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ソウル8 - 堂々のランキング2位!『ユソンチッ』のポシンタン(犬肉鍋)に大興奮!」の続きです。

期待を越えたポシンタンを食べて、すっかり満足した僕ら。食後はインサドン(仁寺洞)の繁華街を散歩し、真鍮製のチョッカラ(箸)やスッカラ(スプーン)を買い込んだ。ステンレス製とは違ったずっしりとした質感が、自宅での韓国料理を一段旨いものにしてくれそうだ(←気のせい)。

…と、如何にも楽しく買い物をしている風に書いてみたが、本来の僕は酒を飲んでいない時はどこかで昼寝でもしていたいタイプだ。これ以上歩き回るのは嫌だと音を上げて、インサドンの伝統茶屋『スヨイル/수요일』でひと休みすることにした。伝統茶屋とは言いながら、外観も内装もスタバの様な今風のカフェだ。

韓国の伝統茶屋は、いわゆる普通の茶葉ではなく、色々な漢方薬材を煮出した漢方茶が主役だ(←韓国では「韓方」と言い張っている。笑)。連れが頼んだ桂皮茶(ゲピ茶)はシナモンを煮出したもので真っ茶色。僕の五味子茶は、ゴミシを煮出したもので、真っ赤なお茶だ。どちらも1杯750Wと安くないだけあって、ちゃんと原材料の味がする。ゲピ茶はちょっと甘みが強過ぎる気もしたが、慣れると美味しくなってくる。五味茶は、少し酸味があって爽やかだ。

↓手前が桂皮茶、右奥が五味茶。どちらも天然自然の色。
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↓因みに、街角で見かけた五味子。
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お茶には、ハングァ(韓菓)と呼ばれる韓国の伝統菓子が付いてくる。下の写真の右側は、ヤックァ(薬果)と呼ばれる揚げ菓子で、小麦粉に胡麻油・蜂蜜・酒などを混ぜてある。左側はユグァ(油果)で、もち米で作った生地を揚げた後、米や胡麻をまぶしたものだ。

↓右がヤックァ(薬果)、左がユグァ(油果)。
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↓ユグァ(油果)はもふっとした食感。
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お茶もお菓子も、日本にはあるようでない不思議な味で、なかなか興味深い。ま、美味しいと思えない人もいるだろうけど、こういうお茶屋に韓国人の若い女性客やカップルが集まっているところを見るのは面白いかも。日本じゃ緑茶と和菓子の店に若者の姿は稀だものね。

僕の好みで言うなら、翌日立ち寄った『耕仁美術館伝統茶院/경인미술관 전통다원』の方がお茶もお菓子も美味しかった。ナツメ茶サンファ茶(桂皮・甘草・熟地黄・芍薬・など9種類の中薬を煮出した薬膳茶)もグッと濃厚な味わいで効く気がしたし、ユグァ(油果)だってほんのり生姜風味で香りが良く、食感が軽やか。同じものでも随分味が違うものだなあと思ってしまった。

↓緑豊かな美術館の敷地内にある『耕仁美術館伝統茶院』。
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↓雨の中、傘を差しながらアウトドア席を楽しむツワモノも。
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↓入り口。                        ↓店内は落ち着いた雰囲気。
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↓濃厚な伝統茶。美味しい。
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↓このユグァ(油果)も、軽やかで美味しかった。
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天然無添加・作りたてが売りのお菓子屋『ピジュン(仁寺洞店)/빚은 (인사동점)』には、色とりどりの餅(トッ)が並んでいて、僕らの目を惑わせた。すぐに夕食だから控えめにしろという僕の忠告を無視して、連れは蓮のチャルトッや本来は秋夕に食べるものだという色彩豊かなソンピョンを買い込んでご満悦だ。

夜、ホテルに帰るまで待ち切れず、街角で試食を始める連れ。「つやつやもっちりして美味しそう!」とつぶやいて、4色のソンピョンを次々にパクリ。しかし、「美味しい!」という声が続くのかと思いきや、その表情は冴えない。

「…ちょっと驚くほど甘さ控えめだよ。むしろ甘さがないと言ってもいいかも」

その言葉を聞いて、僕もひと口。…本当に餅にもあんこにも甘さがない。普段、僕らにとって「甘さ控えめ」というのは褒め言葉になるんだけど、ここまで甘さがないと戸惑う。だって、一体これは菓子なのか主食なのかと迷ってしまうレベルなんだもの。でも、その代わり米の甘味や旨味が強く感じられるかというと、そんなこともなかった。

↓『ピジュン』の店構えもカフェ風。イートインも可能。
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↓色鮮やかなソンピョン。美味しそうなのだが・・・。
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↓どれもほとんど甘味がない。中の餡は色ごとに異なる。↓
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僕は微妙な餅菓子に早々に見切りをつけて、ロッテデパートで買ったマッコリを味見してみることにした(←街角です)。盃は休憩所の紙コップを拝借してきた(笑)。

何故敢えて街角でマッコリを飲むという暴挙に出たかと言えば、ちゃんと理由がある。過去記事でも書いた通り、今、韓国で市販されているマッコリのほとんどが、合成甘味料やら酸味料やら添加物満載のまがいものになってしまっている。2日間もそんなマッコリを飲まされ続け、いい加減「まともなマッコリはないのかー!」という気持ちが沸き立っていた僕。そこに添加物を含まないナチュラルタイプの生マッコリを見つけ、居ても立ってもいられなくなったのである。

↓ナチュラルマッコリを試飲!
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ラベルは、ペサンミョンチュガ・ヌリンマウル・マッコリと読むらしい。なんと大手の市販マッコリで合成甘味料を添加していないのは、このブランドだけだそうだ。なんじゃそりゃ!大丈夫か、韓国マッコリ界!一体全体、韓国の酒飲みはこの事態をどう捉えているんだ!?

「…お、悪くないよ。あの変な甘味は、やっぱり甘味料由来だったんだなあ」
「…ホントだ、結構はっきりと違いが分かるものだね」

最高とは言わないが、まともな味。当然と言えば当然だが、作り方は味に反映するものなのだ。ああもう、このマッコリを何本も買い込んで、これから回るレストランに持ち込みたいぜ。しかし、実際そういうわけにもいかないので、そのまま僕らはつまみもなしにマッコリをグビグビ飲み続けた。

残念なことに、結局、このあともレストランでこのマッコリを見かけたことは一度もなかった。頑張れ、ペサンミョンチュガ!次回韓国に行くまでに、ソウルでのシェアを拡大していてくれ!

…と、アホなことをやっているうちに日は傾き、夕食の時間がやって来たのだった。


■今日のお店■
『スヨイル/수요일』
住所:ソウル市鍾路区(チョンノグ)寛勲洞(クァンフンドン)23番地 2階
住所(韓国語):서울시 종로구 관훈동 23번지 2층
電話:02-723-0191
営業時間:11:00-23:30
休業日:なし
*地図はリンク先をご参照。2人で、19000W。

『耕仁美術館伝統茶院/경인미술관 전통다원』
住所:ソウル市 鍾路区(チョンノグ)?勲洞(クァンフンドン)30-1 耕仁美術館内
住所(韓国語):서울시 종로구 관훈동 30-1 경인미술관내
電話:02-730-6305
営業時間:10:30〜22:30
休業日:年中無休
*地図はリンク先をご参照。2人で、15000W。

『ピジュン(仁寺洞店)/빚은 (인사동점)』
住所:ソウル市 鍾路区(チョンノグ)仁寺洞(インサドン)37番地
住所(韓国語):서울시 종로구 인사동 37번지
電話:02-738-1245
営業時間:09:00-22:00
休業日:なし
*地図はリンク先をご参照。購入額6000W。