社研修なるものが予定されていたのだが、
その重要性に思い至らず、あっけなくさぼってしまった。

仕事の時のような緊迫感が、朝起きたときに感じられなかったために、
二度寝してしまったのだ。

気が付いたら、出社予定時刻の30分前だった。
ぼくは、自分の出社日を失念してしまったことを詫びる電話を入れた。

こんなことは社会人になってから久しくなかった。
よほど気持ちのタガが緩んでいるのだと実感した。

そして、意外なことに、ぼくは反省もそこそこに
新天地を探すおもいにとらわれ始めたのだった。

そんな日のこと、長男、長女が相次いで話をしにやってきた。


つづく






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日々、気ままな時間を過ごしてきたのだが、

自由な思索の時間を過ごしながら

養育費を払い続けるには、

ちと苦しくなってきたし、

離れて暮らす子供たちの諸事情もあって、

そろそろ仕事を探さねばならないかと、

就活を始めた。


すると、1社から契約社員での内定が決まっ(てしまっ)た。

収入が安定するというホッとした気持ちと、

長かった休暇が終わるという悲しさ半分。


40年ぶりに考えていたのだが、

買ったばかりの中古クロスバイク(自転車)でのツアーは

しばらくお預け。


冬の青春18きっぷ期間も、旅に出かけられるかどうか不明だ。

しかしまた、ちょこちょこと出かけよう。

毎週休みはあるはずなのだから。

「旅のない人生はない」

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どの求人情報を見ても、どの派遣会社の広告を見ても、
向かっているのは企業の方ばかり。

働く側の希望や、意欲や、可能性に向き合う会社が存在するのか
疑わしい。

そしてもし企業に選ばれて入社しても、
過労で病気になったり、自殺する。
そんな社会に、いつまで自分を合わせていく必要があるのだろうか。

求人サイトや派遣会社は、
採用する企業にあなたのニーズはありません
というコメントを送り返してくる。

それは、相も変わらず、お金を出しているのは誰だ、
という価値観の押し付けでしかない。

今や、時代は変わろうとしている。

お金を出す側が偉く、採用される側は企業の命令によって動けばいいのだという
一方的な押しつけでしかマネジメントできない会社は
生き残っていけないだろう。

就職サイトや派遣会社も、そんな過去の価値観に縛られていては生き残っていけない。
なぜなら、労働人口は減少の一方であり、
いかに人材の秘められた能力を引き出せるかが
企業の生き残りを左右していくからだ。

そんな時代の、新しい求職サイトをつくる必要があると思う。
どういう意欲や意志が、どんな仕事の未来を構築していくか、
企業の側はもっと真摯に追求すべき時が来ている。

学歴や、年齢や、性別で、採用を決めるのではない。
未熟な採用担当者が、上から目線で採用通知を出すのではない。

人材と企業がコラボして、事業を成長させていくという思想なしに、
この国は成長していけないと思う。

就職サイトは、価値観を根底から変えるべきだ。
自由と自己実現を夢見る人たちに勇気と意欲を与える
そんな事業を始めるべきだ。

あるいは、仕事を探す側も、新しい働き方を探すことを
考える時が来ているのではないだろうか。

仕事を探す側が力を合わせて
社会に参加していくことを考える時が来ているのではないだろうか。

資本が人材を呼ぶのではなく、
人材が資本を呼ぶ形があってもいいのではないだろうか。
……

拝啓

こんなチームを作りました。
いっしょにコラボする企業を募集します。
みたいな。




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仕事選びで変えた発想とは、

もっと安定的に収入源を確保することと、それまでのつなぎの部分でも

継続的な稼ぎ口をつくること。

まずは、短期の仕事で生活費と交通費を蓄え、

2・3か月のうちに基盤を整える。

そして、その間に長期の展望ができる仕事を見つけるという計画。



短期間の仕事探しでも、やり方を変えた。

今までならいくつかに絞ってピンポイント的に応募していたのを、

けっこう幅広く選択肢を広げて、網を打つように10も20も一気に応募した。

60歳ともなると、派遣先の口も激減する。

ひっかかる可能性のある先は、無遠慮にエントリーした。



それから、職種の範囲もそれにともなって広げた。

今までは避けていた、ほけんの窓口的なコンサルティング系、そのコールセンター系、

販売系、事務系、麺類店系、などに拡大した。



事務系は、女性の仕事だと思い込んでいたが、そうでもないと気付いた。

昔の一般事務募集原稿を制作しているときに、

女性しかターゲットとして捉えられてなかったときの癖だ。



しかし、実際のところは人事や総務にも男性はたくさんいるし、

事務系の派遣でも男性募集はあるだろうと思った。

それで見つけて応募したら、短期の派遣で採用が決まった。



社会福祉系の事務処理を担当する秋までの仕事。

決まったのはいいが、時給が安いし、通勤交通費も出ない。

なげかわしい。もっと他を探したい。

だが、月曜から勤務が始まる。



交通費が出ないので、その勤務地に近いところでWワークを考えた。

夕方から、うどん店などでバイトすると、

1日いくらという枠で交通費が出る。

その分で、出ない交通費の穴埋めをし、さらに収入を増やす考えだ。

目論見はいい。あとは体力の問題だ。



発想で変えていないものもある。

子供たちとの時間をつくるために、

土日祝は、休みとしたい。

それから、食品加工業界と居酒屋と警備はやめておくこと。

いい思い出がない。きっとまた同じことを繰り返すだろうから、

マネージャー採用以外は手を出さない。



それから、ドライバー職も、やめている。

ぼくのようなアバウトな人間は、交通事故を起こしてしまうかもしれないし、もらい事故もいやだ。

警備業と同じように、厳密なルールに従えない理由で、手を出さない。

60歳になると、オファーが入ってきてもドライバー職がほとんど。

あれは、サイトで断れないものだろうか。



大事にしていることは変えない。

それ以外の発想は変える。

それこそが、自分らしく生きるということなのだから。

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工場の生産性を上げて

売上を1年25%上げてほしい。


こんな内容の求人情報に出会った。

なんでこういう広告というか人材募集の表記がもっと増えないのか。

仕事内容とか、必要資格とかを書き連ねるものばかりだ。

キャリアを買うという意味では、そういう表記でもいいだろうが、

燃えない。

やる気を起こさせない。

興味がわかない。

その会社で頑張ってみたいとは思えない。

たぶん、キャリア採用する会社は、年俸で釣るのだろう。

その世界の話なのかもしれない。


この広告のファクトリーセンター マネージャー募集には

久しぶりに心を動かされた。

年齢不問、営業経験があればOKだという。

もちろん、応募した。

少ないけれどマネジメント経験や営業経験をアピールして

こんな仕事を探していたのだということを書いて。

返事はまだない。

もちろん、難しい応募であることはわかっている。

しかし、やる気がわいてくるなんて、そんなにあるものではない。


無理は承知の上。

アピールして、自分の未来を切り拓くだけだ。

そういう機会があってもいいだろう?


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(九条からの電車賃がもったいないので、天気も良かったし、天満橋まで歩いて帰った)


月曜日は、くずはモールの焼き肉レストラン。
水曜日は、九条のサンドイッチハウス。

日雇い派遣を断って面接に行ったのは良かったが、
すべて不採用。


くずはの店なんて、社長自らすべての人に面接保障とあったのだが、
こういう会社は要注意だ。人柄採用だから全員と会うということだったのに、
行ってみたら、開口一番、未経験者は難しいですねぇ、という答え。

こっちはなけなしの交通費を出して行っているのである。
それなら、そうと書いておいてほしい。
絶対に応募しませんから。


ぼくは、あまり頭にきたので、帰宅してすぐ
Mナビにクレームを出しておいた。
求人情報は、しっかりターゲティングして発信すべきだ。

面接保障などと書いておけば、読者はみんな喜ぶとでも思っているのだろうか。
もし、それが営業からの提案だったとしたら、
なおさら採用会社ぐるみで応募者を侮辱しているのである。


ぼくなどの飲食業界未経験者で、高齢者としては、
数少ない面接のチャンスと、出かけて行ってしまうのが悲しい。

ひょっとして、今からでもやれるのかもしれない!

などという期待を持ってしまうのである。
その例にもれず、サンドイッチハウスもペケ。


趣味の面接、面接という取材を行っているぼくとしては、
会社研究、就活研究に役立っているのだが、
いかんせん資金がすぐに枯渇する。

交通費はバカになりません。

だがしかし、きょうもまた大阪市中央区のオーディオショップに
面接に行ってきます。


何度でも転職してもかまわないから、自分の居場所を見つけよう。
というのが、ぼくがお勧めする就活の方針。

では、どんな会社が居心地がいいいのかは、
一人ひとりの好みによって変わるだろうけど、
目安になるポイントを紹介してみましょう。

その1.

雰囲気が明るい。

もう少し足すと、空気が重苦しくない。
気分が明るい会社は、気持ちが明るいので、着ている服も明るいし、
動きも軽いし、笑顔の数だって多い。

これは、社長の持つ雰囲気もそうだけど、ポリシーみたいなものが裏付けてあれば、
さらに安定した明るさが定着すると思う。


その2.

上司を呼ぶときに、役職名で呼ばない。

もっといえば、名前に「さん」を付けて呼ぶ。
縦割りの「誰が偉いねん?」と、いつも肩書で仕事をする人たちが支配する会社は、
重苦しいし、どこかで不満が蓄積していることが多いから。


その3.

いつでもフランクに意見が言い合える。

さっきのつづきかもしれないけど、
フラットで、目標達成のためにみんなが問題解決を考え
発言できる会社だと、いい意見に素直に反応してくれるので
自分の居場所がここだと確認できる。


その4.

業績が伸びている。

ここでようやく業績の話が来るというのも変かもしれないけれど、
朝礼で軍隊みたいに「押忍(オス)!」なんて気合を入れなければならない会社は、
売り上げを上げることばかりにしか神経が集中していないことが多く、
業績が伸びているだけでは、居心地がいいとは限らない。

いい社風で業績が伸びている会社は、
おのずから目標を達成しようという気持ちが働くから、さらに雰囲気が良くなる。


その5.

上司が気さくに声をかける。

上司の出来具合が、会社の風土を左右する。
メンバー(部下ではなく、メンバーと呼ぶ)の一人ひとりの成長に興味があるから、
いつでも気さくに声をかけられる会社は、居心地がいい。

そこで、聞かれる質問も、縦割りの上司とはちょっと違う。

「この前の〇〇が問題だった取引先、うまくいった?」「そうなの! どういう工夫をした?」
と、メンバーの仕事に「いいね!」を伝え、課題解決の工夫点を自慢させてくれる。

これだと、この人のためにも頑張ろうと思う。

だいたい、こんなポイントに注意して会社を見てみよう。


あなたの就活の成功を祈る!


ある会社に就職した。

ぼくも結構年を取っているし、
専門知識を買われて、経営の中枢に所属する仕事を与えられた。

入社早々、取締役が営業メンバーを集めてミーティングするので、一緒に見ていてほしいといわれた。

話を聞いていると、どうもこのチームは、基本的なことが全くできていないという。
今まで何度も同じことを繰り返してきたが、ずっとできないままだという。

そして、ついに取締役は、どういえばわかってもらえるのか、自分にはもうわからない、と言い出した。

ぼくはその時思った。本人の仕事のやりかたを見たり、どこで工夫しているか聞くこともなく、
ただ単にいつも同じことを繰り返しているだけで、営業の気持ちも行動も変わるはずがない。

上司が、ただ偉そうに、当たり前のことを当たり前にするように、と唱え続けても
いっこうに変わっていない現実を見て、上司こそが指導法を工夫するべきだと。

こういう話は、本当にどこの会社にも転がっている。
何かを変えようとするなら、自分が伝えていることを実現するために、
どうすればいいかを上司が考えるべきだ。

口を酸っぱくして叱り続けることが仕事だと思っている。
考えない上司が多すぎる。

それがその会社の社長が続けてきた指導法だとしたら、
上司は自分の代で変えるべきだと思わなければならない。

それが「当たり前」ということなんだ。
上司のあなたこそ、当たり前のことを、当たり前にすべきだ。と、思った。

その数日後、今度はぼくが呼び止められて注意された。

ぼくがあまりにフランクに話しかけるからだろう。それを見て
この会社には、この会社のルールがあるので、それに合わせるように、と。

しかし、ぼくは、断った。
経営の中枢に入ったということは、悪しき風習を変える必要があると思っていたからだ。

その日は取引先の接待だったので、生返事をしてしておいたが、
ここで自分が折れたら、この会社は伸びないと思ったので、メールで退職を考えていると伝えた。
もし、その命令に従えというのなら、ぼくは従わない方を選択します、と。

それで、ぼくは退職した。

別に悪いことをしたとは思っていない。その会社の管理体制が変わるように、と、ぼくなりに判断した結果だ。
退職手続きをした日に、ぼくは別の上司に、自分の考えていることを伝えた。

そんなふうに辞めるのも、何度かあった。
しかし、ぼくのそんな風な意見を、まっすぐに受け止めてくれる会社もあった。

そこでは15人のチームを0から立ち上げ、リーダーを育てることができ、いい業績を残せたと思っている。
ぼくはこのままで行くだろう。

会社をすぐ辞めることに、何の問題も感じない。
だから、サラリーマンのみなさん。会社や組織や経営について勉強しよう。
そうして真剣にぶつかって、実力を身に着けてほしい。

粘り強く、社内を説得する力があれば、なおさらいいだろう。
でも、短い人生の大事な時を、わからずやの会社にそそぐつもりはない。

もし、辞めた会社から意見に耳を傾けてくれるとしたら、ぼくはすぐにでも説得しに向かうだろう。
そうではないのなら、ぼくはもっと力の注ぎがいのある会社を選ぶ。

世の中には、就職や転職をしたけど、すぐに辞めてしまう人って多くいると思う。

ぼくもそうだ。

もう少し我慢するべきだというふうに言われるのが普通だけれど、
ぼくの場合、正しいとか間違っているとかの評価はあまり気にならない。

それなりの理由があるのだから、感じたことは大事にしよう。

考え方によっては、短い人生なんだから、
自分に合わない職場はさっさと見切ってしまって、新天地を探すほうがいいとも言える。

大事なのは、辞めることにした、その判断に至った理由を感じ取っているかどうか。

そうして、正直なところを積み重ねていきながら、
自分にとって何が本当に大切なのかを理解することだと思う。

ぼくは、そこのところはワガママでいいと思っている。
自分の人生なんだから、自分がいいと思う生き方をすればいい。
人にやさしく、自分にもやさしくありたい。

その中で、社会に貢献して、生活していける方法を見つけ出せたらいいと思う。

今回だって短い間だけれど、いろんなことを勉強したのはラッキーだった。
それらは今後に生かされていくだろう。

潮時が早くても、かまわないよ。

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新宿を出発したとたん、
いきなりバスの窓を大粒の雨が激しく打ち始めた。
高速に乗り込む頃には雨の合間に雷が光った。

俺はこの件を振り返った。

興味のある職種の中身を知りたいというところから
転職のための応募をしてみたが、
そして広島、東京へと面接に出向いたが、
夢を持って頑張れる会社ではなかった。

またふりだしに戻ったのだ。

疲れによるメランコリックな気持ちに襲われた。
しかし、高揚感もあった。

自費で行動しているという自負が、
納得につながっているのかも知れなかった。

いくつかのサービスエリアでの休憩をはさみ、
朝の4時過ぎ、バスは神戸に到着した。

土曜の夜から月曜の朝までの時間だったが、
1週間ほどぶりの神戸に思えた。

さて、これからどう動こうか。

朝イチの電車までのあいだ
牛丼店でどんぶりを食べながら考えた。


つづく




広島から10日たった先週の日曜日、
俺は東京・恵比寿のウェスティンホテルの一室にいた。

役員面接の連絡が広島での面接の4日後にメールで入った。
ホテル業界で食器類の管理を行うというこの会社の事業に
興味を持ったのだ。

27年もいろんな会社を取材してきたのに、
こんな事業があるとは知らなかった。

職業的な病気といえるかも知れない。
俺は、就職活動というよりも、
自費で取材に出かけるような気持ちで
面接に出かけた。

マイナーリーグの選手のように、
夜間にバスで移動する。

あまり眠れず、早朝に到着してからまた一睡もせず
11時からの役員面接に望んだのだった。

貸し会議室のこの部屋は、
真ん中に大きな楕円形のテーブルがあり、
その真ん中に一人、見るからに体育会系の男が座っていた。

開口一番、今までのキャリアを捨てて、何ができそうかという質問。
失礼ですが、お年が、云々というところからの切り込み。

想定内の質問。

体調は最悪、面接の間に居眠りしないか心配だった。
しかし、そこは本番に強いライター。

役員からの年や、給料についての質問に答えながら、
今後の会社のビジョンやポリシーについて質問した。

会社ができたのは去年だが、
この業界最大手の会社からスピンアウトしたメンバーが
切り盛りする成長株という。

しかし、40代になったばかりの業務部長の話を聞いていると
社員とその下で働く数十人のスタッフたちに
負担を強いるかもしれない未来が見えてきた。

新会社としては、前にいた業界最大手のような管理部門を置かず
現場主義でチーフが
給与計算もアルバイト採用も労働管理も教育も行う。

そうすることで総務部などの管理コストもかけず
利益を増やすのだという。

今回採用になる職種は、マネージャー。
実際の現場は、ベテランのアルバイターを相手に
新入社員がやりこめられる絵が浮かぶ。

たたき上げの職人の世界。
そこにモチベーション管理や自律的成長できる組織づくりを
やりたいと考えていた自分をダブらせてみるが、
現実的ではなさそうな、場違いな気持ちになった。

早い話、思っていたところではなかったということだ。

経営のやり方はいろいろあっていい。
しかし、そこで働く人材の達成感や自己実現の期待に
どう応えていくのかは見えなかった。

事業は進む。利益を出せ。
そういう価値観は、
特に飲食系の他の企業にも多く見受けられるものだ。

俺は、最後に、この会社と業界最大手といわれる会社との
仕事の違いがどこにあるのか聞いた。

違いはある。しかし、それも自分たちの代からあと、
薄れていくかもしれない、ということだった。

たたき上げで作られていくリーダーが
経験則でしかサービスを捉えられないとしたら、
均一のサービスや、自己実現の達成感も、
目標も見えてこないだろう。

俺はそんなことを考えながら面接官に礼を言った。
内定の結果は、今月中に通知するということだった。

俺はこころのどこかで感じていたと思う。

これは就活というものではないかもしれない。

何かのためのリサーチ、
自分自身のなかにあるアンテナにしたがって
知りたいことを追求していく、
そんな活動を起こし始めたのかもしれない。

ホテルを出ると朝から降り続いていた雨がまだ降っていた。


つづく

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