上海料理と言えば、忘れちゃいけないのが「雪菜」。 
芥子菜の一種をを塩漬けしたもので、本来は寧波のものらしいけど、上海料理には欠かせない存在だ。
   
味は、辛くない高菜を想像してもらえばいい。   
そのまま食べることよりも、他の食材と和えたり、炒めたり、
スープに入れたり、麺や包子の具にしたりすることが多い。
誰と組んでもいぶし銀の活躍を見せる、上海料理界の万能選手なのだ。
 
今でこそ中国一の大都会になった上海だけれど、150年も前は閑散とした小漁村だったわけで、
保存が利き、塩気があって、何にでも混ぜれば料理として成り立つ雪菜は、
当時の庶民の慎ましい食生活を偲ばせる。 
 
今後も色々な形でお目見えすると思うので、今日は簡単な料理から。   
雪菜毛豆」だ。
  
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雪菜を刻んで、枝豆の中身と和えただけ。これだけなんだけど、とても美味しい。

雪菜に塩気があるから、味付けはほとんどいらない。
雪菜の中で枝豆のテクスチャーが際立つように、枝豆はちょっと硬めに茹でたものがいい。

「これと紹興酒を持って、湖に舟を浮かべてぼーっとしたい。」
「舟云々はともかく、お酒を呼ぶ味だよね。」 

「甘くなく、塩気は程々で、野菜のみを使った前菜」ってのが
中華料理には意外に少なくて、いつも重宝している。
 
因みに、刻んだ雪菜を絹豆腐にかけて、ごま油をかけ回して混ぜるだけでも十分美味しい。
調理時間一分とは思えない下酒菜(=酒の肴)になる。
 
 
■今日の料理■
雪菜毛豆xue3cai4mao2dou4
撮影@忘れちゃった。。