2014年08月01日

OSK新橋演舞場公演「レビュー夏のおどり」初日

OSK新橋演舞場公演「レビュー夏のおどり」初日。

松竹座公演からの変更点で私が気がついたところを中心に、軽い雑感を。


【第1部】
・「ヨーイヤサア」のかけ声はなく、いきなりチョンパではじまった。ワタシ的には「夏のおどりはヨーイヤサア」をやって欲しかった。なぜなら、OSKの「春のおどりはヨーイヤサア」は大阪弁イントネーションの音階で、SKDの「東京踊りはヨーイヤサー」は東京弁の(つまり標準語の)音階だったので、東京で大阪音階のかけ声をやって欲しかったんですよね。という感想をもらしたら、「いや、春と秋は大阪弁のイントネーションが同じだから同じ音階でいけるけど夏は違うから新しい音階を作らなくちゃいけないんで、やらなかったんじゃないか」という友人がいました。そうなのかな。真偽のほどは不明。


・松竹座ではオープニングは出雲の阿国の扮装の桜花昇ぼる)さん、その両脇に高世麻央)さん、桐生麻耶)さんが舞台奥の壇上にいたけど、今回は桜花さんは舞台の前方部分に板付で始まる。


・鼠小僧の捕物帖の冒頭、捕り手が花道後方から登場。でも舞台下手から出てきていた人たちもいたような。


・鼠小僧捕物帖、ダブルダッチの内容が若干変わっていた。


平次桜花昇ぼる)と鼠小僧真麻里都)の追っかけっこは、平次が上手のいちばん舞台に近い客席出入り口ドアから入ってくる。松竹座では上手桟敷席のドアから平次と鼠小僧が顔をのぞかせるだけだったが、今回は平次が上手から、鼠小僧が下手から客席に入ってきている。…と思う。あとから書くように新橋演舞場、客席が広い、だから上手の席に座っていると下手が見えにくいので鼠小僧の様子は詳細はわからない。


・なにわの若旦那だった高世麻央が徳利持って飲んだくれている素浪人に変更。多分江戸からの流れ人。なにわの香りはしない。ワタシ、友人たちに「高世さんが月形半平太になっていた!」と言ってしまったんですが、訂正。月影兵庫です。月代の手入れをしていなくて髪が伸びている状態のちょんまげでした。チェリーガールズ演じる町娘にちょっかいだそうとして振られ、お店に入ったあとにモテモテになるのは同じだけど(でも多分この素浪人、いかにもお金なさそうなんで食事は町娘におごられていると思う)、シャープなキャラクターになりました。「ミナミの歌」も1番はそのまま、2番が銀座バージョン、劇場は歌詞も背景の絵も新橋演舞場になった。


・同じく鼠小僧の景。歌舞伎役者の背景に興行をあらわす幕が加わった。


【第2部】
・ブラックアンドホワイトの最初の女役の衣裳がホットパンツから薄い生地のプリーツスカートに変更。ニューオリンズ勢が退場するときの方向が男役と女役が逆。


・フィナーレ、舞美りら)さんの独唱部分がカット。


気がついたのはそれくらいです。

全体の印象、雑感を。基本的には松竹座公演の内容をそのまま新橋演舞場に持ってきたかんじ。内容は同じだから余計に違うところがわかるのかも知れない。舞台も客席も、新橋演舞場は松竹座より大きい。松竹座の座席数は1033席。新橋演舞場は1428席。舞台も奥行き、幅とも、素人目にはよくわからないが何度も何度も何度も見た公演を同じ内容で演じるのをみるといろいろなところで「あ、大きい」と感覚的なものでふっと感じる。それが大きな違いとは感じないようにうまく演じている。だけどこのちがいはひょっとして、フォーメーションを正確にとる、群舞を売り物にするOSKには結構しんどい変化なんじゃないかなとふと思った。もちろん普通に見ているぶんにはしんどさが感じられはしないのだけど、ほら、14回も見たからね、私。


そして鼠小僧の景ような客席を使う演出にとってはこの変化はやはりしんどいです。出演者が長い距離を走らねばならないというしんどさはおいといて、客にとっても視界の取り方を広げねばならない。私自身が新橋演舞場の大きさにまだ慣れていません。


考えてみると、OSKにとって1428席という規模の劇場で公演するのは、実は歴史的な大事件ではないのでしょうか。少なくともここ10年の再結成後はなかったと思います。森ノ宮ピロティホール(2005年「SUNRISE」ほか)で1030席。シアターBRAVA!(2007年「バロン」)で1136席。サンケイホールブリーゼ(2010年「YUKIMURA〜我が心炎の如く」)で912席。大阪国際センター大ホール(2010年「女帝を愛した男」)で1006席。なんばHatch(2012年「ブラインド」、2013年「熱烈歌劇2013」)で755席。近鉄時代はどうだったのか今宿泊先なので資料を繰って詳細を調べられませんが、近鉄劇場で900席くらいだったはず。博覧会イベント公演などではあるかも知れませんが、多分そういう特殊な例を除いてはないと思われます。そうなるとひょっとして1973年の50周年記念公演のフェスティバルホール以来かも知れません。いや、そうではないかもしれませんがとにかく、「新橋演舞場という由緒のある立派な劇場で公演する」ということはもちろん、1500席に近い規模の劇場での公演ということだけでも、何十年ぶりくらいのレベルでの歴史的な出来事なんだと改めて思った公演でした。



chidori527 at 23:30│Comments(3)TrackBack(0)clip!OSK全般 | 新OSK

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この記事へのコメント

1. Posted by 月夜のワルツ   2014年08月02日 02:52
ちどりさま、早くも公演記事をアップしてくださりありがとうございます。


1回目の回には、白髪の方々が多く見られました。杖をつかれたり、娘さんらしき人に付き添われたりしながら、皆さん瞳をきらきらされてのご観劇でした。
この日を本当に楽しみに暮らしてらっしゃったのだろうと思うと目頭が熱くなりました。

昨年の日生に続き、また東京でOSKレビューが上演された意義はとても大きいです。東京に再び、レビューが根付きますように願ってやみません!
2. Posted by 月夜のワルツ   2014年08月02日 03:07
追伸 ご存知かもしれませんが、演舞場前の喫茶“絵李花”は演出家宮本亜門さんのご実家です。亜門さん、素晴らしい環境でお育ちデス。是非お立ち寄りくださいませ(^-^)
3. Posted by ちどり   2014年08月17日 09:24
>月夜のワルツさん。情報ありがとうございます!宮本亜門氏のおかあさまがSKDのご出身で、劇場の前で喫茶店をなさっていることは何かのエッセイかインタビューかで読んだことがありました。小さい頃から楽屋に出入りして「エイトピーチェスというのは選り抜きのダンサーの集まりなんだ」とか、すっかり知っていたとか。新橋演舞場の前だったんですね。コメントいただいた翌日、しっかりコーヒー味わいに行きましたよ。ああ、20年くらい前に何かで読んだ喫茶店はここだったんだーと感慨しきりでした。

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