2018年03月19日

OSK 「巴里のアメリカ人」大丸心斎橋劇場公演初日

音信不通ですみませんすみませんすみません。生きているのかと心配されている方、劇場で「更新されていないかなあと毎日ブログは見ているのよ」と声をかけてくださる方、申し訳ありません。

生きています。OSK公演もひと公演1回は見ています(香月蓮さんのラストステージは見ることができませんでした)。「三銃士 La seconde」は東京にも行きました。相変わらず長時間労働を強いられる職場にいますが、観劇には最大限の努力をして時間をひねり出しています(もっと回数見たいけど)。

いやー、長時間労働は精神を破壊しますね。休日は全力でもぬけの殻となって(もぬけの殻になるのって全力ですることとは思わなかったですが、まさにそんな感じ)、回復に努めないと、復旧できないという。容量が小さいからかなあ。

ついでに持ち主同様容量の小さいパソコンが動かなくなりました。ずんずんプログラムの更新するからね。ついににっちもさっちもいかなくなって、フリーズしたままになってしまい・・・。なんとかファイルを救出するだけはした(ごめん、私が救出したんじゃなくて、PC比較的得意な知人に依頼した)のですが、ワードからエクセルから、主要プログラムがのきなみ削除されてしまいいまやファイルが存在するだけの「でっかいUSB」みたいな存在になっております。「新しいの買えってことですよ」(←PC大得意の友人談)はい、買います…そのうち。

いいわけと近況報告はそのくらいにして、「巴里のアメリカ人」の初日の感想を。

映画は高校の時に大毎地下で見ました。(←関西在住の55歳以上の人間にしかわからない用語です。かつて大阪の堂島にあった毎日ホールの地下の名画座です。)そのときはダンスより何より、ガーシュインの音楽が鮮烈で、それしかおぼえてない。たしかアメリカ人のジェリーがパリに行くシーンでエッフェル塔だったか凱旋門だったか「This is The パリ!」な風景にガーシュインのわくわくするメロディとオーケストラのどわーっという盛り上がりがとにかく印象的でした。ストーリーは全く覚えていません。

OSK版、楽しかったです。ジェリー役の桐生(麻耶)さんの魅力爆発の舞台です。リズ(城月れい)もめっちゃ魅力的。快活で刺激的で、でも素朴でという相反する面を持ち合わせているというむちゃな設定ですが、このリズならありそう。ジェリーの恋敵となるアンリ(真麻里都)、ジェリーとアンリの友人のピアニストアダム(華月奏)、そしてジェリーを気に入ってスポンサーになるミロ(朝香櫻子)のメインキャスト陣はさすがの安定感。通し役ではないものの、街頭の人々や老齢のマダムを演じる麗羅リコ、街頭の人々や花売り娘を演じる穂香めぐみも好演。麗羅リコの随所での切れのある美しい動きにはいつも心が洗われるし、穂香めぐみの花売り娘がジェリーとデュエットで歌う場面では、「おおっ」と身を乗り出してしまいました。そこに全編に流れるのが今やスタンダードナンバーとなったガーシュインの名曲の数々だから、楽しくないわけがないです。

その上で、台本上というか構成上というか、演出上でふと感じたことを書いておきます。

映画「巴里のアメリカ人」で感じたのは、アメリカから見たヨーロッパへのあこがれでした。高校生の自分にとって西洋人は十把ひとからげに「西洋人」というくくりだったのですが、実はそうではない。軽妙で明るいアメリカ人があこがれを持ってのりこんだ、重厚で華やかな歴史を持ち、世界に名だたるおしゃれなパリ。パリのボードビルスターのアンリは、アダムの弾くジャズを「それは音楽なのか?」と皮肉る。アンリはウインナワルツが好きで、ジャズが嫌いらしい。(このへん、高校生の私にはよくわからなかったけど、フランスとオーストリアもまたちがうんじゃないのかな。)

「巴里のアメリカ人」なんですよ。異郷にまぎれこんだ、アメリカ人。ジャズはアメリカの象徴で、クラシックはヨーロッパの象徴なんでしょう。で、音楽は「ラプソディー・イン・ブルー」で「ヨーロッパのクラシック音楽とアメリカのジャズを融合させたシンフォニックジャズ」を評価されていたジョージ・ガーシュイン。もう明らかに狙ってますよね、アメリカVSヨーロッパ、アメリカ人の目から見たあこがれのヨーロッパ。そのヨーロッパのパリジェンヌが、パリジャンの婚約者よりアメリカ人を選ぶわけですよ。アメリカ人にとってのマジカル・ミラクル・ファンタジック・ドリームですやん。

この「アメリカとヨーロッパの対比」がOSK版では弱いと思いました。アンリは重厚でおしゃれなヨーロッパの象徴的なキャラクターのはずで、かなりのおっさんじゃないんですかね。社会的地位もあって人間的にも尊敬できるしっかりした年かさの人物で、対してジェリーは軽妙(軽薄…?)で若々しい、でも、のし上がっていくエネルギーを秘めた新興国のアメリカを象徴するキャラクターだと思うんですよ。OSK版ではそういうところは、キャスティングをみてもあまり重視していないように思います。

ま、楽しいからいいんじゃないかなと思います。あと7回見ます。ではまた。


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