2018年02月16日

食遊上海468 『老友螺蛳粉』 - 激辛!上海で最も本格的な螺蛳粉(仮)。

老西門の鍼灸院に行く日は、休肝日にして、ローカル小吃店開拓の日だ。

この日のお目当ては、広西は柳州の名物・螺蛳粉だ。かつて柳州に出張したときその旨さに惚れ込んだものの、上海では本格的なものを食べられずにいた。

ところが、鍼灸院の近くに、複数の柳州人が「上海で最も本格的な螺蛳粉!」と口コミする店を見つけたのだ。久々に本物の螺蛳粉にありつけることを期待して、その店、西藏南路の『老友螺蛳粉』へ向かった。

IMG_5570_R

ここで、螺蛳粉とは何かを説明しておこう。

螺蛳とはタニシを小さくしたような淡水の巻貝のことで、粉はライスヌードルのことだ。まとめると、巻貝ライスヌードルということになるが、その巻貝は碗の中には見当たらない。

何故なら、螺蛳(巻貝)はスープの出汁として使うもので、具にするものではないからだ。ここはポイント。テストに出るので、覚えておこう。間違っても、本物の螺蛳粉を見て、「螺蛳が入ってないから偽物だ」などと言ってはいけない。

スープについて、もう少し詳しく説明しよう。螺蛳粉のスープは、螺蛳と豚骨の両方を何時間も煮出して作る。更に、八角、沙姜、三奈、丁香、花椒、桂皮、草果、砂仁、紫蘇、羅漢果、小茴香、白芷など 様々な香辛料も加える。

そして、絶対に欠かせないのが、途中で加える大量の辣椒油。マグマのように煮え立つ真っ赤なスープこそが、螺蛳粉の特徴だ。

ここで、この店の螺蛳粉を見てみよう。確かに真っ赤。立ち昇る湯気が既に辛く、それっぽさは満点だ。(尚、注文時に「重辣(最も辛い)」を選択した結果である)

↓螺蛳粉。
IMG_5571_R

次は、具に目を転じる。酸筍(筍の漬物。臭い)、酸豆角(ササゲの漬物)、炸腐竹(揚げ湯葉)、炸花生(揚げピーナツ)、黄花菜、木耳、青菜。僕は柳州人ではないので正確なところは分からないが、螺蛳粉に入っているべきものは網羅されているように思える。

尚、湯気には辛さのみならず、酸筍の独特の発酵臭も混じっていた。上海には酸筍の匂いを受け入れられない人が多いので、そこらの店だと勝手に減量されてたり、「入れる?」と聞かれたりするのだが、デフォルトで大量に入っているとは、好感度が高い。これは期待が高まってきたぞ!

いざ!

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

からっ!!!!

いやホント、思わず大フォントを使ってしまったくらい、辛かった。

上海人は基本的に辛さに弱いので、そこらの店で重辣(最も辛い)を指定してもその辛さはたかが知れているのだが、この店の重辣は本当に辛い!

自分で指定しておいて泣き言を言うわけにもいかないので、そのまま食べ続けたところ、最初は汗が噴き出し、やがて涙まで出てきた(冗談でなく)。

辛いものへの耐性は、中国基準でも人並み以上にあると思っていたが、ここ数年の生ぬるい上海生活で、その耐性が衰えていることを思い知らされた。

あまりにも辛かったので、個別要素をしっかり味わう余裕がなかったのだが、その辛さといい、酸筍の量といい、本格的に思える具の構成といい、「上海で最も本格的な螺蛳粉!」の看板に偽りはないように思う。

今度は、「中辣」くらいで試してみようかな(←ひよった)。


<2017年11月> ■店舗情報■

来週一週間は、春節休みとして更新を停止します。
次回更新は、2/26からです。


↓読んでくれる人が増えたらいいなと今さら思い始めました。皆様の応援を頂けたら大感謝です!
↓特に毎度「上海情報」「中国情報」をポチッと頂けると、小躍りしてやる気を出します! にほんブログ村 海外生活ブログ 中国情報(チャイナ)へ このエントリーをはてなブックマークに追加

2018年02月15日

おうちで中華94 - 完璧な調味料!簡単でリッチな野菜炒め・腐乳炒青菜。

腐乳というものは、日本でどれほどの認知度があるのだろう。沖縄の豆腐ようの原型となったもので、記録にあるだけでも千数百年の歴史を誇る豆腐の発酵食品だ。

製法を簡単に書くと、圧力をかけて脱水した豆腐にカビ付けしてから塩漬けし、更に鹵液と呼ばれるもろみに漬けて、長期熟成させたものだ。完成品は風味にクセのある柔らかなチーズのようで、調味料にしたり、そのまま珍味として食べたりする。

鹵液の調合方法は様々で、味噌や醤油のもろみ、白酒や黄酒、塩、香辛料などをあれこれ調合し、それによって腐乳の種類も分かれるのだが、その分類にまで踏み込むと話が長くなり過ぎるので止める。

とりえあず今現在、我が家には三種の腐乳が常備されていて、今日の「おうちで中華」で用いるのは、紅腐乳(紅方)というタイプだ。もろみに紅麹を加えるため、その名の通り、紅色をしている。南乳という異名もあって、これは中国南方で主に作られていたからだと思う。

僕にとって紅腐乳(南乳)が身近になったのは、広州時代だ。南乳の本場だけあって、様々な料理に紅腐乳が調味料として使われていたのである。そして、自宅での料理にも使ってみたところ、あらびっくり、特に難しいコツもなく簡単に腐乳料理が出来ることが判明し、以来、我が家の常備調味料に昇格したというわけだ。

ということで、今日の料理は腐乳炒青菜青菜の腐乳炒めだ。

調理は、馬鹿馬鹿しいほど簡単。紅腐乳を水で溶き、炒めた野菜にかけ回すだけだ。だが、手間と反比例した旨さには驚くに違いない。腐乳が、それだけで他には何もいらない完璧な調味料として機能するのである。

シャキッとした青菜なら何でも旨いと思うが、広州では唐生菜(非結球レタス)、奶白菜(小ぶりの非結球白菜)、空心菜あたりが定番。今回は奶白菜を用いることにする。

↓これが奶白菜。
IMG_7669_R

作り方は、以下の通り。

<材料>
・奶白菜
・紅腐乳(ひとかけら)、水、油

<手順>
1)奶白菜の根元を切り落とし、よく水で洗ったら、ざるにあげて水気を切る。
2)紅腐乳を小碗にとり、水を加え、しっかり溶く。
3)中華鍋に強火でたっぷりの油を熱し、奶白菜を炒める。
4)奶白菜に概ね火が通ったら、2)を全体にかけ回し、炒め合わせる。


コツも何もない。では、作っていこう。

1)奶白菜の根元を切り落とし、よく水で洗ったら、ざるにあげて水気を切る。

↓ある意味、野菜の処理がこの料理の唯一の手間だ。
IMG_7671_R

2)紅腐乳を小碗にとり、水を加え、しっかり溶く。

↓紅腐乳。
IMG_7692_R
↓少しずつ水で溶いていく。舐めて塩気を見よう。
IMG_7693_R

3)中華鍋に強火でたっぷりの油を熱し、奶白菜を炒める。

↓鍋はカンカンに!油も熱々に!それから野菜を投じて炒める。
IMG_7696_R

4)奶白菜に概ね火が通ったら、2)を全体にかけ回し、炒め合わせる。

↓じゃわー。
IMG_7698_R
↓ピンクの泡がはじける。
IMG_7699_R
↓できた!超簡単!
IMG_7702_R

この日の献立は、腐乳炒奶白菜のほか、鯊魚骨花无麟硬髻煲湯=広東の煮込みスープの一種)と腊肉炒蛋(中華ベーコンと卵の炒め物)だ。

↓頂きます!
IMG_7710_R

作るたびに思うけど、簡単で旨い。

色鮮やかな腐乳ソースはまったりとしてコクがあり、ただの野菜炒めが妙にリッチな味わいになる。水で溶いた腐乳以外、何も使っていないのに、香りも塩気もコクも完璧に仕上げてくれるのが凄い。発酵って偉大だわー。

↓見た目はビビッド。味はリッチ。
IMG_7719_R

薬味の葱や生姜を切る手間すらいらず、腐乳を水で溶くだけなので、ある意味、普通の野菜炒めよりも簡単。それでいてしっかり主張のある一皿ができるので、「何か一皿野菜料理が欲しいな。でもただの野菜炒めじゃつまらないな」というときに、重宝している。


■備忘録■
腐乳炒奶白菜 – 広東料理
<材料>
・奶白菜
・紅腐乳(ひとかけら)、水、油
<手順>
1)奶白菜の根元を切り落とし、よく水で洗ったら、ざるにあげて水気を切る。
2)紅腐乳を小碗にとり、水を加え、しっかり溶く。
3)中華鍋に強火でたっぷりの油を熱し、奶白菜を炒める。
4)奶白菜に概ね火が通ったら、2)を全体にかけ回し、炒め合わせる。
*他の青菜を使う場合も、やることは一緒。

<2018年1月>


↓読んでくれる人が増えたらいいなと今さら思い始めました。皆様の応援を頂けたら大感謝です!
↓特に毎度「上海情報」「中国情報」をポチッと頂けると、小躍りしてやる気を出します! にほんブログ村 海外生活ブログ 中国情報(チャイナ)へ このエントリーをはてなブックマークに追加

2018年02月14日

食遊上海467 『功徳林』 - 租界バスツアー後、精進料理店で絶品酸辣湯と小吃三種!

十一月の土曜日、秋晴れの上海。子供を連れて、旧フランス租界を東西に走る911路の二階建てバスに乗った。風はだいぶ冷たいが、延々とプラタナス並木のトンネルを進んでいくのが気持ちいい。

IMG_5528_R

普段の散歩より視点が高まり、街の姿も変わって見える。運賃が普通のバスと同じ二元というのも素晴らしい。

昼食は、五原路にある素食(精進料理)レストラン『功徳林』へ(→前回訪問)。出家する気も精進する気も全然ない僕であるが、上海の素菜は結構気に入っている

理由は、単純に美味しいから。湯葉やグルテンミートを肉や魚に見立てたモドキ料理にはあまり思い入れはないけれど、全体的に普通の店よりあっさりした味付けを楽しめるのがいい。

この日の白眉は、酸辣湯。黒酢の酸味と胡椒の辛味を効かせたとろみスープだ。この場合の辣は、唐辛子ではなく胡椒の辛味を意味する。唐辛子が伝来する前は、「辣(辛い)」と言えば胡椒の刺激のことだったのかな、などと考えさせられる。

IMG_5527_R

素食店なので、普通は入る豚肉も溶き卵も入らず、豆腐・木耳・人参のみのあっさり版だ。だが、異様に旨い。黒酢と胡椒の効き具合がいい。バシッとメリハリが効いている。スープのダシは干し椎茸かなあ。むちゃむちゃ真似したくなる味だった。

IMG_5516_R

前回感動した干挑双斂も、もう一回。椎茸とマッシュルームの甘辛醤油煮をぶっかけた和え麺だ。とろみと共にキノコの旨味が麺に絡み、おびただしく旨い。

IMG_5517_R

ナズナが詰まった大ぶりのワンタンが椎茸ダシのあっさりスープに浮かぶ素餛飩(精進ワンタン)も、定番の美味。

IMG_5512_R

スープと小吃だけでさくっとご馳走様…するつもりが、「まだいけそう」と呟いた連れが頼んだのは、なんと冷麺だ。「麺に麺を重ねるのか?」と驚いた僕に、連れは「私はこの夏、上海冷麺を食べられなかったから」と言い訳した。

IMG_5520_R

11月にキュウリの千切りを見るのは寒々しいが、味は良かった。この店の花生醤(ピーナツソース)の塩梅の良さは、かつて頼んだ麻醤三絲でよく分かっている。冷麺は花生醤が肝だから、それが旨ければ、当然全体も美味しくなる。

食後は、お馴染みの『Boxing Cat』(→過去記事)でIPA。最近グラスからボクシンググラブを付けた猫の絵のロゴが消えた。コスト削減かな?

IMG_5529_R

そろそろ昼間でも外で飲むのは肌寒くなってきた。上海の秋は短い。今日は早起きして出かけてよかった。


<2017年11月> ■店舗情報■


↓読んでくれる人が増えたらいいなと今さら思い始めました。皆様の応援を頂けたら大感謝です!
↓特に毎度「上海情報」「中国情報」をポチッと頂けると、小躍りしてやる気を出します! にほんブログ村 海外生活ブログ 中国情報(チャイナ)へ このエントリーをはてなブックマークに追加