◆雲南で食べた◆

2017年07月14日

普洱 - 茶馬古道の要衝・思茅で、素朴なイ族料理を食べる。

十一年前の旅行を料理に絞って振り返る雲南編。今回の舞台は、普洱市思茅。普洱は、あの普洱茶の普洱である。

僕らが思茅を訪ねた目的は、茶馬古道だ。雲南省で取れた茶をチベットの馬と交換していたことから名付けられた古の交易路で、思茅は茶馬古道の要衝のひとつだった。かつて馬の隊商が通った石畳の道が今も残っているとかで、大の中国茶好きで、一時は中国茶の仕事もしていた連れが、熱烈に行きたがったのである。

↓茶畑の広がる普洱市。
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僕はと言えば、中国茶は人並み以上に好きではあるが、昔の石畳なんて喰えもしないものを見に行ってどうするの?という思いがなかったとは言えないが、「普洱界」と書かれた道路標識を見つけただけで喜んでいる連れを見たら、まあいいかという気持ちになった(笑)。

↓これで喜べる人もいるのだ。
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茶馬古道にたどり着くまでが大変だった。十一年前は田舎の観光情報をネットで調べることは困難で、ガイドブックにも大まかな位置しか書いてなかったから、それらしきバス停までとりあえず行き、周辺の住民に場所を尋ねながら歩き回り、何とか見つけることが出来た。

↓山あいにたたずむ農村。
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↓棚田もある。
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↓ここにたどり着くまでが一苦労だった。
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このあたりの茶馬古道は全く観光化されておらず、今も農民たちの生活道として使われていた。

↓当時の石畳が続く。
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↓山奥の茶畑へ続く道になっていた。
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↓茶葉。
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食事は、そこらで見つけた食堂に入った。イ族(彝族)がやっている店だった。

腊肉炒青椒。腊肉(中華ベーコン)と青唐辛子を炒めたもので、見た目以上の刺激。単純な料理なのに、腊肉が目を見開くほど旨いので、ご馳走になってしまう。これこそが贅沢。

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猪肉炒青菜。つぼみが付いた細い葱のような青菜の正体は不明。店員も正式名称を知らず、青菜としか認識していない。これは中国の田舎あるあるで、「旨いからいいか」で割り切るしかない。

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鶏肝炒酸菜は、鶏の砂肝と高菜に似た太い青菜の漬物の辛味炒め。歯応えの強い砂肝に漬物の旨味と唐辛子の辛味がよくからみ、ビールが進む。発酵+辛味コンビは最強だ。

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油炸三線は、干し肉を油で揚げたもの。下味が付いていて、かなり辛い。

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鶏樅湯は、鶏樅菌というキノコのスープ。大きなキノコが切ることもなく丸ごと入っているのが田舎らしい。あっさり。

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炒奶姜菌は、奶姜菌というキノコの醤油味の炒め物。モソモソした食感で、あまり美味しいとは思えなかったが、キノコの質が悪かったのかもしれない。

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炒青菜。これまた謎の青菜の炒め物。小白菜に似ていた。

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絶品と言うほどではないが、素材の力勝負の素朴な料理ばかりで、なかなか楽しめた。


<2006年8月>



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2017年05月01日

初めての西双版納2 - 魅惑のタイ族(傣族)料理とアイニ族(爱昵族)料理!

十一年前の旅行を料理に絞って振り返る雲南編前回に続いて、今回も西双版納の食卓からお送りする。

西双版納の朝は、米線(ライスヌードル)から始まる。その醍醐味は、多彩なトッピングで自分好みの味を組み立てる点にあるが、実はそのままでもあっさり激旨!ホントもう、数ヶ月滞在して毎朝食べたいくらいの美味なのだ。

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このとき旨さに感動して何回か通った店が、なんとこの4年後、西双版納在住の友人・ふじもとさんを訪ねた際、ふじもとさんオススメの店として紹介されたときは、びっくりした(→その時の顛末)。直感が冴えていたんだなあ。

尚、西双版納の米線については、以前長々と賛辞を書いたので、是非ご覧ください(→賛辞

米線と朝食の王座を分け合うのが、餌絲。雲南版のもちとも言える餌塊を細く切って麺状にしたものだ。断面が丸くてつるりとした米線と比べ、餌絲は断面が四角く、もちっとして柔らかい。

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さて、その他の料理。喃咪魚醒草は、ピリ辛トマトソースにドクダミの葉を浸して食べるタイ族(傣族)料理だ。爽やかで、刺激的で、クセのある味わいにハマる。喃咪はタイ族語でソースを意味し、様々な食材を木臼で潰して多彩なソースを作る。

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芭蕉の葉で食材を包んで蒸し焼きにする「包焼」は西双版納の名物料理だ。包焼羅非魚は、ティラピアにたっぷりの唐辛子と香草で味をつけて焼いたもの。エスニックな刺激にビールが進む!

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傣家炒酸魚は、川魚の漬物をほぐしてニラ・唐辛子と炒めたタイ族(傣族)料理。酸っぱくてしょっぱくて少し辛い。食べ慣れぬ味も何度も口に運ぶうちに、「米酒に合う!」と魅力が分かってくる。

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傣腌菜煮魚は、高菜のような青菜の漬物と川魚のスープ。これはあんまり印象に残っていないな。

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葉っぱで豚ひき肉と刻んだ野菜の肉団子を包んで揚げるタイ族(傣族)の炸葉子包肉。サクッと香り良く揚がった葉の中からスパイスの効いた旨味たっぷりの豚肉団子が弾け、おびただしく旨い。

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アイニ族の竹筒鶏は、竹筒の中にスープの材料を入れて蒸し焼きにし、客の前で竹筒から大皿にジャーッと注いでみせる豪快な料理。レモングラスが効いているのが特徴で、地鶏のスープは、肉もスープも超絶美味!

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同じく、アイニ族レストランで食べた手抓飯は、もち米の炊き込みご飯。刻んだ葱と干し肉が入っていて、噛むごとに米の甘味と肉の旨味が口一杯に広がり、腹にたまるが止められない美味。

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西双版納に行けば必ず見かけるのが、タイ族風味の焼烤(バーベキュー)。鶏肉、豚肉、川魚、川蝦、韮、茄子などの各種野菜など、具は様々で、スパイシーな仕上がり。

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まあ、観光客向けの店が多くて、味付けも西双版納にしては珍しくのっぺりしていることも多いのだけれど、亜熱帯の夜に、冷えたビールで熱々のバーベキューをむさぼるのは、なかなか楽しいものだ。


<2006年7月>



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2017年04月24日

初めての西双版納1 - 魅惑のタイ族(傣族)料理に心酔!

今日から不定期で、書こうと思ってずっと後回しにしてしまっていた、2006年の雲南旅行について書こうと思う。僕も連れもこのときが初めての雲南で、三週間ほどかけて、昆明、西双版納、大理、麗江、普洱、沙渓などを回った。

この旅で強く意識させられたのは、「食材の力」。日本にはない珍しい食材や調理法にもワクワクしたが、日本でも見知った食材がまるで別物のように美味しいことに驚いた。

都会で食べ歩きをするより、田舎に行った方が本当に旨いものに出会えるのではないか。そう思うようになったのは、この旅がきっかけだ。今思えば、その気付きのおかげで、その後十年間の食生活が大いに充実したように思う。

さすがに細かいことは覚えていないので、料理にクローズアップして書く。写真がブレていて掲載に耐えない料理も多いのが残念ではあるが、各地の名物料理ばかりを食べ歩いたつもりなので、これから旅する人の参考になれば幸い。

今日は、西双版納の食卓から。以下は全て、タイ族(傣族)の料理だ。

薄荷炒牛肉は、牛肉とミントの炒めもの。脂身がなくミッチリとして味の濃い牛肉とミントの爽やかな香りが想像以上に合う。ミントがあれこれ料理に使えることは、雲南で知った。

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お次は、香茅草蒸猪肉。レモングラスを敷いた蒸篭の上で細切り豚肉と生唐辛子を蒸したもので、爽やかな香りと鮮烈な辛味。豚肉の地力が凄いので、単純で力強い味付けがピタリと決まる。

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椰子酸辣湯は、トムヤムクンに似たココナツ風味の酸っぱ辛いスープだ。中には堅くて食べられないココナツの殻が入っていたが、風味付けの為なのだろうか?他の具はトマト、椎茸、青菜。

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苦果臭菜炒牛肉は、グリーンピースに似た激苦の丸茄子とフェンネルに似た香草と牛肉を唐辛子で炒めたもの。凄まじい苦味を料理に活かすタイ族の知恵は、僕の味覚を広げてくれた。

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小米辣炒小傣鶏は、小米辣という激辛唐辛子と細切り生姜で小ぶりの地鶏を炒めたもの。激辛で爽やかなタイ族料理の魅力をよく表した一皿。で、雲南の地鶏は本当に激旨なのだ。

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そして、毛肚(牛のセンマイ)とミントを炒めた薄荷炒毛肚。肉厚でブリブリの毛肚をミントに加えて唐辛子やレモングラスが扇情的に彩り、口中で様々な刺激が弾ける。

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食後のデザートは、菠蘿(パイナップル)。道端に止まっていた輸送車の運転手に声をかけたら、その場で皮と堅い部分を螺旋状に削って売ってくれた。その香り、その甘さ。芯まで美味しくて、旅の間、何度も食べた。

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こんな感じで、少しずつ更新していく予定。


<2006年8月>



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2016年04月02日

雲南省で食べた! 2006年〜

僕にとって、「雲南料理の魅力は食材にあり」です。
日本では食べられない食材が魅力的なことはもちろん、日本でもありふれている食材にも、まるで別物かのような力強い味わいを感じます。そこに様々な少数民族の調理法や、意外な食材同士の組み合わせの妙が加わり、極彩色のタペストリーが織り成されているように感じました。

雲南篇は、2006年の大理や麗江と2011年の西双版納という大きな宿題が残っていますが、とりあえず一覧にしてみました。

◆再び西双版納で食べた! 2015年9月◆
4年前の衝撃が忘れがたく、再び「食の桃源郷」西双版納へ。
わずか3泊4日でしたが、毎日毎食が記憶以上の味覚極楽で、この土地の実力を再確認。
「本当の美味は辺境にあり」というかねてよりの僕の思いを、より一層堅固にする旅となりました。

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◆西双版納で食べた! 2011年1月◆
2011年の正月、6泊7日で西双版納をひたすら食べ歩きました。
ただの鶏が、豚が、牛が、野菜が、果物が、震えるほど美味しいことに衝撃を受けました。
都会の高級料理が浅薄なものに思えてしまうほどの、圧倒的な食材の力。
「食の桃源郷」西双版納の力強く多彩な食文化をご覧ください。

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◆昆明で食べた! 2009年10月◆
国慶節の休みで、10泊11日の旅に出ました。
まず最初に雲南省の昆明に飛び、最終的には四川省の成都から帰還。
昆明も成都も前に行ったことがあるのに再度訪ねた理由は、やはり「食」。
昆明市内の食事では残念な思いもしましたが、新たな美味を見つけることもできました。
最大の収穫は、何といっても大糯黒村で食べたサニ族の料理です。

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<その他記事一覧>
「食」=食記事 「見」=観光記事 「★」=オススメ! 「★★★」=超オススメ!

◆昆明・大理・麗江・西双版納・沙渓・思茅で食べた! 2006年8月◆
北京留学中の夏休み、3週間ほどかけて雲南各地を回りました。
一般的には貧しいと言われる田舎にこそ、実は本当の美味があるのでは?
そう思い始めたのは、この旅がキッカケだった気がします。
書きたいことが多すぎて、あとで気合を入れて書こうと思いながら、早十年。。
いつか書き足したいとは思ってます。。

<日程>
昆明→西双版納→思茅(現・普洱)→大理→沙渓→麗江→昆明(→貴州へ)
*全てバス移動。

食    昆明1 - この旨さはもう反則だー!
見    昆明2 - 石林で反発したり、共感したり、絶句したり。
★★★ 沙渓1 - 松茸!まつたけ!マツタケ!
★★★ 沙渓2 - なんかもうずっとここに住みたくなる料理たち。
★★★ 沙渓3 - 6年ぶりの意外な邂逅!おばあちゃんの最高の米線!(番外編)

↓沙渓の民宿でおばあちゃんが作ってくれた料理は、今なお記憶に残る美味だった↓
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2016年03月27日

西双版納で食べた! 2011年1月、2015年9月

雲南省の山奥・西双版納は、「食の桃源郷」でした。
ただの鶏が、豚が、牛が、野菜が、果物が、震えるほど美味しいのです。

それは、まだ都市の理屈が入り込まぬ農村社会で、自給自足に近い生活を営む農民が、
自分自身で食べることを前提として、地域内で消費される分だけしか生産しない食材です。 

都会の高級料理が浅薄なものに思えてしまうほどの、圧倒的な食材の力。
所詮、都会の調理技術は、二流の食材しか手に入らぬ人々の足掻き…とまで思わされました。

そういう食材が、タイ族を中心とした少数民族ならではの様々な調理法で彩られ、
「そこに行かなければ絶対に食べられないご馳走」に仕上がっていました。

西双版納に定住し、日々理想のプーアル茶作りに励むふじもとさんをナビゲーターに迎え、
夢見心地でひたすら食べ続けた幸福な日々の記録。
★の大盤振る舞いになってますが、これが僕の偽らざる評価です。

◆再び西双版納で食べた! 2015年9月◆
4年前の衝撃が忘れがたく、ふじもとさんの誘いにほいほい乗って、再び西双版納へ。
わずか3泊4日でしたが、毎日毎食が記憶以上の味覚極楽で、この土地の実力を再確認。
「本当の美味は辺境にあり」というかねてよりの僕の思いを、より一層堅固にする旅となりました。

<記事一覧>
「食」=食べ物関連 「見」=食べ物以外 「★」=食のオススメ! 「★★★」=超オススメ!

★    西双版納1 - 思い立ったが吉日!四年ぶりに食の楽園シーサンパンナを再訪!
★★★ 西双版納2 - いきなり興奮!タイ族風バーベキューで西双版納の食材の地力を知る!
★★★ 西双版納3 - タイ族料理続々!超絶激苦牛肉スープに食文化の高さを見る!
★★★ 西双版納4 - 香りと旨みと食感の小宇宙!寛米干で味わう味覚極楽!
★★★ 西双版納5 - 景洪の台所!四年ぶりの西双版納集貿市場で大興奮!
★★★ 西双版納6 - 西双版納のムスリム料理とは!?絶品キノコと牛肉に昼から昇天!
見    西双版納7 - 腹ごなしのサイクリングで見る、変わりゆく西双版納。
★★★ 西双版納8 - 最強の焼き鳥は今なお健在!四年ぶりの美味にむしゃぶりつく!
★    西双版納9 - 幸せの米線三昧!牛肉米線と臭米干のコンボで朝から大満足!
★    西双版納10 - いざ南糯山へ!まずは道中見かけた白酒醸造所でポリタンク買い!
★    西双版納11 - 苦豆、臭菜、冬瓜猪!メインは大頭魚と酸筍の激旨スープ!
★★★ 西双版納12 - タイ族料理再び!「味的」好奇心を満たし、〆の激苦米線にうなる!
★    西双版納13 - 西双版納の夜は、『Meimei Cafe』で絶品ザクロジュースやラオスビール!
★    西双版納14 - 遂に最終日!絶品米線を食べ納め、西双版納農貿市場でお買い物!
★    西双版納15 - 最後もタイ族料理!全てを受け止める「呑めるご飯」で大団円!

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◆西双版納で食べた! 2011年1月◆
2011年の正月、6泊7日で西双版納をひたすら食べ歩きました。
あまりにも思い入れが強過ぎて、時間をかけて書こうと思っているうちに時が過ぎ、
まだ3日目までしか記事が進んでいません。
でも、書き上げた記事はどれも渾身の思いを込めてますので、是非ご覧ください!

当時の感想を書いたメモ帳を日本の倉庫に置いて来てしまったので、再開は帰任後に。。
でも、いつか必ず完成させます!まだまだ面白いネタが一杯溜まっているのです。。

<記事一覧>
「食」=食べ物関連 「見」=食べ物以外 「★」=食のオススメ! 「★★★」=超オススメ!

◆旅の前後の速報篇◆
シーサンパンナから、良いお年を。
桃源郷から戻って、新年好! 

◆本編◆
食    昆明 - 夢の西双版納♪の前に、昆明で前哨戦!
★★★ 西双版納1 - イーサーンを連想しつつ、絶品タイ族料理を頬張る!
★★★ 西双版納2 - 感動!幸福!絶品タイ族料理の波状攻撃!
★★★ 西双版納3 - 単純を極めた焼き鳥屋に、テンションうなぎ登り!
★★★ 西双版納4 - あおれ!むさぼれ!絶品焼き鳥の幸福な宴!
★    西双版納5 - まさかの偶然!朝食のド定番・米線と米干に迫る!
★★★ 西双版納6 - 「完成」した米線の美味!これが真のB級グルメだ!
★★★ 西双版納7 - 米干!豆湯!花生湯!めくるめく美味の融合!
食    西双版納8 - 「西双版納のお昼ご飯!」 市場篇1
★★★ 西双版納9 - 「西双版納のお昼ご飯!」 市場篇2
★★★ 西双版納10 - 「西双版納のお昼ご飯!」 市場篇3
★★★ 西双版納11 - 「西双版納のお昼ご飯!」 市場篇4

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本当にもう、写真を見るだけで脳内であの美味が再生されて、口の中に涎がたまります。
また行きたいなあ・・・。


↓食の桃源郷・西双版納の絶品米線に、ひと押し頂けると嬉しいです。
↓こういう食べ物に出会うために僕は食べ歩きをしているんだ、と思える味なのです。

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2015年11月02日

再び西双版納15 - 最後もタイ族料理!全てを受け止める「呑めるご飯」で大団円!

再び西双版納14 - 遂に最終日!絶品米線を食べ納め、西双版納農貿市場でお買い物!」の続きです。

上海へ戻るフライトを午後に控え、いよいよ最後の食事の時間がやって来た。それはさぞ意気込んでいたのだろうと思うかもしれないが、この三泊四日、旨いものを喰い続けてきた僕の心は平静だった。

旨いと分かっているところで、旨いものを喰う。それだけである。

ということで、この旅三回目の『星光雅园』
ここのタイ族料理には、まだまだ掘り下げてみたいと思わせるものがあったのだ。

↓例によって自烤酒を持ち込み、同じテーブルに陣取る。
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そもそも烧烤(バーベキュー料理)を売りにしているこの店で、必ず頼んでおくべきものが残っていた。芭蕉の葉で食材を包み、炭火で蒸し焼きにする包焼と呼ばれる料理である。

虾(川エビ)、猪脳(豚の脳味噌)、芭蕉花(芭蕉の花)の全三種。細かく叩いた豚肉と各種香辛料がベースになっていて、それぞれ異なる具が混ぜ込んである。僕らは、猪脳と芭蕉花の二つをチョイスした。

↓客の注文が入ってから、炭火の上で蒸し焼きにする。
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↓出来上がりはこんな感じ。どっちがどっちだったかな(笑)
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↓こっちが多分、猪脳。
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炭の香りと芭蕉の葉の香り。ミチミチとして肉本来の味が濃い豚肉が、唐辛子、生姜、大蒜、香菜など様々な香辛料の競演をしっかりと支えている。特に、見た目以上に強く効いている生唐辛子の香りと辛みが、良いアクセントだ。

二つの包焼は同じように見えるが、味ははっきりと異なる。ふわっとして白子のように濃厚な豚の脳味噌が混ぜ込まれた猪脳は、コクが強い。シャキッとした芭蕉の花が入った芭蕉花は、やはり軽やかだ。どちらもそれぞれ魅力があり、その多彩さが酒を進める。

更に、烧烤(バーベキュー料理)からもう一品。初日に頼めなかった猪肝(豚レバー)である。

これがもう、単純ながら、実に旨い。カチコチに焼いてしまったように見えて、さにあらず。表面はむっちり、中はまったりの絶妙の焼き上がりで、ただのレバーがご馳走だ。こういう野趣あふれる味わいには、自烤酒が一番。五十二度の液体がするする進む。

↓ちょいと分かりにくいが、真ん中の黒いやつ。
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↓焼き上がり!旨い!
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冷菜は、柠檬凉粉。緑豆の凉粉自体は中国各地にあるが、それを香菜と生唐辛子とこぶみかんで彩るのがタイ族風だ。酸味と辛味、爽やかで刺激的な香り。この組合せ、凉粉に限らず、色々な料理で用いられていたが、大好き。そのうち家でも真似してみよう。

↓柠檬凉粉。
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そして、傣式舂肉
昨夜食べた舂鱼が激旨だったので、豚肉バージョンも試してみようということになったのだ。

木臼で様々な食材を叩き、すり潰す調理法が、「舂」。豚肉を青唐辛子、大蒜、生姜、香菜、その他よく分からない青菜数種などと一緒にペースト状にしたものを、レタスに巻いて食べる。

複雑な味。複雑な香り。複雑な刺激。足し算というか、掛け算の料理だ。しかし、それがくどくならないのがさすがだ。

↓傣式舂肉。
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主食は、糯米饭(もち米)にしてみた。実は、昨夜も頼もうとしたが売り切れだったのだ。これはそのまま食べるわけではなく、手で取って、おかずと一緒に食べる。包焼を乗せても良し、舂肉を乗せてもよし。

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むちゃむちゃ旨い。タイ米のような香りを持つもち米が、包焼や舂肉の辛さを和らげ、受け止める。と同時に、それらと一緒に食べることで、もち米はより甘く感じられる。また、手で食べるところがミソ。触感は味覚の一部だ。

タイ料理が好きな人はお分かりだろうが、これ、タイ東北部のもち米の食べ方と全く同じ。食べ歩きとは、世界の繫がりを感じることかもしれない。

連日のように外国人がやってきて、持ち込んだ白酒をあおりながら、旨い旨いと舌鼓を打っているのだから、店のおばちゃんたちも憎からず思ってくれたのだろう。いつもふじもとさんがサービスで出してもらっている酸菜(漬物)に加えて、この日は豆豉も出してくれた。

「もち米には、これがバッチリ合うのよ!」と、おばちゃん。

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バッチリだよ、おばちゃん!!
西双版納らしく辛味が効いた豆豉は、まるでコクと旨味の塊で、むちゃむちゃ旨い。

こうなるともう止まらない。とっかえひっかえ色々なものをのせながら、ひたすらもち米をむさぼった。もちろん、合間には自烤酒をぐいー。言うまでもなく、これ、「呑めるご飯」なのだ。

「いやあ、実に旨かったです。本望です、来てよかった!」

食後、心からそう言った僕の言葉を聞いて、ふじもとさんは穏やかに笑った。

四年ぶりの西双版納は、なんだかもう、とても美味しかった。もしかしたら記憶を美化し過ぎているかもしれないという僕の杞憂は軽々と吹き飛ばされ、毎食毎食に必ず驚きと感動があった。

そんな西双版納も、刻々と変化している。次回、同じ美味に出会えるかどうかは本当に分からない。そのことを思うと、寂しさも感じる。

でも、いいのだ。今回、僕は今ここにあるものを大いに楽しんだ。今後西双版納がどう変わろうと、今回の経験は必ずや僕の記憶の森の中に太い根を張り、自らの食生活という大事な地盤を支える大樹の一本になるだろう。

そういう経験ができて良かった。

幸福感と満足感に包まれて、西双版納空港へ向かった僕なのだった。

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■今日の料理■
包烧 bao1shao1
猪脑 zhu1nao3
芭蕉花 ba1jiao1hua1
猪肝 zhu1gan1
柠檬凉粉 ning2meng2liang2fen3
傣式舂肉 dai3shi4chong1rou4
糯米饭 nuo4mi3fan4

撮影@『星光雅园』
住所:雲南省景洪市嘎兰中路曼允巷口
電話:180-8807-9065
*注文時、「不要放味精和鶏精」と言っています。

これにて、再び西双版納篇、終了!



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2015年11月01日

再び西双版納14 - 遂に最終日!絶品米線を食べ納め、西双版納農貿市場でお買い物!

再び西双版納13 - 西双版納の夜は、『Meimei Cafe』で絶品ザクロジュースやラオスビール!」の続きです。

西双版納最後の朝食。昨日同様、ふじもとさんは朝食を辞退されたので、ひとりで初日教えてもらった『火桐花早晩点』を再訪した。

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麺は米干を選び、たっぷりトッピングをほどこす。
幸せ米線生活も今日で最後だ、最後は色々な味が混じり合うのを思いっ切り楽しもう。

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しみじみと旨い。三日連続でも、まるで飽きない。それどころか多分、毎日でも数か月は飽きない。
何より旨過ぎるし、その日の気分でトッピングの組合せを変えられるのだから、飽きなくて当然だ。
肉と米だけでなく野菜もあれこれ採れるのだから、栄養バランスもいい。
ホント、理想の麺料理だよなあ。

食後は、ふじもとさんと菜市場へ。
この日訪ねたのは、西双版納農貿市場だ。
一昨日歩き回った西双版納集貿市場と比べると、野菜より果物に強い印象。
実はこの市場も四年前に連れてきてもらったことがあって、懐かしい。

しかしまあ、これだけ充実した菜市場が徒歩圏内にいくつもあるのだから凄いよなあ。
ここの市場に刺身やキャビアやフォアグラはないけれど、ここに来ないと喰えない美味がある。
せめてそのうちのいくつかを上海に持ち帰ることにしようっと。

↓青空市場的な雰囲気。
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↓西双版納の市場はどこも活気がある。
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↓豚肉も美味しそう。
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↓こちらは牛肉。
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↓これは・・・?
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↓アヒル。
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↓川魚も並ぶ。
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↓これは昨日食べた臭菜だ。
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↓旬のザクロ。昨夜のザクロジュースはホント旨かったなあ。
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↓棗。
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↓おお!我が愛しのパッションフルーツ!即ゲット!
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↓ドラゴンフルーツも旨かったなあ。買っとこう!
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↓お、こぶみかんだ。ライムの代わりにカクテルに使おう。香りが最高だ。
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↓これは糯玉米(モチキビ)。隣に茹でたのが売ってたので、おやつにゲット。
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↓ふじもとさんのオススメ、生ピーナツ。フライパンで炒ったら激旨だった!
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↓これは贅沢、黒砂糖!ふじもとさんがお土産として買ってくれた。わーい。
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そして、僕が是非とも仕入れたかったのは、とある漢方薬。
その名も、三七人参(田七とも言う)。
収穫まで七年を要し、「金不換(金には換えられない)」と称されるほど貴重な生薬だ。

その用途はと言えば、合戦の秘密兵器。
つまり、白酒の宴会の前後に三七を飲んでおくと、その場も翌日もむちゃむちゃ楽になるのだ。
その効果たるや絶大で、ウコンの力とかヘパリーゼとか、ああいうのが子供だましに思えるくらい。
数年前にふじもとさんに頂いて以来、僕は三七人参の素晴らしさに心酔している。

↓各種漢方薬を即売している。
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↓四十头(四十頭)というのは、500gあたり40個という意味で、数が少ないほど高級品になる。
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↓その場で粉にして袋に詰めてくれる。
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↓これで乾杯合戦もどんと来い!
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「これで安心して出張に旅立てます」
「それは良かったです」

ということで、たくさんのお土産を仕入れて、菜市場巡りはおしまい。

旅の終わりも近付いてきた。いよいよ次回は、西双版納最後の食事だ!


■今日の料理■
米干 mi3gan1
撮影@『火桐花早晩店』
住所:雲南省西双版纳自治区景洪市白象路
   (宣慰大道との交差点から北へ数百メートル入った西側)
電話:不明 

■今日の市場■
西双版納农貿市場
住所:雲南省西双版纳自治区景洪市白象花园の周辺。



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2015年10月31日

再び西双版納13 - 西双版納の夜は、『Meimei Cafe』で絶品ザクロジュースやラオスビール!

再び西双版納12 - タイ族料理再び!味覚的好奇心を大いに満たし、〆の激苦米線にうなる!」の続きです。

西双版納最後の晩餐を最高の形で終えたわけだが、このまま「ごちそうさま、おやすみなさい」となるはずもない。というか、最終日に限らず、この三日間一度としてそんな展開になったことはなく、常に夕食後は二軒目に流れていたのであった。

↓夜の景洪市内。
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その二軒目が、『美美珈琲屋/Meimei Cafe』。ふじもとさん行きつけのカフェレストランである。

西双版納では間違いなく最もお洒落なお店の一つだろう。ベルギー人の旦那が西双版納人の奥さんと一緒に開いた店だそうで、品書きにはベルギービールやベルギーワッフルまである。ふじもとさん曰く、ベルギー人の旦那は客と飲んでいるばかりで、店を切り盛りしているのは奥さんだそうだ。こんな中国の辺境で、良い奥さんを見つけたもんだな、彼も。

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三日間のうち一番のヒットは、今が旬だからとふじもとさんが勧めてくれた石榴汁(ザクロジュース)だ。新鮮熟れ熟れのザクロをその場で搾ってくれるのだから旨いに決まっている。本当にもう香りが良くて、上品な甘さで、このザクロジュースを持って行って、湯島の『エスト』でジャックローズを作ってもらったら最高だろうなあなんて夢想しつつ、初日と最終日に二回飲んだ。ザクロをそのまま食べるより好きだな、僕は。

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ザクロには及ばぬまでも、スイカジュースみかんジュースも旨かったなあ。
同じ「その場搾り」でも、都会のジューススタンドとはちょいと味が違うんだよな。

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もちろん、ジュースばかりでなく酒もある。
ふじもとさんのオススメは、老挝啤(ラオスビール)。ちょいとライトな黒ビールだ。
これに、コロナみたいにこぶみかん(カフィア・ライム)のスライスを入れるのがいいそうで、
なるほど、湿気の多い西双版納の夜に清涼感を運んできてくれた。

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因みに、ふじもとさんはと言えば、自分が作った茶葉を店に預けていて、毎度お湯代だけ払って飲んでいるのであった。なんというやりたい放題(笑)。在住者でなければ成し得ぬ技だ。

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お洒落なカフェだけなら僕が住む上海にだっていくらでもあるが、悔しいことに、街を吹き抜ける風の気持ちよさが違う。いいなあ、いつまでもだらだらしていたい。

実はここ、2006年に僕と連れが初めて西双版納を旅行した時も、一度訪ねたことがある。もっとも、そのときの僕は珍しく高熱を患っていたこともあり、この店のことをすっかり忘れていた。今回の旅の途中も思い出すことはなく、先日、日本にいる連れに「そこ、行ったことあるよ」と言われて思い出した次第。

ともあれ、今後西双版納を旅する方にはお勧めっす。
旨いジュースやビールを片手に、南国の夜をのんびり過ごしましょう。


■今日のお店■
『美美珈琲屋/Meimei Cafe』
住所:雲南省西双版納自治区景洪市曼听路5号
電話:0691-2161221



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2015年10月30日

再び西双版納12 - タイ族料理再び!「味的」好奇心を大いに満たし、〆の激苦米線にうなる!

再び西双版納11 - 苦豆、臭菜、冬瓜猪!メインは大頭魚と酸筍の激旨スープ!」の続きです。

南糯山から戻り、ふじもとさん宅で休憩。
外で降り出したスコールが木々や地面を叩く音を聞きながら、生茶を頂く。

落ち着いたところで、そのまま昼寝。
これぞ見事な喰っちゃ寝。理想の生活だ。

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さて、夕食。
楽しい時間が過ぎるのは早いもので、西双版納旅行も最後の晩餐となった。

どの店を攻めるかあれこれ相談した結果、初日に訪れた『星光雅园』を再訪することにした。
あの店の品書きには、まだまだ食べたことがないタイ族料理が並んでいた。

僕の旅の目的は、新しい店を開拓することではない。まだ知らぬ美味にありつくことだ。
だから、旨い店と出会ったなら、その店を深く掘り下げていくことが目的に適う。

ということで、南糯山で買ったポリタンクの自烤酒をペットボトルに移して、店へ向かった。
一昨日と全く同じ席に陣取り、乾杯。アルコール度52度の劇物を喉に流し込んだ。

↓『星光雅园』。
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最終日の夜ともなれば、とことん飲みたい。
料理は、なんとなく勘で、つまみになりそうなものを中心に選んでみた。

まずは、傣味拌毛肚
牛のセンマイのタイ族風激辛和えである。

↓傣味拌毛肚。
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これがもういきなり大ヒット!!

新鮮そのもののセンマイをさっと茹でて細切りにしたものを、多種多才な香辛料で和えている。葱、大蒜、香菜、セロリと言ったお馴染みのものから、生唐辛子、レモングラス、名前不詳の地場の野草などがみじん切りにされてセンマイにからみついている。

ガバッと頬張る。モキュッと歯応えの良いセンマイ。その食感を楽しみ、噛むごとに溢れる旨味と共に口一杯に広がるのは、鮮烈な香りと刺激の洪水だ。味付けは塩と柑橘のシンプルなものだが、食材の足し算が香りと刺激の掛け算となって口一杯に広がり、頭がポーッとなる。

大量の生唐辛子が入っているので、むちゃむちゃ辛い。だが、箸が止まらない。明日のことは考えない。今、この快楽を追い求めたい。発想がジャンキーになる。僕が大のセンマイ好きだということを差し引いても、最高の前菜だと思う。

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お次は、酣专喃咪。「喃咪」はタイ族語で「醤(ソース・ペースト)」の意味。酣专は調べても良く分からないが、タイ族語の音を当てているのだろう。どうやら「芭」は魚を意味するようだ。

実体としては、意外にも温かい料理で、焼いた川魚(恐らく罗菲鱼)を骨ごと叩き潰して、唐辛子やトマトや葱、セロリ、その他各種香辛料と一緒に炒めてある。

↓酣专喃咪。
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焼いた骨の旨味や香ばしさがたまらなく酒を進める。ガシガシ噛んで、それと共に広がる香味野菜や香辛料の食感や香りを味わう。

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旨い!しかし、これもむちゃむちゃ辛い。酒は進むが、辛い料理で52度の酒を飲み続けるのは少々つらい。舌も喉も焼けるようになる。

「舌を冷やすためにビールでも頼みませんか。ビールをチェーサーにしましょう」

酔っているので、言うことがドイツ人やロシア人みたいになってきた。

↓何故か店にはデンマークのツボルグ(乐堡啤酒)が。
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冷えたビールは狙い通り舌に残った辛さを和らげてくれて、再びさあ飲むぞ喰うぞ!の気持ちが蘇ってきた。・・・そこまでして辛い物を喰う必要があるのかと思う人もいるかもしれない。それには、「ある!」と答えよう。だって、旨いんだもの。

そして、お次は「舂」料理。「舂」とは、木臼で食材を叩き潰すことだと初日書いた。この日頼んだのは、傣式舂鱼。これも川魚の身を各種香辛料や野菜と共にペースト状になるまで叩き潰したものをレタスで巻いて食べる。

↓傣式舂鱼。
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これまたむちゃむちゃ辛いけど、むちゃむちゃ良い酒の肴!酣专喃咪とは違って、野菜は生のまま。川魚はあらかじめ焼いておくのかな?いずれにせよ、叩いて出てきた野菜の水気と合わさって、全体はねっちょりした仕上がりになっている。

生唐辛子は確実に入っているとして、あとは・・・なんだろう?こうなるともう細かいことはよく分からないんだけど、魚の身の甘さと香りはしっかり感じられて、それを様々な香りや食感が彩っている感じ。

ちゃんと説明できない自分がもどかしいが、ともあれ、旨い!
レタスと包むとまた爽やかで、これを肴にしていたらいくらでも酒が飲めそうだ。

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「今日もまたいいんじゃないですか!こりゃたまらんなあ!」
「いやあ、どれも旨いですね!見た目は冴えませんが、味は深い!」

どの料理も、他地域では決して食べられない料理ばかり。
「味的」好奇心は十二分に満たされるし、何喰っても旨いし、こんなの楽しいに決まってる!

その高揚したテンションで追加した〆の一品が、また素晴らしかった。
傣味撒撇米线である。

洗面器のような大きな碗が、茶色く濁ったスープで満たされている。
中身は牛肉や青菜と、つるつるに輝く米線(ライスヌードル)。これは旨そうだ。

どんな味でしょうねえなどと言いつつ、スープに口をつけたところ・・・

↓食べかけみたいな写真になってしまったが、傣味撒撇米线。
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「苦ッッッッッッッ!!!これ、むちゃむちゃ苦いですよ!!」

僕は思わず声を上げたが、その声には非難や拒絶ではなく、歓喜のトーンが含まれていたはずだ。
何故って、「我々はこの料理を知っている!いや!この苦味とそれゆえの旨さを知っている!」
すなわち、初日に食べた超絶激苦スープ・牛肉苦胆湯と同種の苦さだったのだ。

それもそのはず、旅から帰って来て調べて知ったのだが、
そもそも料理名の撒撇は、タイ族語で苦胆湯を意味する言葉なのである。

咳込むほどの凄まじい苦さが、やがて不思議な爽やかさに変わることは初日で体験済み。
それが〆の麺に使われているのだから、適材適所とはこのことだ。

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食べれば食べるほどすっきりしてきて、お腹は一杯のはずなのに、米線をたぐる箸が止まらない。
みちみちした牛肉も、やっぱり旨い。写真からはそう思えないだろうが、絶品の一杯だ。

「これは旨いですね!絶対無理ですけど、日本でもハシゴ酒の〆に食べたいです!」
「良いでしょうね。翌日も胃もたれしないこと間違いなしです」

仰る通り。漢方の発想には、自分の身体で整えたい部位と同じところを食べるというものがある。牛の腸液やら胆のうやらを用いる撒撇が、飲み過ぎや食べ過ぎに効かないわけがないのだ。

明日も朝からしっかり飲み食いできるはずだと確信して、西双版納最後の晩餐はお開きを迎えた。
残すは明日の朝食、昼食、あと2回!


■今日の料理■
傣味拌毛肚 dai3wei4ban4mao2du3
酣专喃咪 hei1ba1zhuan1nan2mi2
傣式舂鱼 dai3shi4chong1yu2
傣味撒撇米线 dai3wei4sa1pie1mi3xian4

撮影@『星光雅园』
住所:雲南省景洪市嘎兰中路曼允巷口
電話:180-8807-9065
*注文時、「不要放味精和鶏精」と言っています。



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2015年10月29日

再び西双版納11 - 苦豆、臭菜、冬瓜猪!メインは大頭魚と酸筍の激旨スープ!

再び西双版納10 - いざ南糯山へ!まずは道中見かけた白酒醸造所でポリタンク買い!」の続きです。

重いガソリンを持って山道を取って返し、昼飯への準備は万全だ。さあ喰うぞー。

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南糯山のバス乗降所の周囲には、数軒のレストランが点在している。
農家が自宅の一部を改装して、地場の料理を食わせるレストランを開いているのだ。

どの店も、メニューは存在しない。客は厨房で注文を行う。
厨房の一角に並んだ野菜や肉や魚を見て、好きなものを選び、好きな調理法を指定する。

当然、見たこともない食材も混じっている。どんな調理法があるかも分からない。
店員に聞かなきゃ話は進まないが、聞いてもなまり過ぎていて、よく分からないことも多い。

こう書くと、「それはちょっと無理」と思ってしまうかもしれないが、実際はそう身構えることもない。
だって、何を選んだって食材は良いものだし、どんな調理法だってしっかり旨いのだから。
ちょっとした冒険心と健康な胃袋さえあれば、誰だって美味しく楽しめるはずだ。

ということで、僕らが選んだのは『南糯山荘』
何軒か歩き回って、厨房の清潔さと並んでいる食材の鮮度などを見て決めた。

老板と話しながら、注文を固めていく。
ふじもとさんが「これが面白い」「これも旨いですよ」と仰るのに加えて、
「あれも食べてみたいです!」と口を出す。

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注文を終えたら、料理が出てくるのをワクワクして待つ。
まずはさっき買ったポリタンクの自烤酒を一杯。
度数52度。高ぶる気持ちに寄り添うかのような荒ぶる液体が食道を滑り落ちていく。

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まずは、西双版納へ来たら必ず食べたいと思っていた冬瓜猪だ。その名の通り、冬瓜に似た小ぶりのずんぐりとした体形が特徴。版納小耳猪という異称もあるようだ。

元々は、この辺りに住むタイ族やハニ族が山の猪を飼い馴らしたのが起源。今なお、豚舎の中で生涯の大半を育つ豚とは餌も日々の過ごし方も違うので、たかが豚肉、されど豚肉、肉の味だって、黙って出されても「あれ?この豚、旨くねえ?」と気付くくらいの違いが出る。

↓冬瓜猪。
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辣炒冬瓜猪(名前は適当に付けてます)。
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冬瓜猪を葱と唐辛子で炒めただけのシンプルな一皿。
もっちりした肉は旨味が強く、香りがいい。脂身は少ないが、その脂身も美味しい。
葱と唐辛子の香りが豚肉を彩る。旨い食材には単純な調理法がピッタリ。
「これですよ、これ!やっぱり旨いですね!」と言いながらガバッと肉を頬張り、酒をぐいっとあおった。

↓昼から自烤酒ばかりではひっくり返ってしまうので、上海から持参した赤ワインを投入。
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お次は、ふじもとさんが「これは面白いですよ」と仰った、苦豆
一見、大ぶりのグリーンピースのようだが、味は正に「名は体を表す」と言ったところ。

↓苦豆。
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炒苦豆
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うほっ、苦い!苦い豆を塩味で炒めただけだから、本当にストレートに苦い!見た目は大ぶりのグリーンピースのようで、食感もそれに似てプリッといい感じなのだが、その後、渋味を伴った苦味がむわっと口の中に広がる。

ぶっちゃけ、ひと口目で旨いと思ったかと言われれば、「否」だ。しかし、何故かこの苦味がクセになる。苦いと分かっているのに、もう少し食べてみようかな・・・とレンゲを伸ばしてしまい、気付けばもきゅもきゅと頬張っている。何故だろう。

これは、初日の夜に食べた超絶激苦スープ・牛肉苦胆湯(撒撇)に通じるものがあるかもしれない。強烈な苦味は不思議と後に残らずにスッと消え、代わりに残るのは舌を洗ったかのような清涼感なのだ。

「他の料理との合間に食べると、いい感じですね。さっぱりして、また次の料理が美味しくなる」
「この苦豆の苦味も、西双版納の人たちの味覚の幅広さを表していると思いますよ」

苦い豆の次は、臭い菜っ葉。その名も臭菜だ。
卵とじにするのが良いと老板に言われたので、そのまま従ってみた。

↓臭菜。
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↓臭菜炒土鶏蛋。
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これも苦豆と同レベルでむちゃむちゃ臭いのかと思ったら、そうでもなかった。
拍子抜けと言ったらなんだが、ちょっとクセのある菜っ葉と言った程度。
火を入れたことや、卵でとじたことで、臭いがマイルドになったのかもしれない。

ただ、こういう何でもない卵とじがなかなかのご馳走になるところが、西双版納という土地だ。
味の強い臭菜。そこらを走り回っている鶏の卵。二つが合わさった濃厚な味わいが、ワインを進めた。

それにしても、苦豆だの臭菜だの、人間の五感をそのまま反映した呼び名が面白い。ふじもとさんによると、苦くて涼しい味の苦涼菜という青菜もあるそうだが、面白いことに、品種的には全く異なる3、4種類の野菜や山菜に、どれも苦涼菜の名が与えられているそうなのだ。

味や食感が似ているものは似たような栄養分を持っていることが多く、体感的には同じような効果が得られるので、「あんがいカシコイ」名前の付け方というのがふじもとさんのご説明だ。どうやって区別してるの?と思ってしまうけど、区別しなくても困らないということか(笑)。

そして、この日のメインに位置付けた大皿の登場!
大頭魚という川魚と今が旬のタケノコの漬物をスープに仕立てたものだ。
これまた勝手に名付けるなら、大头鱼酸笋汤といったところだろうか。

大頭魚は雷魚に近い種類の川魚で、主に虫を食べる肉食魚。名前の由来は、身体の大きさに比して大きな頭で、英語名はスネークヘッドと言う。澜沧江(メコン川の源流)にもいるが、やはり南糯山の沢で獲れたやつのほうが一段旨いそうだ・・・。以上、全てふじもとさんの受け売り(笑)。

↓大头鱼。
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↓大头鱼鲜笋汤。
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まずは、スープをひと口。・・・むは、期待通り、むちゃむちゃ旨い!

大頭魚は一度揚げ焼きにしてから、スープに仕立ててある。ぶつ切りにしてあるのは、硬く太い骨からダシを出すためだそうだ。その濃いダシと酸笋(タケノコの漬物)のコクが重なり、更にトマトの旨味と酸味も加わることで、得も言われぬ香りと深みのある味を生んでいる。

もちろん、大頭魚はダシとしてだけでなく、具としても大変美味しい。小骨は多いのだが、身は柔らかくホロホロで、手間に見合う旨さがある。言うまでもなく、西双版納の魚には臭みなど皆無だ。ヘゲヘゲシャクシャクの酸笋も美味。発酵食品が入ったスープって、味がぐっと複層的になるんだよな。

スープに浮いている黒い粒は、木姜子という香辛料だ。リツェア・クベバとかメイチャンとかいうクスノキ科の植物だそうで、レモングラスにも似たアロマな香りを放ち、スープ全体に清涼感を与えている。

この木姜子、雲南のほか、貴州や湖南でも使われているのを確認したことがある。僕はこの香りが大好きで、以前、大量の木姜子を買って帰り、寝るとき枕元に置いていたことがあるくらいなのだが(←バカ)、実際、外国だとエッセンシャルオイルの材料として認識されているようだ。

↓酸笋。
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↓大頭魚。中国にだってめちゃめちゃ旨い川魚はいるのだ!
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↓ドドン!全ての料理が勢ぞろい!
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旨いなあ!
こういう料理を食べると、わざわざ遠くまで来た甲斐があるって感じるよなあ。

この店、炒めものの味付けはちょいと塩と油が強かったけれど、
それは圧倒的な旨さの中の誤差みたいなものだ。

全ての料理をもの凄い勢いで喰らい、それに負けぬ勢いでよく飲んだ。

店を出たときは、すっかり酔っ払い。これぞ本望。
大きな多幸感に包まれて、山を下ったのだった。


■今日の料理■ 名前は僕が勝手に付けたものです。
辣炒冬瓜猪 la4chao3dong1gua1zhu1
炒苦豆 chao3ku3dou4
臭菜炒土鸡蛋 chou4cai4chao3tu3ji1dan4
大头鱼酸笋汤 da4tou2yu2suan1sun3tang1

撮影@『南糯山荘』
住所:雲南省景洪市勐海路
電話:151-9889-6887
*注文時、「不要放味精和鶏精」と言っています。



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2015年10月28日

再び西双版納10 - いざ南糯山へ!まずは道中見かけた白酒醸造所でポリタンク買い!

再び西双版納9 - 幸せの米線三昧!牛肉米線と臭米干のコンボで朝から大満足!」の続きです。

一週間の日程でお邪魔した四年前の西双版納旅行では、ふじもとさんに茶農家のところへ連れて行ってもらい、彼らに食事をご馳走になったり、山に入って樹齢数百年の茶樹王を見せてもらったりしたが、今回の短い日程では大した遠出はできない。

かと言って、ずっと景洪で喰っちゃ寝しているのもどうかということで、朝食後ふじもとさんと合流した後は、二人で南糯山へ向かった。南糯山は西双版納に散在するプーアル茶の産地のひとつで、景洪市の南西に位置する。景洪中心地からはバスで1時間半ほどで、気軽に日帰りできる距離にあるのだ。

もっとも、ちゃんと山の上まで行こうと思ったら、バスを降りてから更に数時間の行程となるのだが、怠惰な僕にそこまでハードな登山をする気など皆無。「山の旨い空気を吸って、山の旨いものを食えればいいな」程度の浅薄な気持ちに合わせて、プランを組んで頂いた次第。

↓久々のローカルバスの旅。
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↓南糯山の入口。
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バスを降りたところにはちょっとした市場が出ていた。僕のお目当ては、冬瓜猪というこのあたりの山を走り回って育った小ぶりの豚の干巴(燻製肉)だ。前回の旅でこの豚の旨さに惚れ込んだ僕は、思い切って2kgの干巴を買い込んだ。これでしばらくは上海でも雲南の美味が味わえるぞ。

↓こんな市場。
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↓干したキノコ類やら何やら。             ↓木臼で瓜を潰すおばちゃん。タイの香り。
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↓何を酒に漬け込んでいるのだろうと思ったら・・・
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↓なんと生きたスズメバチ。手でつまんでいたのでびっくりした。
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↓お目当ての冬瓜猪干巴。
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↓今は真空パックで売っているのがありがたい。
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買い物後は、昼食までの腹減らしもかねて、バスで来た道を戻って山を下った。ふじもとさんが「少し前に同じ道を通ったとき、白酒の醸造所らしき建物ができていたのを見かけたんですよ」と仰ったからだ。さすがの観察眼。1キロほど山を下ったところ、確かに醸造所があった。

↓小さな醸造所。
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↓なんという原始的な蒸留器。今の酒の原料はトウモロコシのようだ。玉米酒か。
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↓単式蒸留を繰り返して、アルコール度を上げていくようだ。
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↓熱源は薪!
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↓蒸留されたアルコールは水盆で冷やされて・・・
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↓ここから出てくる。出来立てホヤホヤ!
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勝手に写真をパシャパシャ撮っていたら、老板娘(社長夫人)が出てきて、出来立ての玉米酒を飲ませてくれた。むせかえるほど強烈なアルコールが立ち昇ったが、それと同時に甘いトウモロコシの香りも濃密に立ち込める。むちゃむちゃ荒々しい味なので、このままで凄く旨いというものではなかったが、熟成が楽しみになる味わいだった。

聞いたところ、この醸造所は去年できたばかりで、所内にずらりと並んだ大甕にもまだ古酒はなく、全て一年物未満だという。んー、数年後に来ていたら、飲み比べができてもっと楽しかったかもな。

↓熟成を待つ酒たち。
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しかし、僕の人生のモットーは「せっかくだから」だ。何種類か仕込みが異なる酒を味見させてもらって、ペットボトルで持ち帰ることにした。つもりだったのだが、ふじもとさんも同じことをお考えになり、結局ポリタンクでたっぷり持ち帰ってあとでシェアすることになった(笑)。

↓量り売りしてくれる老板娘。
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↓ドーン!中身は、ある意味、僕にとってのガソリン。
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こんな重いもの、出先で買うべきではないと決まっているのに、酒飲みの勢いとは怖いものだ。しかも、帰りは登り道。すぐに自分の愚かさを思い知らされた。しかし、酒の重みなら不思議と耐えられるのも、また酒飲みというものである。

「これを舐めながら食事をするのが楽しみですね!」
「間違いなく合うでしょう!」

また、酒の重さが昼飯を旨くしてくれると思えば、ますます元気になる僕なのだった。




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2015年10月27日

再び西双版納9 - 幸せの米線三昧!牛肉米線と臭米干のコンボで朝から大満足!

再び西双版納8 - 最強の焼き鳥は今なお健在!四年ぶりの美味にむしゃぶりつく!」の続きです。

翌朝。ふじもとさんが淹れてくれたお茶を頂いてから、ひとりで朝食へ出かけた。ふじもとさんが「連日食べ過ぎなので、僕は朝食はパスします」と仰ったからだ。むう、在住者ならではの余裕…!

一方、限られた日数で如何に多くのものを食べるかが肝の旅行者である僕に、そんな余裕はない。いや、というか、むしろあれこれ食べたくて、落ち着いてはいられないと言ったところだ。

朝食は、もちろん米線である。ふじもとさんに「ここも旨いですよ。やや辛いですが」と伺った、『玉波早晩店』を試してみることにした。

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小さな店は、朝から賑わっている。昨日は極太の寛米干を食べたので、今日はスタンダードな米線にしよう。一番人気らしき牛肉米線(6元)を選んだ。サイコロ状の牛肉がドサッとたっぷり。これが6元。安いなあ。

↓牛肉米線(原型)。
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もちろん、この店にもトッピングコーナーがある。辛そうな漬物と辣椒粉、更にすっぱ辛そうな汁をちゃちゃっと入れて、マイ米線の出来上がりだ。

↓本能の赴くままにトッピング。
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↓出来上がり!マイ牛肉米線!
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…旨い!!昨日の店より、スープはどっしりした感がある。そこに辛さや酸味が加わり、何とも「そそる」味になる。ピリ辛に煮込まれた牛肉は、肉自体の質が良いのだろう、程よく歯応えがあり、脂まで旨い。そして、つやつやと輝く米線はつるつるのぷるり。いくらでも食べられそうだ。
  
↓つるつる米線。これ、日本にも広まらないかなあ。
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なんだろうなあ、これは。道端の一杯の麺が、本当にご馳走だ。「ローカルフードにしては」とかいう前置きなしに、純粋に旨い。こういう純粋な感動が、都会じゃなかなか得られないんだよな。。

すっかり気を良くして、もう一軒、ハシゴすることにした。今度は自分の嗅覚に頼ってみよう。昨日、市場へ行く途中で見かけて気になっていた『玉儿傣味臭米线』を訪ねた。

選択のポイントは、店名の「臭」だ。中華料理界において「臭」の字は、発酵の香りや旨みを連想させる。一体、どんなものなのだろう。

↓『玉儿傣味臭米线』。
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今度は中太幅広の米干を選んだ。「どの具を入れる?」と聞かれて「全部!」と答えて出てきたのが、これ。鴨血とか肉味噌とか鶏の辛味煮込みとかがドサッと乗っている。正式名称は不明だが、勝手に名付けるなら鸡肉杂酱鸭血米干かな。華やかで豪華だ。

↓仮称・鸡肉杂酱鸭血米干(原型)。
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でも、これにも更にトッピングをほどこす。辣醤とか豆豉とか香菜とか酸っぱい汁とか辛い汁とかを適当に。これまでの経験で、何を入れても旨くなることが分それぞれ分かっているので、深くは悩まない。
 
↓トッピングのバリエーションは常に豊富。
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↓できた!マイ鸡肉杂酱鸭血米干!
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うほ、これも旨いな!!様々な味が重なっていくことで生まれる妙味。スープも具もトッピングも、それぞれが控えめで自然な味だからこそ、重ねた時に全てが生きる。ローカル店ですら、そのあたりの道理をわきまえているのが凄い。
 
「あれ?でも、別に臭くはないぞ」と思ったとき、思い出した。米線は、伝統的製法では米をどろどろにした液を一晩置いて発酵させてから、加熱成型するのだ。今は発酵の手間を省く店も多いが、きちんと発酵させた米線には独特の酸味やコクが加わるのだとか。で、そうやって作られた米線を「臭米線」と呼ぶのだと、以前調べたことがある。

そう思い出してみると、米干自体に他店より酸味があった気もするが、気のせいかもしれない。このあたりは、もっと意識して食べ歩いてみないと分からないな。酸味の有無はともかく、他の店のだってむちゃむちゃ美味しかったし。
   
↓伝統製法を守っているらしい米線。
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↓美味しい米干だった!
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ともあれ、昨日の朝食から数えて、三店の米線全てが当たり。これは凄い。朝からすっかりお腹は膨れてしまったが、その甲斐は十二分にあった。 
  
「どうでしたか?」と、ふじもとさん。
「どこも旨かったです。この高いレベルで、どの店が旨いと比較できるのが本当にうらやましいです」
「皆、舌が肥えてますから、競争は激しいですよ。ダメな店はすぐなくなります」

なるほど。
比べても仕方がないとは分かっているが、改めて上海での食べ歩きに虚しさすら覚えてしまった。 
 
むむう。恐るべし、西双版納!!
   
 
■今日の料理■
牛肉米线 niu2rou4mi3xian4
撮影@『玉波早晩店』
住所:雲南省景洪市嘎兰中路。

鸡肉杂酱鸭血米干 ji1rou4za2jiang4ya1xue3mi3gan1
撮影@『玉儿傣味臭米线』
住所:雲南省景洪市宣慰大道の工银大厦西側の小道を南側に入って数十メートル。



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2015年10月26日

再び西双版納8 - 最強の焼き鳥は今なお健在!四年ぶりの美味にむしゃぶりつく!

再び西双版納7 - 腹ごなしのサイクリングで見る、変わりゆく西双版納。」の続きです。

サイクリングの途中から雨が降り始めた。ふじもとさんちに戻って熱いシャワーを浴び、服を着替えた。

この旅では、雨が降らなくてもよくシャワーを浴びた。高温多湿の西双版納では、ちょっと歩いて食事をするだけでも、汗が噴き出てくる。汗を出せば涼しくなるので、発汗自体は良いこと。たくさん出して、ちょくちょくシャワーを浴びて、服を着替える。ふじもとさんちの洗濯機は八面六臂の活躍だった。

さて、すっきりしたあとは雨が止むまでゴロゴロして過ごし、夕食へ出かけた。
目的地は、四年前の旅でも訪ねた『勐海烤鸡店』だ。

小ぶりの地鶏を丸ごと焼き上げる烤鸡を売りにした店なのだが、その焼き鳥の旨いことと言ったらもう、僕と連れは旅のあと今に至るまで、「あそこの鶏は旨かったねえ」と事あるごとに思い返しているくらいなのだ。

その魅力は過去記事でも長々書いたので、今回は写真メインでさらりと行こう。
ひと言で言うなら、完全な「素材勝ち」
普通の鶏とそんなに違うの?と思う方は、是非西双版納まで行って食べてみて欲しい。

<『勐海烤鸡店』の魅力>
西双版納3 - 単純を極めた焼き鳥屋に、テンションうなぎ登り!
西双版納4 - あおれ!むさぼれ!絶品焼き鳥の幸福な宴!

↓四年ぶりの『勐海烤鸡店』。
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↓炭火で鶏を焼く光景もそのまま。
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↓これこれ、この小ぶりな鶏が旨いんだ。
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店先の席にどっかと腰を下ろし、まずは酒だ。
雲南は香格里拉産の赤ワインを合わせることにした。

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前菜は、前回も食べた蕃茄喃咪。トマトベースのピリ辛ソースだ。
香りと酸味が実にいい感じ。理想的なアペタイザーだ。

↓蕃茄喃咪。大好き。
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脇に添えられているのは、刺五角という地場の野草。
名前の通り、刺五角にはバラのような棘があり、相当に苦い。

だが、この苦味がトマトの甘みを引き出すだけでなく、このあと、肉の脂をいなしてくれた。
今回の旅で、苦味を上手く利用することが西双版納(タイ族?)の得意技だという気がしてきた。

↓刺五角。
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↓棘ごと食べられる。
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時折り、焼き場の方まで行って、自分が頼んだ鶏の焼き具合を見る。
皮をパリパリに焼いてくれよ、と、焼き場の兄ちゃんに注文をつける。

↓むふふ、段々焼けてきた。
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↓皮もいい具合に仕上がってきている。
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もう一つの前菜は、柠檬黄瓜。今が旬の胡瓜をこぶみかん(タイで言うマナオ)の汁や生唐辛子で和えたものだ。

日本では油断していると胡瓜に旬があることすら忘れそうになるが、旬の胡瓜はやはり甘く、香りがとてもいい。そこに更にこぶみかんの爽やかな酸味と香りが加わり、生唐辛子の鮮烈な辛さがアクセントになる。

↓柠檬黄瓜。たかが胡瓜がごちそうだ。
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これまた素晴らしいアペタイザー。
で、これらで食欲を高めまくったところに、焼き上がった鶏が運ばれてくるのである。

↓きた!勐海烤鸡!
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「好きなところを好きなだけ食べてください」と、鷹揚なふじもとさんの言葉に甘えて、まずはふっくらした腿肉を齧り、胸肉をむさぼり、首周りの肉をせせった。

旨い!旨いYO!ここ数カ月、我ながら上海の鶏に文句を言う記事が多かったけど、言ってることは間違いないと改めて思った。まるで別の生物だよ、こりゃ。肉の弾力も旨味も香りも段違いだ。

肉が旨い鶏は、モツだって旨い。烤鸡杂(鶏モツ焼き)は、鸡肝(レバー)と鸡肫(砂肝)がドドン!旨いものがたっぷりあるのが嬉しい。意地汚く数個をいっぺんに口に放り込み、口の中一杯に炭火の香りとモツの旨みが広がったところに赤ワインをぐびぐびと流し込む。これぞ幸せ。

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そうそう、青菜のスープのことを忘れていた。実のところ、スープと言うか、青菜を茹でた汁にわずかな塩を入れただけのものなのだが、優しい甘さで、程よいコクもあって、立派にスープとして成立しているのだ。

旨い野菜にダシなど不要。名前も知らぬ青菜だけど、青菜自体の味の濃さがあってこその料理。こういう野菜がいつまでも食べられる西双版納であって欲しいが。。

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野菜を食べると、また肉を食べる気が湧いてくる。せっかくだから・・・と、鶏をもう一匹追加。
「もう好きなだけ食べてください(笑)。僕はいつでも食べられますんで」と、ふじもとさん。
「はい!」と即答したが、最後の一言が悔しい(笑)。

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最後は、炸薯条。サツマイモに似た芋の素揚げだ。
都会での流行が今頃西双版納に伝わったのか、コンデンスミルクが添えられてきたが、全く不要。
芋事態の甘味だけで、ガツガツいける。これまた味付けいらずの美味だ。

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「いやあ、よく食べました。本望です」
「それは良かった」
 
四年の間に記憶が美化されているのではないかという思いもあったが、杞憂だった。
旨いと思い続けていたものが思っていた通りに旨かったのは本当に嬉しい。

さて、お勘定。
カウンターにぶら下げられていたテイクアウト用の袋を見た僕の目は瞬時にハート形になった。

↓鶏で描かれる「C」の字が・・・
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↓オシャレなテイクアウト用バッグに!(笑)
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「ねえねえ!!あれ、ひとつ、もらえない!?」

異常なハイテンションで袋をもらいたがる僕。

「・・・え、これ?別にいいけど?」

怪訝そうにしながらも、店員は快く応じてくれた。わーい。

この袋、西双版納から様々な食材や果物を持ち帰るのに、大変重宝致しました。


■今日の料理■
番茄喃咪 fan1qie2nan2mi3
刺五角 ci4wu3jiao3
柠檬黄瓜 ning2meng2huang2gua1
烤鸡 kao3ji1
烤鸡杂 kao3ji1za2
青菜汤 qing1cai4tang1
炸薯条 zha2shu3tiao

撮影@『勐海烤鸡店』
住所:雲南省西双版纳自治区景洪市宣慰大道交警二大队前五十米
電話:137-5927-6048(店主携帯)
*全ての料理に、「不放味精和鶏精(化調も鶏がらスープの素も不要)」とリクエストしています。



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2015年10月25日

再び西双版納7 - 腹ごなしのサイクリングで見る、変わりゆく西双版納。

僕には食材の天国のように思える西双版納。
しかし、この雲南省の辺境にも経済発展による変化の波は押し寄せている。

前回の旅から四年。旅行者の僕でも気付く変化を挙げていくと、まずは大きくピカピカになった空港。そして、景洪市内を走る車の数が明らかに増え、バイクの比率は減った。街中には新築高層マンションを売り込む不動産の広告が目立つ。こんな田舎だって、街を歩く人が持つ携帯はほとんどがスマホだ(さすがにiphoneは少ないけど)。

↓西双版納空港。
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一番驚いたのは、二日目の昼食後、腹ごなしのサイクリングでふじもとさんに案内して頂いた告庄西双景だ。従来の景洪市中心と澜沧江を挟んだ対岸で進行中の、一大開発プロジェクトだ。

下の写真を見れば、僕の驚きをある程度共有してもらえると思う。
既に一部の施設は営業を始めていて、繁忙期には国内各地から観光客が団体で押し寄せているそうだ。

↓澜沧江を渡って対岸へ。
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↓開発計画概要。
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↓最近作りました 
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↓最近作りました◆
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↓今も作ってます。
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↓いわゆるリゾート観光区。
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外部から人が入ってくれば、現地の生活が変わり、価値観が変わり、生産される食材も確実に変わっていく。

プーアル茶を作る農家でも、大量生産で利益追求に走るところが出て来ていることは、ふじもとさんのブログで何度も触れられている。市場の記事で触れたように、野菜も生産効率を追求した大量生産品種が増えてきているそうだ。また、何の理由か知らないが、山間部では家畜の豚を自由に走らせてはならないというルールもできた。山の幸を食べて自由に育つ冬瓜猪の美味も、失われていくわけだ。

こういう変化は中国全土で進行しているが、旅行者がどうこう言える問題でもないし、止められるものでもない。

「改めて、今回来ておいて良かったと思います。
この先、美味しいものが減ることはあっても増えることはないでしょうから」

サイクリングの合間に、生絞りジューススタンドでマンゴージュースをちゅー。
爽やかな香り。濃厚な甘味に程良い酸味。むちゃむちゃ旨い。

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僕ができることは、今ここにあるものを精一杯堪能することだけだ。
夕食もせいぜい張り切って食べることにしよう。



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2015年10月24日

再び西双版納6 - 西双版納のムスリム料理とは!?絶品キノコと牛肉に昼から昇天!

再び西双版納5 - 景洪の台所!四年ぶりの西双版納集貿市場で大興奮!」の続きです。

さて、いよいよ昼食。
市場で仕入れたキノコと卵を持って向かったのは、『絶対牛回族食館』
西双版納に住む回族(ムスリム)が営む店だという。

西双版納でムスリム?と思うかもしれないが、実のところ、西双版納は他民族社会なのだ。それぞれ人口の30%を占めるタイ族と漢族の他、ハニ族、ラフ族、プーラン族などがいる。回族にしても、西双版納へ移民してきたのは数百年前のことのようだ。

回族の文化と西双版納の風土が融合した料理。一体どんなものだろう。

↓『絶対牛回族食館』。
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↓店内にはこんなポスターも。料理は全て清真(ハラル)だ。
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酒は、僕が上海から持参したスペインの赤ワイン。「肉に合うのを買ってきてください」とふじもとさんに言われていたものだ。フランスよりはスペインの方がスパイシーな料理に合うかなと考えた次第。

↓いただきます!
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そして、迎えるは前菜の蘸水牛肉である。薄切りの牛肉を、生唐辛子や葱入りの激辛醤油ダレ(蘸水)につけて食べる。ただそれだけと言えばそれだけの料理だが、これがむちゃむちゃ旨い!

すっきり。しっとり。恐ろしく香りが良く、旨味のある牛肉だ。タレもいい。華やかに香り、鮮烈に辛く、しっかり旨味もあるが、決してしつこくない。牛肉を彩り、盛り立て、邪魔しない。永遠に食べ続けられそう。

↓蘸水牛肉。
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牛肉と言うものの旨さを考え直したくなる旨さだ。いやホント、なぜ我が日本はメタボ牛の育成に血道を上げているのだろう、とメタボ気味の僕は赤ワインをあおりつつ思うのであった。

もう一つの凉菜は、凉拌马蹄叶。马蹄叶とはこのあたりに自生する野草の一種で、ほろ苦さが特徴。それを水豆豉(このあたりの納豆)と耳根(ドクダミの根っこ)と一緒に辛く和えてある。

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「苦旨」な一品。西双版納の人々は、苦みを味わうことが得意のようだ。水豆豉の辛味と辛味が全体をまとめ、耳根のキシキシした食感と独特の匂いがアクセントとなり、妙に後を引く。そして、他の料理を食べたあと戻ってくると、またこの苦さが旨く感じるのだ。

お次は、市場で買ったキノコを炒めてもらった辣炒醵敏だ。市場のおばちゃんは、「醵敏椶鷲ずニンニクと青唐辛子だけで炒めるのよ。じゃないと味が濁る」と言っていたのだが、店には何も伝えなかったのに、全くその通りの調理法で出てきてびっくりした。醵敏椶砲魯縫鵐縫と青唐辛子ってのは、西双版納の常識なんだな、きっと。

↓市場で買った醵敏棔
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↓辣炒醵敏棔
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これが期待以上に旨かった。このキノコの食感、何と言ったらいいのだろう。もにゅ、かな?そんな感じ。その不思議な食感と共に、実に濃い旨みがキノコから溢れてくる。程よいニンニクの香りや青唐辛子の辛味が、確かにキノコを引き立てている気はする。キノコの旨みが強いので、余計な味付けはいらないのだ。

キノコってやつは時期と鮮度が命。空輸したやつや乾燥したやつを都会の雲南料理店で食べたって、まるで別物になる。ここに来ないと喰えない味、だ。

続くは、ふじもとさんが強烈にプッシュした番茄鸡蛋だ。番茄鸡蛋。そう、あの誰でも知ってる、というか誰でも作れる、お手軽定番料理筆頭のトマトと卵の炒めものだ。材料は、市場で買った地鶏の卵。単純な料理ほど素材の良さが分かる、というのがふじもとさんの推薦理由だった。

↓小ぶりで美味しそうな地鶏の卵。
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↓番茄鸡蛋。
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ふじもとさんの理屈は分かる。だが、せっかく西双版納まで来たのだから、もっと珍しい料理を食べてみたい。そういう気持ちがなかったと言えば嘘になる。

しかし、食べてみて納得。旨い。味付けはわずかの塩だけなのに、濃く、甘い。卵はもちろん、地場のトマトもむちゃむちゃ旨いからだ。「料理は素材」。改めて、その一言を舌で理解させられた。

そして、本日のメインは鸡枞菌牛肉汤。市場で買ったキノコとこの店の絶品牛肉をスープに仕立ててもらった。これに用いる牛肉は骨付きスペアリブで、トロトロに煮込まれた様子は見るからに旨そうだ。

↓鸡枞菌牛肉汤。
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で、見たまんま旨かった。いや、見た目以上に旨かった。

鸡枞菌と牛肉のダシが合わさったスープは、まず香りがいい。キノコの香り。牛肉の香り。薬味の葱の香り。それらがどれも強過ぎず弱過ぎず混ざり合って、強烈に食欲を刺激する。

その味わいたるや実に濃厚で、豊かな旨味に溢れている。それでいて、後味が驚くほど澄んでいるのが凄い。濃厚なのに、あっさり。濃厚なのに、しつこくない。だから、何杯でも飲みたくなる。

スープの旨さに具も負けていない。もきゅっとした鸡枞菌はスープをたっぷり吸い込んで、噛むたびに口の中で旨みがあふれる。そして、何と言っても牛肉の旨いこと!無駄な脂身がなく、トロトロに煮込まれて旨みのカタマリとなったそれは、噛んでいるだけで身体中に幸せが広がっていく。

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「いやあ、旨かったです!!」
「そうでしょう、いや、良かった」

本当に旨いものを食べた時は、多くの言葉はいらない。

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大満足。一心不乱に胃袋をフル回転させているうちに、天にも昇る心地になった。


■今日の料理■
蘸水牛肉 zhan4shui3niu2rou4
凉拌马蹄叶 liang2ban4ma3ti2ye4
辣炒醵敏 la4chao4hei1la1ba
番茄鸡蛋 fan1qie2ji1dan4
鸡枞菌牛肉汤 ji1cong1jun1niu2rou4tang1

撮影@『絶対牛回族食馆』
住所:雲南省西双版纳自治区景洪市嘎兰中路(望江楼宾馆の対面)
電話:188-8773-5996
*注文時、「不要放味精和鶏精」と言っています。



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2015年10月23日

再び西双版納5 - 景洪の台所!四年ぶりの西双版納集貿市場で大興奮!

再び西双版納4 - 香りと旨みと食感の小宇宙!寛米干で味わう味覚極楽!」の続きです。

景洪市内でも有数の規模を誇る一大菜市場・西双版納集貿市場へやってきた。中国各地に菜市場と名の付くものは無数にあれど、ここの菜市場ほど活気と魅力に溢れた菜市場はなかなかない。

野菜・果物・肉・魚・キノコのいずれも、旬の地場ものばかりがズラリと並ぶ。見たことのない食材がたくさんある。見たことのある食材も、都会の市場で見るのとは違った瑞々しい顔をしている。歩いているだけでワクワクしてくる。

現代的な品種改良や大量生産とは無縁の食材を、近くの山々に住む農民が、その日の朝か前日にとれた分だけ持ち寄るのだから、鮮度は折り紙付きだ。レストランにしろ一般家庭にしろ、みなここでその日使う食材を仕入れていく。つまりは、景洪の台所と言っていい。

四年前に連れてきてもらったときも詳しく記事にしているので、詳細は下記ご参照。
今回は写真中心にさらっとお送りしたい。

<西双版納集貿市場>
西双版納8 - 「西双版納のお昼ご飯!」 市場篇1
西双版納9 - 「西双版納のお昼ご飯!」 市場篇2
西双版納10 - 「西双版納のお昼ご飯!」 市場篇3
西双版納11 - 「西双版納のお昼ご飯!」 市場篇4

↓300m四方くらいの広大な敷地。
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↓新鮮な野菜がもっさり。
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↓屋内スペースもある。手前は芭蕉の葉。色々なものを包むのに使う。
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↓几帳面な野菜の並べっぷりが、漢民族の菜市場とは異なるところ。
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↓これは何の花だろう。
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↓みんな、おばちゃんの横に置いてあるような籠を背負って山から出てくるのだ。
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↓タケノコの季節らしく、あちこちで売ってた。
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↓甜笋。
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↓キノコの季節はもう終わりかけ。これでも種類が減って、ものが悪くなったそうだ。
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↓こちらは乾燥キノコ。
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↓キノコの下処理にいそしむおばちゃん。
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↓加工品を売るおばちゃん。唐辛子味噌やら漬物やらたくさん種類がある。
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↓どれが何か全部分かるようになるには、どれだけ通えばいいのかな。
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↓これは様々なお米。
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↓うちのは美味しいよ、と得意げなおばちゃん。
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↓自慢のなれ寿司。
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↓白魚も新鮮そう。
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↓西双版納の川魚は、どれも見るからに美味しそう。
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↓このおばちゃんが扱うのは、タウナギとカエル。
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↓大ぶり。何ガエルだろう。
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↓タウナギ。
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↓ウナギと同じように、目打ちしてタウナギを捌くおっちゃん。
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↓鶏モツの専門店。
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↓この鶏血の美味しそうなこと!
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↓これは犬。煮込んで食べるそうだ。
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↓タイ族風の犬料理をぜひ食べてみたかったが、レストランの品書きには見当たらず。次回の課題だ。
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↓ハチの巣。ハチノコもハチミツも売り物。
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見ているだけでは寂しいので、昼飯の食材もいくつか仕入れた。
昨夜の木耳同様、お店に持ち込んで調理してもらうのだ。

↓鸡枞菌。スープにすると美味しいそうだ。
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↓醵敏棔「必ずニンニク・青椒と一緒に炒めてね」と細かい指示をもらった。
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↓地鶏の玉子、土鸡蛋。小ぶりだが味が濃いのだとか。
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↓これはおやつ。バナナじゃなくて、芭蕉。香りが素晴らしく良くて、甘い!
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ふじもとさん行きつけの酒屋で自烤酒も仕入れた。この店、以前は正にこの場所で酒を仕込んでいたそうだが、さすがに規制の手が入り、最近醸造所を近場に移したそうだ。

値段は、一斤(500ml)5元〜80元と値段は幅広い。高い方でも高級白酒と比べたらタダみたいな値段だが、味はスゴイ!高級白酒の価格の大半は広告費であることがよく分かる。

↓甕ごとに様々な酒が入っている。
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↓老板娘があれこれ味見させてくれた。
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↓52度の高粱酒(一斤70元)をゲット!。
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小一時間歩き回って、市場見学はおしまい。
四年前と変わらず、渦巻く活気は今も健在だった。いいなあ。こんな市場の近くで暮らしたい。
 
しかし、こんな市場の近くで暮らしている人(=ふじもとさん)に言わせると、この市場にも徐々に経済発展がもたらす変化の波が押し寄せてきているそうだ。

ひとつは、売り手の変化。経済効率を追求した方が儲かることを知ったことで、市場の野菜や果物にも大量生産品が混じり始め、そもそも市場に集まる農民の数も減ってきているらしい。 
  
もうひとつは、買い手の変化。西双版納にも九時五時の会社勤めをする人が増えていて、朝しかやっていない市場はそういう人たちのライフスタイルに合致しなくなってしまっているそうだ。特に、若い世代の市場離れは深刻だとか。

西双版納の台所も、いずれ大量生産品を売る大資本のスーパーに取って代わられるのだろうか。そうじゃないと信じたいけど、こういう流れは全世界どこでも止めようがないんだよな。。

部外者の僕らにはどうしようもないので、今このときを楽しむしかない。
さーて、市場で仕入れた食材で思いっ切りランチを堪能するとしよう!


撮影@西双版納集貿市場
住所:雲南省西双版纳自治区景洪市勐腊路と纳混康巷の交差点あたり。



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2015年10月22日

再び西双版納4 - 香りと旨みと食感の小宇宙!寛米干で味わう味覚極楽!

再び西双版納3 - タイ族料理続々!超絶激苦牛肉スープに食文化の高さを見る!」の続きです。

西双版納二日目。
朝からふじもとさんがお茶を淹れてくれる。贅沢な目覚めの一杯だ。

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気持ち良い風が吹く街を散歩しながら、朝食へ向かう。
お目当ては、もちろん米线(米線=雲南のライスヌードル)である。

西双版納の米線がどんなもので、如何に旨いかは、かつて長々と書いたので下記ご参照。

<西双版納の米線>
西双版納5 - まさかの偶然!朝食のド定番・米線と米干に迫る!
西双版納6 - 「完成」した米線の美味!これが真のB級グルメだ!
西双版納7 - 米干!豆湯!花生湯!めくるめく美味の融合!

今回訪ねたのは、ふじもとさんが新たに開拓した『火桐花早晩点』。白象湖のほとりにある。
景洪市内の米線店は意外にも栄枯盛衰が激しいそうで、この店もまだ出来て間もないそうだ。

「でも、なかなかいいですよ。既にしっかりお客がついてます」

それは期待したい。

因みに、「早晩点」とは、朝食と夜食の需要に応じるため早朝と夜間だけ営業する店のこと。
昼食時を含め、日中は休みになる。
米線を出す店は大抵が「早晩点」なので、西双版納で米線を食べたい人は、ご注意あれ。

↓朝の白象湖。
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↓『火桐花早晩店』。
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↓小さな店構え。
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「オススメは、寛米干です」と、ふじもとさん。

米干とは、きしめん状のライスヌードルのこと。寛米干はそれが更に太くなったものだ。
ここは先達のご意見に従おう。

↓ガラスに反射しちゃったけど、これが寛米干。
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↓これは普通の米線。
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寛米干(6元)。4年前はどこも4元だったから、西双版納の物価も上がっているのだ。
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葱・香菜のほか、猪血(豚の血プリン)、炸醤(肉味噌)、焖肉(豚肉)の三種類の具が入っている。
だが、これで完成ではないことは、皆さん、ご存知の通り。

西双版納の米線(米干)は、好みの薬味をのせて初めて完成するのだ。
この店も、碗を受け取るカウンターの後ろに十数種類の薬味が用意されていた。

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↓奥は化学調味料だけど、「入れたい人だけいれて」仕様になっているのが本当にありがたい。
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さーて、何を入れよう。
もやしと韮はマストとして、大根の漬物らしきと青菜の漬物2種。酸っぱそうな汁も試してみよう。
あとは、生唐辛子と唐辛子の漬物と唐辛子ペーストと何か辛そうなタレを少しずつ。こんなもんかな。

「豆豉も入れてください。コクが出ますよ」
「なるほど」

ふじもとさんのアドバイスも得て、完成したマイ寛米干がこちら。

↓旨そう!!
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スープをずずっとすする。期待通り、すっきりと穏やかな味。
続いて、寛米干を頬張る。ちゅるりとして、舌触りがとてもいい。

周りを見ると、最初に全体をかき混ぜて味を馴染ませてから食べる人もいるが、僕は混ぜない。
食べ進むうちに、すっきりしたスープに様々な薬味の旨みが徐々に広がっていくのが好みだ。

その魅力は、言うなら香りと旨みと食感の小宇宙
ちゅるりプリプリ、ミチミチ、シャキッ。様々な食感と共に多種多様な香りが鼻腔をくすぐり、
肉味噌の甘じょっぱさや漬物の酸味や唐辛子の辛味やその他諸々の旨味が口中で混じり合う。
中国に麺料理は星の数ほどあれど、これほど華やかで重層的な一杯は他にあるまい。

↓びらびらの寛米干。
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旨いよ、旨過ぎる!
「4年ぶりだぜ、ひゃっほーい!」という僕の高まった期待を悠々と受け止める圧倒的な旨さだ。

これだけたくさんの薬味を入れても全然くどくならないのは、スープにしろ具にしろ薬味にしろ、
それぞれ無駄な濃さがなく、組み合わせたときの仕上がりを考えられているからだろう。
だから、後味まですっきり。思わずお代わりしたくなるほどだ。

「いやあ、素晴らしかったです!」
「僕も西双版納に戻ってきてから、毎日食べてますね」

それは実にうらやましい。うらやまし過ぎる。
同時に、上海でケミカルかつ過剰な味付けの小吃を食べ歩いている自分が少し可哀想になった。

ということで、最高の朝食で、西双版納二日目が始まった。
お次に向かうのは、菜市場。西双版納の魅力的な食材がせめぎ合う西双版納集貿市場である。


■今日の料理■
米线 mi3xian4
米干 mi3gan1
宽米干 kuan1mi3gan1

撮影@『火桐花早晩店』
住所:雲南省西双版纳自治区景洪市白象路
   (宣慰大道との交差点から北へ数百メートル入った西側)
電話:不明 



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2015年10月21日

再び西双版納3 - タイ族料理続々!超絶激苦牛肉スープに食文化の高さを見る!

再び西双版納2 - いきなり興奮!タイ族風バーベキューで西双版納の食材の地力を知る!」の続きです。

幸せの宴は、まだまだ続く。まずは、炒木耳(キクラゲ炒め)。
ふじもとさんが市場で買った野生の木耳を、店に持ち込んで炒めてもらったものだ。

↓炒木耳。少しの唐辛子で炒めただけ。
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正真正銘、ただの木耳炒めである。

だが、これが旨い!正直、食べる前は「そうは言っても、ただの木耳炒めでしょ?」という気持ちがなかったと言えば嘘になるが、ひとつひとつがプリプリッとして、素晴らしく香りがいい。採れたての野生ものだけが辿り着ける境地。これぞ素材の勝利だ。

お次は、タイ族料理の舂木瓜「舂」とは臼や乳鉢で食材を潰すという意味で、「木瓜」はパパイヤのことだ。ここで勘の良い人はピンと来たかと思う。そう、これ、タイのソムタムそのものなのである。

↓舂木瓜。生唐辛子が入っているので、見た目と違ってむちゃむちゃ辛い。
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国を越えて、料理は繋がっている。
国境なんて人間が後から引いたものに過ぎないということが舌でわかる。

木臼で食材を突き潰す調理法はタイ族の得意技で、お次の螃蟹喃咪もそう。喃咪とは「醤(ソース・ペースト)」のことで、活きた沢蟹を殻ごと叩き潰してペースト状にし、塩漬けにして醗酵させたものだ。因みに、蟹はタイ族語で「布(Bu4)」と言うそうで、タイ語で蟹を意味する「プー」と音が似ている。

調理するときに、その醗酵ペーストに生唐辛子やニンニク、生姜、香菜などを加えて、更に木臼で叩く。だから、むちゃむちゃしょっぱくて、むちゃむちゃ辛くて、何とも言えぬ複雑な香りと味がする。少しだけ舐めて、自烤酒をあおる。塩気や辛味が酒の甘さで溶ける。舐める、あおる。舐める、あおる。止まらなくなる。

↓螃蟹喃咪(喃咪布)。素晴らしい酒の肴。
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↓翌日、市場にて。こういう蟹を潰して作る。
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とはいえ、かなり味が強いものなので、そのままではたくさん食べられない。
螃蟹喃咪の皿には甜笋小さな丸茄子が添えられていて、これらと一緒に食べると、またイケるのだ。

↓螃蟹喃咪(喃咪布)のお供。
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↓こんな感じ。茄子は生のまま。シャクリとして旨い。
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特に甜笋は今が旬だそうで、名前の通りの甘さと柔らかさにびっくり。
アクなんて一切なくて、いくらでも食べられそうだ。実に旨い。

↓翌日の市場でも、甜笋を売るおばちゃんがいた。
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↓旨そう!
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「いやあ、どれも旨いですね!酒が進んで困ります」
「全然困るなんて思ってないでしょう」
「・・・あ、いや、まあそうですね。お酒、とってもらっていいですか(笑)」

このやり取り、毎回やっている気がする(笑)。

そして、最後の料理は牛肉苦胆湯
四年前にタイ族料理店で初めてご紹介頂き、思いっ切り魅了された一品だ。

このスープ、とにかく苦い。
どれくらい苦いって、日本人が食物の苦さとして想像する苦さを超えて苦い。
だから、他のものに例えようがない。本当に、ただ単純に、びっくりするほど苦いのだ。

↓牛肉苦胆湯。タイ族語では、撒撇と言うようだ。
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ところが、その強烈な苦みは、あるところでスッと消える。あれほど苦かったはずなのに、舌にも苦みは全く残らない。むしろ残るのは、さっぱり爽やかな清涼感なのだ。

その清涼感と言ったら、他の料理の辛味や塩気や油っこさも含め、全てを一旦リセットしてくれるかのような鮮烈なもので、また一から食事を始められそうな気持ちになる。

これが実に不思議で、ハマってしまう。「苦ッ!!!」→→「あれ?さっぱり!!」を繰り返すうちに、だんだん苦み自体が癖になってくる。苦みを楽しむ余裕が出てくると、スープに入った牛肉の旨さに気付く。みちみちとした歯応えがあり、実に旨い。脂の量や柔らかさを競うメタボ牛とは哲学が違う旨さだ。

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牛の胆のうが苦さの由来だと思っていたが、このあたりを読むと、牛の腸液も用いるようだ。しかも、さばく前日から草を喰わせ、消化中の草ごとスープに用いるのがとポイントというのだから、面白い。

「この苦味を味覚として楽しんでいるところが、タイ族の食文化の高さだと思います」と、ふじもとさん。

僕も全く同感だ。この苦さは、一連の食事の中で素晴らしいアクセントを刻んでいる。他地域の人間には大よそ受け入れがたい強烈な苦さが、西双版納の食卓を複層的にしている。食べた後の爽やかさを考えるに、きっと医学的にも優れた意味があるに違いない。

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日暮れ時から空が真っ暗になるまで食べ続け、すっかり満腹の酔っ払いだ。

だが、食後感は実に軽やか。
これだよ、これ。この幸せを求めて西双版納まで来たんだよ。

一食目から旅の目的が果たされていることを実感して、初日の夕食はお開きを迎えた。


■今日の料理■
炒木耳 chao3mu4er3
舂木瓜 chong1mu4gua1
螃蟹喃咪 pang2xie4nan2mi3
喃咪布 nan2mi3bu4
牛肉苦胆汤 niu2rou4ku3dan3tang1
撒撇 sa1pie1

撮影@『星光雅园』
住所:雲南省景洪市嘎兰中路曼允巷口
電話:180-8807-9065
*注文時、「不要放味精和鶏精」と言っています。



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2015年10月20日

再び西双版納2 - いきなり興奮!タイ族風バーベキューで西双版納の食材の地力を知る!

朝から酒も飲まず、食事も採らずに迎えた夕方五時。
最高のコンディションで、この旅、最初の食事へ向かった。

ふじもとさんが連れていってくれたのは、景洪市の中心地にある『星光雅園』
烧烤(バーベキュー料理)を始めとした、傣族(タイ族)料理を売りにしている。

西双版納の正式名称は、西双版納傣族自治州。州名にも名前を冠された傣族は、西双版納の人口の30%を占めており、漢族と並び、この地域の最大勢力だ。タイに住むタイ族とは若干ルーツが異なるそうだが、食文化にはタイ料理と共通する部分がたくさんある。

<前回の西双版納でのタイ族料理体験>
西双版納1 - イーサーンを連想しつつ、絶品タイ族料理を頬張る!
西双版納2 - 感動!幸福!絶品タイ族料理の波状攻撃!

↓『星光雅園』の店構え。ワクワク!
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まず、ふじもとさんが卓上に置いたのは、家から持参した自烤酒(小規模醸造の白酒)だ。市場で良い酒が手に入るんですよと仰っていたもので、味見してみると、香りが華やかで甘みがあり、52度もあるのにスッと飲めてしまう。白酒の分類で言うなら、清香型だろうか。旨いが危険な酒だな(笑)。

↓自烤酒。盃(茶杯)も持参。都会と違って、持ち込み料なんて取られない。
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この酒に何を合わせるかと言えば、冒頭でも触れた傣味烧烤(タイ族風味のバーベキュー料理)だ。西双版納の食の魅力は、何と言っても既に都会では失われた力強い味わいの食材である。その実力を味わうのに、炭火で焼くだけの烧烤ほどふさわしいものはない。

店の隣には烧烤の焼き場があつらえてあって、各種食材が串に刺されて置かれている。全部食べたいが、二人ではそうもいかない。ふじもとさんと、見るからに人が良さそうな焼き場のおばちゃんと話しながら食材を選んでいく。

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↓焼き場のおばちゃん。炭火の煙で腊肉を燻している。
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↓レモングラスの葉で魚を串に巻き付けていくおじちゃん。
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「どれも旨そうですね!」
「いや、旨いですよ!」

結局、この日選んだのは、猪脸、肠子、罗非鱼の三種だ。酒を舐めながらしばらく待っていると、やってきたきた、烧烤三連星!

まずは猪脸!名前の通り、豚の顔!沖縄で言うところのチラガーだ。串に刺してじっくり焼き上げ、裏側に細かく包丁を入れたあと細切りにしてある。意外に細かい仕事だ。

↓焼く前の猪脸。
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↓出来上がり!
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こんな脂身ばっかりに見えるものが美味しいの?と思う人もいるかもしれない。ところが、これが旨いのだ。しかも、びっくりするほどに。

口に運ぶとただよう、炭の香りと香ばしさ。遠火の強火でパリパリに焼き上がった皮。一見しつこそうに見える脂身は、じっくり脂を落とすことで上質のゼラチン質に昇華している。

香りとコクのある唐辛子粉が皿の端に添えられているが、つけてもいいし、つけなくてもいい。要するに、塩で焼いただけのものでも妙に旨い。何度も噛みしめてゼラチン質の旨みを存分に味わったあと、とろりとした自烤を舐める。口の中の肉気が酒の甘みと溶け合って、これがもうたまらん!

お次は、肠子。豚の小腸だから、要はホルモンだ。これも串で焼き上げた後、ぶつ切りにしてある。

単純なものだけど、これも旨いなあ!香ばしくコリコリに焼き上がったホルモンの内側には適量の脂がみっちり張り付いていて、噛めば噛むほど旨みがぴゅるぴゅる溢れてくる。この脂の質が、そこらの飼育豚より断然旨いんだと思う。餌や育ち方が違うからだろうなあ。

↓立派な腸子。
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↓これも出来上がり!左側のが唐辛子粉。
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「これはたまらんですね!」
「旨いでしょう!」

そして、罗非鱼。景洪市を貫いて流れる澜沧江(メコン川の源流)で獲れた野生の川魚だ。腹から開いた魚にたっぷりの香草と生唐辛子(!)をのせ、レモングラスで串に巻き付けてから焼き上げる。

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これも、イイ!ほっこりとした肉厚の身はとても上品。都会で食べる川魚と違って、当然、臭みなんて皆無。香草や唐辛子は臭み消しではなく、あくまで風味付けとして機能している。その複雑で強烈な刺激がまた酒を呼ぶのだ。

因みに、罗非鱼とはティラピアのこと。中国では、70年代に国外から持ち込まれて以来、各地で盛んに養殖されている。ふじもとさんによれば、西双版納では野生ものと養殖ものの両方が流通しているそうだが、顔つきが違うのですぐわかるそうだ。

箸休めは、自家製の酸菜(漬物)。本来は有料だが、常連のふじもとさんにはタダでくれるらしい。
この漬物がまた旨い。しっかり発酵させてあるので、臭くてすっぱくて旨みがある。それだけでなく、唐辛子が効かせてあってむちゃくちゃ辛いところが雲南風だ。

↓酸菜。まともな漬物を出す店に悪い店はない。
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この酸味と辛味で再び食欲が湧いてくる。なるほど、最高の箸休めだ。

・・・ということで、これから烧烤以外の料理が続くのだが、長くなるので一回区切ることにする。
最終的に食卓にはこんな料理が並ぶ予定。

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明日も、乞うご期待!


■今日の料理■
傣味烧烤 dai3wei4shao1kao3
自烤酒 zi4kao3jiu3
猪脸 zhu1lian2
肠子 chang3zi
罗菲鱼 luo2fei1yu2
酸菜 suan1cai4

撮影@『星光雅园』
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2015年10月19日

再び西双版納1 - 思い立ったが吉日!四年ぶりに食の楽園シーサンパンナを再訪!

反日政策のお陰で九月頭が連休になったので、3泊4日で雲南省の西双版納(シーサンパンナ)へ出かけた。4年ぶり3度目。前回同様、今回も現地でプーアル茶作りに勤しむ友人・ふじもとさんを頼ってのことである。

切っ掛けは8月、上海でふじもとさんと飲んでいたときのこと。「西双版納は旨かったなあ。また行きたいですねー。でも飛行機が高くて」なんて言っていたのだが、その後、西双版納へ戻ったふじもとさんから届いたメールが決め手となった。そのまま引用させて頂くと・・・

「牛、豚、鶏、野菜、いろいろ食べてますが、
 やはり上海から来ると、いや、日本から来ても圧倒的な差に驚くばかりです。
 料理は素材が命です。

 どうぞ来れる機会に来て、最後の晩餐をお楽しみください。
 西双版納もいつまでもこの状態が続くとは思えない、危機的な状況が迫っています。」


こんなこと言われたら落ち着いてはいられまい。金はまた稼げるが、タイミングは大事だ。行きたいと思ったときが行くべきときだ。そうだそうだ。

<過去の西双版納記事> 
西双版納1 - イーサーンを連想しつつ、絶品タイ族料理を頬張る!
→西双版納10まで続きますが、書きたいことが多過ぎて書けず、未完のままに。いつか書きます!

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ということで、やってきました西双版納!上海から昆明経由で5時間。遠いと言えば遠いが、中国の南の端まで半日で来られてしまうのだから便利な世の中になったものだ。空港に降り立って、まずは深呼吸。久々に旨い空気を吸った。

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タクシーで、西双版納の首府である景洪市の中心地に住むふじもとさんちまで。「どうも」といつものテンションで迎えてくれたふじもとさんが「まずはこれを食べてください。ウェルカムフルーツです」と渡してくれたのは、火龍果(ドラゴンフルーツ)だ。

皮を剥いてみてびっくり。果肉がよく見慣れた白色ではなく、鮮やかな紫色なのだ。

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しかもこれがむちゃむちゃ旨くてまたびっくり。これはみっしりした果肉にたっぷりの甘みが詰まっていて、あの独特の香りも一段華やか。正直、これまでドラゴンフルーツをそこまで高く評価していなかったのだが、これは大いに気に入って、最終日に市場で大量購入して帰ったほどだ。

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「次はウェルカムドリンクです」と、喜ぶ僕を見ながらふじもとさんが酒壺から盃に赤味がかった液体を注ぎ始めた。市場で仕入れた自烤酒(小規模醸造の白酒)に何やら貴重な漢方薬(名前を失念)を漬け込んだものだそうだ。

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どっしりしながらも薫り高く、玄妙な味。52度のアルコールと薬効成分がすきっ腹に染み込んでいく。

台所のシンクに置かれたざるには、木耳が入っている。

「ここ数日雨が続いて市場のキノコがすっかり減ってしまいましたが、天然の木耳がありました。
 これを今晩店に持ち込んで炒めてもらいましょう」
「それは面白いですね!楽しみです!」

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その後は、ふじもとさんのお茶を頂きながら、夕食の店が開くまで時間調整。

「お茶なんていいから、早く飯に連れてけって顔をしてますね」

う(笑)。そんな失礼なことは思ってないけど、今日は朝から何も食べずに機内食も断ってきたからな。お腹ペコペコなのは事実だ。

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「じゃあそろそろ行きましょうか(笑)」

待ってました!

・・・ということで、夢見心地の3泊4日がこれから始まります。
その一端を少しだけ写真でご紹介。

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今回こそは最後まで書き切るつもりなので、乞うご期待!




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