2017年09月22日

食遊上海431 『黔香閣』 - 白酒好きの日本人留学生と三十年物の白酒で別れの宴!

例の「白酒が大好きな日本人留学生」が留学期間を終えて帰国することになり、別れの宴を張った。(→前回の飲み会

集合時間まで余裕があったので、南京西路の『Goose Island Brewhouse』(→過去記事)で一人ゼロ次会と洒落込んだ。白酒大会の前にこんな余裕をかまして最近失敗したばかりの気もするが、誤った行動を改められるのは、本気で反省している者だけである。(←名言風にしょーもないことを言う)

↓一応は大人しく小サイズを頼んだのに、困ったことに、ハッピーアワーで大が出てきた(笑)
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ほろ酔いで、会場へ向かう。今回は彼が秘蔵している貴州の白酒を持ってきてくれるというので、料理も貴州料理で合わせることにした。店は、お馴染みの『黔香閣』(→前回訪問)。ただ、メンバーが集まりやすい場所を考慮して、これまで行ったことがなかった世紀大道駅の九六広場店を試してみた。

巨大ショッピングモールの中にあるだけに、他の支店より内装がお洒落な感じだ。白酒の持ち込み料を200元だか300元取ると言われたときには絶句したが、そこはあれ、中国ならではの臨機応変さというやつで、交渉の結果、「白酒用のグラスを出すと持ち込み料を取らざるを得ないんですが、茶碗やビールグラスで飲んで頂く分には持ち込み料は結構です」という言葉を店員から引き出すことができた。やったね。

で、下の写真がこの夜の主役、帝茅神だ。かの茅台酒と同じ茅台鎮仁和酒業有限公司が蔵が醸した醤香型の白酒である。原料はコーリャンと小麦で、度数は53度。そして、なんと熟成期間は三十年!!

↓帝茅神。「30年」の文字がまぶしい。
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↓どーん。
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↓さて、どんなお味か。
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早速、五名のメンバーで乾杯!

うお、恐ろしくすっきりしている。醤香型ならではの豊かな香りとコクは確かにあるのだが、白酒特有の舌を刺すような感じがなく、旨味が穏やかに口の中に広がり、優しい余韻を残しながら喉の奥へ消えていく。これが三十年熟成の実力か・・・!

「・・・これはいいお酒だねえ!」

心からそう言うと、例の彼は言った。

「僕がこれまでで一番美味しいと思った白酒なんです。良かったです」

三十年物という稀少品だけに、簡単には入手できない。彼は、過去の茅台旅行時に知り合った茅台鎮仁和酒業有限公司の友人から分けてもらったのだそうで、そんな貴重な品を供出してくれたことに大感謝だ。つか、茅台を醸す会社に知り合いがいるって、どんな学生だよ(笑)。

その後の宴は、定番の貴州料理を肴に、大いに盛り上がった。三十年物の白酒は早々に底を付いたので、僕が持ち込んだ貴州の玉米酒(とうもろこし蒸留酒)を引き継ぎに向かえ、杯をあおった。

この日のメインディッシュは、糟辣豆腐烏江魚。巨大な鯰のぶつ切りをまず揚げて、発酵唐辛子のスープで豆腐と共に煮込む。素晴らしいコクと辛味。つるりとした肉質の鯰だからこその旨さ。豆腐も何気にとても旨い。

↓糟辣豆腐烏江魚。
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二番手は魔芋焼土鴨。魔芋=こんにゃくで、貴州ではよく食べる。それとアヒルのぶつ切りを発酵唐辛子で炒め煮にしたもので、辛味のある香りが立ち昇り、実に旨い。こんにゃくと歯応えの強いアヒル肉との食感の対比も良い。

↓魔芋焼土鴨。
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その他は定番なので、簡単に。

↓毛肚拌莴笋は、茹でた牛のセンマイとセルタスに糍粑辣椒ベースの激辛タレをかけたもの。
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↓貴陽泡菜は、キャベツやニンジンの漬物。箸休め。
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↓糟香螺は、巻貝の酒漬け。辛味も効いている。
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↓鸡丝蕨根粉は、ワラビ粉ヌードルの激辛黒酢和えに蒸し鶏を添えたもの。
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↓折耳根炒老腊肉は、折耳根と老腊肉(熟成中華ベーコン)の炒め物。
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↓ダメだ、飲みすぎて名前を思い出せない。干したタケノコの煮込み鍋。
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↓蒜蓉炒貴州野菜。水東辛菜に似たシャキッとした青菜の大蒜炒め。
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↓〆はもちろん怪噜炒飯!世界で最も複雑な味のチャーハンだ。
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彼とはもっと早く知り合って、もっとたくさん白酒を酌み交わしたかったなあ。まあ、彼が今後中国畑で働くことは確実だから、いつかどこかで再会する機会もあるだろう。

この日の最後も、そんなことを言い合い、固く握手をして別れた。

白酒を愛する若者の前途に、酒の神のご加護があらんことを!


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2017年09月21日

食遊上海430 『和事佬関東大地鍋』 - 超巨大鉄鍋煮込み・鉄鍋燉で送別会!

異動の季節。総勢十数名の駐在員が集まり、社内公式の歓送会が催された。幹事役の後輩が手配したのは、東北料理。しかも、ドが付くほどのローカル店だ。

「お偉いさんたちも来るのに、君も攻めるねえ(笑)」
「いや、主賓が東北料理がいいって言うものですから・・・。やっぱりマズイですかね」
「いいよいいよ、歓送会で主賓の言葉以上に重んじるべきものなどない」

会場が中華だというだけで文句を言いそうな人の顔がいくつか浮かんだが、僕は笑い飛ばした。中国駐在員界では、数週間後に日本に帰る相手を日本料理屋で歓送するという、普通に考えたら嫌がらせみたいな歓送会が広く行われているが、そんな悪習に我々が倣う必要はあるまい。

店は、上海火车站近くの『和事佬関東大地鍋』。四人がけのテーブルが六つほどの小さな店だ。日本人が十名以上も一気に押しかけたことはこれまでなかったようで、店員たちは不思議そうに僕らを観察していた。

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いわゆる普通の東北料理店とは違って、店の名物は、「鉄鍋燉(铁锅炖)」。超巨大な鉄鍋で鶏だの豚肉だの魚だのを煮込む、素朴かつ豪快な料理だ。

元々は、東北地方の農家が台所の竃に巨大な鉄鍋をあつらえ、様々な食材を煮込んで食べていたものが原型のようで、この店でもテーブルは竃を模した作りで、そこに炭火を置き、超巨大な鉄鍋をのせられるようになっている。

↓テーブルはこんな感じ。
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↓蓋を取る。鍋の直径は80cmくらいかな。
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↓鍋を取ったところ。ここに炭火を置く。
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鉄鍋燉は厨房であらかた煮込まれてから運ばれてくるので、出てくるまで結構時間がかかる。その間は、東北地方の哈爾浜啤酒(ハルピンビール)で、東北地方ならではの前菜をつまんだ。

この店の食器は、全て琺瑯製。取り皿は昔ながらの懐かしい柄で、コップに至っては文革デザイン。東北地方出身の後輩は、「昔はうちでも使ってましたよ。懐かしい」と声を上げた。

↓懐かしい食器。
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↓哈爾浜秋林紅腸。中華ソーセージ。
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↓東北大拉皮。緑豆の粉で作った幅広春雨を黒酢や大蒜のタレで和えてある。
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↓老醋花生。ピーナツの黒酢漬け。
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↓沾醤菜。葱・醤油・香菜などを豆腐皮で巻き、肉味噌につけて食べる。
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場が温まったところで、白酒の登場だ。もちろん東北地方のもので、遼寧省の鞍山老窖である。

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今回は普段の気楽な飲み会とは違うので、僕は白酒を持ち込もうとは言わなかったのだが、会社を出る直前になって、幹事の後輩が「白酒持ち込みましょう」と言い出し、それを聞いた上司が「一本じゃ足りないだろ」などと言った結果、何本も持ち込むことになった。卓上に並ぶ白酒の瓶を見たお偉いさんたちは、最初こそ「何で身内で白酒を…」とボヤいていたが、何だかんだで宴の最後まで杯を舐めていた。

大変結構なことだ。わが社に素晴らしい文化が根付きつつある(笑)。

↓追加の一本は、山東省の琅牙台。
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と、下らないことを言っているところに、鉄鍋燉の登場だ。鉄鍋燉は豚、鶏、ガチョウ、魚、カエルなど、メインの食材によって8種類に分かれていて、この日は酸菜大骨(白菜の漬物と骨付き豚肉)と小笨鶏(平飼い鶏)の2つが選ばれた。そして、それぞれの鍋には、配菜(追加の具)として、寛粉(幅広もっちり春雨)、榛蘑(東北の黒いキノコ)、木耳が追加された。

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大きな鉄鍋が卓上に置かれると、みなから「おお」と歓声が上がった。写真だと分かりにくいが、直径80cmくらいの大鍋だ。迫力は満点である。しかも、底が深い鍋なので、量もたっぷり。一つの鍋が200-250元するのも納得だ。

僕が座った席の前に置かれたのは、下の写真の酸菜大骨(白菜漬物と骨付き豚肉)。透明なピロピロは寛粉で、鍋肌の黄色い物体は、貼大餅子(玉蜀黍粉の饅頭)だ。

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早速、自分の分を琺瑯の皿にどさっと取る。肉がでかい。とりあえず骨付き豚肉と書いたものの、いわゆる豚スペアリブ(排骨)なんぞではなく大腿骨なので、骨の太さも、その周りの肉の量も段違いだ。

長時間煮込まれた肉は、軽く歯を当てるだけでホロホロと骨から崩れ落ちるほどで、とても柔らかい。そこに酸菜の発酵の旨味が加わるのだから、美味しいに決まっている。当然、肉の旨味を吸ってトロトロになった酸菜の方だって美味しいし、もっちりした寛粉も間違いのない旨さだ。幸せだなあと、白酒をあおる。

そうそう、鍋肌についていた貼大餅子(玉蜀黍粉の饅頭)も忘れてはいけない。玉蜀黍の香ばしい香りとみっしりした食感が魅力だ。ものすごく腹にたまるが、東北料理を喰いに来たら、腹がはち切れんばかりの満腹は最初から覚悟しておかねばならない。

↓腹一杯。
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隣のテーブルの小笨鶏(平飼い鶏)は、全景を撮り忘れてしまった。そちらも美味しかったのだが、肝心の鶏肉の印象が薄い。なんせ、隣のテーブルにいた後輩に盛ってくれるよう取り皿を渡したら、「酒徒さんしか食べないと思うので」と寄越したのがこれである。おい。

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ま、煮込まれた頭部はトサカまで美味で、舌や脳味噌も喰えるのでお得ではある。でもって、お代わりを頼むともう一度取り皿を渡したら、次はこれだ。

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ま、よく味が染みた鶏の足はむっちりしたゼラチン質が最高で、コリッとした軟骨もまた美味…っておい!結局、もう一本の足も僕が食べた(笑)。

満腹泥酔で一次会はお開きになったが、それでも二次会には行く。南京西路までタクシーを飛ばし、『TAP HOUSE』へ(→過去記事)。

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帰宅したのは何時だったのだろう。とりあえず、半裸状態で居間に寝ている自分を発見したのは、翌日、朝五時のことだった。


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2017年09月20日

青島出張11 - 再び『船歌魚水餃』。今度は独りで辣炒花蛤と三鮮蠣蝦水餃!

青島出張10 - 空港にできた『船歌魚水餃』で、とりあえず青島名物を詰め込む!」の続きです。

翌日。朝からの面談を終え、昼前には出張者とともに青島空港へ戻った。

「せっかく青島に来たのに、生の青島ビールが飲めなかったのは残念です」と出張者が言うので、彼がチェックインを済ませる間、出発フロアにある店を眺めてみたところ、丁度良く生の青島ビールを出しているカフェを見つけた。なんとまあ、後輩思いの先輩だろう。・・・どうせ自分が飲みたいだけだろとか思った人は、心が汚れている人ですよ。

ということで、出張お疲れの一杯。

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生の青島ビールには、ヴァイツェン(小麦)だのシュヴァルツ(黒)だの何種類かあるが、ここにあったのは一番スタンダードな原漿(酵母無濾過)のみ。濃厚で、わずかな酸味がある。一番好きなのはヴァイツェンに当たる小麦だが、これはこれで旨い。

「いっちょ仕事頑張って、今後は頻繁に青島に来られるようにしたいものですね」
「同感。なんとかこの案件を仕上げよう」

と言い合って、乾杯。

出張者が安全検査に消えていくのを見送り、腕時計を見る。僕のフライトまではまだ一時間半ほど時間がある。これなら何とか間に合うかな?

僕が足早に向かったのは、昨日も訪れた三番出口向かいの『船歌魚水餃』だ。機内食は食べない主義の僕にとって、空港でもそこそこ真っ当な地元料理が食べられる青島空港は、本当にありがたい存在になった。

まずは、青島で最もメジャーな料理と言っても過言ではない、辣炒花蛤(アサリの唐辛子炒め)。昨夜の会食では絶対出てくると思っていたのだが、意外にも肩透かしを喰らったので、ここで補給しておくことにしたのだ。

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やや塩気が強かったが、ビールがあれば没問題。ちゅるちゅるちゅると10個くらいを一気にすすり、青島ビールをぐいー!の無限ループ。気付けば一人でアサリ200匹近くの大量虐殺!

↓アサリのお供。
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〆は、またも魚水餃。今日は、餡を一種類に絞って三鮮蠣蝦餡をチョイス。つるりもっちりとした皮の中には、青島沖で捕れる天然の蠣蝦(サルエビ)と豚肉と韮を合わせたジューシーな餡が詰まっている。一皿18個もあったが、味に起伏があるので、余裕で瞬殺!

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膨らんだ腹をさすりながら、ほろ酔いで飛行機に乗り込んだ僕なのだった。

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