メールで寄せられた相談内容:
別の社員がリストラされ、業務が増えましたが人員を増やしてくれません。

残業は社内規定では月45時間までと決まっていますが、すでに超過しています。

人を増やしてほしいと言っても増やしてくれず、有給も取るなと言われます。

今月も明らかに45時間を超える残業となるのは明らかで、このままでは体がもちません。

どうしたらいいでしょうか?

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問題点だと思うのは以下の3点かと思います。

①残業時間の限度について

②有給休暇を取るな!という対応

③休めずに体がもたない、、、という状況

 

まず、①残業時間の限度について

労働者の労働時間は原則18時間、週40時間です。

これ以上働かせてはいけないのが労働基準法の原則です。

ただし、労働基準法36条には「労働者を法定労働時間(1日8時間1週40時間)を超えて労働させる場合や、休日労働をさせる場合には、あらかじめ労働組合と使用者で書面による協定を締結しなければならない」としています。この書面での協定がいわゆる「36(サブロク)協定」といいます。

仮に、この会社が「正当な手続きによって」36協定を結んでいるということを前提としても、この協定で「残業時間は月45時間」と決めているのであれば、それを超えるということはこれまた6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる「労基法違反」になります。

 

②有給休暇を取るな!という対応について

有給休暇という権利は、「雇用されてから6カ月」後に、「勤務日数の8割出勤」していれば発生する権利です。

正社員だけでなく、パートやアルバイトにも発生する権利です。
(労働時間によって日数は変わってきますが、ゼロということはありません)

そして、この有給休暇は原則「自由に取得できる」こともポイントです。

会社側にも「時季変更権」という権利がありますが、これはよほどの理由がないと認められません。ましてや「有給はとるな」「我が社に有給はない!」なんていうのはもってのほかです。

相談者さんの場合は、「雇用されてから6カ月」「勤務日数の8割出勤」をクリアしているのであれば、有給休暇を自由に取得できる権利はあり、それを妨げることは許されません。

 

③休めずに体がもたない、、、という状況について

労働者を雇用する会社には、いわゆる「安全配慮義務」という義務があります。

これは労働契約法第5条に定められている義務で、

「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」とされています。

なお、厚生労働省の通達により、上記の条文の「生命、身体等の安全」には、心の健康(精神的な健康)も含まれることとされています。

 

相談内容では、この義務を果たしていないということで、会社側には早急に対応をする責任があると言えます。

 

権利は行使できなければあまり意味がない
とはいえ、相談者さんがこの法律を社長に提示して、改善を求めて改善するようであればすでに解決しているようにも思えます。(残業や有休問題も同じですね)

 

要は、この会社の義務=労働者にとっては「権利」を行使するための手立てが必要だと思います。

こういった一人では、使用者との力関係で権利も守られないという状況を改善させるのが労働組合の役割の一つです。

 

労働組合は憲法と憲法に基づく労働組合法で保護をされた「労働者の権利行使の武器」です。

労働組合に加入したことを理由に差別や嫌がらせをしてはいけない。とともに、労働組合からの交渉の申し入れ(団体交渉)には会社は「誠実に応じなければならない」と定められています。

もし会社が、労働組合からの「改善要求」に誠実に対応しなければ「不当労働行為」という違法行為に該当します。

職場環境を改善せていくためにも、やはり労働組合に加入する(または職場の仲間と共に労働組合をつくる)ことを検討してはいかがでしょうか。