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桂林人のソウルフードと言えば、何と言っても桂林米粉
客が好みのトッピングをぶっかけて食べるビーフンで、中国一、自由度の高い麺料理だと思う。

僕が住む広州にも専門店はあるが、やはり本場は何枚も上手で、前回の旅で大好きになった
ビーフンの量を選べるので、小腹が空いたときに食べるのにも丁度良く、
朝食に、おやつに、夜食にと、今回も3泊4日の間に12回も食べてしまったほどだ(笑)

ひとくちに桂林米粉と言っても、トッピングやスープによって様々な種類がある。
桂林米粉とはその総称なので、お店で「桂林米粉ください」と注文するのは少々間抜けだ。
例えるなら、蕎麦屋で「蕎麦ください」と言うようなものだからである。

そういう間抜けな観光客(←前回の僕ら)には、大抵最もスタンダードな米粉が出される。
それが、「卤菜粉」だ。桂林人にとって、米粉と言えばまずはこれになる。

今回初めて知ったのだが、この「卤菜粉」には「桂林人お決まりの食べ方」がある。
前回の旅でも、店での観察で惜しいところまでは辿り着いていたのだが、少々誤解があった。
それを訂正する意味でも、あらためて写真と共にお贈りしたい。

題して、「最も基本的な桂林米粉の最も基本的な食べ方」!!

1.卤菜粉を注文し、受け取る 
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米粉のお店は、食券制のところが多い。
まずは「収銀台(食券売り場)」で「卤菜粉!」と告げ、ビーフンの量を決める。
1両(50g)〜3両(150g)の間で選ぶのが一般的で、2両(100g)を選ぶ人が一番多い。
ゆで卵や揚げ湯葉など有料トッピングを追加する場合も、このときに注文する。

卤菜粉は、どの店も2両で2〜3元くらい。
深夜営業をやっている店の場合、夜9時以降は値段が割り増しになるところもある。

↓桂林米粉はファーストフード。食券制が基本。 ↓とある店の品書き。色々な桂林米粉がある。
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↓食券。間違ってないか、確認しよう。       ↓有料トッピングは、どれも1〜2元と安い。
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次に、食券を持って「取粉処」に並び、米粉(ビーフン)を受け取る。

日本でビーフンと言うと乾燥したものが多いが、中国南方ではどこも乾燥前の生ビーフンを使う。
注文が入るたびにさっと熱湯にくぐらせ、温めてから出すのである。
桂林のビーフンは日本のうどんよりやや細めで、切り口がまん丸になっているのが特徴だ。

多くの店が製麺屋のビーフンを使っているようで、店独自のこだわりは特に感じられなかった。
何となく、客の回転が良い時間帯の方が、旨いビーフンに出会う確率が高い気がしたくらいだ。

↓生ビーフン。ビーフンを温めることを動作を桂林語では「冒」という。温めるのは、ほんの一瞬↓
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↓温めたビーフンをお碗に盛り、基本の具をのせてくれる。食券を渡してから、1分もかからない↓
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そして、下の写真が卤菜粉
「卤水」というタレをかけた米粉(ビーフン)に、薄切り肉や揚げピーナッツが少々。
極めてシンプルな内容で、スープは全く入っていない。
桂林以外の都市で「桂林米粉」を頼んだら、ほぼ確実にスープありのものが出されるが、
本場はスープなしが基本形なのだ。

↓この写真だけ見ると寂しい感じだが・・・。
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面白いことに、店のこだわりどころは、ビーフンではなく「卤水」らしい。
牛骨や豚骨のスープと茴香(ウイキョウ)・草果(カルダモン)・桂皮(シナモン)など
十数種の香辛料や香草を煮詰めて作るタレで、細かい調合は店ごとに異なるが、
この卤水の味こそが各店の評価の決め手になるほど、重要視されているそうなのだ。

ま、米粉全体の味を決めるもの、というだけでなく、基本トッピングの薄切り肉に加えて、
有料トッピングのゆで卵や揚げ湯葉までも全て卤水で味付けするのだから、それも道理だろう。

因みに、基本トッピングの薄切り肉は、何故か牛と豚の両方がのせられていることが多い。
店によっては、豚の脂身の多い部分をカリカリに揚げた「脆皮」を選べるところもある。 

2.卤菜粉をトッピングする
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ビーフンを受け取ったら、次はトッピング置き場に移る。
卤菜粉は、店からお碗を受け取った時点では、まだ完成していない。
客が自分の好きなトッピングをのせて、好みの味に仕立て上げるところに醍醐味があるのだ。

トッピングの種類は店によって異なるが、今回の旅で見たものを挙げると、次の通り。
刻み葱より上に書いたものは、どの店にもあったと思う。

酸笋(タケノコの漬物)
酸豆角(インゲンの漬物)
辣椒(生唐辛子)
泡辣椒(唐辛子の漬物)
辣椒粉(唐辛子の粉末)
辣椒醤(唐辛子ペースト)
黒酢
葱花(刻み葱)
香菜末(刻みパクチー)
酸萝卜(ダイコンの漬物)
酸南瓜苗(カボチャの茎の漬物)
泡黄瓜(キュウリの漬物)

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なんと何をどれだけのせても、全部タダ!これが嬉しい!
組合わせや分量は好みと言うしかないが、僕の場合、酸笋と酸豆角をどっさり入れ、葱を散らす。
実はどの漬物も唐辛子と一緒に漬け込んであるので、どれも強烈な辛さがある。
漬物の辛さを計算せずに唐辛子系のものを入れると、辛いだけになってしまうので要注意だ。

自分だけの「オリジナル卤菜粉」を作り上げたら、箸を持って席に着く。
もしかするとトッピング置き場の横にスープの入った寸胴鍋が置いてあるかもしれないが、
絶対にこれを入れてはいけない。

↓じゃじゃーん、これが「マイ卤菜粉」!
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↓こんな感じでスープが置かれていても、この段階で手を出してはいけない↓
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3.卤菜粉を食べる
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席に着いたら、ビーフンを混ぜる。
卤水やトッピングがビーフン全体によく馴染むよう、ひたすら混ぜる。
すると、ビーフンの熱によって卤水やトッピングの香りがほわほわと立ち昇ってきて、
強烈に食欲を刺激する。

↓混ぜる手間を惜しんではいけない。混ぜれば混ぜるほど旨いのは、ビビンバと一緒。
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あとは、食欲に突き動かされるがままに、ビーフンをむさぼるだけだ。
つるつるぷるんとしたビーフンの食感に、パリポリ、シャクシャク、カリコリ、ムニムニ、
様々なトッピングの賑やかな食感が加わり、歯を合わせるたびに思わず笑顔になる。
やがて卤水の程良いコクと漬物の旨味が混じり合い、その後、じんわりと辛さが広がってくる。
口の中は香りと刺激の洪水となり、こうなるともう箸を動かす手が止まらない。

あっという間にお碗は空になり、とりあえず、一回目のごちそうさま!
 
  
…ここで、「あれ?さっきのスープは出番なしなの?」と思った人もいると思う。
その通り。お碗が空になるまでスープの出番は一切ない。
本場の卤菜粉は、最初っから最後までスープなし状態(干捞)で食べるのだ。
 
これには仰天した。
前回の旅で、本場の桂林米粉がスープなし状態で出されることは知っていたが、
途中でスープを足して、スープなしとありの2つの味を楽しむものだと思っていたからだ。
実際そうしている客もいるし、客の自由でもあるが、それは「お決まりの食べ方」ではなかった。
 
4.スープで〆る
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なんと、「お決まりの食べ方」では、スープはスープだけで楽しむことになっている。
即ち、ビーフンを食べ尽くしたお碗にスープを注ぎ、スープだけをゆっくり味わうのである。

食べ尽くすといっても、お碗にはトッピングや卤水がどうしても残ってしまうものだが、
スープを入れることによって、これらも残さず味わうことができるわけだ。

牛や豚の骨でとったスープはまろやかで、お腹を落ち着かせてくれる。
麺を食べた後に温かいものをすするってのは、なんとなく日本の蕎麦湯にも似ていて、
ゆったりとした気分になった。
そして、このスープを飲み終えたときが、本当の「ごちそうさま」になる。

↓スープに浮いた葱まで、余すことなく堪能できる。
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…ここまでえらく長々と書いてきたが、この食べ方を中国語で言うと、「先吃干捞, 后喝汤」。
たった7文字で済む(泣)。
 
本当のところ、途中でスープを足すのもありだと思うが、
「香りと刺激の洪水を堪能するには、スープなしが一番!」というのは確かだ。
少なくとも、最初っからスープを入れてしまうのは、絶対NG。
 
これから桂林で米粉を食べる人は、まずは卤菜粉を注文!
そして、是非とも一度はスープなしの旨さを楽しんでみて欲しい。

↓ぶっちゃけ、漬物が安物で味が濃すぎる店だと、スープを足した方があっさり食べられることも。
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■今日の料理■
桂林米粉 gui4lin2mi3fen3
卤菜粉 lu3cai4fen4