第11話



 結人と、そっくりな顔をした、ヒナと呼ばれる少年。
 彼は、今日も、神無理事長の自宅にいた。
 神無理事長の寝室の、広いベッドの上に・・・。
 そこで、神無理事長の股間に顔をうずめ、神無理事長の太い肉棒を、ヒナは、小さな口と赤い舌をたっぷり使って、舐めたりしゃぶったりと、全裸で、尻をくねらせて見せながら、ご奉仕しをしていた。
 神無理事長の肉棒の全て、余すところなく、細い首をひねって、亀頭から根元まで、蠱惑的で小悪魔的な色気を出しながら、グチュグチュと、いやらしい水音をたてながら。
 そんなヒナだったが、不意に、何かを思い出したように、楽しそうに、笑いだした。
「あはは!!アイツ・・・日向結人。・・・もうダメだね。頭の中、グッチャグチャで、心もボロボロになったよ!!ホント、傑作ってヤツ?・・・・・・・いい気味だよ」
 ヒナの笑いは、自分と同じ顔をした結人を、嘲笑するものだった。
 結人のことを、何一つ、思いやる心のない、冷たい目をしながら。
 そんなヒナの、突然の奇行ともとれる笑いだが、肉棒をしゃぶらせていた神無理事長は、顔色一つ変えずに、男性器を刺激されていたというのに、特に興奮した様子もない、いつもの冷徹な顔のまま、ヒナに声をかけた。
「朝霧密が、日向結人の正気を、繋ぎとめたのではなかったのか?」
 ぶっ壊れだした結人が、自分から傷ついた密に会いに行き、密や器の秘密を聞き、密の愛の告白を受け、落ち着きを取り戻したと、不機嫌そうに報告をしてきたのは、今、目の前で、神無理事長の陰茎の液体に、ふっくらした唇をいやらしく濡らしている、ヒナなのだ。
 結人が幸せになることが、ヒナは、憎いのだから。
 だが、その同じ口で、ヒナは、その結果、結人がどうなったか、楽しそうに話し出した。
「密が、結人の願いを叶えるって、大事にするっていった。・・・・・・だからだよ。結人は、もっと、壊れた。結人は、大切にされたこと、なかったからね。要だけじゃなく密にまで、そんなことされて。もう、どうしていいか、分からないんだよ、アイツ。どんどん出来ていく、大事な人たちに、頭がおかしい自分を見せないためにどうしたらいいか、そればっかりに、必死になってる。バカだからさ、自分で自分を、追い詰めていってるんだよ。ホント、いい気味・・・」
「なるほどな・・・」
 そう返事しながらも、神無理事長は、そのことに興味なさそうに、ヒナの頭を、無理矢理、大きな手で、押さえつけ、離れていたヒナの唇を、神無理事長の肉棒につけさせた。
「あん・・・理事長ってば、急かさないでよ。僕は、ちゃんと、ヤるから」
 ヒナは、今度は、神無理事長の肉棒を、口に含まず、指でこすりながら、裏筋を舌で舐め始めた。
 そして、ヒナの舌技によって、ヒナの目の前で、角度を持っていく神無理事長の肉棒を見ながら、満足そうに、薄く笑った。
「・・・・・・もうすぐだね・・・」
 この極太の棒が、ヒナの尻の穴に突っ込まれるまで、あと少し・・・。
 そして、日向結人が、完全に壊れるのも、あと、もう少し・・・。
 それが、ヒナの心に、幸福感を滲ませてくれた。
「ねぇ、理事長。もっと、もっと、裏から手をまわして、結人の心、徹底的に、復元できないくらいに、ぶっ壊してよね」
 そんな黒い願いが、結人と同じヒナのかわいい顔に、冷たい笑みを、たぎらせた。
 神無理事長も、酷薄に、口を歪めて笑うと、ヒナへの返事の代わりに、ヒナの細く小さな体を、両腕で持ち上げると、神無理事長のそそり立つ凶器へと、ヒナの体を落とし、ヒナの狭いアナルの入口を、一気に切り開いた。
「・・・・やぁ・・あ・・・・・んん・・・・・」
 ヒナの細い背中が、ズブズブと、容赦なく、直腸を切り裂きながら埋められていく神無理事長の肉棒の圧力に、弓なりに反らされた。
 その、容赦ない挿入に、痛みはあった。
 けれど、ヒナは、男を魅了し、興奮させ、感度を高めるための、甘くて高くて、つやっぽい喘ぎ声をあげた。
「・・・・はぁ・・・・ぅ・・・うん・・・・・きもち・・・・いぃ・・・・・・おく・・・・・もっとぉ・・・・・・・・あぁあん・・・・・」
 神無理事長を満足させるために、ことさら、大きく、啼いた。
 けれど、自分の中に埋まっていく熱い肉棒を感じながら、ヒナは、また、結人のことを考えて、笑った。

 あと・・・・・・・少し・・・、と。

 神無理事長の凶器のような極太の肉棒が、ヒナの最奥の壁に到達するのも・・・・。
 そして、結人の心が、ぶっ壊れてくれるのも・・・。

 あと・・・・・・少し・・・。


 だって・・・、
(朝霧密にも、九条要にも、もちろん他のヤツにも、日向結人の本当の痛みは、理解できないんだからさ・・・)
 人の痛みは、結局、人のもの。
 人の痛みを、想像して、それで、何がわかるさ。
(本当に、理解することなんか、できないんだから・・・・)
 だから、結人は、絶対に、救われない。
 救われるはずがない。


「ねぇ、理事長・・・・・・・。人間って・・・・・ほんと、バカで、おかしい生き物だね・・・・」

 ヒナは、神無理事長の体をまたいだ対面座位の体位で、アナルに突き刺された肉棒を、ギュウっと締め付け、自ら、激しく腰を振りながら、また、冷たく笑った。
 結人と同じ顔で・・・。





 密に告白され、密に願いを告げたあと、結人は、密の腕に抱きしめられながら、笑顔だった。
 でも、同時に、あることを思い出していた。
 心の中だけで・・・。
 密が前に、結人にいったことを。
 結人は、密が生きたかもしれない未来の形なんだと、そういった。


 器を辞めた密と、今、器である結人のことを思って出てきた言葉なんだろうな・・・。
 密が、器を辞めなかったら、今、ここにいる器は、密だったんだろうから・・・。


 器として生きている、今のおれ。
 おれを見ていたら、密は、つらいんだね・・・。
 おれが、笑って、幸せになってないと、苦しいんだね・・・。
 器を辞めたうしろめたさから、解放されないで、つらいんだね・・・。


 だったら、密のために、幸せにならないといけないと、結人は、焦ってしまった。

 けれど、焦りを隠して、結人は、笑った。
 幸せになる方法が分からない自分を、必死に、隠して、笑った。
 密が唇を近づけてきたから、笑ったまま、そのキスを、結人は受け入れた。


 でも、結人の心の奥が、ずきっと、痛んだ・・・。



 しあわせって・・・・・・・・なに・・・・・?
 どうすることが・・・・・・・・しあわせ・・・・・?





 この頃のおれは、本当に、愚かで、子供で、世間知らずで、バカで、だから、本気で思っていた。
 コンビニで、どうして、『しあわせ』を、売ってくれないんだろうと。
 売ってくれたら、時間かかっても、ちゃんとお金をためて、がんばって、買うのに、と。
 みんなが、こんなに、『しあわせ』をほしがっているのだから、ぜったい、売れるだろうに、と。

 でも、結局、コンビニでもスーパーでもデパートでも、『しあわせ』は、売ってなかった。


 だから、おれは、代わりに、自分の心を、隠した。
 幸せでない自分を、否定した。
 密に、幸せな器を、見せないといけないと思って・・・。


 密の言葉は、今のおれに向けられている言葉。

 大切な人と生きる、今が、現実になっていく感覚が、襲ってくる。
 過去に、生きられなくなる。
 過去に、逃げられなくなる。
 おれの『しあわせ』は、大好きなお父さんとお母さんがいた、過去にあるのに・・・。



 それが・・・・・・・・・・・・・・・つらい・・・・・・・・。



 そして、
 だれも気づかないまま、
 ゆっくり、ゆっくりと、
 おれの心は、壊れていった。



 これが、きっと、おれが受けるべき・・・・・・罰。


                第11話 罰 (終)





※番外編のお知らせで、更新が遅れたおバカな理由を書いてますw
 一応、前の、密と結人の会話と、セットで読んでもらうべき内容だったのですが、
 分かれてしまって、すみません。・゚・(ノД`)

 あと、ヒナは、重要なキャラですが、これからしばらくは、
 ちょびっとずつしか出ないので、覚えててくれると助かります(;´Д`)
 結人と同じ顔をした少年で、理事長と積極的にセックスしながら、
 要たちの情報を、理事長に流している子です。



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腐道の心得(BL~ボーイズラブ~を学ぼう)
 ※『腐道の心得』には、散らされた花の行方のことも、ちょっと書いてます(けっこう?w)
  最近は、散ら花書く時の、裏話とか、日記的になってきてますw