さて、今日の料理は、「白切羊肉」。
羊肉というと、北京や内蒙古、西域ってイメージがあるけれど、
上海にもちゃんと羊肉料理があるのだ。

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茹でた羊肉を冷ましてから薄切りにした冷菜で、甘い味噌と白髪ネギを添えて食べる。
皮が付いたままの足の肉を使うところがポイントで、
しっとりと柔らかい肉の旨さもさることながら、ゼラチン質の皮がとても美味しい。

「上海料理」と言われて想像するような甘さは全くなく、
甘い味噌と白髪ネギを添えて食べるところなんて、むしろ北京ダックを連想させる。
へー、こんなのもあるんだ。

茹でただけの羊なんて、臭いんじゃないの?
それを味噌でごまかして食べるだけじゃないの?

そんな懸念はご無用。
茹でる際には大根、棗、葱、生姜を一緒に放り込むから、ニオイ対策は万全。
そりゃ羊肉ならではの香りはあるけれど、臭みと香りは別物だからね。

その区別は何かと言われれば、旨いと思うかだけだけどさ。
まあ、要は醗酵と腐敗の区別と似たようなものだよ、きっと。

「これは、紹興酒よりは白酒が欲しくなる味だな」
「うん、上海料理っぽくない上海料理だね」
「というか、僕らの上海料理への固定観念を捨てた方がいいかもな」
 
と、なかなか向学心を刺激される一品でもあったのである。
  
    
■今日の料理■
白切羊肉bai2qie1yang2rou4
撮影@『王宝和大酒店・中餐庁』
住所:黄浦区九江路555号
電話:021-53965000