◆江西で食べた◆

2010年05月22日

江西省で食べた! 2007年5月

労働節の6日間で、江西省の東部を食べに行きました。
省会の南昌、磁器の町・景徳鎮、「中国で最も美しい農村」婺源
中国でも決して知名度が高くない江西料理ですが、無視できない美味がありました。
今後も、気まぐれで追加予定。

<日程>
1日目 上海→南昌
2日目 南昌→景徳鎮
3日目 景徳鎮→婺源(彩虹橋・思渓・延村)
4日目 婺源(江湾・晓起・汪口)
5日目 婺源(坑頭・豸峰)→景徳鎮
6日目 景徳鎮→南昌→上海
*上海〜南昌間以外は、全てバス移動。

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<記事一覧>
「食」=食べ物関連 「見」=食べ物以外 「★」=食のオススメ!

◆南昌で食べた!◆
南昌1 - 巨大な白い円盤の正体は!?
南昌2 - 辛い!旨い!南昌拌粉!
南昌3 - 秘技!甕の中で壺を蒸す!
南昌4 - 焼きそば!?妙に後引く南昌炒粉!
南昌5 - 江西料理、乱れ喰い!<石鶏篇>
南昌6 - 江西料理、乱れ喰い!<甲魚篇>
南昌7 - 江西料理、乱れ喰い!<筒子骨篇>

◆景徳鎮で食べた!◆
景徳鎮1 - 磁器の町でショッピング・・・。
景徳鎮2 - 景徳鎮ならではの古株クニュクニュ豆腐。
景徳鎮3 - 「アヒルの足の裏」はシャキッ!?
景徳鎮4 - 忘れたくても忘れられない牛肉!

◆婺源で食べた!◆  
食 婺源1 - ド派手なアイツ、実は意外な清純派。
見 婺源2 - おじいさんといっしょ。
食 婺源3 - 首と言ったら首を出せー!
見 婺源4 - 飛び石の喧騒と野イチゴのイノベーション。
★ 婺源5 - どろどろ料理でお勉強。
見 婺源6 - 菜の花がなくとも。
食 婺源7 - 道ばたに潜む美味に悩むフリ。  
★ 婺源8 - 川のほとりの茶館で、緑茶と絶品米焼酎!
★ 婺源9 - 粉をまぶして蒸し上げる!
食 婺源10 - 鶏にアヒルにねっちょり青菜!
★ 婺源11 - イチオシ!あるがままの「美しい農村」!1
★ 婺源12 - イチオシ!あるがままの「美しい農村」!2



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2010年05月20日

婺源12 - イチオシ!あるがままの「美しい農村」!2

<是非とも前編から合わせてご覧ください!>

続いて、豸峰より更に奥まったところにある坑头から。
豸峰と坑头、どちらか片方しか行く時間がないなら、坑头がオススメだ。

↓村の中を縦横無尽にを小川が流れる。後ろには見事な竹林が。
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↓村のあちこちに小さな橋がかかっている。      ↓白い壁に緑が映えて、散歩も快適。
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↓平地は田んぼに回し、住居は斜面に作られる。その高低差が村の景色に起伏を生む。↓
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↓タクシー運転手も観光気分だった。         ↓何やら古そうな建物。
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↓昔は裕福だったのかと思わせる木彫。       ↓昔は裕福だったのかと思わせる石細工。
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↓洗濯物。生活感のある村を歩くのが好き。     ↓この木の棒は何?物干し竿?
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↓この木の棒は橋?酔ったときは怖いな(笑)     ↓せめてこれくらい太くないと不安だよ。
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↓まだまだ小川の水も綺麗。中国では貴重な光景。↓村の奥までちゃんと石畳が敷かれている。
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↓村外れには巨大な建物が。豪農の家?
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村を散歩しながら時どき例の米焼酎を口に含み、のんびりとした時間を過ごした。

村民は僕らが日本人だと知ると、心底不思議そうに「なんでまたわざわざこんなところへ?」と言った。
村の素晴らしさに感動したと聞けば、喜びながらも「何が素晴らしいんだろう?」といった反応。
村民にしてみれば、都会の生活こそが素晴らしいものなのだから、噛み合うわけがない。
僕にしたって、「見る」分には素晴らしいと思うけど、ここで生活するとなったら違う感想が出るだろう。

どちらの村も、今は入場料を取り始めているんじゃないかな。
誰もが豊かな生活を夢見るのは当たり前。
だから、現金収入を得るためにあちこちの村が観光化していくのは自然な流れだと僕も思う。

ただ、観光化のために行う補修や整備が、却って観光資源としての価値を下げているとしか
思えない例が多いのでゲンナリするんだけど、それも所詮外国人の身勝手な思いだからなー。

だって、もしこの村に中国人観光客が行っても、別に素晴らしいとは思わないだろうから。
建物は古いままだし、レストランもないし、おみやげも買えないし、そういや、公共トイレすらない。
小汚い農村なんて、苦しかった昔を思い出すだけで面白くも何ともない。そう言われそう。 
江湾みたいに、建物も道路もリフォーム済みで、ショッピングモールもある村の方が、
ほとんどの中国人観光客には歓迎されるに決まっている。

「顧客の求めるものを提供する」。
商売の原則に従って、中国各地の農村はテーマパーク化しているのだ。
だから、顧客の大半と趣味が合わない人間は、そうなる前に観光を済ませておくしかない。

この村は、「間に合った」。
今後もこのままあり続けて欲しいなどとは思わず、ただただ「間に合った」幸運を喜ぶ。


■今日の写真■
撮影@江西省婺源県龙山乡坑头村と豸峰村
*タクシーを半日150元で貸し切って行った。
 タクシーの運ちゃんですら、「こんな田舎初めて来た」と笑っていた(笑)。
*公共トイレはないので、民家で借りるか、青空の下で自己を解放しよう!



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婺源11 - イチオシ!あるがままの「美しい農村」!1

「中国で最も美しい農村」江西省・婺源の集落について、ここは微妙、ここは観光化されてるなどと
書き散らしてきたが、「じゃ、観光化されていない集落なんてあるのかよ?」と言われそうなので、
婺源旅行記の締めくくりに僕ら一押しの集落を紹介したい。

その集落の名は、豸峰(zhi4feng1)と坑头(keng1tou2)。
婺源中心地からは、バスはおろか乗り合いのミニバンすら出ておらず、タクシーを貸し切るしかない。
舗装されていない道を1時間ほど走ると豸峰があり、その更に奥に坑头がある。
運転手は「あ゛ー、(泥道で)車が汚れるー」とボヤいていたが、
こういう交通の不便さが集落を観光化から守ることを知っている僕らとしては、むしろ嬉しくなった。

村に着いて、更にその嬉しさは高まった。2007年5月当時の話にはなるが、
他の集落のように入場料を取ることもなく、本当に観光化の「か」の字も見当たらなかったからだ。
どちらの村にも小さな商店すらないので、行く人は水などを準備していった方がいいと思う。

まずは、豸峰の写真から。

↓村の遠景。谷あいに佇む小さな農村。       ↓村の入り口の建物。今はもう補修されてそう。
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↓3階建てくらいの高さがある。             ↓苔むした壁もいい感じ。
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↓昔は豪商を輩出した土地らしく、立派な建物。他の村なら、白ペンキでテカテカだ。
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↓村の中は細い路地が入り組んでいる。       ↓聳え立つ高い壁。
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↓見事な青石板の石畳。               ↓鶏に導かれて迷路を行くと…。
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↓袋小路に!(ガビーン)                ↓手の込んだ建築様式。
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↓少女と見つめ合う鶏。ひとめぼれ?
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↓路地の向こうから豚も登場。             ↓ヒヨコもあちこちに。
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↓村の脇を小川が流れる。おばあさんは川へ洗濯に…
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↓おじいさん(運転手)も、川で洗車。珍しく綺麗好きな人だった。
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写真が多くなり過ぎたので、別記事で坑头に続く!



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2010年05月19日

婺源10 - 鶏にアヒルにねっちょり青菜!

中国で田舎を旅する楽しみの1つに、「鶏を食べること」がある。
もちろん鶏なんて都会でも食べられるけれど、そのあたりを走り回って元気に育った土鶏(地鶏)を、
丸ごと捌いてもらうのが旨いのだ。1匹丸ごと使った料理でも1000円程度だから、安いものである。

婺源を旅したときも、もちろんその楽しみを享受した。その名も、紅焼土鶏だ。
「紅焼とは、焼くという意味ではなく、醤油煮込みのこと」というのは中華好きには今更の話だろうし、
中華の中でも極めてメジャーな調理法だけど、どんな味が出てくるかは意外に予測がつかない。

あまりにもありふれていて全国どこでも用いられる調理法だけに、
地方ごとのアレンジが加わることが多く、仕上がりが読みにくいのである。
用いる醤油の種類自体も色々だし、八角やら唐辛子やら花椒を入れてみたり、
要は仕上がりの色合いが「紅=醤油色」であれば、大抵のアレンジは許される印象だ。

↓テラテラと輝いて美味しそうな紅焼土鶏。
PICT1583
 
その意味で言うと、この店の「紅焼」はシンプルだった。
こってり醤油味に生姜を効かせた程度で、「紅焼」という調理法のサンプルになれそうな感じ。
ただ、それなのにイマイチ満足出来なかったのは、鶏の質が期待ほどではなかったからかなあ。

「紅焼」ほどではないけれど、これまた地方差が大きいのが、お次の啤酒鴨
この料理の場合、「アヒルをビール(=啤酒)で煮込む」点さえ抑えれば、あとはアレンジ自由だ。
以前記事にした広西チワン族自治区の啤酒鴨と見比べてもらうと、違いが分かりやすいかも。

↓啤酒鴨。正確には頭に「赣味(江西省風味の)」がついていた。
PICT1805

僕らが婺源で食べた啤酒鴨は、生姜と唐辛子をしっかり効かせ、
ビールの汁気を残しつつも、こってりとした味わいに仕上がっていた。

肉の味が濃いアヒルは、こういう濃厚な味付けによく合う。
ビールで煮込んでいる以上ビールが合うのが当たり前で、冷えたビールがぐいぐい進んだ。
生姜と唐辛子を多用するのは江西料理の特徴だから、「らしい」仕上がりと言える。

江西省らしいと言えば、腊肉蒸野菜という料理も他地域では見たことがない。
刻んだベーコンと青菜を木桶に入れて蒸したもので、昨日の「粉蒸」同様、米の粉でもまぶすのか、
仕上がりはねっちょりしていた。

↓腊肉蒸野菜。まさか木桶で出てくるとは思わなかった。
PICT1807

ベーコンの塩気と旨みが青菜にしっかりからみ、見た目は悪いが、実に美味しい。
「ベーコン、青菜」と言われるとこれまで炒めることしか思い付かなかったが、これは嬉しい発見だ。
しかも、ベーコンの旨みを米の粉を経由して青菜に移すとはねえ。

こういう風に、単独で見ると身近な食材や調理法なのに、
自分では思いもよらなかった組み合わせで未知の味に仕上がった料理に出会うと、楽しくなる。

改めて思い返すと、江西料理、美味しかったな。またいつか行こうっと。


■今日の料理■
红烧土鸡 hong2shao1tu3ji1
赣味啤酒鸭 gan4wei4pi2jiu3ya1
腊肉蒸野菜 la4rou4zheng1ye3cai4

撮影@『稻香居』
住所:江西省上饶市婺源县文公北路10号
電話:不明



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2010年05月18日

婺源9 - 粉をまぶして蒸し上げる!「粉蒸」の魅力!

粉蒸」という調理法がある。
漢字から推測できるように、下味を付けた食材に粉をまぶしてから蒸し上げる調理法だ。

この場合の粉は、米の粉を意味する。
米の粉に食材から出る旨みを吸い取らせて、一滴も無駄にせず味わおうという狙いだ。

この調理法が生まれた経緯については、よく分からない。
例によって、各地域が好き勝手にそれっぽい物語を作り上げているからだ。
ま、米の粉を使う以上、華中以南の稲作地域のどこかで生まれたと考えるのが自然だろうし、
実際、今もそのあたりの地域でよく見られる調理法である。

僕らが旅した江西省・婺源のレストランでも、「粉蒸」を用いた料理はメジャーな存在だった。
中でも最も一般的なのが、豚の三枚肉を用いた粉蒸肉だ。

↓ド迫力の粉蒸肉。
PICT1578a
 
何だかスゴイ見た目だが、この巨大な半球はぶつ切りの三枚肉と米の粉で形成されている。
豚肉の旨みを吸った米の粉がてらてらヌメヌメと輝き、こりゃ間違いないと思わせる。
脂も肉もとろけるほど柔らかく蒸し上げられた豚肉が不味いわけもなく、
ねっとりとした米の粉が豚の旨みをじゅわんと増幅して、腹にはたまるが実に旨い。

ひと口に「粉蒸」と言っても作り方は様々で、使用する米の粉からして、
粘米粉(上新粉)だったり、糯米粉(もち米粉)だったり、時には両者を混ぜたり、色々だ。
地域によっては、唐辛子で辛くしたり、花椒で痺れを加えたりもするが、
婺源の粉蒸肉は、醤油と紹興酒ベース(多分)のストレートな味わいだった。

お次の「粉蒸」料理は、粉蒸田鶏。皆さんご存知の通り、田鶏とはアカガエルの一種で、
中国全土で食べられているが、豊かな稲作地帯である江西省では取り分け身近な食材だ。
塩ベースのあっさりした味付けながら唐辛子で程よく辛さを効かせてあり、
粉蒸肉よりこっちの方が、僕の中の江西料理のイメージに合致した。

↓大きな盆に山盛りで出てきた粉蒸田鶏。
PICT1809a

田鶏は鶏肉と似た味と言われることが多いが、その実、鶏肉よりよっぽど上品だ。
淡白で香りが良い田鶏と比べたら、大抵の鶏肉は下卑た臭いがあると言わざるを得ない。

一匹一匹が小さいので食べるのが面倒だが、
足ごと口の中に放り込み、肉をしゃぶり尽くしてからペッとやれば効率的だ。
お上品に箸で食べようとしても食べ残しが出るだけで、却って食材に失礼な食べ方になる。

↓右側が前足。この美味を見た目を理由に逃す手はない。
PICT1812a

粉蒸肉にしても、粉蒸田鶏にしても、肉ドーン!米ドーン!という料理なので、かなりヘビー。
そういう場合は、野菜ドーン!の料理を頼んでバランスを取るのが中華の常道だ。

野菜炒めのド定番・素炒空心菜にがっつく。
単純な塩炒めは「清炒」と呼ぶのが一般的だが、江西省では「素炒」という表現をよく見かけた。

↓素炒空心菜。たっぷりの野菜こそが食欲の源。
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婺源では野生のキクラゲがたくさん採れるそうで、それを大蒜で炒めた蒜茸野木耳も旨かった。
肉厚で、むっちりコリコリして。力強い味わいと食感に、大蒜の風味が良く合う。

↓蒜茸野木耳。素材が良ければ、単純な料理が一番旨い。
PICT1575a

旅先で美味しい料理に出会うと、とても幸せな気持ちになれる。
というか、それだけを求めて旅をしている。


■今日の料理■
粉蒸肉 fen3zheng1rou4
粉蒸田鸡 fen3zheng1tian2ji1
素炒空心菜 su4chao3kong1xin1cai4
蒜茸野木耳 suan4rong2ye3mu4er3

撮影@『稻香居』
住所:江西省上饶市婺源县文公北路10号
電話:不明



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2010年05月17日

ぶ源8 - 川のほとりの茶館で、緑茶と絶品米焼酎!

久々の中国篇は、「中国で最も美しい農村」を自称する江西省・婺源(wu4yuan2/ぶげん)から。
上海時代のGWに行ったんだよなあと思い出したからアップするんだけど・・・あれからもう3年!?
まだまだ書き終わってない旅行記がたくさんあるのに、時の流れは速いなあ。。

さて、婺源はいくつもの集落に分かれていて、集落ごとに観光化の度合いがかなり違うので、
どの集落を選ぶかで旅の印象がまるで変わってしまうのが、難しいところ。
以前、残念な例として江湾、まずまずの例として彩虹橋思渓・延村を紹介したが、
今日の晓起は、「観光化されてはいるけれど、意外にも贅沢な時間を過ごせる集落」かな。

晓起の入場料は、20元。入り口付近はしっかり観光化されているが、
前に書いたヨモギ餅と透明プルプルゼリーを売っているのはこの辺りなので、お見逃しなく。

そして、酒好きに是非オススメしたいのが、『査記酒坊』という酒屋だ。
自家醸造の米酒や果実酒を扱っていて、中でも純粮小曲という蒸留酒が絶品!

恐らく日本の一般的な米焼酎とは違って常圧蒸留しているのだと思うが、
米の風味がダイレクトに出た荒々しい味わいが素晴らしい。
酒は竹筒に入れてくれるので、それをリュックサックに挿して、旅の間中、飲み歩いた。

↓甕から量り売り。味見させてくれるので、全部飲んでから買おう(笑)。
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↓純粮小曲。もっと買えば良かったと悔やんだ美味。 ↓持ち歩きに便利な竹筒。いい感じ。
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観光化された集落を抜けてしばらく歩くと、味のある風景が広がっている。
晓起は緑茶の産地としても有名らしく、古めかしい建物の間に茶畑も見られた。

↓集落の遠景。                     ↓特徴的な建築様式。
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↓小川に沿って建物が続く。              ↓茶畑。茶葉は日本茶よりワイルド。
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小川のほとりには村で作った緑茶を味わえる茶館があつらえてあって、
その茶館こそが、僕らが晓起を気に入った理由だ。

茶は1杯5元の晓起毛茶と10元の晓起毛峰の2種類あるが、10元の晓起毛峰がオススメ。
甘く、優しい味わいで、値段が異なる理由がはっきり分かる。

うららかな春の日、大樹の下で、流れる水の音を聞きながら茶を飲む贅沢。
途中から酒も飲み始めてしまったのは内緒だが(笑)、実に心休まる時間だった。

↓素晴らしいロケーション。
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↓これぞ青空茶館。                  ↓水上席もある。
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↓こんな環境なら、茶でも酒でも何でも旨い!
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次に、晓起からバスで20分ほどの距離にある汪口は、「晓起のついでに寄るならあり」かな。
川沿いに古建築が立ち並ぶ景色が売りなのだが、全景を綺麗に見渡せるような場所がなく、
「ヘリコプターで上から見たら綺麗なのかもなあ」といった感じ。
一応、川の反対側に遊歩道があるが、木が茂りすぎて対岸の村がよく見えなかったのが残念だ。

観光化の度合いは晓起と同程度で、俞氏宗祠という素晴らしい古建築もあるが、
それだけの為に汪口に行って喜べるのは、余程の建築マニアだけじゃないかな。
因みに、入場料は25元。晓起より高い。

↓橋から。更に左に古い建物があるが撮れない。  ↓木が邪魔な上に建物も新しくて微妙。
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↓俞氏宗祠。                      ↓素晴らしい木彫
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↓素晴らしい木彫◆                  、素晴らしい木彫
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↓集落の一角。
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あれこれ書いたけど、これ、もう3年も前の状況なんだよなあ。
今の中国、どこの観光地も急速にテーマパーク化しているので、
これを見て行ったらペンキテカテカの「新築」ばかりになってた、とかだったらごめんなさい。


■今日の酒・茶■
純粮小曲 chun2liang2xiao3qu3
晓起毛峰 xiao3qi2mao2feng1
晓起毛茶 xiao3qi3mao2cha2

撮影@江西省婺源県晓起鎮と汪口鎮
*婺源中心部から江湾行きのバスに乗って途中下車。



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2009年08月07日

景徳鎮4 - 忘れたくても忘れられない牛肉!

過去の料理篇は、基本的に「あれは美味しかったなあ」と思い出すものから書いているから、
旅先で旨いものばかり食べているように見えてしまうが、もちろんハズレを引くことだってある。

店にしろ、料理にしろ、事前にある程度の下調べはするとはいえ、なんせ初めての土地だ。
大ハズレではないが、かなり微妙・・・その程度のハズレは避けようがない。

江西の景徳鎮で訪ねた『赣菜楼』も、そんな微妙な店のひとつだった。
赣菜(=江西料理)を店名に掲げていただけに、最初はそれなりに期待したのだが・・・


品書きに、いわゆる江西料理が少ない。
なんとこの店、僕らが敬遠していた「新感覚」「新概念」の江西料理がウリだったのだ。。

店員がしつこく薦めてきた忘不了牛肉を食べ、愕然。
忘不了(=忘れられない)などと主張するその牛肉料理の正体と言えば・・・!

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あろうことか、カレー粉で牛肉を炒めちゃったよーんという代物だったのだ!!
干鍋仕立て、生唐辛子ってとこに江西料理のニュアンスは残っているが、カレー粉ってあなた。。
ある意味、今なお忘れたくても忘れられない味だったのは確かだ。

その他の料理は、可もなく不可もなく。

瑶里笋尖双焼は、タケノコの先端を唐辛子と炒めたもの。
新鮮なタケノコなら美味しそうだが、これは保存したもので、塩気が強くてイマイチ。

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野菜は、油淋萝卜菜で補給した。
一般的に「油淋」と言えば、食材に熱した油をかけ回しながら揚げる調理法を指すが
(油淋鶏=ユーリンチーは日本でも有名ですね)、江西では事情が異なっていた。
青菜の料理によく用いられていて、どちらかと言うと「上湯」という調理法に似ていた。
即ち、青菜を軽く炒めた後、スープで煮含めるのだ。

萝卜菜は、大根の葉。「油淋」の野菜料理は他の店でも試したが、全て上湯仕立てだった。
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「ところ変われば言い方変わる、だねえ」
「こういうのは、実際旅してみないと分からないなあ」

味はと言えば、いわゆる上湯萝卜菜でございました。。


■今日の料理■
忘不了牛肉 wang4bu・liao3niu2rou4
瑶里笋尖双烧 yao2li3sun3jian1shuang1shao1
油淋萝卜菜 you2lin2luo2bo・cai4

撮影@『赣菜楼』
住所:江西省景镇市翠云路
電話:0798-8520798



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2009年08月06日

景徳鎮3 - 「アヒルの足の裏」はシャキッ!?

江西省景徳鎮市の人口は40万ちょっと。中国では田舎町と言っていい規模だ。
だから、レストランの数も少なく、とりわけ江西料理を食べられる店は選択肢が少なかった。
郷土料理なんて家で食べるもので、わざわざ外で食べないんだろう。


そういう街での裏技として、老舗ホテルのレストランを使うことがある。
店を開拓する面白味はないが、意外に美味しい郷土料理にありつけることが多い。
ただし、ホテルのレストランってのは他地域の料理も幅広く揃えているものなので、
注文するときは、注意深く地元の料理を選ばねばならない。

そんな裏技が吉と出たのが、『财政宾馆』の2階レストラン。
大して期待もせずに頼んだ品々は、どれも平均点を上回っていた。

まずは、ビールもご飯もどんどん進む乌腌菜土椒焼肉
角煮に使うような豚ばら肉を、青菜の漬物・唐辛子と一緒に醤油で煮込んだものだ。
今さらながら、中国語の「焼」=「煮込む」。焼肉ではない。

PICT1842a

乌腌菜とは、他地域で言うところの霉干菜だ。
青菜を干したあと塩漬けし、熟成したものを再度干してから蒸し、また干して蒸し…ってのを
数度繰り返したもので、単純に「漬物」と言っては可哀想なくらい手間がかかるようだ。
熟成の過程で青菜は黒くなる。乌腌菜の乌(=黒い)は、そこから来ているのだろう。
因みに、「腌」は塩漬けするという意味だ。

客家の名物料理・梅菜扣肉にも似ているが、穏やかな醤油味とじんわりとした辛さのおかげで、
ひと味違った仕上がりになっている。旨い。

お次は、腊肉炒鸭脚板
アヒルの足でも入っているのかと思いきや、さにあらず。
鸭脚板とはなんと青菜の名前で、江西ではよく食べるものらしい。

鸭脚板(=アヒルの足の裏)だなんて名前を付けられてしまったのは、葉の形状がアヒルの
水かきに似ているからだそうだが、僕らが食べたのは茎部分なのでよく分からなかった。

PICT1848a

ともあれ、青菜をベーコンと炒めるのは、江西料理の定番。
鸭脚板のシャキッとした食感と野草っぽい力強い味わいに、ベーコンの旨味がよく合った。
今思えば、ベーコン自体が旨いってのもあったんだろうな。旨味がピュルピュル出る感じだ。


素炒田藕はレンコンの薄切りを塩味で炒めただけのものだが、とても良かった。
レンコンだけを炒めて旨いのかと思うかもしれないが、これが実に旨い。
シャクッと噛み切った後も噛み続けていると、レンコンの香りと共に甘味が徐々に広がるのだ。

PICT1850a

別にこのとき初めて食べたわけではないけれど、今や自宅でも作るほどのお気に入りだ。
この状態から更に縦に切って千切りにしても、また食感が変わって美味しい。

最後は、カエル。干鍋仕立ての干鍋青蛙だ。
江西ではカエルをよく食べると書いたが、本当にどの店でも品書きの目立つ場所に載っている。

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味付けは悪くはなかったが、他の店で食べたカエルがもっと旨かったので、印象が薄い。

・・・しかしまあ、小さい頃、田んぼでカエルを追いかけていたときは、
まさか自分が大人になったら嬉々としてカエルを食べるようになるとは思わなかったなあ。
ま、それを言うなら、カエルに限らず犬やザリガニもそうだけど(笑)。

ともあれ、人生の早い段階でそれらの美味を知ることが出来たのは幸せだった。
これからもガツガツ食べていこうっと。

■今日の料理■
乌腌菜土椒烧肉 wu1yan1cai4tu3jiao1shao1rou4
腊肉炒鸭脚板 la4rou4chao3ya1jiao3ban3
素炒田藕 su4chao3tian2ou3
干锅青蛙 gan1guo1qing1wa1

撮影@『财政宾馆 2楼餐厅』
住所:江西省景镇市新村北路43号
電話:0798-8292368



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2009年08月05日

景徳鎮2 - 景徳鎮ならではの古株クニュクニュ豆腐。

今日の料理は、江西省の景徳鎮から。
磁器を買うという本来の目的はしょぼーんな結果に終わったけれど、料理はなかなか面白かった。 
もちろんこの街でも江西料理を食べ続けたわけだが、景徳鎮ならではのものが見つかったのだ。


そのひとつが、瑶里古株豆腐
瑶里とは景徳鎮市に属する村の名前で、そこの名産「古株」を使った料理なのだが、
豆腐を想像していた僕らは、出てきた料理を見て面食らった。

PICT1183a

どこからどう見ても豆腐には見えない。コンニャクじゃないのか??

調べたところ、「古株」は仙人草(クレマチス)に似た植物だそうで、
それを干してから煮出した汁をアルカリで固めたものが古株豆腐らしい。
作り方は、コンニャクに似ているといえば似ている。
だがむしろ、煮汁に凝固材を入れて固めるってのは豆腐と同じだから、
古株豆腐という名前は、きっと豆腐に製法が似ているところから名付けられたのだろう。

それ自体に特に味はないので、旨いかと聞かれると困るが、噛むとクニュクニュとして面白い。
赤と青の生唐辛子と炒めてあって、ツルリとした喉越しに鮮烈な辛さが効き、爽やかだ。


もうひとつの景徳鎮料理が、またかと言われそうだが、犬肉。
景徳鎮市の楽平では昔から犬食が盛んだそうで、僕らが食べたのは、その名も楽平狗肉

名前だけじゃどんな料理か分からなかったが、その実態は白切狗肉だった。
茹でた犬肉をタレに付けて食べる、最もシンプルな調理法だ。

↓皮、脂、肉が層になったワイルドな部分。
PICT1175a

ぶっちゃけ、犬肉を食べる地域ならどこにでもある調理法だが、タレが良かった。
醤油ベースにネギ、ニンニク、たっぷりの唐辛子。
味が強い犬肉なら、これくらい強烈なタレでも負けない。
ビールもよく合ったが、白酒をぐいっとやったら最高だったろうな。

楽平の犬肉料理はこの他にも色々あるようだが、このときは食べ逃した。
次の機会を待ちたい。

その他、この2つを食べたレストランで頼んだ料理は、ご覧の通り。

↓蒜蓉紅苋菜(赤いヒユナの炒め物)        ↓紅油大腸(大腸の唐辛子炒め)
PICT1180aPICT1181a

PICT1186a←菊花糊(菊花菜のドロドロスープ)
刻んだ菊花菜を大量の油で炒め、米の粉を溶いた水を加えて炒め煮にする。この種のドロドロ料理(糊菜)については、こちら

・・・広州に来てから、江西料理(赣菜)にはすっかりご無沙汰だなあ。
色々書いてたら、食べたくなってきちゃった。。


■今日の料理■
瑶里古株豆腐 yao2li3gu3zhu1dou4fu・
乐平狗肉 le4ping2gou3rou4
蒜蓉紅苋菜 suan1rong2hong2xian4cai4
紅油大肠 hong2you2da4chang3
菊花糊 ju2hua1hu4

撮影@『风味赣菜馆』
住所:江西省景镇市翠云路附近
電話:不明



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2009年08月04日

景徳鎮1 - 磁器の町でショッピング・・・。

南昌の料理を書いたついでに、同じ江西省にある景徳鎮にも触れておこう。 

景徳鎮は、南昌からバスで3時間半ほど。
言わずと知れた磁器の町だが、正直、磁器を期待して訪れるのはオススメしない。


冒頭から失礼なことを書いてしまったが、というのも、僕らが大いに失望したから。

かつての栄華も今は昔。
清代以前の景徳鎮は、それはもう素晴らしい磁器を作っていたそうだが、
その時代の逸品は、どれも博物館か大金持ちの家の中なんだろう。
(昔、台湾故宮で見た永楽窯の白磁は見蕩れるほど美しかったなあ。。)

今、この街の陶磁器店に並んでいるものは、大量消費用の安物ばかり。
しかも、手で持ったそばから欠けそうな劣悪品で、デザインも相当にイマイチ。
店によっては、プリント柄の皿ばかりを置いているところさえある。
まあ、博物館級の磁器が売ってたってどうせ買えないんだけど、それにしても。。

磁器専門市場にいっても、状況は変わらない。
並んでいるものの8割は安物で、ちょっといいかなと思うものは、無闇に値段が高い。
それでも「高いけれどこれなら仕方ない」と思わせるものならいいけれど、
どちらかと言うと、「これにこの値段を出すなら、有田か伊万里にでも行くよ」って感じ。

↓一応、3、4ヶ所の市場を回ってはみたのだけれど・・・↓
PICT1165PICT1170
↓「中に入ってよく見てみようよ!」という店すらあまりなく・・・↓
PICT1167PICT1168
  
結局、2日間歩き回っても「ずっと使い続けたいなあ」と思うようなものはなく、
「枯れ木も山の賑わい」と、伝統柄を模倣した安物の小皿や盃を少々買い込んだ次第。
大勢で飲み会するときに、いくら割れてもいいやって勢いで使おうかな、と。

ま、これはあくまで食器を捜し歩いた実感なので、大きな壺や甕なら状況は違うのかもしれない。
ああいうやつの方が高い値を付けられるだろうから、技術の高い人はそればっかり作るのかも?

尚、市内の景徳鎮陶瓷文化博覧区では、明代や清代の窯の跡が見学できる。

↓古い窯の跡。                    ↓こちらは再現した窯。
PICT1157PICT1117
↓老いも若きも、頑張って色々作ってはいたのだけれど・・・↓
PICT1090PICT1096
↓残念ながら、区内の陶磁器屋に惹かれるものはなかった。。↓
PICT1089PICT1083
↓この登り窯も、再現したもの。           ↓博覧区内は、お洒落な(?)造り。
PICT1122PICT1113
↓公園のような造りなので、散歩として歩き回る分には悪くない。↓
PICT1100PICT1142


入場料は50元もするし、中でも大した磁器が売っているわけではないが、
緑豊かな公園に整備されているので、時間つぶしに散歩するにはいいかもしれない。

・・・そして偲ぶのだ。「兵どもが 夢の跡」と。。




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2009年08月03日

南昌7 - 江西料理、乱れ喰い!<筒子骨篇>

江西省の南昌で、もう一軒美味しかった店をご紹介!(この情報、誰かの役に立つのか?)

店名は、『好彩头烧烤餐厅』。 烧烤はバーベキューという意味で、
なんでまたそんな店で江西料理を食べようと思ったのか今となっては全く覚えていないが、
出てきた料理は大層美味しかったようで、当時のメモには「◎」が並んでいる。
これもネットで調べたんだったけかなあ。。


 

最初の料理は、干鍋飘香鴨
湖南料理の記事でもお馴染み、「干鍋」とは小さな鉄鍋仕立ての料理のことで、
「飘香鴨」は香りが漂うアヒルという意味だ。

↓鉄鍋が温まってくると、醤油の香りがほわわんと漂ってくる。
PICT1031a

飘香鴨という料理自体は、江西以外でもよく見かける。
香りよくアヒルを仕上げれば「飘香鴨」を名乗れるわけだから、地域によって味は全く異なる。

江西の場合、生姜を効かせた醤油ベースのシンプルな味わいが持ち味。
例によって赤唐辛子の辛さがじんわり効いているが、辛いというほど辛くはない。
アヒル自体が旨いのだから、余計なことをする必要はない。
まるで料理からそう言われているかのような気さえする、アヒルの味勝負の一品だった。

お次の萝卜烧筒子骨は、江西料理の定番。
大根のぶつ切りと骨付き豚肉の醤油煮込みだ。

↓筒状の骨付き豚肉なので、筒子骨。
PICT1035a

大きく切られた大根の中の中まで骨付き豚肉の旨味が染みて、旨いことおびただしい。
中華料理にこんなにもあっさりした醤油味があろうとは。
もっと甘辛くこってり作ってしまう店もあるだろうから、この旨さは店の手柄だろう。

おでんの大根が好きな人なら、確実に大喜びする味だ。
ほろほろに煮込まれた骨周りの肉だって、言うまでもなく旨い。

「必ず唐辛子を入れるわけではなく、こういう優しさ一本の味付けもあるんだね」
「なんとなく広東や福建を思わせるあっさり具合だな」

残りの2品は、過去記事で紹介しているので写真だけ。
この店のも、とても美味しかった。

豆角炒茄子。今思うと、南昌にはナスとササゲを組み合わせた料理が多かったような。
PICT1028b

南昌炒粉。店によって結構旨い不味いがあった。この店のは、「旨い」。
PICT1026a


■今日の料理■
干锅飘香鸭 gan1guo1piao1xiang1ya1
萝卜烧筒子骨 luo2bo・shao1tong3zi・gu3
豆角炒茄子 dou4jiao3chao3qie2zi
南昌炒粉 nan2chang1chao3fen3

撮影@『好彩头烧烤餐厅』
住所:东湖区福州路123号
電話:不明

あ、そうそう、僕が南昌を訪ねた5月は、ビワ(枇杷)が旬真っ盛りだった。
でっかいのが8個でたったの10元(150円)!
 
PICT1040a

この時期に南昌に行ったら、お見逃しなく!



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2009年07月31日

南昌6 - 江西料理、乱れ喰い!<甲魚篇>

昨日に引き続き、江西省南昌市の『家常飯』で食べた江西料理について書いていく。

本日のトップバッターは、鍋仔甲魚
小鍋仕立ての料理(鍋仔)は江西の得意とするところで、食材はスッポンだ!

PICT1862a

中国ではスッポンも安いもので、丸ごと1匹使った料理がたったの58元(900円弱)だ。
日本のスッポン料理は、なんであんなに高いんだろう。
日本でも仕入れ値は1匹数千円だそうなのに、その十倍で売っている感じだよな。

この鍋仔甲魚、スッポンのダシがどっぷり出ている。
ゼラチン質たっぷりの身も美味しいけれど、このスープがなかなか。
濃厚でコクもあるのに澄んだ味で、椎茸や棗、朝鮮人参が良い具合に作用しているようだ。

お次は、紅焼肥腸。豚のダイチョウをたっぷりのニンニクの芽・唐辛子と共に。

PICT1867a
 
紅焼ほど定義が厄介な調理法もなかなかない。
よく醤油煮込みなどと訳されるが、地方によって見た目も味付けも全然変わってしまう。
今日の料理に至っては、煮込んですらいないように見える。

こういうときは、「旨いんだから細かいことは気にしない」ことにしている。
肉厚の肥腸はとても美味しい。食べ進むうちに、生唐辛子の辛さがじんわりと効いてくる。

続いては、スープ。雪梨肉餅湯
普段、2人で食事をするときにスープを頼むことは少ないが(お腹一杯になっちゃう)、
江西人はスープに並々ならぬこだわりを持つと聞いては、試さざるを得ない。

PICT1868a

豚肉のダシに梨の甘味が溶け合い、優しい味だ。
意外に思うかもしれないが、梨はスープ素材の定番で、広州のスープでもよく見かける。

江西らしさがどこにあるのか見た目では分かりにくいが、それは製法と肉餅にあるようだ。
他地域のように、豚骨やスペアリブ、或いは肉の塊でダシを取るのではなく、
肉餅(肉団子)でスープのダシを取る肉餅湯は、江西ならではのものなんだそうだ。

また、スープと言えば煮込むのが当たり前と思いきや、江西では「隔水蒸」という技法を使う。
これは先日のスープと似ていて、まず小さい容器に水とスープの食材を全て入れて蓋をし、
その容器を大きな蒸籠で蒸すのだ。水と隔てて蒸すから、「隔水蒸」というわけである。

最後は、豆角炒茄子(ササゲとナスの炒めもの)。
特段江西っぽいものではないけれど、この店のは妙に美味しかった。

PICT1865a

ポクポクとしたササゲとじゅわりとしたナスの対比がとてもいい。
例のじんわりした辛さに醤油や油の香ばしさが手伝って、パクパク食べてしまう。

こんな風に野菜をたっぷり食べられるから、中華は好きだ。
この量の野菜を和食やサラダで食べようと思ったら、ちょっと大変だ。
そりゃ油は使うけど、中国人にデブが少ないことを考えれば、油を毛嫌いする必要はないはずだ。
消化を助けてくれるしね。

ということで、最後は江西料理から話がそれたけど、『家常飯』は良い店だった。
最近のレストランの常で、品書きには江西料理以外の料理もたくさん混じっているので、
今後行く人はご注意あれ。


■今日の料理■
锅仔甲鱼 guo1zai3jia3yu2
紅烧肥肠 hong2shao1fei2chang3
豆角炒茄子 dou4jiao3chao3qie2zi・

撮影@『家常饭(孺子路店)』
住所:江西省南昌市西湖区孺子路141号
電話:0791-6300960 6256266



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2009年07月30日

南昌5 - 江西料理、乱れ喰い!<石鶏篇>

南昌は江西省の省会だが、観光の見所はそれほど多くない。
1927年に共産党が武装蜂起した聖地だけに、その記念館はあるけれど、
それを除くと、江南三大名楼のひとつ・滕王閣くらいしか有名なものはない。
市の方でもそれが分かっているのか、何があるわけでもない滕王閣の入場料は50元もする。

↓その滕王閣にしたって、最近建て直したものらしいけど。
PICT0999a

結構な都会なのにレストランも多いとは言えず、特に江西料理を食べようと思うと難しかった。
今どき伝統的な料理は流行らないのだろうか。街を歩いていると、新感覚だの新概念だの、
お呼びでないよって感じのフュージョン江西料理が目に付いた。

その中で、事前にネットで調べた『家常飯』はありたがい存在だった。
家庭料理という意味の店名通り、ここでは普通の江西料理をあれこれ楽しめた。

江西料理の印象を簡単に言うと、全体的にじんわりと辛いものが多く(生唐辛子由来のもの)、
生姜や胡椒をしっかり効かせる感じ。

河や湖が多い場所柄、カエルやスッポンをよく食べ、肉も野菜も種類が豊富。
調理法は「煮込む」「蒸す」に特徴的なものがあり、スープにもこだわりが見られた。

総じて、湖南、広東、浙江など、周りの省の料理の特徴が上手く混じり合っていて、
よく言えば良いとこ取り、悪く言えば個性に欠け、そのへんが全国的にマイナーな理由だろう。

ま、百聞は一見に如かずということで、『家常菜』で食べた料理をずらりとご紹介。

トップバッターは、黎蒿炒腊肉。腊肉とは中華ベーコンのことで、
これと野菜を炒める料理は江西でよく見かけたが、その中でも黎蒿は僕の大好物。

PICT0982a

黎蒿とは湖に生える水草で、江西人は春先にこれを食べると春を感じるそうだ。
日本人にとっての山菜みたいなもんなんだろうな。
芹のような強い香気があり、シャクシャクとして、ほろ苦い。大人の味だ。
強い味がベーコンの旨味とよく合い、そこに生唐辛子の辛さがピリリと効いて、実に爽やか。

お次は、黄焖石鶏
石鶏とは江西でよく食べるカエルのことで、和名はスピノーザトゲガエル(知らんがな。笑)。
田鶏(アカガエル)や癞蛤蟆(ヒキガエル)より美味とされているが、その分、高価。
全国のレストランで石鶏として出されているものの多くが、安価なウシガエルなんだそうだ。

PICT0990a

PICT0993a

ま、このカエルが本物の石鶏かどうか知る由もないが、実に美味しかった。
カエルってのは下手な鶏より余程上品で旨いものだが、これは肉付きが良く、食べ応えもあり、
ダシが取れそうなくらい豊潤な味わいだった。

黄焖とは油通しした食材をとろ火で煮込む調理法で、地域ごとに用いる調味料は異なるのだが、
生姜を効かせ、辛さがじんわりと広がる江西風の味付けは、上品なカエルにぴったりだった。

続いて、圆笼糯香骨
もち米を料理に使うのは華南地方では珍しくないが、これもそのひとつ。
蒸籠にみっしり詰まったもち米の中には、宝物が埋まっている。

↓何を使って黄色にしてあるんだろう?上にのっているのは干した棗。
PICT0984a

宝物とは、豚のスペアリブ。
スペアリブを掘り起こす度に、何とも言えない良い香りがふわあっと立ち昇る。
豚の旨味が、ねっとりとしたもち米全体に染み渡っている。
豚自身もほろほろに柔らかくなっていて、旨い。

PICT0987a
 
でもまあ、これだけ大量のもち米は、少人数だととても食べ切れない。
大勢でちょっとずつ食べるイメージで頼むべきものだったな。。

なんだか長くなったので、続きはまた明日!


■今日の料理■
黎蒿炒腊肉 li2hao1chao3la4rou4
黄焖石鸡 huang2men4shi2ji1
圆笼糯香骨 yuan2long2nuo4xiang1gu3

撮影@『家常饭(孺子路店)』
住所:江西省南昌市西湖区孺子路141号
電話:0791-6300960 6256266



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2009年07月29日

南昌4 - 焼きそば!?妙に後引く南昌炒粉!

今日の料理も、江西省の省会・南昌から。
南昌人はこれを食べて育つと言われる名物料理・南昌炒粉にクローズアップ!

PICT1878a
   
米粉(ビーフン)を和えて食べる拌粉に対して、その名の通り、炒めるのが炒粉。
ぶっちゃけ、炒めたビーフンなんて中国南方ならどの地域にもあるわけだが、
それを「南昌名物」とまで言わせるのは、一体何なのだろうか。

まず、ビーフンは必ず江西産を用いねばならないそうだ。
ま、どの地域でも、地元の人は必ず「絶対に地元産の食材じゃなきゃダメ」と言うものだから、
この種の主張は微妙なんだけど、「江西のビーフンは炒めてもべとつかない」んだそうだ。

でも確かに、江西で食べたビーフンはどれも他地域より太めでプリンプリンしてた記憶もあって、
本当に炒めるのに適しているのかもしれない。

PICT1026a

では、味付けに特徴はあるのか。

見た目はまるで日本の焼きそばのようだ。
実際、ビーフンを中華麺に変えれば日本の焼きそばと似たようなもので、
具は豚肉と椎茸の細切りに青菜だし、ベースの調味料は醤油と塩胡椒なのだ。
日本人にとっては、懐かしささえ感じる味かもしれない。

でも、当然違う点もあって、ビーフンのプリンツルルンとした喉越しは独特のものだし、
唐辛子と胡椒の使いっぷりがハッキリしている。
辛いだけでなく、胡椒をしっかり効かせるのが南昌炒粉の特徴なのかな。
この単純な組合わせ、中国の他地域のビーフンにも、ありそうでない気がする。

醤油と胡椒の香りの中から唐辛子の澄んだ辛さがじんわり広がってきて、旨い。
妙に後を引く、下世話な旨さがある。懐かしい味なのに、刺激もあるのがいいのかも。

ビールにも合う。食事の〆に頼んだのに、思わずビールを追加してしまったこともあった。

「どうということもない味なんだけどな、妙に旨かった」
「確かにどこがどうって言えないんだけど、他の地域のビーフンより美味しかったような」

とまあ、旅から2年経った今でもそう言い合うようなビーフンだったのである。


■今日の料理■
南昌炒粉 nan2chang1chao3fen3
上の写真:撮影@『家常饭(孺子路店)』
住所:江西省南昌市西湖区孺子路141号
電話:0791-6300960 6256266
下の写真:撮影@『好彩头烧烤餐厅』
住所:东湖区福州路123号
電話:不明



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2009年07月24日

南昌3 - 秘技!甕の中で壺を蒸す!

3日連続で、江西省の省会・南昌からお送りする。
2年も前のことでも一度書き始めると色々思い出してくるもので、また忘れないうちに。

 
広東人が相当なスープ好きだってことは前にも書いたが、江西人も負けてはいない。
江西人は朝食からスープを飲むのが日課で、今や全国各地で見かける瓦罐煨湯
元々は江西が発祥の地なんだそうだ。

その瓦罐煨湯が、今日のテーマ。
「瓦罐=素焼きの壺」「煨=とろ火で煮込む」「湯=スープ」という意味で、
簡単に言えば、スープの材料を入れた小さな壺を大きな甕の中に入れて蒸し煮にするのだが、
これだけでは何のことだか分かるまい。

↓左の大きな甕と右の小さな壺を同時に使うのだが・・・↓
PICT1062PICT1057a

まず、小さな壺の中に1人分のスープの材料を入れ、蓋をする。これをいくつも用意する。
次に、大きな甕の中に、小さな壺をセットする。具体的には、大きな甕の内側には壺を置く棚が
何層にもあつらえてあるので、その棚の上に壺を置いていく。
そして、大きな甕の中(内側の底)で炭火を燃やし、甕にも蓋をする。

こうすると、大きな甕の中の空気が熱せられ、甕の中全体に行き渡る。
たくさんの小さな壺には、じんわりと均等に熱が伝わっていく。これがミソ。
そのまま7時間も煮込むと、旨味を逃すことなく、滋味深いスープが出来上がるんだそうだ。

PICT1063a←甕の中の写真。
蒸気で曇ってしまったが、イメージが湧くだろうか。

一体誰が考えたんだかって製法だが、なかなか面白い。
客から注文が入ると、大甕の蓋を開け、特殊な金属棒を使って中の小さな壺を取り出す。
いつもいつでもスープは熱々。壺には蓋をしてあるから、スープが目減りすることもない。

そして、こんなスープがレストランや専門店だけでなく、街角の小さな店にもあるのがスゴイ。
昨日の米粉専門店にも当然のように大甕が置かれていて、どの客も拌粉とセットで注文していた。

スープの具は多種多様で、僕らが頼んだのは桂圆肉餅湯(竜眼と肉団子のスープ)。
庶民的な濃い味付けではあったけど、これだけ時間をかけたスープが5元なら安いよな。

PICT1061a

日本での知名度は皆無だし、中国でもマイナー扱いの江西料理だが、
こんなスープが民間に根付いているなんて、その秘めた実力をうかがわせる一品だった。


■今日の料理■
瓦罐煨汤 wa3guan4wei1tang1
桂圆肉饼汤 gui4yuan2rou4bing3tang1
撮影@江西省南昌市長距離バスターミナル近くの米粉専門店



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2009年07月23日

南昌2 - 辛い!旨い!南昌拌粉!

昨日に引き続き、今日の料理も江西省の省会・南昌から。訪れたのは2007年5月だ。 


朝食の前に思わぬ寄り道をした昨日の僕らだが、本来食べようと思っていたのは南昌米粉だ。
米粉とはビーフンのことで、稲作地域である中国南方で広く食べられている。
ここ江西省でも一般的なものだが、とりわけ南昌の米粉が美味とされているそうだ。

南昌の米粉は、「炒粉(炒めビーフン)」と「拌粉(和えビーフン)」の2つが主流。
全国的知名度は南昌炒粉の方が高いと思うが、今日は拌粉にクローズアップしよう。

四の五の言わずに、まずは写真から。

PICT1059a

PICT1060a

前にある碗の状態で出されたものを、後ろの碗のように混ぜて食べるのだ。

ビーフンは注文が入ってから湯通しするので、熱々。
その熱でタレや調味料の香りが立ち昇ってくるという按配だ。
塩胡椒、酢、醤油、胡麻油がベースのタレで、刻み葱、揚げピーナッツ、大根の漬物が具。
その上に大量にのせられた辣椒醤(唐辛子ペースト)が、味の決め手である。

辛い。実に辛い。だが、辛いだけではない旨さがある。
南昌のビーフンは他地域より太めで、ぷるんとした食感に秀でていたように思う。
そのビーフンがタレをまとい、踊る。ずるずるずるっ、ぷるんっ。
ビーフンが弾ける中から、醤油や胡麻油の香ばしさが立ち上がってきて、
口の中でシャキシャキの葱、カリコリのピーナッツ、ポリポリの大根が混じりあう。
それをまとめるのが、強烈な辛さの辣椒醤。食べてるうちに、どんどん汗が噴き出す。

先日の桂林旅行で長々と賞賛した桂林米粉に、見た目は似ている。
どちらも「和えビーフン」だし、具にも共通したものがある。

ただ、南昌の拌粉は、より辛さをストレートに追求した感じだ。
中国一辛い料理を出すと言われるお隣の湖南省の影に隠れてしまいがちだが、
実のところ、江西料理にも辛いものがたくさんある。その面目躍如たる辛さだ。

聞くところによると、この拌粉、季節によっては米粉を冷やすこともあるらしい。
それはそれで更に辛さがキリリと立って、美味しそうだなあ。いつか食べてみたい。 

米粉ひとつ取っても、地域ごとに様々な味がある。これだから中国の旅は止められない。
どの地域の人も「うちのが一番!」と思っているようだが、よそモノの僕には関係ない話だ。

それぞれの地域で、それぞれのものを。
どれも旨いのだから、ひとつだけ選ぶ必要なんてないのだ(笑)


■今日の料理■
南昌拌粉 nan2chang1ban4fen3
撮影@江西省南昌市長距離バスターミナル近くの米粉専門店



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2009年07月22日

南昌1 - 巨大な白い円盤の正体は!?

今日は、最近すっかりご無沙汰していた『各地の料理』。
広州版ブログを始める前に旅した地域の料理をランダムに紹介するこのシリーズ、
今日の料理は、2年前の5月に訪れた江西省の省会・南昌から。 


その日、南昌名物の拌粉を食べようと街を歩いていた僕らの目に留まったのが、写真の物体だ。
巨大な白い円盤を、おばちゃんが長方形に切り分けている。こりゃ一体なんだ?

PICT1045a

おばちゃん曰く、「大饅頭」
中国で饅頭と言えば、普通は餡が入っていない中華まんのことだが(餡が入る場合は包子)、
これは一般的な饅頭とは随分と形が違う。

試しに長方形を5〜6個包んでもらった。値段は全部で1元。やすっ!

↓そのうちの1切れ。
PICT1048a

なるほど、表面に胡麻は散らしてあるが、中に餡は入っていない。
形は違えど、「饅頭」の定義はぶれていないわけだ。
まあ、見た目だけで言うなら、「饅頭」というよりは「ケーキ」って感じだが。

熱々で、まふっとして、ほのかに甘く、とても美味しい。
ただ、普通の饅頭に比べて、どことなく香りが良く、味がしっかりしているような。。

その秘密は「老面」製法にあるらしい。
普通の饅頭は生地(=面)に酵母を加えて発酵させるが、この製法は人工的に酵母を加えない。
その代わり、前回作ったときの生地(=老面)を少しだけ取っておいて新しい生地に練りこみ、
前回の生地の中に潜む酵母の力を借りて、全体を発酵させるのだ。
こうすると、普通の酵母に比べて時間はかかるものの、味も香りも良くなるんだそうで。
要するに、一時期日本で流行ったカスピ海ヨーグルトと同じ発想だ。

ここまで書いて気付いたが、これ、別に南昌名物ってわけではないよな。
江西省は基本的に米食文化だから、粉食文化の中国北方には類似のものがたくさんありそうだ。

その意味では、大饅頭の隣で売られていた大米发糕の方が、米食文化ならではの一品かも。
水に浸した米を臼で挽いたもの(米浆)を発酵させ、型に入れて蒸したもので、
「大米」=米、「发」=発酵、「糕」=ケーキだから、名前のまんまだ。

これまた仄かな砂糖の甘さがあって、なかなか美味しい。かるかんみたいな食感が持ち味だ。

PICT1046a
↑↓こちらは小型円盤。冷めてもしっとりして美味しい。
PICT1055a
↑黄色いのはトウモロコシの粉で作ったもので、玉米发糕という。「玉米」=トウモロコシ。

大饅頭に、大米发糕に、玉米发糕。
ひとつひとつは大したことがなくても、全部食べるとそれなりに腹が膨れてしまった。

「あれ?我々、これから拌粉を食べるはずじゃなかったっけ?」
「大丈夫だよ、両方食べればいいじゃない。ちょっと歩けばすぐ消化するって」

旅先では、僕らの胃袋は常に大忙しだ。
なんせ元々食べる予定のものと偶然見かけて食べるものの両方に対応しなきゃいけないのだから。 


■今日の料理■
大馒头 da4man4tou2
大米发糕 da2mi3fa1gao1
玉米发糕 yu4mi3fa1gao1

撮影@江西省南昌市長距離バスターミナル近く



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2008年04月01日

ぶ源7 - 道ばたに潜む美味に悩むフリ。

今日の料理も、江西省婺源(ぶげん)県の村々から。
  
日頃から胃袋がいくつ会っても足りないと思うことは多いけれど、
旅の途中にはその思いが更に強まる。
     
レストランでの食事だけでなく、道ばたで売っているモノもやはり気になる。
しかし、そういうものはえてして腹にたまるものが多いのが問題で、
悩んだフリをして手を出した後は、次の食事まで必死で歩き回ることになる。
肉も野菜も消化できる胃袋が、牛と同じ数だけ欲しい。
  
 
婺源でも、僕らの行動は全く同じ。
まずは、道ばたで蒸していたヨモギ餅(1元)に手を出した。

PICT1401

 
このかっちょいい形は、月餅を作るのと同じ木型で作る。とても手早い。

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1.→→→→→→→→→→→→→→→→→→→2.→→→→→→→→→→→→→→→→
PICT1494PICT1491
3.→→→→→→→→→→→→→→→→→→→4.出来上がり!
 
 
日本のものとは粉の配分が違うのか、わらび餅にも似たプルンとした食感がある。
中にぎっしり詰まった餡子は、想像よりは甘さ控えめ。
ヨモギの爽やかな香りも手伝って、ぺろりと平らげてしまった。

このヨモギ餅、野艾粿・艾叶饼・清明粿と、様々な名前で呼ばれていた。
「艾ai4」はヨモギの意味だから、最初の2つは読んで字の如し。
最後のは、4月5日の清明節にヨモギ餅を食べる風習が名前の由来だろう。
  
 
お次は、透明プルプルゼリー(2元)。胡麻とグラニュー糖をかけて食べる。

PICT1398

プラスチックのスプーンがとんでもなく貧弱で、ゼリーの重さにすら負けてしまう。
器に口を付けて、かきこむしかない。
ゼリー自体には味がないが、つるぷるとした食感が楽しく、これまた一気に平らげた。

このゼリー、婺源では涼粉と呼ばれていたが、緑豆で作るいわゆる涼粉とは全く違う。
感覚としては、台湾でよく食べる愛玉子(オーギョーチィ)に似ている。
材料の種を見せてもらったのが下の写真だが、愛玉子の種もこんなんだったような。。
ただ、Wikipediaには愛玉子は台湾にしか自生しないと書いてあるから、
似て非なる別のものかもしれない。
 
PICT1403
   
地方でのもどかしさは、材料の名前が調べにくいことだ。
まず立ちはだかるのが、方言の壁。
それを乗り越えても、地元の人は食材の名前なんて知らないことも多い。
   
今回も、材料を尋ねて返ってきた答えは「野生果子」。
「野生の果実」という意味だから、何の答えにもなっていないよ。。。
   
ま、究極的には旨けりゃいいやの僕たち。
途中からすっかり探求を放棄して、貧弱スプーンを動かすことだけに精を出したのだった。
 
 
■今日の料理■
野艾粿 ye3ai4guo3
艾叶饼 ai4ye4bing3
清明粿 qing1ming2guo3
涼粉 liang2fen3





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ぶ源6 - 菜の花がなくとも。

「中国で最も美しい農村」と言われる(自称する?)、江西省婺源県。
県内はいくつもの集落に分かれていて、集落ごとにかなり雰囲気が違うので、
どの集落を選ぶかで旅の印象がまるで変わってしまうのが、難しいところ。
 
今日の写真は、その中の思渓・延村から。
 
入場料36元を取るものの、この集落の印象は悪くない。
集落の中に順路案内の標識程度はあるが、古いと見せかけた新築の建物や、
どうでもいい土産物屋の類はなく、昔ながらの雰囲気が保たれているからだ。
婺源中心地に最も近い集落のひとつなので、時間がない人には特にオススメ。
  
婺源は、菜の花の咲く時期が最も美しいと言う。
僕らが訪れた5月には、すっかりただの草に変わってしまっていたが、
それでも緑の絨毯の奥に独特の白壁が連なる様子は、なかなかの雰囲気がある。

PICT1323


逆に、水田に白壁が映りこむ様子は、菜の花の時期には見られない景色でもある。
 
PICT1279

 
歴史に名を残すような特別な建築物はない。
それだけに観光客が少なく、ゆっくりと村歩きを堪能できる。
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ただの民家のように見えて、結構見事な木彫・石彫が残っている。
明清時代の商人の家だそうで、江南地方の豊かさを感じさせてくれる。
 
PICT1300

PICT1297PICT1295


人物の顔が削られているのは、文革の傷跡だ。
中国のどの地域でも珍しくない光景で、それだけに腹立たしさも極まる。

PICT1304


今のところは、入場料の収入が村の「新築」に繋がっていないように思える。
ただ、数年後はどうなっているか分からない。
毎度同じことを書いている気がするが、今の中国を旅すると、そればかりが気になる。
 
 
■今日の写真■
江西省婺源県思渓・延村




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2008年03月31日

ぶ源5 - どろどろ料理でお勉強。

今日の料理も、江西省婺源(ぶげん)から。
     
婺源のレストランでよく見かけたのが、「糊〜〜」という料理だ。
「糊豆腐」「糊南瓜」「糊罗卜(大根)」「糊豆芽(もやし)」という具合に
「糊」の後ろには食材の名前が続き、「糊菜」と総称されていた。
 
「糊」は、この場合、「粥状のどろどろの液体」という意味。
百聞は一見に如かずということで、まずは糊南瓜を見てもらおう。
 
PICT1207
 
見事にどろどろになったカボチャ。
カボチャの甘さのみを活かしたあっさり味で、とても美味しい。
みじん切りにして散らした葱の食感と香りが、良いアクセントになる。
 

次に、糊豆腐はこんな感じ。
 
PICT1338

どろどろの豆腐だけでなく、ひき肉や椎茸・青菜のみじん切りが入っている。
そのままでも旨いが、ご飯にかけてもまた旨い。じゅるじゅるぶるると、いくらでもかっこみたくなる。
  
  
「糊菜」のどろどろの正体は、大量の油と米の粉。
刻んだ食材を大量の油で炒め、米の粉を溶いた水を加えて炒め煮にするらしい。
   
片栗粉ではなく米の粉をとろみ付けに使うのはこの地方が米作地帯だからで、
昔の婺源では、各家庭の石臼で挽いた米の粉を使って作るのが一般的だったそうだ。
  
その頃は、宴会のあと余った料理に干し蝦や油かすや唐辛子粉を入れて
米の粉でとろみを付けて食べる習慣もあったらしいが、今では廃れている。
 
 
江西料理は唐辛子を使った辛いものが多いけれど、油をたっぷり使いつつも
素材自体の味を重視した「糊菜」には、むしろ安徽料理の影響が感じられる。
それもそのはずで、婺源は昔の行政区分では徽州。安徽省はすぐお隣なのだ。

たかが料理、されど料理。
食べることは、その土地の歴史、地理、文化を知ることでもあると思っている。
 
 
■今日の料理■
糊南瓜 hu4nan2gua1 8元
糊豆腐 hu4dou4fu・ 10元
撮影@江西省上饶市婺源县
*「糊」には「hu1」「hu2」「hu4」の3種類の発音があるけれど、
 この場合は「粥状のどろどろの液体」という意味の「hu4」となる。




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