昨日、強力プッシュした桂林米粉(ぐいりんみーふぇん)
「そう言われても、たくさん店があるんじゃどこで食べたらいいのさ」という声に勝手にお応えして、 
今回の旅で僕らが一番気に入った米粉店を紹介する。

出発前日、桂林人の同僚から美味い桂林米粉店の情報を仕入れ(←こういうのだけマメ)、
桂林市街に着くなりその店に向かった僕ら。

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石記米粉店。いかにも地元民に愛されていそうな、小汚い造りが素晴らしい。周囲にはいくつか米粉店が軒を連ねていたのだが、地元民と思しき女の子たちが「どの店行く?」「ここ、ここ!」「やっぱりここのが美味しいよね」なんて話しながら店に入っていくのを見て(桂林語だけど多分)、一層期待は高まる。

現地での人気といい、全国的な知名度といい、米粉というカテゴリの中でのブランド性といい、
桂林米粉の立ち位置は、日本のうどん界における讃岐うどんのそれと似ている。

前からそう思っていた僕は、店の中に入って目を見開いた。
下の写真を見て欲しい。右端の「售票处」でお金を払い、「取粉处」で米粉を受取り、「卤水」で特製タレをかけ、「调料」でトッピングを施し、最後に「湯」でスープをかけて仕上げるのだ。 

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「こりゃあ、香川の讃岐うどんのセルフ店と同じじゃないか!」 
上海や広州では完成品を注文する「一般店」しか見たことがなかったから、これには驚いた。
(卓上に唐辛子や刻み葱などを置く店もあるが、それはあくまで「追加」トッピングだ)

*ヾ靄椶量優札奪箸鮗取り、好みのトッピングを施し、スープを注ぐ!
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「これはハードルが高いなあ。」
「わくわくするけど、確かにそうだね。」

だって、ダシを注げば形になる讃岐うどんと違って、桂林米粉はトッピングの配合が命だ。
頭の中に「理想の桂林米粉像」を描ける客じゃないと、全くの別物に仕上がる危険性がある。

危惧したとおり、僕が作った一杯は、見た目の派手さにこだわったせいか辛さが立ち過ぎて、全体のバランスが悪くなってしまった。

しかし、これで諦めるわけにはいかない。

『注意深く観察して行動しろ』・・・だぜ、康一くん。承太郎の言葉を思い出して、しばらくの間、周りの客の動きをじっと追った僕は、全く別の発見に至ったのだった。

「奴ら、『一杯で二度美味しい』作戦を敢行してやがる!」

どういうことかと言うと、ほとんどの客が最初は卤水(特製タレ)だけを足してスープを入れず、「拌麺(和え麺)」状態で半分を楽しみ、その後改めてスープを加えて「汁麺」としていたのだ!

上海や広州の「一般店」でも「拌麺(和え麺)」を単品で頼むことはできるけれど、一杯の値段でスープのあるなし両方を楽しめるのは「セルフ店」ならではの特徴だ。

また、「售票处」の隣では特製タレで煮込んだ玉子や手羽先などが頼めることも分かった。
 
よし、今度こそ!落ち着いて二杯目に挑戦だ。

もちろん最初は「拌麺(和え麺)」で。香りがぐっと鮮烈になり、すこぶる旨い。ぷるんぷるんの米粉やコクのある卤水の旨さは、こっちの方がよく分かる。その卤水が染み込んだ煮玉子も、「見逃さなくて良かった!」という美味だ。

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スープを足した後の「湯麺」も、一杯目より遥かに良くなった。
単調な辛味の唐辛子粉を抑えて、代わりに唐辛子の漬物や辣油で酸味やコクを整え、
大好きな酸笋(竹の子の漬物)をガツンと加えて発酵臭たっぷりに仕上げたのが良かった。

「いやあ、全然変わるなあ。今回は旨い!」
「本当だね。しかも二つの味が楽しめて、得した気分だよ!」

自分でトッピングをしなきゃいけないところに難しさはあるのだが、
この石記米粉店、麺やスープは今回の旅で食べた桂林米粉の中で一番だった。
桂林米粉を食べたことがない人は、別の店で一度イメージを掴んでから挑戦して欲しい。
もちろん、桂林米粉愛好者にも自信を持って推薦できる店だ。


■今日のお店■
『石記米粉店』
住所:市中心部の微笑堂近く。タクシーの運転手に告げればすぐ分かる。