2009年11月20日
西昌6 - 単純の極み!3度も通った彝族料理屋!その2
昨日に引き続き、西昌滞在中に3度も通った彝族料理屋『老約家』から。
四川の彝族料理において、昨日の砣砣肉と並んで有名なのが、酸菜湯らしい。
彝族の酸菜は、半茹でにした青菜を水に漬けて発酵させてから乾燥させたもので(ややこしい)、
その独特の風味を活かしてスープ(湯)を作るのである。
僕らが食べたのは、酸菜土豆湯。
酸菜と一緒にジャガイモの薄切りがたっぷり入っていて、葱が散らしてあった。
一般的に、スープのダシには砣砣肉を茹でたときの湯を使うようだ。
基本の味付けは酸菜任せで、それに唐辛子で辛味をつけ、極わずかな塩で味を調えてある。
↓赤味がかったスープ。彝族の柄杓は、飲み口の方がやや尖っていて、とても飲みやすい。

↓酸菜とジャガイモがごっそり入っている!

これが、とても美味しい。
ちょいとクセのある酸菜の風味を唐辛子の辛さがすっと引っ張り、実に澄んだ後味になる。
辛さはしっかりあるが、無駄な塩気がまるでなく、飲めば飲むほどクセになる。
酸菜はかなり筋張っていて、「これは食べるものなのか?」と思ったくらいだが、
香りも塩気も酸味も旨味も全部これから出ているのだから、見事にダシの役目を果たしている。
既製品か手作りか分からないが、恐らくはまともに作ったものなんだろうな。
別の日に頼んだ腊肉青菜湯も、実にシンプルなスープだった。
白濁したスープのダシは、豚の三枚肉を使った立派なカタマリベーコン。
その旨味と塩気が味付けの全て。瑞々しい青菜がスープの旨味を吸って、とても旨い。
ただ、あんまりにも大量のベーコンが入っているので、どんどん塩辛くなるのが玉に瑕(笑)。
↓こちらのスープは白濁している。

↓ベーコン入れすぎ。こんなに食べれませんって(笑)

恐らく昔、1年に1匹しか捌けなかった豚の肉を長持ちさせるためにベーコンを作り、
それを大勢で少しずつ食べるために生まれた料理なのだろう。
肉を保存するための塩気が旨味を凝縮させ、そのまま料理の味付けにもなる。うーむ、効率的。
こういうのを食べると、塩の代わりに薬品を加えて「減塩!健康!」とか言ってる食品は
本末転倒だと思ってしまう。そんなに塩分が嫌なら、保存食品なんて食べなければいいのに。
つか、何よりああいう減塩食品が好きになれないのは、100%本来の作り方より不味いところだ。
お次は、これまで書いた2つのスープを更に上回るシンプルスープ・連渣菜だ。
大豆を水と共に磨砕したものを漉したのが豆乳で、それににがりを加えると豆腐になるわけだが、
連渣菜に入っているのは漉す前ににがりを加えたもので、ほろほろのカタマリになっている。
それに青菜が入っていて、スープ自体には何の味も付いていない。
雲南の大糯黒村で食べた青菜スープと同じように、蘸水と呼ばれるタレを加えて食べるのだ。

蘸水は結構複雑な味で、分かった限りでも、水、油、唐辛子ペースト、ニンニクペースト、
胡麻、万能ネギが入っている。ただ、塩気は控えめで、たくさん入れても嫌味な味にならない。
素朴な大豆の香りが、とてもいい。
最初こそタレがないと物足りなかったが、食べ進むと、そのままでもいい気がしてくる。
大豆のコク、青菜の甘み。身体が内側から洗われるような、清清しい美味しさなのだ。
↓これが蘸水。ここは四川なので、容赦なく辛い。

スープ系を3連続で紹介したところで、お次は野菜の炒め物。
高地だけに野菜の種類が豊富とは言えない西昌だが、何故か白瓜をよく食べるようだ。
写真の炒白瓜は、この店に限らず、どこでも見かけた。

ある意味、こういう何てことのない炒め物の旨さが、この店の実力を表わしているとも言える。
控えめな塩気と程よい火入れが、白瓜の仄かな甘みを引き立てる。
素材の味を超えた調味をしてしまっていた先日のキノコ屋とは、全然違う。
さて、最後は主食2連続で締めよう。
下の写真は、ダッタン蕎麦(苦蕎)の粉を使って焼き上げた蕎馍馍だ。
同じくダッタン蕎麦の粉で作った雲南の苦蕎粑粑はガレットのようにペラペラな薄さだったが、
この蕎馍馍はパンケーキのように分厚い。

正直、大した期待もせずに手に取ったのだが、これがむちゃむちゃ旨かった。
口に近づけた側からダッタン蕎麦の力強い香りがふわりと漂い、表面は香ばしく、中はむちっ。
素朴ながらも豊かな蕎麦粉の味わいの中には仄かな甘みもあって、地味だが妙に旨い。
他店で食べた蕎馍馍には特に何も思わなかったし、この店でも2回食べたうち1回は
焼き上がりがイマイチで中心部が変に硬かったから、旨い蕎馍馍は結構レアなのかもしれない。
↓粉の旨さを味わう、大人のお菓子。あ、主食か。

そして、酸菜飯。
最初のスープに使われていた酸菜とは異なり、高菜のような漬物を刻み入れたチャーハンだ。
アルミのお碗に雑然と盛られた様子はとても旨そうに見えないが、これが実に旨かった。

中国のチャーハンは、単体で食べるのではなく他のおかずと一緒に食べるのが前提なので、
大抵は日本のチャーハンより塩気が控えめだが、この店のはそれにしても薄味だった。
漬物の塩気を利用して調理することをわきまえている。当たり前のことをちゃんとやれている。
「どの料理も、本当に美味しいね」
「でも、他地域の中国人からは、『こんなの料理じゃない』って言われちゃうんだろうな」
昔の日本と同じで、経済発展に沸き、新しい料理や豪華な料理がもてはやされる今の中国で、
こういう料理が評価されるわけないとは思うが、少なくともこのブログでは力強く応援したい。
旅先での食事回数には限りがあるので、「色々な店の開拓」と「特定店の掘り下げ」の
どちらを選択するかはいつも悩む。それは「ここより良い店があるかも」と思うからだが、
今回、この店に3回通ったことに対しては、全く悔いはない。
雲南のような農村ならともかく、市街地のド真ん中でこんな店に出会えるとは思わなかった。
もし西昌に行く人がいたら、是非試してみてくださいな。
■今日の料理■
酸菜土豆汤 suan1cai4tu3dou4tang1
腊肉青菜汤 la4rou4qing1cai4tang1
连渣菜 lian2zha1cai4
炒白瓜 chao3bai2gua1
荞馍馍 qiao2mo2mo・
酸菜饭 suan1cai4fan4
撮影@『老約家』
住所:四川省凉山彝族自治州西昌市南苑東路58〜60号(南苑小区内)
電話:0834-217-4513
四川の彝族料理において、昨日の砣砣肉と並んで有名なのが、酸菜湯らしい。
彝族の酸菜は、半茹でにした青菜を水に漬けて発酵させてから乾燥させたもので(ややこしい)、
その独特の風味を活かしてスープ(湯)を作るのである。
僕らが食べたのは、酸菜土豆湯。
酸菜と一緒にジャガイモの薄切りがたっぷり入っていて、葱が散らしてあった。
一般的に、スープのダシには砣砣肉を茹でたときの湯を使うようだ。
基本の味付けは酸菜任せで、それに唐辛子で辛味をつけ、極わずかな塩で味を調えてある。
↓赤味がかったスープ。彝族の柄杓は、飲み口の方がやや尖っていて、とても飲みやすい。

↓酸菜とジャガイモがごっそり入っている!

これが、とても美味しい。
ちょいとクセのある酸菜の風味を唐辛子の辛さがすっと引っ張り、実に澄んだ後味になる。
辛さはしっかりあるが、無駄な塩気がまるでなく、飲めば飲むほどクセになる。
酸菜はかなり筋張っていて、「これは食べるものなのか?」と思ったくらいだが、
香りも塩気も酸味も旨味も全部これから出ているのだから、見事にダシの役目を果たしている。
既製品か手作りか分からないが、恐らくはまともに作ったものなんだろうな。
別の日に頼んだ腊肉青菜湯も、実にシンプルなスープだった。
白濁したスープのダシは、豚の三枚肉を使った立派なカタマリベーコン。
その旨味と塩気が味付けの全て。瑞々しい青菜がスープの旨味を吸って、とても旨い。
ただ、あんまりにも大量のベーコンが入っているので、どんどん塩辛くなるのが玉に瑕(笑)。
↓こちらのスープは白濁している。

↓ベーコン入れすぎ。こんなに食べれませんって(笑)

恐らく昔、1年に1匹しか捌けなかった豚の肉を長持ちさせるためにベーコンを作り、
それを大勢で少しずつ食べるために生まれた料理なのだろう。
肉を保存するための塩気が旨味を凝縮させ、そのまま料理の味付けにもなる。うーむ、効率的。
こういうのを食べると、塩の代わりに薬品を加えて「減塩!健康!」とか言ってる食品は
本末転倒だと思ってしまう。そんなに塩分が嫌なら、保存食品なんて食べなければいいのに。
つか、何よりああいう減塩食品が好きになれないのは、100%本来の作り方より不味いところだ。
お次は、これまで書いた2つのスープを更に上回るシンプルスープ・連渣菜だ。
大豆を水と共に磨砕したものを漉したのが豆乳で、それににがりを加えると豆腐になるわけだが、
連渣菜に入っているのは漉す前ににがりを加えたもので、ほろほろのカタマリになっている。
それに青菜が入っていて、スープ自体には何の味も付いていない。
雲南の大糯黒村で食べた青菜スープと同じように、蘸水と呼ばれるタレを加えて食べるのだ。

蘸水は結構複雑な味で、分かった限りでも、水、油、唐辛子ペースト、ニンニクペースト、
胡麻、万能ネギが入っている。ただ、塩気は控えめで、たくさん入れても嫌味な味にならない。
素朴な大豆の香りが、とてもいい。
最初こそタレがないと物足りなかったが、食べ進むと、そのままでもいい気がしてくる。
大豆のコク、青菜の甘み。身体が内側から洗われるような、清清しい美味しさなのだ。
↓これが蘸水。ここは四川なので、容赦なく辛い。

スープ系を3連続で紹介したところで、お次は野菜の炒め物。
高地だけに野菜の種類が豊富とは言えない西昌だが、何故か白瓜をよく食べるようだ。
写真の炒白瓜は、この店に限らず、どこでも見かけた。

ある意味、こういう何てことのない炒め物の旨さが、この店の実力を表わしているとも言える。
控えめな塩気と程よい火入れが、白瓜の仄かな甘みを引き立てる。
素材の味を超えた調味をしてしまっていた先日のキノコ屋とは、全然違う。
さて、最後は主食2連続で締めよう。
下の写真は、ダッタン蕎麦(苦蕎)の粉を使って焼き上げた蕎馍馍だ。
同じくダッタン蕎麦の粉で作った雲南の苦蕎粑粑はガレットのようにペラペラな薄さだったが、
この蕎馍馍はパンケーキのように分厚い。

正直、大した期待もせずに手に取ったのだが、これがむちゃむちゃ旨かった。
口に近づけた側からダッタン蕎麦の力強い香りがふわりと漂い、表面は香ばしく、中はむちっ。
素朴ながらも豊かな蕎麦粉の味わいの中には仄かな甘みもあって、地味だが妙に旨い。
他店で食べた蕎馍馍には特に何も思わなかったし、この店でも2回食べたうち1回は
焼き上がりがイマイチで中心部が変に硬かったから、旨い蕎馍馍は結構レアなのかもしれない。
↓粉の旨さを味わう、大人のお菓子。あ、主食か。

そして、酸菜飯。
最初のスープに使われていた酸菜とは異なり、高菜のような漬物を刻み入れたチャーハンだ。
アルミのお碗に雑然と盛られた様子はとても旨そうに見えないが、これが実に旨かった。

中国のチャーハンは、単体で食べるのではなく他のおかずと一緒に食べるのが前提なので、
大抵は日本のチャーハンより塩気が控えめだが、この店のはそれにしても薄味だった。
漬物の塩気を利用して調理することをわきまえている。当たり前のことをちゃんとやれている。
「どの料理も、本当に美味しいね」
「でも、他地域の中国人からは、『こんなの料理じゃない』って言われちゃうんだろうな」
昔の日本と同じで、経済発展に沸き、新しい料理や豪華な料理がもてはやされる今の中国で、
こういう料理が評価されるわけないとは思うが、少なくともこのブログでは力強く応援したい。
旅先での食事回数には限りがあるので、「色々な店の開拓」と「特定店の掘り下げ」の
どちらを選択するかはいつも悩む。それは「ここより良い店があるかも」と思うからだが、
今回、この店に3回通ったことに対しては、全く悔いはない。
雲南のような農村ならともかく、市街地のド真ん中でこんな店に出会えるとは思わなかった。
もし西昌に行く人がいたら、是非試してみてくださいな。
■今日の料理■
酸菜土豆汤 suan1cai4tu3dou4tang1
腊肉青菜汤 la4rou4qing1cai4tang1
连渣菜 lian2zha1cai4
炒白瓜 chao3bai2gua1
荞馍馍 qiao2mo2mo・
酸菜饭 suan1cai4fan4
撮影@『老約家』
住所:四川省凉山彝族自治州西昌市南苑東路58〜60号(南苑小区内)
電話:0834-217-4513
2009年11月19日
西昌5 - 単純の極み!3度も通った彝族料理屋!
今回の旅は、西昌の中心部に宿を取り、毎日日帰りで郊外に食べに行く形を取った。
終バスがなくなるのが早いので、基本的に日暮れ前には郊外を離れ、夕食は中心部でとった。
結構な都会だけに色々な地方料理のレストランがあったが、僕らが食べたいのは彝族料理だ。
事前に調べた彝族料理レストラン一覧表を基にいくつか偵察をしてみたが(←ヒマですね)、
有名な店ほど歌と踊りがメインの観光客向けで、覗き見た料理にも何だかオーラがない。
ああいうんじゃなくて、彝族自身が通うレストランに行きたいんだよな。
そう思って訪ねたのが、南苑東路の『老約家』だ。
西昌のローカル掲示板で、彝族の人が「歌も踊りもないので雰囲気には欠けるが、味は良い。
いつも地元の彝族で賑わっている」と書いていたのである。
情報通り、店は彝族で溢れ、大層賑やかだった。老板も店員も、全て彝族のようだ。
これだよこれ!僕らにとっては、歌や踊りより、地元の彝族が集う雰囲気こそが魅力的だもん。
住宅地の一角にある小さな店で、自分では絶対に見つけられなかっただろうから、
あの書き込み情報にはいくら感謝してもし足りないくらいだ。
だって、西昌での計6回の夕食中、結局3回もこの店に通ってしまったのだから。
↓室内に数卓、あとは野外席の小さな店。 ↓円卓も食器も彝族モチーフ。


もちろん、それだけ通ったのは、雰囲気だけじゃなく、料理が素晴らしかったからだ。
彝族の料理は、単純極まりない。
雲南の大糯黒村で食べた彝族料理もそうだったが、焼くだけ、煮るだけ、そういうものばかりだ。
だが、だからこそ、素材の良し悪し、ちょっとした塩梅が「肝」になる。
この店は、そのあたりが町中の店とは思えぬほど良かった。
「化学調味料を入れないで」と頼んだときに「了解〜!」と軽く流されたところを見ると、
普段は使っているのかもしれないが、出てきた料理にあの味はしなかった。
前置きが長くなったが、そろそろ料理に移ろう。
薄暗かったのでどれも写真は冴えないし、そもそも華がない料理ではあるが、味は最高なのだ!
トップバッターは、砣砣肉。
豚肉の塊を茹でただけのもので、昔は味付けも塩だけだったが、
今はどの地域でも乾煎りした唐辛子と花椒をまぶすのが一般的になっているそうだ。
そのへんはやはり四川だな。雲南で食べた彝族料理には全く花椒が使われていなかった。

こういう単純な料理が何だか妙に旨いのは、やはり豚肉の質が良いからだろうか。
柔らかく、無駄な脂っぽさがなく、香りが良い。
唐辛子と花椒の刺激が食欲を高め、程よい塩気が肉の旨味を上手く引き出している。
茹でただけの肉、と馬鹿に出来ない旨さなのだ。
元々は結婚式のときにだけ食べるご馳走だったそうだが、それも納得だ。
この砣砣肉、豚肉を使うのがもっともポピュラーだが、牛・羊・鶏バージョンもあって、
別の日には鶏肉を使った砣砣鶏を食べた。

これもまた良し。都会とは、鶏の地力が違う。
こういう素材の味をそのまま味わう料理を食べると、「グルメ」とは何なのかと考えてしまう。
都会で手の込んだ料理を高い値段で食べ歩くより、もっと幸せに近付く方法がある気がしてくる。
子豚の肉を炭火で焼いた烤乳猪片にも、同じことを思わされた。
上質の子豚を用い、上手に焼くことだけに気を配れば、味付けは塩だけでもむちゃむちゃ旨い。
普段はそれほどたくさん肉を食べない連れも僕も、この店では本当によく食べた。

表面の皮はパリッと焼き上がり、噛むと香ばしさが鼻に抜ける。
焼いている間に程よく脂が落ちていて、子豚の肉だけが持つ柔らかさ、甘さが存分に味わえる。
こんな単純な料理ならどこで食べても同じだろ、と思ってはいけない。
上に挙げた3つの料理を他の店でも食べてみたが、驚くほど差があった。
素材に大きな差はないはずだから、やはり「単純な料理ほど実は難しい」ということなのだろう。
・・・やはり3回分の食事を1つにまとめるのは無理か。長くなったので、続きはまた明日。
今日は肉料理ばかり並べて食傷気味だと思うので、明日はもう少しヘルシーにいきます(笑)。
■今日の料理■
砣砣肉 tuo2tuo2rou4
砣砣鸡 tuo2tuo2ji1
烤乳猪片 kao3ru3zhu1pian4
撮影@『老約家』
住所:四川省凉山彝族自治州西昌市南苑東路58〜60号(南苑小区内)
電話:0834-217-4513
終バスがなくなるのが早いので、基本的に日暮れ前には郊外を離れ、夕食は中心部でとった。
結構な都会だけに色々な地方料理のレストランがあったが、僕らが食べたいのは彝族料理だ。
事前に調べた彝族料理レストラン一覧表を基にいくつか偵察をしてみたが(←ヒマですね)、
有名な店ほど歌と踊りがメインの観光客向けで、覗き見た料理にも何だかオーラがない。
ああいうんじゃなくて、彝族自身が通うレストランに行きたいんだよな。
そう思って訪ねたのが、南苑東路の『老約家』だ。
西昌のローカル掲示板で、彝族の人が「歌も踊りもないので雰囲気には欠けるが、味は良い。
いつも地元の彝族で賑わっている」と書いていたのである。
情報通り、店は彝族で溢れ、大層賑やかだった。老板も店員も、全て彝族のようだ。
これだよこれ!僕らにとっては、歌や踊りより、地元の彝族が集う雰囲気こそが魅力的だもん。
住宅地の一角にある小さな店で、自分では絶対に見つけられなかっただろうから、
あの書き込み情報にはいくら感謝してもし足りないくらいだ。
だって、西昌での計6回の夕食中、結局3回もこの店に通ってしまったのだから。
↓室内に数卓、あとは野外席の小さな店。 ↓円卓も食器も彝族モチーフ。


もちろん、それだけ通ったのは、雰囲気だけじゃなく、料理が素晴らしかったからだ。
彝族の料理は、単純極まりない。
雲南の大糯黒村で食べた彝族料理もそうだったが、焼くだけ、煮るだけ、そういうものばかりだ。
だが、だからこそ、素材の良し悪し、ちょっとした塩梅が「肝」になる。
この店は、そのあたりが町中の店とは思えぬほど良かった。
「化学調味料を入れないで」と頼んだときに「了解〜!」と軽く流されたところを見ると、
普段は使っているのかもしれないが、出てきた料理にあの味はしなかった。
前置きが長くなったが、そろそろ料理に移ろう。
薄暗かったのでどれも写真は冴えないし、そもそも華がない料理ではあるが、味は最高なのだ!
トップバッターは、砣砣肉。
豚肉の塊を茹でただけのもので、昔は味付けも塩だけだったが、
今はどの地域でも乾煎りした唐辛子と花椒をまぶすのが一般的になっているそうだ。
そのへんはやはり四川だな。雲南で食べた彝族料理には全く花椒が使われていなかった。

こういう単純な料理が何だか妙に旨いのは、やはり豚肉の質が良いからだろうか。
柔らかく、無駄な脂っぽさがなく、香りが良い。
唐辛子と花椒の刺激が食欲を高め、程よい塩気が肉の旨味を上手く引き出している。
茹でただけの肉、と馬鹿に出来ない旨さなのだ。
元々は結婚式のときにだけ食べるご馳走だったそうだが、それも納得だ。
この砣砣肉、豚肉を使うのがもっともポピュラーだが、牛・羊・鶏バージョンもあって、
別の日には鶏肉を使った砣砣鶏を食べた。

これもまた良し。都会とは、鶏の地力が違う。
こういう素材の味をそのまま味わう料理を食べると、「グルメ」とは何なのかと考えてしまう。
都会で手の込んだ料理を高い値段で食べ歩くより、もっと幸せに近付く方法がある気がしてくる。
子豚の肉を炭火で焼いた烤乳猪片にも、同じことを思わされた。
上質の子豚を用い、上手に焼くことだけに気を配れば、味付けは塩だけでもむちゃむちゃ旨い。
普段はそれほどたくさん肉を食べない連れも僕も、この店では本当によく食べた。

表面の皮はパリッと焼き上がり、噛むと香ばしさが鼻に抜ける。
焼いている間に程よく脂が落ちていて、子豚の肉だけが持つ柔らかさ、甘さが存分に味わえる。
こんな単純な料理ならどこで食べても同じだろ、と思ってはいけない。
上に挙げた3つの料理を他の店でも食べてみたが、驚くほど差があった。
素材に大きな差はないはずだから、やはり「単純な料理ほど実は難しい」ということなのだろう。
・・・やはり3回分の食事を1つにまとめるのは無理か。長くなったので、続きはまた明日。
今日は肉料理ばかり並べて食傷気味だと思うので、明日はもう少しヘルシーにいきます(笑)。
■今日の料理■
砣砣肉 tuo2tuo2rou4
砣砣鸡 tuo2tuo2ji1
烤乳猪片 kao3ru3zhu1pian4
撮影@『老約家』
住所:四川省凉山彝族自治州西昌市南苑東路58〜60号(南苑小区内)
電話:0834-217-4513
2009年11月18日
西昌4 - むむむ!キノコの山の松茸炒め!
久々に西昌篇、続き。
とある日の昼食は、バスとバイクタクシーを乗り継いで、郊外の川興鎮・尔烏に足を延ばした。
意外に都会に見えた西昌も、中心部から30分も走れば見事な田舎で、周りは山また山だ。
僕らが尔烏を訪ねた理由は、ひとつ。キノコである。
山が深く雨の多いこの地域では、雲南省に負けず、多種多様なキノコが採れると聞いたのだ。
ネットで見た記事によれば、若年人口の流出が続いていた尔烏は地元特産のキノコに目を付け、
数年前から観光客向けの「農家楽(食事と宿泊を兼ねた施設)」を始めたところ、これがヒット。
現金収入の大幅アップに成功し、最近は村に留まって働く若者が増えたという。
「めでたいことだね。村も潤うし、私たちも地元の食材を味わえるし」
「そうだな。大糯黒村みたいな料理に出会えるといいんだが」
「少なくとも、昆明のキノコ鍋は上回って欲しいよね。あれにはヘコんだからねえ」
「ああ。昆明の恨みを西昌で晴らす、だな」
尔乌に到着した僕らは、目抜き通りの左右に林立した「農家楽」を見て驚いた。
その通りに建ち並ぶ店の全てがキノコ料理屋で、まるで「キノコストリート」なのだ。
どの店も同じようなキノコの写真を看板に掲げていて、店構えも似たようなもの。
少し歩いてみたが、これと言った決め手も見つからず、何となく『菌香園』という店に入った。
ちょっと大箱かなーと不安ではあったが、店の奥に入ると、期待が高まる光景があちこちに。
早速、店のおばちゃん相手に注文を済ませ、わくわくしながら料理を待った。
↓店の看板。どの店もこのキノコの写真。 ↓店の入口。どの店もこんな感じ。


↓中庭のテラス席。気持ちよい風が抜ける。 ↓テラス席の横は畑。ここの野菜を使う。


↓このお茶は・・・ ↓荷叶茶(蓮の葉茶)だった。


↓大きな厨房の入口。今も薪で調理している。 ↓キノコの一部。


↓多種多様な野菜。 ↓下ごしらえをするお姉さん。


↓鍋を振るうお姉さん。 ↓そろそろ出来上がりかな?


そして、まず出て来たのが、炒松茸!マツタケの炒め物だ!
1皿30元(450円)で、前に雲南で食べたものより高いが、日本と比べたら破格だ。
マツタケにしか出せないあの香りがぶわんぶわんと漂ってきて、食欲をそそる。
「うほーいっ!」「いただきまーす!」
↓マツタケの薄切りを生唐辛子(赤&青)とニンニクで炒めてある。

しかし。
箸をつけたあとの僕らは、「うーむ」とお互いの顔を見合わせた。
注文時に「化学調味料は入れないで」と頼んだので、そういう変な味はしない。
だが、「美味しい!」とも言えない。
塩気やその他の味付けが妙に濃くて、仕上がりもどことなくべちゃっとしている。
「やっぱり3年前の雲南のおばあちゃんは、料理が上手だったんだね。あの松茸、最高だったもん」
「だな。これだって素材はいいはずなのに、味は数段落ちるもんな」
「実は、ひと目見たとき、『味が濃そう』って思ったんだよね」
「あ、おれも。やはりまだ若いお姉ちゃんじゃ、あのおばあちゃんに敵うわけないか」
難しいものだ。
こんな田舎まで足を運び、素材自体は良いものに出会えても、旨いとは限らないのだから。
味付けにしろ調理技術にしろ、完璧に好みの店と出会うなんて、奇跡みたいなものなんだな。。
その思いは、他の料理が出てきて更に高まる。
↓炒老人頭(老人の頭に似た形のキノコの炒め物)も、マツタケと同じ感想。

↓炒海菜も、妙に喉が渇く味。海菜とは、邛海に自制する水草の一種らしい。

↓野生菌炖鶏(数種類の野生キノコと鶏を煮込んだスープ)。

キノコと鶏はほとんど出し殻状態になっていたが、スープが旨いかと言えば、これまた微妙。
恐らく作り置きなんだと思う。そのとき既に、化学調味料も入れちゃったんだろうな。
昆明のキノコ鍋ほどヒドくはないけれど、寂しい気持ちが込み上げて来た。
↓いい材料がたっぷり入っているはずなのにねえ。。

こういう結果に終わったのは、単純に店を外したって可能性もあるけれど、
やっぱり観光化が進み、観光客が食べるための料理になってしまったからだと思う。
「化学調味料を入れないで」と言ったとき、「え?」という顔をしたおばちゃんの顔が全てだ。
大糯黒村とは異なり、既に化学調味料を使うことが当たり前になった食生活。
中国人観光客が求める味を出しているうちに、自分たちもそれに慣れてしまったのだろう。
そして、そういう店ではよくあることだが、化学調味料を入れなきゃ味が足りないと判断して、
塩や醤油をいつもよりたくさん入れてしまうのだ。だから、無闇に味が濃くなる。
「田舎の食べ歩きも、どんどん難しくなるね・・・」
「まあいいさ。今回は既に大糯黒村という大当たりを引いてる。焦らず行こう」
結局、昆明の恨みを晴らすことはできなかった。
■今日の料理■
炒松茸 chao3song1rong2
炒老人头 chao3lao3ren2tou2
炒海菜 chao3hai3cai4
野生菌炖鸡 ye3sheng1jun1dun4ji1
撮影@『菌香园』
住所:四川省凉山彝族自治州西昌市川兴镇尔烏
*僕らはバスとタクシーを乗り継いで行ったが、西昌の汽車東站から「昭覚」行きのバスに乗り、
川興鎮で途中下車するのが最も簡単。5元/人、30分くらいで行けるはず。
バスを降りれば、そこらじゅうが「キノコストリート」。
*西昌の「農家楽」には4つ星だの3つ星だのランク分けがある。
だが、その基準は味ではなく、施設が綺麗とか大きいといったものだから、参考にはならない。
因みに、『菌香園』は4つ星。。
とある日の昼食は、バスとバイクタクシーを乗り継いで、郊外の川興鎮・尔烏に足を延ばした。
意外に都会に見えた西昌も、中心部から30分も走れば見事な田舎で、周りは山また山だ。
僕らが尔烏を訪ねた理由は、ひとつ。キノコである。
山が深く雨の多いこの地域では、雲南省に負けず、多種多様なキノコが採れると聞いたのだ。
ネットで見た記事によれば、若年人口の流出が続いていた尔烏は地元特産のキノコに目を付け、
数年前から観光客向けの「農家楽(食事と宿泊を兼ねた施設)」を始めたところ、これがヒット。
現金収入の大幅アップに成功し、最近は村に留まって働く若者が増えたという。
「めでたいことだね。村も潤うし、私たちも地元の食材を味わえるし」
「そうだな。大糯黒村みたいな料理に出会えるといいんだが」
「少なくとも、昆明のキノコ鍋は上回って欲しいよね。あれにはヘコんだからねえ」
「ああ。昆明の恨みを西昌で晴らす、だな」
尔乌に到着した僕らは、目抜き通りの左右に林立した「農家楽」を見て驚いた。
その通りに建ち並ぶ店の全てがキノコ料理屋で、まるで「キノコストリート」なのだ。
どの店も同じようなキノコの写真を看板に掲げていて、店構えも似たようなもの。
少し歩いてみたが、これと言った決め手も見つからず、何となく『菌香園』という店に入った。
ちょっと大箱かなーと不安ではあったが、店の奥に入ると、期待が高まる光景があちこちに。
早速、店のおばちゃん相手に注文を済ませ、わくわくしながら料理を待った。
↓店の看板。どの店もこのキノコの写真。 ↓店の入口。どの店もこんな感じ。


↓中庭のテラス席。気持ちよい風が抜ける。 ↓テラス席の横は畑。ここの野菜を使う。


↓このお茶は・・・ ↓荷叶茶(蓮の葉茶)だった。


↓大きな厨房の入口。今も薪で調理している。 ↓キノコの一部。


↓多種多様な野菜。 ↓下ごしらえをするお姉さん。


↓鍋を振るうお姉さん。 ↓そろそろ出来上がりかな?


そして、まず出て来たのが、炒松茸!マツタケの炒め物だ!
1皿30元(450円)で、前に雲南で食べたものより高いが、日本と比べたら破格だ。
マツタケにしか出せないあの香りがぶわんぶわんと漂ってきて、食欲をそそる。
「うほーいっ!」「いただきまーす!」
↓マツタケの薄切りを生唐辛子(赤&青)とニンニクで炒めてある。

しかし。
箸をつけたあとの僕らは、「うーむ」とお互いの顔を見合わせた。
注文時に「化学調味料は入れないで」と頼んだので、そういう変な味はしない。
だが、「美味しい!」とも言えない。
塩気やその他の味付けが妙に濃くて、仕上がりもどことなくべちゃっとしている。
「やっぱり3年前の雲南のおばあちゃんは、料理が上手だったんだね。あの松茸、最高だったもん」
「だな。これだって素材はいいはずなのに、味は数段落ちるもんな」
「実は、ひと目見たとき、『味が濃そう』って思ったんだよね」
「あ、おれも。やはりまだ若いお姉ちゃんじゃ、あのおばあちゃんに敵うわけないか」
難しいものだ。
こんな田舎まで足を運び、素材自体は良いものに出会えても、旨いとは限らないのだから。
味付けにしろ調理技術にしろ、完璧に好みの店と出会うなんて、奇跡みたいなものなんだな。。
その思いは、他の料理が出てきて更に高まる。
↓炒老人頭(老人の頭に似た形のキノコの炒め物)も、マツタケと同じ感想。

↓炒海菜も、妙に喉が渇く味。海菜とは、邛海に自制する水草の一種らしい。

↓野生菌炖鶏(数種類の野生キノコと鶏を煮込んだスープ)。

キノコと鶏はほとんど出し殻状態になっていたが、スープが旨いかと言えば、これまた微妙。
恐らく作り置きなんだと思う。そのとき既に、化学調味料も入れちゃったんだろうな。
昆明のキノコ鍋ほどヒドくはないけれど、寂しい気持ちが込み上げて来た。
↓いい材料がたっぷり入っているはずなのにねえ。。

こういう結果に終わったのは、単純に店を外したって可能性もあるけれど、
やっぱり観光化が進み、観光客が食べるための料理になってしまったからだと思う。
「化学調味料を入れないで」と言ったとき、「え?」という顔をしたおばちゃんの顔が全てだ。
大糯黒村とは異なり、既に化学調味料を使うことが当たり前になった食生活。
中国人観光客が求める味を出しているうちに、自分たちもそれに慣れてしまったのだろう。
そして、そういう店ではよくあることだが、化学調味料を入れなきゃ味が足りないと判断して、
塩や醤油をいつもよりたくさん入れてしまうのだ。だから、無闇に味が濃くなる。
「田舎の食べ歩きも、どんどん難しくなるね・・・」
「まあいいさ。今回は既に大糯黒村という大当たりを引いてる。焦らず行こう」
結局、昆明の恨みを晴らすことはできなかった。
■今日の料理■
炒松茸 chao3song1rong2
炒老人头 chao3lao3ren2tou2
炒海菜 chao3hai3cai4
野生菌炖鸡 ye3sheng1jun1dun4ji1
撮影@『菌香园』
住所:四川省凉山彝族自治州西昌市川兴镇尔烏
*僕らはバスとタクシーを乗り継いで行ったが、西昌の汽車東站から「昭覚」行きのバスに乗り、
川興鎮で途中下車するのが最も簡単。5元/人、30分くらいで行けるはず。
バスを降りれば、そこらじゅうが「キノコストリート」。
*西昌の「農家楽」には4つ星だの3つ星だのランク分けがある。
だが、その基準は味ではなく、施設が綺麗とか大きいといったものだから、参考にはならない。
因みに、『菌香園』は4つ星。。
2009年11月17日
広東飲茶写真館64 - 好きな理由は素材の香り。
最近、飲茶で地味なお菓子系点心を頼むことが多く、このブログでもよく記事を書いている。
日本に帰任してたまにしか飲茶できないようになれば、定番ものばかり頼みたくなるだろうから、
年がら年中飲茶できる今の環境ならではの特権だと思って、あれこれ新しいものを試している。
今日頼んだのは、网丝紫薯卷。
ペースト状の紫芋を餡にして春巻のように皮で包み、油で揚げたサクサク点心だ。

まず最初に薄い皮で紫芋の餡を包み、更にもう一重、網状の皮を包んで揚げてあるようで、
結構な手間がかかっている。
網状の皮によってサクサクの食感が増しているから、手間に見合うだけの効果は出ている。
↓ほら、普通の皮と網状の皮が二重なっている。

毎回同じようなことを書いているが、餡は、芋自体の甘さを活かした控えめな甘さが好印象。
パクッとほお張ると、芋の香りがふんわりと鼻から抜ける。
そこで、ふと思った。
僕がこういう地味な点心を好きなのは、素材本来の甘さを活かしている点もそうだけど、
素材それぞれの香りを楽しめるからでもあるんだな、と。
つまり、この種の点心には、巷のお菓子で使うような香料が全く入っていないのだ。
人工香料の香りほど、寂しい気持ちになるものはない。
中国に来て以来、ジュースもお菓子も既製品をあまり買わなくなったので忘れていたが、
今後一生、なるべく香料とは縁のない食生活を続けていきたいものだ。
そりゃメーカーの技術者はより自然な香料を作るべく必死に知恵を絞っているんだろうけど、
それは「安くてそれっぽいもの」を作るための努力で、「本当に美味しいもの」を作るための
ものではないから、僕は多少高くても美味しいものが食べられるよう、頑張って働きたい。
小学生に上がりたての頃、苺果汁が0.1%しか入っていないのに苺味がするジュースを飲んで、
「へんなの」と思った記憶があるが、あのときの気持ちをずっと大切にしていきたいのである。
…随分話がそれたけど、今日のところはこのへんで。
■今日の点心■
网丝紫薯卷 wang3si1zi3shu3juan3
撮影@『清晖苑』
住所:广东省广州市环市东路326-328号亚洲国际大酒店40楼
電話:020-61288888
日本に帰任してたまにしか飲茶できないようになれば、定番ものばかり頼みたくなるだろうから、
年がら年中飲茶できる今の環境ならではの特権だと思って、あれこれ新しいものを試している。
今日頼んだのは、网丝紫薯卷。
ペースト状の紫芋を餡にして春巻のように皮で包み、油で揚げたサクサク点心だ。

まず最初に薄い皮で紫芋の餡を包み、更にもう一重、網状の皮を包んで揚げてあるようで、
結構な手間がかかっている。
網状の皮によってサクサクの食感が増しているから、手間に見合うだけの効果は出ている。
↓ほら、普通の皮と網状の皮が二重なっている。

毎回同じようなことを書いているが、餡は、芋自体の甘さを活かした控えめな甘さが好印象。
パクッとほお張ると、芋の香りがふんわりと鼻から抜ける。
そこで、ふと思った。
僕がこういう地味な点心を好きなのは、素材本来の甘さを活かしている点もそうだけど、
素材それぞれの香りを楽しめるからでもあるんだな、と。
つまり、この種の点心には、巷のお菓子で使うような香料が全く入っていないのだ。
人工香料の香りほど、寂しい気持ちになるものはない。
中国に来て以来、ジュースもお菓子も既製品をあまり買わなくなったので忘れていたが、
今後一生、なるべく香料とは縁のない食生活を続けていきたいものだ。
そりゃメーカーの技術者はより自然な香料を作るべく必死に知恵を絞っているんだろうけど、
それは「安くてそれっぽいもの」を作るための努力で、「本当に美味しいもの」を作るための
ものではないから、僕は多少高くても美味しいものが食べられるよう、頑張って働きたい。
小学生に上がりたての頃、苺果汁が0.1%しか入っていないのに苺味がするジュースを飲んで、
「へんなの」と思った記憶があるが、あのときの気持ちをずっと大切にしていきたいのである。
…随分話がそれたけど、今日のところはこのへんで。
■今日の点心■
网丝紫薯卷 wang3si1zi3shu3juan3
撮影@『清晖苑』
住所:广东省广州市环市东路326-328号亚洲国际大酒店40楼
電話:020-61288888
2009年11月16日
広東飲茶写真館63 - 湖南風味の竹の節!
日本では有名じゃないけど、中国ではどの街でも食べられる料理と言えば、湖南料理だ。
四川料理を凌駕する辛さはインパクト抜群だし、使用する食材に高級品はないので値段も安い。
新し物好きの若者に受ける要素がバッチリ揃っていたのが、全国を席巻している理由だろう。
本来辛いものをあまり食べない広州にも、湖南料理の波は押し寄せている。
湖南省からの出稼ぎ労働者が多いからという理由もあるが、広州人にも湖南の味は広まっていて、
飲茶の点心にも湖南料理の影響を受けたものが登場している。
そんな点心のひとつ、刴椒蒸竹腸。
「刴椒」とは塩漬け唐辛子を刻んだもののことで、これを半分に割った川魚の頭に
たっぷりかけて蒸し上げる刴椒魚頭は、最も有名な湖南料理のひとつだろう(→ご参考)。
この点心の場合、刴椒を豚のダイチョウにかけて蒸し上げてある。

飲茶の点心にしては珍しく、結構ちゃんと辛い。
でも、ベースのソースはこっくり甘い広東風で、
湖南料理専門店では決して出てこない、広東ならではの味になっているのが面白い。
大腸を「竹腸」と書いてあるのは、切れ込みを入れた大腸が、竹の節のように見えるからだろう。
この下ごしらえのおかげで、ソースが大腸によくからみ、見た目だけではない効果を生んでいる。
そうそう、竹腸の「土台」には大根が敷かれていて、これがまたソースの旨味を吸って激旨だった。
↓竹かどうかはともかく、何かの節には見える。

「食べたことのない点心を頼もうと思って、無理やり頼んだ部分もあるんだが、意外にイケるな」
「味のベースはあくまで広東風だから、ちゃんとプーアル茶にも合うのが面白いね」
旅行で広州に来て飲茶をする人には決して薦めないが、たまにはこんなのも悪くない。
■今日の点心■
刴椒蒸竹腸 duo4jiao1zheng1zhu2chang3
撮影@『清晖苑』
住所:广东省广州市环市东路326-328号亚洲国际大酒店40楼
電話:020-61288888
四川料理を凌駕する辛さはインパクト抜群だし、使用する食材に高級品はないので値段も安い。
新し物好きの若者に受ける要素がバッチリ揃っていたのが、全国を席巻している理由だろう。
本来辛いものをあまり食べない広州にも、湖南料理の波は押し寄せている。
湖南省からの出稼ぎ労働者が多いからという理由もあるが、広州人にも湖南の味は広まっていて、
飲茶の点心にも湖南料理の影響を受けたものが登場している。
そんな点心のひとつ、刴椒蒸竹腸。
「刴椒」とは塩漬け唐辛子を刻んだもののことで、これを半分に割った川魚の頭に
たっぷりかけて蒸し上げる刴椒魚頭は、最も有名な湖南料理のひとつだろう(→ご参考)。
この点心の場合、刴椒を豚のダイチョウにかけて蒸し上げてある。

飲茶の点心にしては珍しく、結構ちゃんと辛い。
でも、ベースのソースはこっくり甘い広東風で、
湖南料理専門店では決して出てこない、広東ならではの味になっているのが面白い。
大腸を「竹腸」と書いてあるのは、切れ込みを入れた大腸が、竹の節のように見えるからだろう。
この下ごしらえのおかげで、ソースが大腸によくからみ、見た目だけではない効果を生んでいる。
そうそう、竹腸の「土台」には大根が敷かれていて、これがまたソースの旨味を吸って激旨だった。
↓竹かどうかはともかく、何かの節には見える。

「食べたことのない点心を頼もうと思って、無理やり頼んだ部分もあるんだが、意外にイケるな」
「味のベースはあくまで広東風だから、ちゃんとプーアル茶にも合うのが面白いね」
旅行で広州に来て飲茶をする人には決して薦めないが、たまにはこんなのも悪くない。
■今日の点心■
刴椒蒸竹腸 duo4jiao1zheng1zhu2chang3
撮影@『清晖苑』
住所:广东省广州市环市东路326-328号亚洲国际大酒店40楼
電話:020-61288888

