2009年10月30日

昆明11 - 有終の美!江川・三道菜の激旨山羊スープ!

これまでの記事で「昆明は化学調味料汚染が酷いのか」と思った人もいるだろうが、そうではない。
中国の大都市はどこも似たようなもので、広州も北京も上海も、状況は何も変わらない。
ただ、雲南料理は素材をそのまま活かすべきシンプルな料理が多いので、荒が目立つだけのことだ。

むしろ、ネットのレストラン評では、「この店は化学調味料が酷すぎ」「ここは極めて少量」
などのコメントがよく見られたから、問題意識を持っている人は他都市より多いのかもしれない。

そんなわけで、昆明最後の食事は、ネット情報を基に店を決めた。
昔ながらの素朴な味付けを保っていると評判だった『江川三道菜』だ。
雲南省玉渓市江川県に本店があり、伝統的「三道菜」を供すと言う。

8時過ぎの夜行列車に乗る都合で、夜の営業開始直後の5時半に入店した僕ら。
周りに他の客の姿はなく、人の料理から店の実力をうかがい知ることはできない。
さて、昆明最後の食事を有終の美で締め括ることができるかどうか。


店の口上によれば、「三道菜」とは、魚・羊・鶏をそれぞれ異なる調理法で食べるものだそうだ。
魚は、酸味と辛味を効かせた「酸辣魚」。
羊は、実は山羊のことで、あっさりスープ仕立てを辛いタレにつけて食べる「清湯羊肉」。
鶏は、各種漢方薬と一緒に煮込む「清炖鶏」。
 
2人じゃとても全部は食べられないので、悩みに悩んで「羊(という名の山羊)」を選んだ。
魚は水の臭いが不安、鶏は味の想像がつくが、中国で山羊を食べられる機会は意外に少ないし、
サニ族の村・大糯黒村で山羊を食べ損ねたことも、残念に思っていたのだ。

まずはビールで喉を潤し、何気なく小菜(突き出し)をつまむ。おっ、これは・・・!

「店構えはそっけないけど、ここ、イケるかもね」
「うん、小菜がちゃんと美味しいってこと、何気に少ないからな。控えめでいい味だ」
     
↓ピリ辛大根と激辛腐乳をのせた大蒜。激辛のものでも「控えめな味」というのはあると思う。
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そして、しばらくして運ばれてきた清湯羊肉を見て、僕らは驚きの声を上げた。

「おお、これはまた味も素っ気もない!(←褒め言葉)」
「本当に煮込んだだけっぽいよ。素材は見るからに良さそうだから、期待したいね!」

↓山羊の他に入っているのは、ネギとたっぷりのミントだ。
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↓味付けは、恐らく塩だけ。だが、あなどってはいけない。
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当たり前の話、旨い料理とは、凝った調理法の料理のことでも見栄えがいい料理のことでもない。
素材本来の味を美味しく食べられるのが、旨い料理だ。

その意味で言えば、これは「実に旨い料理」だった。

その味わいたるや、澄み切っていた。昆明市内で、こんなピュアな味にありつけるとは!
力強くも、優しいダシ。ミントの香りが実に爽やかだ。
確実に化学調味料は入っていないし、最後まで美味しく飲めるよう塩気にも抑制が効いている。
じんわりと広がる旨味。どれだけ飲んでも飲み飽きない。

そして、山羊には特有の臭みがあるってのは、どこの山羊の話なのだろう。
ホロホロに柔らかだが、噛むほどに旨味が広がる山羊肉。皮も旨い。脂も旨い。ただただ旨い。

茹でたミントも、想像以上に美味しいものだ。
独特の香りと、ちょっとしたほろ苦さが、「モリモリ肉を食べよう!」という気にさせてくれる。

 
最初は絶対そのまま食べてみるべきだと思うが、しばらくしたらつけダレ(蘸水)を試すのもいい。
唐辛子粉と花椒と塩を混ぜたものに刻みネギが入っている。
そのまま肉をつけて食べるもよし、スープを注ぎ入れて、溶いて食べるもよし。

更なる応用編としては、小菜の大蒜にのっていた腐乳を肉やスープに合わせるのも良かった。
腐乳にもビリビリするだけの不味いのがあるが、この腐乳は程よい辛味と旨味だけを増してくれた。

↓この肉、この皮、この脂!あー、旨いよ〜。
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↓こちらにも化学調味料は見えない。       ↓さっきの腐乳を有効利用だ。
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「美味しい。単純な料理だからこそ、味精を入れないだけで、こんなに美味しいんだろうね」
「だな。複雑な料理だと、使用する調味料それぞれに変なものがたくさん入ってるから、
 『不要味精』と言ってみても、どうにもならん場合も多いもんな」

因みにこの店も、客から何も言われなければ、最後にたっぷり化学調味料を入れる。
店員には「本当に味精を入れてないんですが、別途持って来ましょうか」と言われたくらい(笑)
でも、今の中国では、「不要味精」と言って美味しい料理が出て来るなら、十分に良店なのだ。

その他の料理も、とても良かった。

炒瓜尖は、カボチャのようなウリ科の植物の茎と蔓をニンニクで炒めたもの。
塩気こそ強いが、ニンニクが程よく香り、ヒゲの部分がシャクシャクとして旨かった。

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そして、三道菜に並ぶこの店の名物・洋芋焖飯
洋芋とはジャガイモのことで、そのぶつ切りと腊肉(ベーコン)の炊き込みご飯だ。
ジャガイモとベーコンは、最初に素揚げしておくのかな?その香ばしさがたまらない。

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これ、びっくりするくらい、塩気を控えてあった。
家庭ならともかく、濃い味が基本のレストランで、この味を出す勇気を称えたい。

最初は物足りないと思うくらいの味付けだからこそ、ジャガイモの甘さや香りが、
ベーコンの香ばしさや旨味が、じんわりと、でも確実に、口の中に広がってくる。

「こういう料理を食べたいと思ってたんだよ!嬉しいなあ!」
「昼の『福照楼』を超えて、今回昆明市内で一番気に入った店になったと思うけど、どう?」
「賛成!異議なし!」

大いに気を良くした僕らは、最後に大きな買い物までしてしまった。
洋芋焖飯を作るのに使われていた銅鍋である。

連れが一目惚れし、僕は最初「こんなの持って西昌や成都まで旅するのか?」と反対したのだが、
いざ手に取って見てみると、混じり物なしの純銅で、底も周囲も分厚く、実に申し分ない品質で、
反対できなくなってしまった。

↓巨大な銅鍋!どうだ!磨けばピカピカになるから、汚れは気にしない。
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「自分で運ぶんならいいよ」「買う!買う!」

良い作りだけに相当重かったが、大喜びの連れは、旅の間中、文句も言わずに銅鍋を運び続けた。
僕にしてみれば、何の苦労もなく銅鍋が広州に届いたわけで、重畳の至り(笑)。


こうして、昆明最後の食事は、素晴らしいものになった。
どんな都市だって、美味しい店とそうじゃない店があるのは、当たり前。
何とか最後に当たりクジを引けた僕らは、穏やかな心持ちで夜行列車に乗り込むことが出来た。
 
 
■今日の料理■
清汤羊肉 qing1tang1yang2rou4
炒瓜尖 chao3gua1jian1
洋芋焖饭 yang2yu4men4fan4
 
撮影@『江川三道菜』
住所:雲南省昆明市官渡区关上关兴路232号(景谷酒店近く)
電話:0871-7171108
*注文時に「不要味精」と言った方が良いと思います。
↓この店構えを目印に!               ↓店頭では牛肉が干されていた。
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この記事へのコメント

1. Posted by chinausa   2012年04月07日 11:22
救われました。
先日の清明節の休みに昆明に行ったのですが、大衆点評をたよりに行った店がハズレでがっかりでしたが、最終日の安全牌としてとっておいたこの店は本当においしかったです。ありがとうございました。
自分のブログに書くとき、この記事にリンクを貼らせていただきたいと思いますが、よろしいですか?
2. Posted by 酒徒   2012年04月09日 22:26
>chinausaさん
お気に召したようで良かった・・・というか、僕もまた行きたいです!
当ブログは、いつでもどんな記事でもリンクフリーです。
記事を楽しみにしております。


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