第12話 好きの気持ち



 生徒会室を追い出されていたのは、密と泉介だけで、結人は誠志に、拉致られていた。
 扉を閉める瞬間に、誠志が、結人の細い手首をつかみ、無理矢理、部屋に引きずり込み、高身長の誠志の体で、ちっちゃな結人を背後に、うまく隠すように。
 どういう生き方をしてきたら、こういうことがうまくなるのか、不思議なほど、あまりにも、自然に、結人は、誠志に捕獲された。
「要、良かったな。お前好みの枕が、来たぞ」
 誠志は、生徒会室のソファーで寝ていた要に、そう声をかけると、結人をそのソファーに突き飛ばした。
「っやっ!!」
 結人から、思わず漏れ出た、驚きの声を無視して、誠志は、寝ている要の頭を持ち上げると、無理矢理、ソファーに座らせられた結人の膝の上に、要の頭を乗せた。
「えっと・・・香守先輩?」
「日向、要の枕になっていろ」
 誠志に、また、なにか、いやらしいことをされるのかと、ビクビクしていた結人は、唐突なことに、大きな瞳を、きょとんとさせた。
 突然の、要のための、ひざ枕状態。
「なんだ、日向?嫌だとでも言うつもりか?」
「あ、いえ、だ、だいじょうぶです!」
 不機嫌そうな誠志の口ぶりに、結人は、慌てて、両手を振って、返事をした。
 日頃お世話になりっぱなしの要の枕になれるのは、結人にとって、逆に、うれしかった。
 ただ、気になったのが、要が、誠志に、乱暴に頭を持ち上げられても、まったく、目を覚まさなくて、結人は、心配になってしまった。
 要は、そんなに深く眠るほど、疲れているのかと。
「あの、香守先輩・・・。要さん、どうしたんですか?・・・その、だいじょうぶですか?」
 切なそうな大きな瞳を、結人が誠志に向けると、誠志は、顔色一つ変えずに、あっさり、
「要が最近、ほとんど、寝ていないからな。無理矢理、香守家の香りを吸わせて、眠らせた」
 そう言った。
 ソファーに、力づくで、要を押し倒し、嫌がって暴れる要にのしかかって、押さえ込み、香守家の力を染み込ませた布で、口をふさぎ、薬漬けにして、強制的に、眠らせたと。
 香守家の香りの力には、こうして、相手の意志を、無理矢理、捻じ曲げ、へし折り、四肢の自由を奪い去り、眠らせたりする使い方もあるという、なんだか怖い解説付きで。
「・・・へ、へぇー、そ、そうなんですね・・・」
「お前にも、使ってやろうか?そうだな、日向、お前には、自分から男のチンポを欲しがるくらい強力な、催淫効果のある香りでもかがせてやろうか?」
「い、いいです!!おれは、いいです!!まにあってます!!」
「なら、大人しく、疲れている要の枕になっていろ」
「・・・はい」
 いろいろと無知な結人は、香守家の力というものも、知っておいた方がいい気もしたけれど、誠志と話すと、怖い方向へばかり話しが行くので、慌てて、首を横に、ぶんぶんと振って、拒絶した。
 とりあえず、香守家の力は、いろんな意味で怖いものだとは、結人もわかったけれど、要は、安らかな寝顔で、すやすやと寝ているので、要に使ったのは、そういう危ないものではないのだろうと、結人は、深く追求するのをやめた。
 きっと、誠志なりに、要を心配して、寝かせてあげたのだろうと。
 やり方は、力づくで押し倒してと、かなり、強引だけど・・・。
 なので、結人は、ひざ枕の任務を、がんばることにした。
「要さん、ぐっすり、眠ってる」
 結人は、ひざの上にある、無防備な要の寝顔を見ながら、要の頭に、そっと、触れてみた。
 要の柔らかな髪の感触が、ふわっと、結人の手に伝わってきた。
 要が、起きる様子がないので、そのまま、結人は、手を、もう少しつけて、要の頭を、なでなでしてみた。
「うわぁ・・・」
 いつもと立場が逆で、結人は、うれしくなって、思わず、感動の声を出してしまった。
 いっつも、要に、甘やかされて、やさしくしてもらってばかりなので、このひざ枕と、頭なでなでは、結人的に、心がほわほわして、うれしさで、きゅーんと、鳴きたくなった。
 おまけに、仰向けに寝ている要の顔が、近い距離で、よく見えて、こんなにまじまじと観察するのは初めてかもと、結人は、楽しくなってしまった。
 なので、浮かれた結人は、要の長めに伸ばした前髪を、少しだけかきわけて、普段、見えないその部分も、わくわくしながら、見つめだした。
「うわぁ。すごいなぁ。寝てる要さんって、かわいく見えるー。あ、まつげ、長い。鼻、高いなぁ。あ、ちょっと、タレ目なんだ。へぇー。あ、ほっぺ、やわらかい、えへへ」
 ちょっとだけ芽生えたいたずら心で、結人は、要のほっぺたを、指先で、ちょんちょんと、ぷにぷにしてみた。
 要は、服を着ていると、スラっとした細身に見えるけれど、脱いだら、しっかりとした筋肉がついているのを、もう何度も、浄化という名のセックスを要としてきた結人は、見て、知っていた。
 だから、顔も、硬いのかなと思ったら、ほっぺたには、柔からさがあって、結人は、また、楽しくなってしまった。
 なんだか、お腹を無防備にさらして甘えてくる、大型犬を、わしゃわしゃして、かわいがっているような感覚になってしまって。
(なんか・・・・・・・・たのしい!!えへへ)
 結人の中に、ぽわんぽわんした、よろこびが湧いてきて、結人の顔が、楽しそうにとろけてしまった。
(要さんって、きれいな顔・・・。でも、男らしいんだよなぁ。ふしぎ・・・)
 自分も、要ぐらいに背が伸びれば、自分のこの子供っぽい顔と、さよならして、こんな風に、かっこよくなれるかなぁと、多分・・・いや、絶対に、ムダに終わるだろう想像をしながら。
 でも、結人は、信じている!
 今は、平均身長をはるかに下回る、この自分の小さな体も、成長期さえくれば、ぐんぐん大きくなって、たくましくもなって、要や誠志の身長も抜いて、頼られる存在になれると。
 今は、みんなが立って話していると、大きな箱を持ってきて、それに乗らなければ、結人は、みんなと、視線を同じ高さにできないけど、きっと、大きくなる日がくると、結人は信じている。
 そんな、楽しい気持ちで、いっぱいになっていた結人だったが、その心に、ジワジワと染み込んでくるように、心配な気持ちも、わいてきてしまった。
「・・・でも、要さん、こんなに疲れるまで、なにをしているんですか?」
 誠志に向かって、そういった後に、結人の頭に、神無理事長のことが浮かんで、もっともっと、要のことが、心配になってしまった。
 目の前の誠志に、前に、ドアの隙間から見せられた、神無理事長に犯されている時の要の、ものすごく、つらそうな顔が、結人は、忘れられなかった。
(いやなのに、されるのって・・・・・つらいの、おれ、知ってるから・・・)
 嫌がるこわばった体に・・・閉じた尻の穴に・・・無理矢理、男の肉棒を突き込まれる激痛も、結人は、身を持って、知っているから。
 その瞬間は、体だけじゃなく、心まで、貫かれたようで、本当に、痛くて、苦しいのだ・・・。
 だから、したくないのに、セックスさせられるのは、体力も気力も使い果たして、倒れるくらいに、疲れ果ててしまう事も、結人は知っているから。
 だから、神無理事長に、また、無理矢理されて、要が、こんなに疲れているのだとしたらと思うと、結人の瞳に、ジンワリと、涙のしずくが、うかんだ。
けれど、目の前で、机に腰かけていた誠志は、また、顔色一つ変えずに、あっさりと、答えてきた。
「企業買収だ」と。
「ええ?!」
「半分、冗談だ」
「・・・半分なんだ・・・」
 半分冗談で、半分本気の、企業買収って何だろうと、結人は、考え込んだ。
 要のこの疲れが、神無理事長とのつらいセックスのせいじゃないことには、ほっとしたけれど、そもそも、高校生の要が、企業買収をしていることが、よくわからなかった。
 というか、企業買収というのが、何をどうしたらどうなるものなのか、結人には、よくわからなかった。
 でも、助けになりたい。
 でも、バカな自分が聞いて、分かる内容かなぁと、要の頭をなでながら、結人が悩んでいると、ずっと、変わらない冷静な瞳で、結人と要を見ていた誠志の表情が、初めて、変わった。
 どこか、落ち込んでいるような、暗いものへと。
 声質まで、少し、落ちて。
「要は、基本的に、睡眠をとらない。やることがありすぎて、時間の足りなさが、眠ることへの強迫観念を生むからだ。自分を犠牲にすることを、微塵も厭わないから、限界を超えても、まだ、動き回る。だが、今日は、俺の目から見ても、度が過ぎていた。だから、今日は、香守家の力で、無理矢理、眠らせた」
「・・・そうだったんですね・・・」
 そんなにひどかったのかと、結人は、さっきまで、楽しんでいた自分が恥ずかしくなって、そんなに大変な要のことが、悲しくなって、結人は、要を起こさないように、ゆっくりゆっくり、要の呼吸にあわせるように、要の頭をなでた。
「・・・要さん、そんななのに、いつも、おれに、いっぱいいっぱい、やさしくしてくれてて・・・」
 結人が不安がっている時、要は、いつも、笑いかけてくれて、こんな風に、頭をやさしく撫でてくれるのを思い出して、結人の鼻が、瞳にたまってきた涙で、ぐすんと鳴った時、誠志が、「だからだ」と、声をかけてきた。
 でも、その「だからだ」は、要に負担をかけている結人を責めている言葉じゃなかった。
 要のことを想っての、誠志の言葉だった。
 その言葉は、こう、続いたから・・・。
「だが、日向といるときは、要は、安心して寝ているだろう?」
「・・・・・・・・え・・・・」
「要のそばに、日向がいることが、要の癒しになっている。日向が一緒に寝てほしいと、要に言えば、こんな香守家の力を使わなくても、要も睡眠をとってくれる」
「・・・・・・・おれが・・・・・かなめさんの、いやし・・・・・」
「日向。要のことを、少し、気をつけて、見ててやってくれるか?要に、限界を越えさせないように」
「香守先輩・・・」
 誠志の言葉で、このひざ枕の意味が、やっと、結人は理解できた。
 誠志が、ものすごく、要のことを大事に想っていて、無理矢理、要を眠らせたのも、要の体を気づかってだったことも。
「おれ、がんばって、要さんのこと、みてますね。いっぱい、いっぱい、みてますね」
 満面の笑みを浮かべた結人は、思わず、張り切った声を上げてしまった。
 要の役に立てることが、自分にあるのが、うれしかったから。
 それに、誠志に、頼られる日がくるとは、思わなかったから。
 しかも、あの誠志が、ものすごく、珍しく、しおらしい雰囲気で。
(やっぱり、香守先輩は、要さんと、すっごく、なかよしなんだ。男同士の友情?親友?になるのかな。なんか、いいなぁ、そういうの)
 と、結人が、ほかほかになった心で、そう思ったのも、つかの間。
 感激して、ウルウルと、誠志を見上げた結人の、半開きの口は、突然、誠志の薄い唇にふさがれ、唇を奪われてしまった。
(ええ?!!)
 近距離にある、誠志のメガネの奥の切れ長の瞳が、あざ笑っていた。
 やっぱり、結人は、ばかでした。
 あの誠志が、しおらしさを見せて、終わるわけがなかった。
「ん・・・!!んん・・・や、やだ・・・ぁ・・・・」
「俺から、顔を、逸らすな」
 疲れ切って、眠っている要の頭を、ひざに乗せた状態で、こんなことをされるなんて、結人は、嫌だった。
 それは、誠志だって、わかっているのだろうに、なのに、誠志は、より深く、口づけてきた。
 やめてほしくて、結人は、誠志の両肩を、必死に、両手で押し返そうとしたけれど、服の上から触っただけでわかる、誠志の頑強な筋肉のついた肉体に、非力な結人が勝てるはずがなかった。
 強引に、何度も攻められるキスのせいで、結人の小さな頭は、ソファーの背もたれに、押し付けられ、逃げ場がなくなった。
 それをいいことに、結人の唇を、さらに、強く深く、誠志は奪いだした。
「・・・や・・・やだ・・・・・やめ・・・」
「そんなに暴れるな、日向。それとも、要が目を覚ましても、いいのか?」
「・・・だ・・・・だって・・・・ねむらせ・・て・・・・・るんじゃ・・・・や・・・・・んん!!」
「さぁ、どうだろうな。試してみるか?」
 縛られていないのに、誠志の言葉で、結人の体は、動けなくされた。
 疲れている要を、暴れて、起こしたくない。
 それに、起こして、寝ている要の頭上で、こんなエッチなことをしているなんて、結人は知られたくなかった。
 そんな、身動きが取れなくなった結人を、口の端を歪めて、誠志が笑うと、結人の唇をなぞっていた誠志の舌が、結人の口の中に、ニュルっと、侵入してきた。
「・・・っん!・・・・・・ぁ・・・・・・・だめ・・・・・・」
 結人の口の中で、歯列や唇の裏の弾力をなぞるように、しばらく、誠志の舌が、好き勝手に、結人の口の中を、たっぷりと、犯されまくった。
 かと思うと、されるがまま、ディープキスをされながらも、大人しいままだった結人の舌の下に、誠志の舌を滑り込まれ、無理矢理、舌同士を絡めさせられた。
 誠志の舌技は、年相応とはとても思えないほど、大人でいやらしい舌使いで、角度を何度も変えて、口の中を犯されてしまい、すぐに、ピチャピチャと、互いの唾液が絡み合ういやらしい水音が、結人の口の中で、激しく鳴り響きだした。
 結人の顔が、真っ赤に染まり、呼吸を乱されるのも、あっという間だった。
「・・・ん・・・・ふ・・・・・・・ぁ・・・・・」
「いやらしい口だな、日向」
 誠志は、そういうと、結人のふっくらした下唇を、誠志の舌と下唇で挟まれ、あまがみのように、下唇を噛まれ、いやらしくもきつく、吸われた。
「・・・っんん!!」
 思わず、ビクンと揺れてしまった体を、結人は、必死に、ソファーにつなぎとめた。
(反応したら、だめだ!!要さんを、おこしちゃう・・・!!)
 そればかりを考えて、体を、ぎゅうと、縮こませた結人に、誠志は、さらに、容赦なかった。
 ソファーにつけられていた誠志の男らしい大きな手が、ゆっくりと、結人の肩に触れ、細い肩をなぞるように触りながら動き、首筋をなで、鎖骨をたどり、結人の平らな胸に、落とされた。
 そして、その手が、制服の上から、結人の乳首を中心にして、ゆっくりと、でも、いやらし手つきで、大きく撫でまわし始めた。
 そこを、どれだけいやらしく触られているかがわかるほど、制服のシャツに、大きなシワができるほどに。
「・・・・・・・や・・・・・!」
「日向、俺だけを、見ていろ」
 結人が、思わず、助けを求めるように、要のほうへ向けた顔を、誠志に、片手であごをつかまれ、引き戻され、メガネの奥の瞳で、ジッと、にらみつけるよう、見すえられた。
「・・・・だ・・・だって・・・・・・かなめさんの前で・・・・こんなこと・・・・・・・・んん!!」
 逃げる言い訳を口にする、結人の唇を、また、誠志の唇にふさがれ、無理矢理、また、ディープキスをされた。
 そして、結人の胸を撫でまわしていた誠志の手が、結人の制服のシャツのボタンに、かけられた。
(・・・・・だ・・・・・だめ!!)
 心の中で、結人は叫んだけれど、誠志の手は止まらず、結人の制服のボタンを、上から、一つ、また一つ、ゆっくりと、時間をかけて、でも、見てもいないのに器用に、外していった。
 けれど、ボタンは一番下までは、外されず、中途半端に、制服のシャツを乱された状態で、シャツの下へと、誠志のその手をいれられ、結人の柔らかくて、すべすべした肌を、直接、触られ始めた。
「・・・・んん・・・・・ふ・・・ぁ・・・・・や・・・・・」
 要をひざに乗せ、寝かせたまま、誠志のいやらしい行為は、さらに、濃いものに変わっていった。
 そして・・・。




※今回と、たぶん次回は、誠志人気と、誠志×結人人気のため、
  前のサイトでは、書かなかったエロシーンを、追加です(・∀・)つ

  要と誠志の関係性や、結人と要の立場弱点シーンも、たっぷり、追加しましたw


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 ※番外編・深淵は、本編を読まれた後に、お読みください。
散らされた花の行方(番外編)

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腐道の心得(BL~ボーイズラブ~を学ぼう)
 ※『腐道の心得』には、散らされた花の行方のことも、ちょっと書いてます(けっこう?w)
  最近は、散ら花書く時の、裏話とか、日記的になってきてますw