◆山東で食べた◆

2018年03月12日

兖州出張5 - 冬にぴったり、羊糁湯!未知の小吃で胃袋も好奇心も満たす!

数ヶ月に一度の恒例、山東省の内陸・兖州への日帰り出張。六時間かけて行って、一時間強の面談をして、また六時間かけて帰ってくるという悲惨な出張である。

となると、唯一の心の慰めは昼食になるが、客先の周りにはまともなレストランなど一軒もないので、適当な小吃店で済ませるしかない。せめてここで山東省らしいものを見つけて食べることが、僕の最後のモチベーションになっている。

この日目を付けたのは、済寧名物と銘打たれた羊糁湯の専門店だ。済寧は山東省南部の町。僕らがいる兖州からそれほど遠くない。

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真ん中の「糁」は、見慣れない文字だ。中日辞書で発音を調べると、「san3」と「shen1」の二つが載っているが、この料理に用いる場合は、「sa2」と発音する。山東省南部の方言だそうだ。

では、「糁」の字は何を意味するのだろうか?これまた中日辞書で調べると、san3の場合は「飯粒」、shen1の場合は「穀物を挽いたもの」と書かれているが、これでは何だかよく分からない。

そこで中国語辞書を調べてみると、更に「脱穀した穀物で羹(とろみスープ)を作ること」とか「撒く、撒き散らす」という意味も載っている。ぼんやりと「羊が入ったとろみスープなのかな」というイメージで、店の戸を引いた。

小さな店内には先客が数人。山東なまりが強い店主に、羊糁湯をひとつ注文した。羊糁湯にはその場でひとつひとつ調製する作業が必要なようで、出てくるまで数分かかった。碗は相当熱いようで、店主はステンレスの皿はさみで碗を運んできた。

↓これが羊糁湯だ。
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予想通り、熱々のスープには強めのとろみがついていた。香辛料で茹でた羊肉のスライスのほか、溶き卵が沈んでいて、刻んだ青葱と香菜が散らされている。

ふーふーと冷ましてから、レンゲを口の中に運ぶ。

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胡椒がしっかり効いていて、更に胡麻油と香菜の香りが鼻をくすぐる。とろみのついたスープには豊かな旨みがあり、強めの塩気が身体を温める。香辛料が上品に効いた羊肉も美味しいし、ほわほわとした溶き玉子も旨い。なるほど、これは寒さが厳しい冬の山東省にはぴったりの一品だ。

あらかじめ入れないでくれと頼んだこともあり、化調は感じなかった。中国でも都会のチェーン店では安い味が蔓延しているが、地方ならまだまだこういう素朴な美味にありつけることが嬉しい。

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あとで作り方を調べてみたところ、スープの出汁は羊の骨だった。それと麦仁(脱穀した麦)を長時間煮込んだあと、小麦粉を入れてとろみを付ける。で、注文が入ると、まず碗に玉子を割り入れて溶いておき、そこに熱々のスープを注ぎ入れる。するとスープの熱と流し込む勢いで、碗に綺麗な蛋花(玉子の花)が咲く…のだそうだ。店主がやっていた調製作業は、これだったのだな。

ここで改めて冒頭の辞書に戻ると、なるほど、羊糁湯の「糁」は「脱穀した穀物で羹(とろみスープ)を作ること」を意味していたわけである。

他の客は全員、羊糁湯と一緒に葱花油餅を頼んでいたので、真似てみた。山東省でよく食べられている死麺餅(無発酵の小麦生地)に刻み葱を散らしただけのものだが、香ばしくみっしりとした生地に葱の風味がささやかなアクセントになっていて、なかなか美味しい。

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非人道的なスケジュールの出張も、新たな料理との素敵な出会いさえあれば、苦にならない。胃袋も好奇心も満たされて、僕は満足顔で帰りの高鉄へ乗り込んだのだった。


<2017年12月>



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2017年12月23日

山東省で食べた! 2006年〜

ここ数年間で一番出張している山東省。
白酒合戦の激しさとは裏腹に、料理は地味で大人しい印象です。
正直、テンションが上がるのは、旨いビールと海鮮がある青島へ行くときくらいなのですが、
何もなさそうな辺境にも時おり面白い料理があるので、なんだかんだで楽しんでいます。

◆出張ついでに山東省で食べた! 2007年〜◆
仕事の合間を縫って食べた地元料理の数々。開拓すれば、発見あり。
今もちょくちょく出張しているので、今後も徐々に増えていくはずです。
(記事は上から時系列で古い順に並べています)

<記事一覧>
「食」=食記事 「★」=オススメ! 「★★★」=超オススメ!

<2007年>
食     青島出張1 - なんだ、全然違うじゃない!産地で異なる青島ビール。
<2012年>
★★★ 青島出張2 - 意外!工場直送無濾過青島ビールの素晴らしき美味!
★    青島出張3 - 海鮮三昧!絶品ビールのお供はアサリ、シャコ、イイダコ!
★    淄博出張1 - 山東料理の源流(?)博山菜の意外にも慣れ親しんだ味!
<2013年>
★    淄博出張2 - 再び博山菜!地味だけど何気に手の込んだ揚げ春巻は意外にもムニッ!
★    青島出張4 - 絶品の青島ビール無濾過生、再び!7年ぶりのヒトデは肩透かし!
<2014年>
食    東営出張1 - 山東省の辺境!八方ふさがりの環境下で頼むべきものは!?
★    兖州出張1 - 殺生な!ふらりと見つけた豪華アヒル鍋を酒なしで喰らう!
食    淄博出張3 - 道ばたの「野味館」へ緊急避難!ロバ、ウサギ、山盛り水餃子を平らげる!
食    青島出張5 - 青島駅前で昼飯!腹に詰め込むは、アサリとシャコとまたも山盛り水餃子!
<2015年>
食    兖州出張2 - ひとり山東出張で、あっさりとろとろ真夏の羊肉湯。
食    淄博出張4 - 久々の博山菜。道端の店でありついたのは、大量のキクラゲと豆腐箱。
★    青島出張6 - 突撃レポート!ひとりで酩酊、青島ビール祭り!!
★    青島出張7 - 制限時間は40分!青島ビール片手にアサリとエビをジェノサイド!
食    龍口出張1 - 拍子抜け宴会の〆に、化け物サワラの化け物水餃子!
★    日照出張1 - 待ちわびた白酒宴会!名物は羊の顔炒めと羊の肉モツスープ!
食    淄博出張4 - 新たな同行者と山東料理。冗談みたいな糖醋鯉魚で二鍋頭を舐める!
食    青島出張6 - 電車待ちの30分に、すかさず大量の海鮮を詰め込む。 .
★    淄博出張5 - 入郷随俗!名物・博山料理を避けた同行者が地雷を踏んで弾け飛ぶ。
<2016年>
食    兖州出張3 - ひとり山東出張で、具沢山のあっさり牛肉湯にニヤリ。
★    青島出張7 - 『舟昌漁水餃』で五色の魚水餃とぷりぷりオウギガイを頬張る!
★    青島出張8 - 2リットルの青島ビールと、ユムシと山盛りのニラ、アサリ、タイラギなど!
★    青島出張9 - 巨大饅頭を片手に、漁村の素朴な山東料理を楽しむ!
★    龍口出張2 - 海沿いの田舎街で、白酒舐めつつイイダコやサワラ餃子。
★    威海出張1 - 憂鬱なデスロード。唯一の慰めは石島の海鮮料理。
<2017年>
★    兖州出張4 - 羊スープ専門店で、涼拌野菜、炒羊肚、羊雑湯、死麺餅!
★    青島出張10 - 空港にできた『船歌魚水餃』で、とりあえず青島名物を詰め込む!
食    青島出張11 - 再び『船歌魚水餃』。今度は独りで辣炒花蛤と三鮮蠣蝦水餃!
食    青島出張12 - いつもの店の水餃と海鮮料理で、フライト遅延に耐える。
★    日照出張2 - 白酒は3回で1ターン!ロバ肉と海鮮と名無しの「麺条」!
★    青島出張13 - これぞ青島の醍醐味!無濾過生ビールと怒涛の海鮮尽くし!

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◆青島海鮮記 2006年4月◆
北京留学中の2006年、連れと二人、三泊四日で青島へ飛びました。
青島在住の連れの友人・YOをナビに据え、青島の海鮮を乱れ食い!
もちろん、小吃や青島ビールも忘れちゃいませんぜ!

『青島海鮮記』1 − 海鮮食べに青島へ。
『青島海鮮記』2 − 初戦はさらりと海鮮滷麺。
『青島海鮮記』3 − 激安湾内クルーズの裏側に。
『青島海鮮記』4 − 頭ごと食べよう、海の虎!
『青島海鮮記』5 − 海の星は、どんな味?
『青島海鮮記』6 − 喧嘩も辞さぬ多宝魚。
『青島海鮮記』7 − 不甲斐なき餃子を救うもの。
『青島海鮮記』8 − オススメ!青島ビール博物館!
『青島海鮮記』9 − 四川的青島の夜もまた楽し。
『青島海鮮記』10 − 山菜が呼ぶよ、僕らを山へ。
『青島海鮮記』11 − 道教の聖地で道士が励むこと。
『青島海鮮記』12 − 上海的青島の夜もまた楽し。
『青島海鮮記』13 − 最後はどどーんと龍の蝦!
『青島海鮮記』14 − さらば、青島!浜辺の群れに送られて。

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2017年12月20日

青島出張13 - これぞ青島の醍醐味!無濾過生ビールと怒涛の海鮮尽くし!

日照から青島に帰還し、日本からの出張者と二人で夕飯だ。海鮮料理店がずらっと建ち並ぶ云霄路で、『海島漁村』という店を試すことにした。

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まずは水槽が建ち並ぶ入り口で注文を済ませてから、席に就く。好きな海鮮を選んで量と調理法を指定する、スタンダードスタイルだ。

「これ、旅行者にはハードル高いですね」

出張者が言う。確かにそうだよな、調理法を知らないと指定もできないし、量り売りだから量の感度もないと多く頼みすぎたりしちゃうし、そもそも中国語を話せないとしんどい。食べたいものを食べるにも、それなりに勉強が必要なのだ。

↓水槽が並ぶ。ここで注文してから席に就く。
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↓さあ、どれにしよう。
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先鋒は芙蓉海胆。半分に割った生ウニに溶き卵を流し入れて蒸した茶碗蒸し。毎度そのまま喰った方がウニの味は分かる気がするが、これはこれでホッコリした気持ちになる。

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次鋒は葱拌八帯。イイダコをさっと茹で、白葱・木耳と和えた前菜だ。生のタコは上海生活ではなかなか望めぬもの。ムニッとしたタコに白葱の辛味がピリリと効いて、気の利いたつまみになっている。

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三番手は塩水蝦虎。海辺に来るといつも食べたくなる活きシャコの塩茹でだ。旨し!初めての同行者は殻の剥きにくさに閉口していたが、慣れれば簡単。楽しむのに経験値がいる食材もあるんだと納得してくれい!

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蒜蓉蒸天鵝蛋貝。白鳥の卵という典雅な名前の二枚貝。その正体はオオアサリ。丸く膨らんだ大きな貝殻に春雨を詰め、大蒜をたっぷりとかけて蒸してある。歯ごたえの良い身や貝柱は食べ出があり、ビールのお供にぴったり!

お供の野菜は、蒜蓉炒太古菜。こういう野菜料理が一皿あってこそ、海鮮もたっぷり食べられるというものだ。バランスは大事。尚、太古菜はター菜のこと。

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青島と言えば欠かせない辣炒蛤蜊(アサリの辛味炒め)も当然頼む。意外にも辛味がガンガンに効いていて、アサリの風味を損なっているようにも思えたが、ビールの消費は進んだ。何だかんだ言っても完食はする(笑)

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そうそう、青島でビールといえば、もちろんこれ!青島原漿啤酒(無濾過生ビール)!最近は他都市でも見かけるけどやはり味が違う。対面で船を漕ぎ始めた同行者を放置して、一人でグイグイ干す!

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しんがりは葱姜炒野生母蟹!ミソがたっぷり詰まった蟹を丸ごと二杯炒めてもらって1500円ってのは、青島出張の醍醐味極まれりだな。甘みの強い身に葱と生姜と塩だけのシンプルな味付けがよく合う。

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二人でこれだけ食べれば、当然、お腹は一杯。ビールと海鮮だけで腹を満たすという贅沢をしっかり堪能して、青島の夜を締めくくった。


<2017年9月> ■店舗情報■ 



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2017年12月19日

日照出張2 - 白酒は3回で1ターン!ロバ肉と海鮮と名無しの「麺条」!

青島から車で日照へ移動。山東半島の南の付け根あたりにある中規模都市だ。もう何度目か忘れたけど、前回以来、約一年半ぶりの出張になる。

夜は、取引先との宴会だ。この日、ロブスターや蟹などの海鮮に混じって存在感を発揮していたのが、驢肉(ロバ肉)だ。茹でた三枚肉をスライスしただけのシンプルなあつらえで、みっしりした肉とトロトロの皮や脂が口の中で混ざり合うと、思わず目尻が下がる。白酒持ってこーい!な美味だった。

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山東省は白酒文化圏なので、僕が持って来いと叫ばずとも、当然のごとく白酒が出てきた。山東省の飲み方は、大きな杯に満ちた白酒を初回は三回で欲し、二杯目は二回で欲し、三回目は一気に干す。一ターン目を淡々とこなしてお茶をすすっていたら、新たな瓶を開けてもう一ターンやってくれた(笑)。

同行していた日本からの出張者や、あまり酒に強くなさそうだったホストの人には悪いことをしたけど、それだけロバとか海鮮が旨かったのですよ、ありがとう!

因みに、正直なところ、中国の宴会で一番つらいのは、大量の白酒でも珍しい食材でもなく(これらはむしろ嬉しい)、日本人だからとわざわざ頼んでくれてるっぽいサーモンの刺身だ。無闇に脂が乗った解凍サーモンをケミカルグリーンな擬似山葵で喰うことにだけは、何年中国で仕事してても慣れることができない。この日も、そこだけは辛かったな。。

開けて、翌朝。幸い二日酔いもなく、気持ちよく目覚めた。

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この日の昼も、別の取引先と宴会。

序盤で出てきたのは、海参小米粥(ナマコと粟の粥)だ。粥とは言うものの、スープ的な位置づけで供される。鮮やかな黄色は、粟由来のもの。黄小米(黄色粟)という品種が用いられている。

粟というと、日本人は幼少時の歴史教育の影響で貧しい食べ物だと思ってしまいがちかもしれない。確かに主食として炊いて食べてもイマイチな気はするが、粥にするとプツプツした独特の食感が長所に変わるのだ。

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乾燥した黒ナマコを戻して食べる中国式のナマコ料理って、正直、中国人が珍重するほどには価値を感じないのだけれど、タダで食べる分には美味しい(←現金)。

この宴で一番目を引いたのは、最近全国的に流行っているっぽい蒸汽海鮮だ。様々な海鮮を大皿にぶちこんで蒸し上げ、そのまま卓上に持ってくるだけの料理なのだが、豪快さが笑える。

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味の方も、海がすぐそこの日照だけあって、見掛け倒しではなく美味しい。牡蠣や帆立の稚貝や浅蜊をガツガツと喰らった。客に勧められるがままビール(昼だからか、白酒ではなかった)をあおってしまうのも、やむを得ないところだ。

〆には、が出てきた。コシのない中太麺に青菜と小さな貝がのっている。スープはその貝の出汁と思しきあっさり味で、地味だが〆にはぴったりの優しい味わいだ。

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これ、日照の宴会では毎回のように出てくる定番で、実は昨日の夜にも出てきた。

↓前夜の麺。
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ただ、名前が分からない。誰に名前を聞いても「麺条(=単に麺の意味)」と言われ、特別な呼称はないようだ。これは、あまりにも地域で親しまれすぎると一般名詞が固有名詞化してしまう例のひとつだろう。日本のうどん文化でも、ちゃんとその地域ならではの特徴があるうどんなのに、地元民にはただ「うどん」と呼ばれているようなことがある。

こういう料理はなかなか他地域には伝播しないので、実際に足を運んで食べるしかない。

これぞ地方出張の醍醐味というべきだろう(←違う)。


<2017年9月>



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2017年12月18日

青島出張12 - いつもの店の水餃と海鮮料理で、フライト遅延に耐える。

豪雨の青島に昼前に到着。日照への長距離移動前の腹ごしらえは、最近定番になった空港三番出口を出てすぐにある『船歌魚水餃』だ。

生醃蟹鉗は蟹の爪を生のまま醤油に漬け込んだ酒肴。殻ごと噛み砕いて食べる、お上品な方お断り仕様だが、中の身のトロンと甘いこと!意外にも生唐辛子が効いていて、麦芽の発酵すまし汁が思わず進んでしまう。

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主食は、やはり山東名物・鮁魚水餃(サワラのすり身の水餃子)。ふわふわして、肉の餡より味もボリュームも軽いから、一人でこの量も余裕。茹でたての水餃は人を幸せにするなあ。

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話しは飛んで、二日後。この日も同じ店でランチをとることになったのは、上海へ戻るフライトが遅れたからである。空港の中に入ってしまっては碌なものが喰えないので、たとえ同じ店でも、少しでもまともなものを喰って無聊をなぐさめようと考えたわけだ。

このとき選んだのは、墨魚水餃(イカ水餃子)。イカの墨で真っ黒く染めた皮の中には、イカのすり身と韮の餡がぎっしり詰まっている。見掛け倒しではなく、ちゃんと美味しい。

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フライトが更に遅れ、ヤケクソで追加した辣炒小鮑魚。稚アワビを殻ごと干し唐辛子、尖椒、葱と炒めたもの。むっちりした身に程よく辛味が染みていて、傍らにあった黄金色の液体の水位が激しく減っていった。

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結局、フライトは三時間遅れとなったが、胃袋さえ満たされていればそれほど苦にはならない…って、すっかり感覚が中国人化してきたな、僕も。


<2017年9月> ■店舗情報■



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2017年09月20日

青島出張11 - 再び『船歌魚水餃』。今度は独りで辣炒花蛤と三鮮蠣蝦水餃!

青島出張10 - 空港にできた『船歌魚水餃』で、とりあえず青島名物を詰め込む!」の続きです。

翌日。朝からの面談を終え、昼前には出張者とともに青島空港へ戻った。

「せっかく青島に来たのに、生の青島ビールが飲めなかったのは残念です」と出張者が言うので、彼がチェックインを済ませる間、出発フロアにある店を眺めてみたところ、丁度良く生の青島ビールを出しているカフェを見つけた。なんとまあ、後輩思いの先輩だろう。・・・どうせ自分が飲みたいだけだろとか思った人は、心が汚れている人ですよ。

ということで、出張お疲れの一杯。

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生の青島ビールには、ヴァイツェン(小麦)だのシュヴァルツ(黒)だの何種類かあるが、ここにあったのは一番スタンダードな原漿(酵母無濾過)のみ。濃厚で、わずかな酸味がある。一番好きなのはヴァイツェンに当たる小麦だが、これはこれで旨い。

「いっちょ仕事頑張って、今後は頻繁に青島に来られるようにしたいものですね」
「同感。なんとかこの案件を仕上げよう」

と言い合って、乾杯。

出張者が安全検査に消えていくのを見送り、腕時計を見る。僕のフライトまではまだ一時間半ほど時間がある。これなら何とか間に合うかな?

僕が足早に向かったのは、昨日も訪れた三番出口向かいの『船歌魚水餃』だ。機内食は食べない主義の僕にとって、空港でもそこそこ真っ当な地元料理が食べられる青島空港は、本当にありがたい存在になった。

まずは、青島で最もメジャーな料理と言っても過言ではない、辣炒花蛤(アサリの唐辛子炒め)。昨夜の会食では絶対出てくると思っていたのだが、意外にも肩透かしを喰らったので、ここで補給しておくことにしたのだ。

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やや塩気が強かったが、ビールがあれば没問題。ちゅるちゅるちゅると10個くらいを一気にすすり、青島ビールをぐいー!の無限ループ。気付けば一人でアサリ200匹近くの大量虐殺!

↓アサリのお供。
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〆は、またも魚水餃。今日は、餡を一種類に絞って三鮮蠣蝦餡をチョイス。つるりもっちりとした皮の中には、青島沖で捕れる天然の蠣蝦(サルエビ)と豚肉と韮を合わせたジューシーな餡が詰まっている。一皿18個もあったが、味に起伏があるので、余裕で瞬殺!

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膨らんだ腹をさすりながら、ほろ酔いで飛行機に乗り込んだ僕なのだった。

<2017年6月> ■店舗情報■



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2017年09月19日

青島出張10 - 空港にできた『船歌魚水餃』で、とりあえず青島名物を詰め込む!

一泊二日で、青島出張。初日は、空港で日本からの出張者と合流し、適当に昼食をとったら、客先まで直行して面談と会食。二日目は、朝から面談をして、昼前には空港に向かい、またも空港で昼食をとって、上海に帰還。

自由になる食事は2回とも全て空港で取らざるを得ないという碌でもないスケジュールで、テンションが上がらないこと甚だしかった。だが、「あきらめたらそこで試合終了だよ」という安西先生の言葉を思い出して、一応は下調べをしてみたところ、先生の言葉の正しさを改めて知ることになった。

というのも、以前は味千ラーメンかマックくらいしかなかった青島空港に、山東省名物・魚水餃(海鮮水餃子)の専門店ができていたのだ。

その名も、『船歌魚水餃』。チェーン店ではあるが、ネットで見る限り、青島人の評価も高い。しかも、空港だからと言って割高な料金をとるわけではなく、他の支店と同一料金としているところに好感が持てる。

店の場所は、空港三番出口を出てすぐのところ。そうと知らなければ見過ごしてしまいそうな小さな店構えだ。

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早速、名物の魚水餃を頼む。色々な魚の餡が盛り合わせになった全家福水餃(24個で79元)を頼むと、店員が言った。

「当店は注文が入ってから餃子を包みます。30分ほどお時間を頂きますが、宜しいですか?」

おお、素晴らしい。もちろん、僕らに否やはない。

しかし、美味しい餃子を出すという意味では見上げた心がけではあるが、注文から料理が出るまで30分もかかるなんて、空港にあるレストランニーズには合っていない気がするぞ。実際、餃子を待つ間にネットの口コミを見てみたところ、その点の文句をたくさん見つけた(笑)。今後、長く営業してくれるのか少々不安だな。。

ともあれ、僕らはというと、30分もただ待っているのは退屈なので、面談前だというのに青島ビールを頼んでしまった。まあ、やむをえない(笑)。

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また、餃子以外の料理もいくつか頼んだ。

自制青島涼粉。直訳すると、自家製の青島涼粉。涼粉と呼ばれる食べ物は中国各地にあるが、青島の場合、それは石花菜(テングサ)を煮込んだ汁を冷まして固めたものを指す。そう、要するに心太(ところてん)だ。

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黒酢・塩・胡麻油などで調味してあって、上には刻んだ青葱・人参・大根・砕いた干し海老がのっている。夏にぴったりの爽やかな後味だ。「中国にもところてんがあるとは思いませんでした。美味しいですね」とは、出張者のコメントだ。

漁村小白菜は、小白菜と卵とあさりの炒めもの。写真にはあさりが写っていないが、ちゃんとダシが効いている。不要放味精和鶏精の呪文も効いて、優しい仕上がりだ。

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そして、満を持して登場した全家福水餃が登場。五種類の餡の盛り合わせで、真っ黒がイカ(墨で皮を染めてある)、黄色がイシモチ(何で染めてるかは不明)、あとはサワラとエビと何だったかな・・・。

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さすが青島だけあって、餡の海鮮はどれも美味しくて、もっちりした皮もレベルが高い。魚水餃は普通の豚肉餡より後味が軽やかなので、24個の餃子も二人で瞬殺だった。

尚、その後面談した青島のお客さんとはその日が初めての会食だった。「撃ち合う酒は白酒?それとも、青島ビール?はたまた、張裕ワイン?」とワクワクして向かったところ、出てきたのは海外の高そうな赤ワインだった。一気するには一番もったいないやつだ(笑)

ともあれ、山近くの高台に位置するレストランは絶景。激しい撃ち合いではあったけど、無事帰還。初夏の青島は空気も綺麗で、気持ちがよかった。

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会食のとき、「ひと口に青島ビールと言っても他地域生産のものは水が違うので味も別物だし、青島生産の中でも第一工場生産のものが一番」…という青島人がよく言う薀蓄を散々聞かされたので、ホテルに帰ったら妙に青島ビールが飲みたくなってしまった。

で、部屋の冷蔵庫に青島ビールを見つけ、喜び勇んで開けたところまでは良かったが、まさかそれが深セン工場のものだとは思わなかったぜ。。

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この怒りを如何せん。


<2017年6月> ■店舗情報■



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2017年04月19日

兖州出張4 - 羊スープ専門店で、涼拌野菜、炒羊肚、羊雑湯、死麺餅!

食遊上海379 『渝香情』 - 四川料理新規開拓。五名で十三皿を乱れ喰い。」の続きです。

十三皿の四川料理で白酒をあおった翌日、僕と二人の同行者は高速鉄道で山東省の兖州へ向かった。

今回の日程は余裕がなく、日帰りの上に、昼食をとるヒマすらない。「大変不本意ではあるが、列車の中で適当に食べてもらうしかない」と二人に告げると、同行者(二代目)が言った。

「じゃあ、カップ麺を買ってきませんか?車内のお湯で作りましょう!」

こいつ、どこまで発想が中国人なんだ(笑)。

中国旅行と縁がない方のために説明しておくと、弁当のような冷たい料理を基本的に食べない中国人が、鉄道で長距離移動する際に必ずと言っていいほど持参するのが、カップ麺なのだ。

鉄道会社も心得たもので、中国の長距離鉄道ではどんな古い車両にも必ず給湯器が設置されていて、飯どきになると、あちこちで乗客がすするカップ麺の匂いが車内に充満するのである。

新幹線と同じあつらえの高速鉄道でもその点は変わらず、車両にはちゃんと給湯器が設置されているし、それほど多数派ではないとはいえ、車内でカップ麺をすする客もしっかりいる。

ということで、僕ら三人は持参したカップ麺を持って代わる代わる給湯器へおもむき、中国人に負けじと周囲に匂いを撒き散らした。

銘柄は、王道・康師傅の紅焼牛肉麺。旨いわけではないが、懐かしさで選んだ。はるか昔の、学生時代の貧乏旅行を思い出す。

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「しかしまあ、カップ麺というのは食べる直前までが一番旨いな」
「…身もふたもないですね。でもまあ、味が期待を上回ることはないのは確かですね」

そんなことを言い合ううちに、窓の外の景色がひどいことになりはじめた。折りしも一月、中国の空気状況が極めて悪化する時期である。上海を出た時点でもうっすら曇っていた景色が、どんどん白さを増していったのだ。

目的地の曲阜東駅で列車を降り、タクシーに乗った僕らは、愕然とした。周囲が真っ白過ぎて映画の「ミスト」みたいになっているのだ。。スマホで調べた中国発表のAQIは230。仮に曲阜にも米国領事館発表があったなら、300越えは間違いない。

「今回は日帰りで良かったですね。。」
「同感。さすがにここに長居したくないな。。」

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その後、兖州でつつがなく面談を終えた僕ら。帰りの列車まで少し時間があると告げたら、同行者(二代目)が言った。

「それなら、前、酒徒さんが言ってた羊肉湯(羊肉スープ)が食べたいです!!」

それはグッドアイデアだ…と、前に独りで入った『啤酒屋 羊肉館』へ二人を誘った(→前回訪問)。「啤酒屋=ビール屋」。業務はもう終わったし、お疲れの一杯も頂くとしよう。

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同行者(二代目)は下戸なので、三代目候補と二人で乾杯。店主からは「冷えたビールなんて置いてないよ」と言われたが、冬の山東省ならば、外に置いてあるビールはむしろ冷蔵庫より冷えているので、没問題だ。

全部で十席ほどの小さな店だ。店内の傍らには、スープが入った大きな寸胴鍋と茹でた羊の肉やモツを並べたテーブルがあった。客の注文が入ったら、肉やモツを切り分けて碗に盛り、熱々のスープを上から注ぐという寸法だ。

↓カウンターは、客がいないときはカーテンがかかっている。意外に清潔。
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テーブルにはちょっとした涼菜(前菜)もあったので、まずはそれを二種類盛り合わせてもらった。

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分かりにくいが、右半分が涼拌豆腐皮。押し豆腐の細切りと葱・香菜の和え物だ。左半分は、涼拌野菜。「野菜」は日本語の野草のニュアンスで、詳細は不明。茹でた青菜にすりおろしニンニクをたっぷりかけたものだ。

箸休めになんとなく頼んだものだったが、どちらも期待以上に旨かった。こんなローカル店にして全く化調を感じさせず、塩気や酢や醤油の塩梅が良かった。

「おお、美味しいじゃないですか」
「だろ。涼菜は初めて頼んだが、イケるな。ニンニクたっぷりが山東っぽい」

更に、羊の胃袋を炒めてもらった炒羊肚。葱と香菜と干し唐辛子が良いアクセントで、これまた素晴らしいビールのつまみだ。

↓注文が入ってから胃袋を切り分け、炒める。
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すっかり気を良くして、メインのスープだ。前回は薄切り肉が具の羊肉湯を頼んだので、今回は各種モツが入る羊雑湯を頼んだ。

↓これまたおばちゃんが各種モツを切り分けはじめる。
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↓器にモツと葱・香菜を盛ったら、熱々のスープを注いで完成!
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前回の羊肉湯同様、安定の美味しさ。いや、寒い冬はことの外旨い!
スープは、化学の味を排した羊骨のダシが力強く、臭みは皆無。
モツもたっぷり入っていて豪華。白葱と香菜、数滴の辣椒醤が絶妙のアクセントだ。

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前回はなかったと思うが、今回はセットで死麺餅(未発酵の生地で焼いた「餅」)がついてきた。
冷めているし、ものすごく腹にたまるが、不思議と旨い。粉の風味がいいのだ。

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結果、すっかり満腹。
同行者二代目に至っては、あろうことか羊雑湯のあと羊肉湯までお代わりしていた。
羊スープを嬉々としてお代わりする二十代女性というのは、なかなか珍しいのではないだろうか。

ともあれ、劣悪な空気環境下の日帰り出張も、羊スープのおかげで楽しいものになった。


<2017年1月>



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2017年02月17日

威海出張1 - 憂鬱なデスロード。唯一の慰めは石島の海鮮料理。

今回の出張は、出発前からテンションが低かった。

取引先が組んだスケジュールは、初日は昼食も喰わずに江蘇省に日帰りし、空港で夕食を取ってそのまま山東省へ飛び、二日目は訪問先の社員食堂で昼食をとり、深夜便で北京へ移動するというもの。

どうです、やる気の欠けらも出てこないでしょう。世の中には、食事を栄養補給としか考えず、力一杯仕事を詰め込みたい人もいるのだなあ。

二日目の朝、ため息をつきながらホテルのビュッフェで食べたのは、豆腐花。温かいおぼろ豆腐に竹の子餡、皮蛋、葱、香菜、辣油をかける。これ自体は意外に美味しかったけど、これだけで気が晴れるわけもない。

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唯一の心の支えは二日目の夜に予定されていた白酒宴会だった。しかし、これも午後の会議が長引いて、宴会の時間はわずか50分となってしまった。最初からお尻が切られている宴会では乾杯合戦も盛り上がりようがなく、ほろ酔いにもなれずにタイムアウト。がびーん。。

ただ、海沿いの町だけに海鮮はちゃんと美味しかったので、綺麗な写真を撮れたものだけさらっとご紹介。場所は、山東省の威海。かつての威海衛だ。レストランがあった石島は、中国北部最大の漁港だそうである。

水煮毛蚶は、茹でたサルボウ貝をニンニク醤油につけて食べる。赤貝に似た味で、鮮度もよく、美味しい。

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韭菜炒海肠はニラとユムシの炒め物。山東省の沿海では定番の料理だ。コリコリしたユムシは見た目に慣れてしまえばご馳走。ニラより葱の分量が多いけど、葱もよく合う。

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红烧带鱼は、太刀魚の醤油煮込み。中国各地で見られる料理だが、ここのはさっぱりした味付けに風味付けの葱と香菜を散らしただけで、新鮮な素材を引き立てる術を知っている感じだった。

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茹でた蟹と蝦。どうということもない見た目だったが、蟹はミソも身も思ったより甘く、やさぐれた心を癒してくれた。

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石島は兔の養殖も盛んだそうで、兔料理も出た。名前不詳なのが残念だが、南瓜に似た瓜の細切りと一緒に煮込んであって、なかなかの美味。

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酱大骨は、骨付き豚肉の醤油煮込み。山東料理ではなく東北料理だが、キリッとした味付けで好印象。

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山東省なので主食は餃子。豚肉x白菜餡の超オーソドックな猪肉白菜。さすがにハズさない。

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更に、まで出た。あっさりスープにややコシのあるへげへげ麺。具はピーマンと卵。実に地味だが優しい味わいで、僕は気に入った。名前を聞く機会がなかったのが残念。

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あーあ、どれも結構美味しかっただけに、ゆっくり食べて、しっかり飲みたかったなあ。。

心の中でそうボヤいた僕だったが、現実は厳しい。早々に食事を切り上げて空港へ向かい、深夜便に乗った僕らが北京に着いたのは、深夜一時過ぎだった。はあ。


<2016年11月>



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2016年11月30日

龍口出張2 - 海沿いの田舎街で、白酒舐めつつイイダコやサワラ餃子。

久々に山東省の龍口へ。上海にいる後輩と日本からの出張者を連れて、三名での出張だ。

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夕食は、選択の余地がなかった。
ホテルが龍口の中でも辺鄙な郊外にあったので、周囲にはレストランと呼べそうな店がなく、挙句に雷雨が猛威を振るっていたので、大人しくホテルで食事をするしかなかったのだ。

全くやる気がない服務員相手に辛抱強く会話を重ね、頑張って山東省っぽい料理を注文してみた。

まずは、山東省の地ビール・崂山啤酒で乾杯。今回が初中国出張だという日本からの出張者は、「うすっ」と声を上げた。

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それならば薄くない酒を、ということで白酒を頼むことにした。龍口の地白酒は売り切れだったので、お隣・煙台の煙台古酿だ。出張者は白酒初体験だし、翌日は早朝から仕事だったので、38度の「低度」を選んだのは僕の優しさだ。

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「うほ、すごい匂いですね。でも、噂に聞いたほどひどい味ではないです」
「でしょ。チビチビ飲む分には美味しいんですよ。特に、中国北方の料理には合うんです」

と解説したのは、僕ではなく、上海の後輩。
着任してそろそろ一年、日ごろの指導の成果があって、実に前向きに白酒を飲むようになった。
僕としては、感無量である。

さて、料理。最初に運ばれてきたのは、老醋花生(ピーナツの黒酢和え)だ。
つまみとして深く考えず頼んだものだが、その量を見て僕らはのけぞった。
下の写真をご覧あれ、一体誰がこんな量のピーナツを食い切れるというのだ。

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「すごい量ですね・・・」
「僕としたことが、中国北方は安くても盛りがいいことをすっかり失念していた。
このあとの料理も、きっとこんな感じだぞ」

その不吉な予想は当たり、次の辣炒花蛤(アサリの辛味炒め)も凄い量!アサリ大虐殺だよ!

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でもまあ、味自体は美味しくて、みんなの小皿にはあっという間に殻の山が築かれた。

葱爆羊肉も、山盛り。実は羊肉は苦手、と言った出張者も、「柔らかくて臭味がない!」と驚いて箸を伸ばしていた。そうなんだよ、中国の羊は臭くないのだ。因みに、山東省は意外にもよく羊肉を食べる地域で、どの街に行っても羊料理の専門店を見かける。

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野菜担当の清炒山芹(中国セロリの炒め物)も、これまたたっぷり。一週間分の繊維質がいっぺんに採れそうな勢いだ。

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そうそう、龍口は海沿いの町なので、もうひとつ海鮮を頼んでいたんだった。

姜汁八蛸。サッと茹でて氷水にとったイイダコの足を生姜ベースの甘酸っぱいタレで食べる。半生のむにょんとした食感を残すのが中国流で、他地域で食べるタコ料理も大抵同じような火入れだ。上海には美味しいタコを出す店はないから、これは海沿い出張ならではの楽しみと言える。

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「確かにどの料理にも白酒が合いますね」と、出張者。そうだろうそうだろうと言ううちに一本目が空になり、二本目に突入。「低度」にした意味、なし(笑)。

主食は、やはり水餃。山東省の水餃子は、大蒜たっぷりの黒酢で食べるのが流儀だ。「入郷随俗」の精神で、三人ともどっぷり浸けて食べた。「明日会う人、ごめんなさい」と出張者がつぶやいたが、大丈夫、中国人は誰も気にしない(笑)

↓スタンダードな白菜x豚肉餡。
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もちろん、龍口ならではの水餃子も忘れない。前回の出張でも食べた、鲅鱼水餃だ。
もっちりした皮にサワラのすり身をパンパンに詰め込んだ水餃子で、とにかくデカイ!

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破壊的な見た目とは裏腹に、味自体はふわふわとしてあっさりしている。
こんな量喰えるか!と思ったが、意外に徐々に皿は空白地帯を増やしていった。

「いやあ、ホテルで食事と決まった時はテンション下がったけど、意外に楽しめたな」と、僕。
「すごい田舎町だったんで心配してたんですけど、美味しかったです。白酒も!」と、出張者。
「やっぱり身内で飲む白酒は美味しいですね!思わずたくさん飲んじゃいました」と、上海の後輩。

因みに、上海の後輩はまだ二十代のうら若き女性である(笑)。


<2016年8月>



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2016年08月25日

青島出張9 - 巨大饅頭を片手に、漁村の素朴な山東料理を楽しむ!

出張2日目は、車で青島の郊外まで。十年前までは小さな漁村だった地域で、今も開発区の工場を除けば、建物らしい建物もない。

昼飯に行こう、と取引先が連れて行ってくれたのは、パッと見、ただの農家だ。広大な敷地にビニールハウスが並んでいる。取引先が言った。

「ここはブルーベリー農家なんだが、奥さんが料理上手で、最近レストランも始めたんだ」
「いわゆる農家楽ってやつですね」と、僕。
「そうそう。このあたりにはこんなところしかなくて」
「いやいや、こういうところ、大好きですよ」

厨房の隣の部屋には海鮮や野菜が並んでいて、それを見ながら店と話して料理を決めていく典型的農家楽スタイルだ。僕は何でも食べますとだけ告げて、注文は取引先に任せた。

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結論から言うと、なかなか良かった。どの料理もやや塩気は強かったが、そこも含めて如何にも山東省の田舎料理の味わいだったし、さらっと海鮮が使われるところに青島らしさも出ていた。

まずは、鱿鱼豆腐汤。ヤリイカと豆腐と青菜のスープだ。ヤリイカの旨味を活かした塩味のシンプルなスープに、味と香りの強い老豆腐と青菜が浮かんでいる。

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見たまんまの旨さ。化学の味も感じない。

続いて、葱爆羊肉。白葱と羊肉を炒めた北方料理のど定番だが、羊肉が妙に旨い。聞くと、「この羊は昨日捌いたばかりのやつだからね」ときた。こういうのが農家楽の醍醐味だ。

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次は、野菜炒蛋。このあたりに自生する山草の卵とじだ。山草の正式名称は分からなかったが、ちょっとクセのある香りと苦味が玉子の甘味によく合った。

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更に、蒜蓉炒塌菜。山東省でよく食べられている野菜で、シャキッとした食感と強い青菜の味わいが魅力だ。

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メインは紅焼魚。一匹丸ごとの魚を濃いめの醤油でこっくり煮付けてあって、なかなか美味しい…のだが、この魚の名前を思い出せない。頭が扁平なこいつ、何て言うんだっけ?コチ?

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メインは、山東人の主食、饅頭だ。餡も何もない小麦粉の生地のかたまりだが、ホカホカで香りが良く、表面の皮はみっちり、中はみっしりして、悪くない。

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「ご飯を頼んだ方が良かった?」と、取引先。
「いや、全然。美味しいよ、これ。山東人はご飯食べないの?」
「ああ、ご飯はほとんど食べないね。もっぱら饅頭だよ」

だが、問題はその大きさで、見た瞬間、これだけでお腹一杯になるじゃんと思うサイズなのだが、周りの山東人はそれをペロリと平らげるのだ。さすがは主食。

↓僕のだけ「壽」の字が刻印された特別版だった。
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惜しむらくは、これらの料理に合わせるべき青島ビールを飲めなかったことだが、午後にお偉方との会議を控えたビジネスランチとなれば、さすがにやむを得ない。

この土地ならではの食文化をしっかり感じられる食卓に満足して、一応、午後は仕事に励んだ。


<2016年4月>



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2016年08月24日

青島出張8 - 2リットルの青島ビールのお供は、ユムシと山盛りのニラ、アサリ、タイラギなど!

午後の面談を終え、ホテルにチェックイン。今夜は一人だ。さあ、何を食べよう。

部屋にあった地図を見ると、青島啤酒博物館前のビール街が3キロほどの距離にあることが分かった。いいぞ、そこまで散歩して喉を乾かしてから、絶品の出来立て青島ビールをぐいぐいあおるとしよう。

↓青島にやってきた。
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↓散歩がビールの味を高めるはず。
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↓お、目的地は近いぞ。青島ビールの缶が並んだビルが目印。
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↓最近の新商品も加えた缶も揃っていた。
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博物館前のビール街には、似たような構えの海鮮レストランが軒を連ねている。この通りには過去何度も来たことがあるが、どこを選んだって所詮は観光客向けなので、あまり悩まないことにした。

だって、出来立ての青島ビールはどこでも飲めるし、調理法が単純な海鮮料理はどこで食べてもそれなりにうまい。店頭の水槽で水の臭いと海鮮の鮮度や値段を確認し、大丈夫だと思えればそれでいい。・・・という基準で、『酒香源』に入った。

↓日は暮れて、青島ビール博物館前のビール街。似たような店が並んでいる。↓
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↓今回は『酒香源』という店にした。
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↓中はこんな感じ。
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席に着く前に水槽の前で店員と相談して注文を決める。これが青島の海鮮レストランスタイルだ。一人なので色々頼めないのが辛いが、店員と相談して、なるべく色々なものを食べられるよう工夫した。

工場直送の青島ビールは、全6種類。一番好みの全麦白啤(白ビール)にした。最低注文単位は1リットルからというところは一人客には辛いが、そこは気合いでカバーだ。

↓ドドン!1リットル!
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一人で乾杯!まずは乾いた喉に冷えた白ビールを流し込む。中国のビールはホント水ビールばかりだが、唯一この青島で飲む工場直送ビールだけは、ちゃんと美味しいと思えるビールだ。豊かなホップの香り。酵母の旨味。出張に来て良かったなあ(笑)

デキャンタに添えられた小さなジョッキに白ビールを移しながら飲むこと二杯目にして、料理が運ばれてきた。

まずは青島名物・辣炒蛤蜊。アサリの辛味炒めだ。今が旬の春先だからか、一皿一斤(500g)わずか19元(380円)。それでこの山盛りなのだから、笑いが止まらない。

↓これぞ青島だぜ。
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↓ひゃっぽーい。
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右手にジョッキ、左手にはアサリの体制で、熱々のアサリをガツガツと胃袋に放り込み、ビールをぐいー!やったね、これこそが青島出張だYO!

一人で暇だし、あまりにも量が多いので、貝の数を数えてみたところ、なんと152個!(笑)いやあ、ホント青島のアサリはお得だな!

↓多過ぎ!
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↓安過ぎ!
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お次は、蒜容粉丝蒸珍珠貝。タイラギにニンニクと春雨をのせて蒸したものだ。一つから頼めると言うので、一人には打ってつけだと思って頼んだ。

タイラギは貝殻の大きさに比べて貝柱は小さいので、パパッと数口でなくなってしまうが、味はいい。帆立より甘みは弱いが、歯ごたえがあり、香りがいい。大好きなんだよなあ、タイラギ。

↓生前のタイラギ。
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↓蒜容粉丝蒸珍珠貝。
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↓惚れるぜ、この貝柱。
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そして、烤海虾。海老の塩焼きだ。これも一人には丁度いいと頼んだのだが、タイラギのような喜びは得られなかった。事前に下焼きしたのを軽く炙って温めなおしたもののようで、身がパサついていた。

ま、観光客向けの店で当たりばかりを引くのは無理ってものだ。気をとり直して次の皿に向かう。

↓当たりばかりとは言えない。
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韮菜炒海腸。海腸とはユムシという無脊椎動物で、中国北方の海沿いでよく食べられている。見た目は非常にアレだが、コリコリしてなかなか旨いのだ。

↓これがユムシさんです。美味しいんです。
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この海腸は何故かニラと一緒に炒めるのが定番で、この日僕が頼んだのも正にそれだ。昼から海鮮や餃子ばかりだったので、野菜を補給したいと思ったのである。

その狙いは、想定以上に満たされた。だって、このニラの利用をご覧なさいな。日本の居酒屋のニラのおひたしと比べたら、確実に十倍はあるよ!どう考えたって、一人で食べ切れる量じゃないよ!

↓ユムシよりインパクトのあるニラの量!
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↓調理後のユムシさん。
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ま、量はともかく、味は良かった。むっちりして味の濃い海腸とクセのあるニラは確かに良いコンビで、定番になるのも納得の旨さだ。

アサリ→ニラ→ビールを繰り返していたところ、真っ先に白ビールがなくなったので、すかさず青岛啤(黒ビール)を1リットル追加して、同じループを繰り返した。

↓思わず追加。
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↓猪肉串(豚肉焼き)や牛板筋(背骨近くのスジ)も追加。これらはまあ普通。
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折しもこの日、東京では桜が満開で、大学時代の旧友たちは花見の真っ最中。彼らとスマホでやり取りしながら飲み食いするうちに、最初は多過ぎると思ったニラも、2リットルのビールも、いつの間にか胃袋に収まっていた。

店を出て、夜風に吹かれながら、ホテルまでのんびり散歩。僕はこういう出張をするために会社勤めをしてるんだよなあ、などといい加減な幸福感に浸りながら、眠りに落ちたのだった。


<2016年4月>



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2016年08月23日

青島出張7 - 『舟昌漁水餃』で五色の魚水餃とぷりぷりオウギガイを頬張る!

久々の青島出張でひとりランチ。
海鮮もいいが、餃子もいいな。それに生の青島ビールがあれば最高だな。
そんなことを考えながら面談先の周囲を歩き回って見つけたのが、『舟昌漁水餃』だ。

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この店の売りは、魚水餃。要は豚肉ではなく、魚肉などの海鮮を餡にした水餃子だ。元々山東省では水餃子が名物だが、青島のように海鮮に恵まれた海沿いの町では、この魚水餃が名物になっている。

様々な が盛り合わせになった全家福水餃を頼んだ。一人の場合、こういう盛り合わせはありがたい。

餃子以外の海鮮もなかなか充実している。店頭の水槽に並んでいた五、六種類の貝類の中から扇貝を選び、油泼で調理してもらうことにした。

注文を終えて、席に着く。当然、飲み物は青島でしか飲めない生の青島ビールを飲みたいが…無情にも店員の答えは「売り切れです」。なんてこった、全てが上手くはいかないものだな。

仕方がないので、瓶詰めの青島ビールを。唯一冷えているものがあると言われた、青島啤酒一厂を選んだ。「一厂」とは聞き慣れぬ呼称だが、青島ビールの本社工場(登州路55号)で製造された輸出用ビールのことを指すらしい。

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一応、国内販売用の他の工場で作られているものよりランクが上とされているようだが、飲んだ感じは、まあ、「中国のビール」だな。工場直送の生には遠く及ばない。

海の中を模して壁が青く塗られた店内で、ボーッとビールを飲みながら料理を待った。壁のテレビでは、日本の昼ドラと同じようなドロドロの愛憎ドラマをやっている。画面の端の字幕には、第26話の表示が。こんな話をもう26時間もやってるのか。そのことにも驚くが、メインキャストが全員プンプンと整形臭を漂わせていることにも驚いた。

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閑話休題。まずは油泼扇貝の登場だ。さっと湯通ししたオウギガイに、グツグツ煮立てた唐辛子入りの油をかけてある。立ち昇る油の香りと唐辛子の辛味がプリッとした貝柱の甘味を引き立てて、とても美味しい。シャキシャキの白髪葱がアクセントだ。

↓油泼扇貝。
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↓うまい!
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手で殻をつかんで片っ端から貝を平らげているところに水餃子が届いた。その奇抜な彩りに思わず目を剥く。

↓五色の水餃子!
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白が鲅鱼(サワラ)、黄色が黄魚(イシモチ)、黒色は墨魚(イカ)、薄紅色が蝦仁(エビ)、緑色は蝦虎(シャコ)。こういう一見キャピッとしただけの水餃が、ちゃんと美味しいのが山東省の実力だ。

水餃子にはたっぷり刻みニンニクが入った黒酢をつけて食べるのが山東流だ。日本なら客との面談前に食べるのはNGだろうが、ここではみんな昼から似たようなものを食べているので気にしないことにした。入郷随俗ということわざは常に都合よく解釈することにしている。

↓ニンニクたっぷりの黒酢。
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結構な量だったが、ペロリと胃に収まった。先日上海でイマイチな水餃子を食べたばかりだったことも、食欲に拍車をかけた。

いやあ、なかなか旨かった。
やっぱりこういうものを喰ってこそ仕事もやる気が出るというものだよな。(←適当)


<2016年4月>



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2016年08月15日

兖州出張3 - ひとり山東出張で、具沢山のあっさり牛肉湯にニヤリ。

久々に山東省の兖州へ一人で出張。昼休み時間に取引先の工場に着き、あたりで軽く昼飯をとってから午後の面談に臨むのがいつもの流れだ。

工場の前の通りには、テーブル数卓だけの如何にもローカルな小吃店が軒を連ねている。安徽省の牛板麺やら山西省の刀削麺やら他省の小吃を売りにする店も多いが、なるべくその中から山東省っぽい店を探すことにしている。

今回、僕の勘に引っかかったのはこの店、『許老二牛肉湯』だ。
山東省では羊肉湯(羊肉スープ)の店をよく見かけるが、牛肉湯も名物なのだろうか。

店は、まだ若い夫婦二人で営んでいる。店主は頭にイスラム帽子をちょこんとのせているので、ムスリムなのだろう。山東省は何気にムスリムが多いところで、羊肉湯も牛肉湯もムスリムの得意料理だから、その昔、彼らが山東省に持ち込んだ食文化なのかもしれない。

↓改めて看板を良く見ると、ちゃんと「清真」と書いてあるな。
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メニューは牛肉湯(牛肉スープ)牛雑湯(牛モツスープ)の二種のみだか、それぞれサイズごとに値段が五種類に分かれている。小さい方から二番目の8元の牛肉湯を選んだ。

妻が香辛料入りスープで煮込んだ牛肉の塊から一人分を削り落として碗に盛り、夫が他の具を足した後、大鍋の熱々スープを碗に注ぎ入れた。

そのあと更に、遠目には化調に見えた白い粉を碗に入れようとしたので思わず腰を上げたところ、夫はちらりとこっちを見て、「これは塩だよ。うちは化調は使わないんだ」と言ったものだから、僕の期待は俄然高まったのであった。

熱々の湯気をたてて、碗が運ばれてきた。葱と香菜が彩りに散らされている。なかなか旨そうだ。

↓牛肉湯(8元)。
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早速、スープをすする。おっ、化調は使わないというのは事実らしい。牛のダシに極薄めの塩味が効いていて、ホッと落ち着く味だ。値段の割に牛肉も多めに入っている。柔らかく煮込まれていて、美味しい。

↓箸をスープの中に差し入れると、たくさんの牛肉がひっかかった。
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更にスープの中に何やら沈んでいたのですくい上げてみると、それは粉丝(春雨)千張(押し豆腐)の細切りだった。これはいい。麺よりはヘルシーで、小腹を満たすのにちょうどいい。

↓ちょっと一杯ひっかけるのにちょうどいいものたち。これぞ「小吃」。
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なかなかいいじゃないか。同じものを上海のような都会で頼んだら、もっと濃くて分かりやすい味になってしまうに違いないけれど、その点、これは節制が効いている。たとえ田舎料理でも、小汚い店構えでも、僕にはこっちの方がよほど上等な味に思える。

ローカル店を食べ歩く楽しみって、本来こういうものに出会うことなんだよな。チェーン店が氾濫する上海のランチ開拓では滅多に味わえない楽しみに浸り、思わずニヤリとした僕なのだった。


<2016年3月>



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2016年03月17日

淄博出張5 - 入郷随俗!名物・博山料理を避けた同行者が地雷を踏んで弾け飛ぶ。

青島出張6 - 電車待ちの30分に、すかさず大量の海鮮を詰め込む。」の続きです。

今日も過去の出張篇。
夕食は、青島から高鉄に乗って移動した先の淄博(しはく)で。
山東省の内陸の辺境だ。

淄博では、これまで同様、当地の名物料理である博山料理に挑戦。
今回が初淄博となる同行者(二代目)にも、やはり土地のものを食べさせねばなるまい。

<過去の博山料理巡り>
淄博出張1 - 山東料理の源流(?)博山菜の意外にも慣れ親しんだ味!
淄博出張2 - 再び博山菜!地味だけど何気に手の込んだ揚げ春巻は意外にもムニッ!
淄博出張3 - 道ばたの「野味館」へ緊急避難!ロバ、ウサギ、山盛り水餃子を平らげる!
淄博出張4 - 久々の博山菜。道端の店でありついたのは、大量のキクラゲと豆腐箱。

↓店員のオススメ・凉拌木耳。博山菜の店では何故か木耳をよく勧められる気がする。
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炒肉片。豚肉を胡瓜・トマト・木耳と炒めただけのものだが、何故か博山菜と言われている。
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水餃。これは保険。山東省で水餃子を頼んで大外れすることはない。
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しかし、中国ですら知名度ゼロの博山料理を次々頼む僕に不安を覚えたのか、
或いは、せっかくの出張で自分が食べたいものを食べたいという気持ちを抑えかねたのか、
何故か同行者は「これも頼んでいいですか」と四川料理の酸辣粉を注文した。

お好きにどうぞと適当に応じた僕だったが、これが予測を超えた巨大地雷だった。
ちょっともう、なんというか、筆舌に尽くしがたいまずさだったのだ。

見るからにまずそう。体験主義者の僕をして、食べなくても分かる、まずいよと言いたくなる。
挙句に容器のビニール袋が溶けた匂いまでして、別の意味でまずい。まずいというか、やばい。
頼んだ当の同行者からして、食べる前からちびまる子ちゃん以上の縦線が顔にかかっている。

↓これがその地雷。いや、酸辣粉。ヤバ過ぎるオーラが漂っている。
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写真からなにかを察してもらえると思うが、実際の味も、極めてまずい。
怖いもの見たさで、一応、ひと口だけ食べてみたんだけど、なんだかもう凄まじくひどかった。

辛いとか油っこいとかそういう表現を全て飛び越して、「まずい」のひと言しか頭に浮かばない。
正直、今まで生きてきてこれ以上にひどかった食べ物を思い出せない。奇跡的なまずさだ。
あまりにもひどすぎて、これを頼んだ同行者を嘲笑することにしか救いを見出せなかったくらい。

果てしなく打ちひしがれる同行者。それを指差して大笑いする僕。

入郷随俗(郷に入っては郷に従え)
田舎では、無理に他地域の料理を頼むことこそが地雷。
むしろその土地の料理を食べる方が打率が高いということを、同行者は身を以て学んだ模様。

この出張以来、ことあるごとに「酸辣粉のくせに!」と言って、同行者をいじっている(笑)。


<2015年3月>



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2016年03月16日

青島出張6 - 電車待ちの30分に、すかさず大量の海鮮を詰め込む。

今日は時系列を無視して、かなり前の中国出張から蔵出し写真。
僕が日本で引継ぎをしていた頃、同行者(二代目)と初めて中国出張したときのことだ。

朝一の面談を青島で終え、タクシーで青島駅へ。
出発までの猶予は30分程度しかないが、それでもローカル中華を腹に突っ込みたいのが僕だ。

海沿いの町・青島では、駅前の小さなローカル店でも店頭に水槽を並べている。
ひとつの店をささっと選び、水槽の中を見ながらぱぱっと注文を済ませた。

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新たな同行者が言った。

「なんだか物凄くイキイキしてますね。目がキラキラしてます」

心の中では「会社にいるときに比べて」という言葉をつけているに違いない。ほっとけ。

あっという間に、料理がテーブルに並んだ。
海鮮三品、前菜一品、野菜一品に水餃子だ。

「時間がないときに急いで食べる量と内容じゃないですね」

うるさい、ほっとけ(笑)

↓定番の辣炒蛤蜊(アサリ炒め)。どこで頼んでも鉄板の旨さ。
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炒蛏子(マテ貝炒め)。これも好物。マテ貝大好き。
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清蒸比目鱼(カレイの姿蒸し)。せっかくなので魚も。甘じょっぱいタレがいい感じ。
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蛰头拌黄瓜(クラゲとキュウリの和え物)。これは同行者が注文。
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清炒圆白菜(白菜の炒めもの)。結構唐辛子が効いてて、ピリ辛だった。
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水餃(芹菜と豚肉餡の水餃子)。
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満足。
青島は気軽に安値で海鮮を喰えるのが嬉しいな。

このあと面談を控えていたので、生の青島ビールを飲めなかったことだけが心残りだ。


<2015年3月>



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2016年02月17日

淄博出張4 - 新たな同行者と山東料理。冗談みたいな糖醋鯉魚で二鍋頭を舐める!

僕が上海に赴任してから、かつての同行者は日本へ帰任した。
新たな中国出張の同行者は、まだ二十代の後輩。
酒を一滴も飲めない体質なのは残念だが、何でも喜んで食べる点は頼もしい。

で、やって来たのは、なんだかんだでちょくちょく出張している山東省の淄博
この街には不釣合いなほど綺麗なショッピングモールがあったので(←失礼)、
その中のレストランで山東料理を食べることにした。

『老牌坊鲁菜名店』。山東省の省会・済南に本店を構える、本格山東料理店なんだとか。
この街にしては小奇麗な内装で、サービスも気が利いている(←また失礼)。

しかし!
なんとというか、やっぱりというか、冷えたビールを置いていないと言うのだ。

一頃に比べると、中国でもこういう店は減ったが、地方に行くとまだまだ多い。
そもそも客自体が「冬に冷えたビールなんて飲むもんじゃない」と思っているので、
ある意味、冷やさないことがサービスなのだ。

でも、そう理解はしていても、ただでさえ薄いビールを常温で飲む切なさは筆舌に尽くしがたい。
ワインや紹興酒もあったが、山東省の料理には白酒の方が合うのは間違いない。
昨夜も白酒の宴会だったから今日くらい弱い酒にしようと思っていたが、これは止むを得ない。

「じゃあ、二鍋頭(白酒)の小瓶」と、僕。
「え?正気ですか!?」と、同行者(二代目)。

失礼な!と思いつつ、上述の理屈を語って聞かせてみたのだが、

「なんであれ、自分から好きこのんで白酒を飲む日本人を初めて見ました。しかも、一人で」

ほっとけ。

結果として、この選択は間違っていなかった。
どの料理も、こりゃビールじゃなくて白酒だろって味だったので、楽しく食事ができた。

↓泣く子も黙る二鍋頭!
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擂茄子。練り胡麻で和えた茄子をすり鉢で潰して食べる。ねっとりして「呑める野菜料理」。
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老厨白菜。白菜と豚肉と粉条を醤油味で炒めたもの。如何にも「北の味」。
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三鮮素水餃。三種類の野菜が餡の水餃子。さすが山東、餃子は外さない。
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この日メインに据えたのは、山東名物の糖醋鯉魚。衣をつけて黄金色に揚げた丸ごと一匹の鯉に、醤油・砂糖・酢などを煮詰めてとろみをつけたタレをかける。
出来上がりは、ご覧の通り。

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うわははは、なんじゃこりゃ。
昔食べた糖醋鯉魚は大人しく皿の上に横たわっていたはずだが、何がどうしてこうなった。

どうもこのスタイル、この店に限らず、最近の山東省の流行りのようだ。
山東省内のレストランの糖醋鯉魚を検索してみると、同じように跳ねた鯉がたくさん見つかった。

「酒徒さん、絶対この料理の写真が撮りたくて頼みましたよね・・・」

あ、ばれた(笑)。だって、馬鹿みたいで面白いじゃない。

馬鹿みたいで、と言ったのは、むちゃむちゃ食べにくいから。
そもそも衣がかなり固いのに、魚が波打っているものだから、全然箸が入っていかない。
どうしたものか悩んでいたら、店員が皿を奥に持ち帰って、崩してきてくれた。

↓食べやすくなった。意味ねー(笑)
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まあ、味自体はなかなか良かった。
サクサクの衣に柔らかな鯉の身。甘酸っぱいタレの味が染みて、臭みもない。
ネット上だとケチャップを使うレシピが多いけれど、酢と砂糖で甘酸っぱさを出す本来の味付けだ。

適当に入った店だけどそれなりに楽しめて、結局、二鍋頭の瓶は二本空いた(笑)。


・・・因みに、翌日入った北京料理の店にも冷えたビールは置いていなくて、
またも二鍋頭を頼んだら、同行者から完全に呆れられました。

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<2015年10月>




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2016年02月16日

日照出張 - 待ちわびた白酒宴会!名物は羊の顔炒めと羊の肉モツスープ!

山東省の日照へ出張。
夜は、取引先から地元の海鮮レストランへ誘われた。

↓これまで記事にしてなかったけど、日照にはちょくちょく来ている。
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席に案内されると同時に、今日は何の酒が出されるのかな、と観察した。
お、どうやら白酒のようだ。

ここ最近の中国人との宴会(=一気大会)で出て来たのは、ビール、ワイン、ワイン。
別に破滅願望があるわけじゃないけれど、中国人の宴会なのに何で白酒じゃないわけ?と
やや寂しく思っていたところだったので、白酒の瓶が見えたとき、実は喜んでしまった(笑)。

相手のトップは相当なお偉いさんで、取り巻きも多数。
片やこちらはわずか2人。しかも、もう1人の後輩はアレルギーで酒が一滴も飲めない。
目の前のワイングラスには並々と白酒がそそがれ、あの匂いが濃厚に立ち昇ってきた。

うはー、今日こそは死んだ!と思いつつ、なぜか沸き起こる高揚感。

「この匂い、この緊張感こそが戦争よ…!」(←アホ)

・・・で、結果から言うと、この日も生還を果たした。
相手のトップは若いころ飲み過ぎたとかで、杯を持つ手がプルプル震えている始末。
取り巻きからの乾杯攻勢にはしっかり応じたけれど、耐えきれぬほどでもなく。
ホテル帰還後、自分でお茶を淹れ、夜景を眺めて過ごす余裕があるほどの余裕の生還だ!

初対面だったから遠慮されたのかなあ・・・と今日のところは余裕をかましてみるけれど、
そのうち撃沈される前振りになるんだろうな、これは。

↓勝利の美酒、じゃなく、美茶。
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翌日のランチも、同じ取引先と。
「あまり綺麗な店じゃないんだけど、日照の名物料理を是非」と、案内してくれた女性。
前日の宴会で「一番好きな料理は、その土地の料理!」と吹聴していたのが奏功したようだ。

連れて行ってくれたのは、『一品全羊館』
名物料理は、羊肉湯(羊肉スープ)だそうだ。

彼女によると、日照の名物料理は、海鮮か羊肉湯だという。
そう言えば、同じ山東省の兖州でも羊肉湯を食べたっけ。思ったより羊肉を食べるんだな、山東は。

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スープの前に出されたのは、炝羊脸
羊の顔の肉の細切りを唐辛子と長葱で炒めたものだ。

↓炝羊脸。
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羊の顔を食べるのは初めてだったが、これがなかなかイケる。
むちっとした皮。脂っこくはないが独特の香りがある皮下脂肪。歯応えのある肉。
それらがいっぺんに口の中に入ってきて、噛むごとに様々な味わいが楽しめる。
そして、葱と唐辛子の辛味が実に良いアクセント。

これには白酒だなあ。午後も仕事があったので、飲めなかったのが残念。

そのほかの脇役は、白菜の冷菜や青菜の炒め物など。
光っていたのは、紅焼豆腐だ。

紅焼とは「醤油煮込み」程度の意味なので、地域によって、味付けが全然異なる。
例えば上海だと甘くこってり仕上げるが、これは醤油メインの地味で素朴な味わい。
みっしり固めの豆腐は昔ながらの香りがして、懐かしい旨さだった。

↓紅焼豆腐。
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そして、いよいよメインの羊肉湯
全羊湯とも言うのよ」と、例の彼女。
その心は、羊の肉のみならず、各種モツや血まで全部ぶち込むからだそうだ。

↓羊肉湯。
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↓ご覧の通り、モツや血もたっぷり。
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日照人が名物料理と胸を張るだけあって、旨かった。
もちろん、どの部位も臭みなどまるでない。
肉は柔らかく、モツはそれぞれに旨味があり、血は香り高い。
様々な味が一杯で味わえる贅沢なスープだ。
羊骨でとるというスープは意外にも結構な薄味で、塩や辣椒を自分で足すというスタイルもいい。

「羊肉湯は日照の冬に欠かせないのよ。羊肉は『熱性』でしょ?」
「分かります。食べているそばから身体が温まってくる感じがありますね」

前日から急に気温が下がったこの日、このチョイスはベストだった。
それに、こういう料理は上海じゃ食べられない。ガツガツ喰っておこう。

そして、主食。日照人の主食は水餃子ではなく、「餅」らしい。
未発酵の生地を円盤状に成型し、鉄板で両面を焼き上げて作られる。

餅の中でも、いわゆる死面餅というやつで、みっしりとして固い。
西安の羊肉泡馍で用いられる「馍」と似ている。

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美味しいことは美味しいが、固いのでそれほど量は食べられないな。
・・・と思っていたら、日照人はすごい勢いでこれをむさぼっていた。
小柄な女性すら二つをペロリと平らげていて、驚いてしまった。

いやー、やっぱこういうのが出張の醍醐味だな。
旅行ではあまり行く機会のない土地に行って、その土地のものを食べる。

その意味で、今回はなかなか有意義な出張だった(笑)。


<2015年10月>



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2015年12月01日

龍口出張 - 拍子抜け宴会の〆に、化け物サワラの化け物水餃子!

山東省の龍口へ出張。
中国でも酒量が多いことで知られる山東省なので、夜の宴会は白酒で撃沈することを覚悟して、肝臓に効く漢方まで持参して赴いたのだが。

意外なことに、相手二人はビール一本で真っ赤という下戸で、食卓には白酒すら出て来ずに、無事帰還。むしろこっちからビールをねだってしまった。

めでたしめでたしと言うべきなのだろうけど、拍子抜けというか、不完全燃焼というか。もの足りなさ過ぎて、ホテルに帰ってからベットの上でゴロゴロ悶々してしまった。

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ま、海沿いの町だけに、魚皮拌黄瓜とか水煮海螺とか醤焖黒魚など、それっぽい山東料理が食べられたのは良かった。

一番驚いたのは、写真の鲅魚餃

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でかっ。これ一つで普通の水餃子五つ分くらいのボリュームがあるのだ。

↓こちらは普通の三鮮水餃。サイズの違いがお分かり頂けるかと。
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↓水餃にニンニクの入った酢が添えられるのが山東スタンダード。
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因みに、鲅鱼とはサワラの仲間。
但し、日本のサワラと異なり、体長1.5m以上に成長する化け物サワラだ。

巨大餃子の中にはその化け物サワラのすり身が入っていて、
見た目よりはあっさりした味わいでなかなか美味しかった。

→ と書いたけど、やっぱり鲅鱼は日本のサワラのことだった。
  ネットを斜め読みして、鲅鱼はウシサワラ(中華馬鮫。1.5mくらいになる)だと勘違いしてた。
  ここに訂正します。おおたまさん、ありがとうございます!


<2015年9月>



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2015年09月22日

青島出張7 - 制限時間は40分!青島ビール片手にアサリとエビをジェノサイド!

青島、翌朝。

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昨夜、ビールはたっぷり飲んだ。
しかし、まともな海鮮を喰わぬまま青島を去るわけにはいかない。
客との面談が終わったのはお昼前。よし、空港に向かうまでまだ40分くらいあるぞ。
 
ささっと近くを歩き回って見つけたのが、香港西路x江西路の『开海红岛海鲜虾水饺』
えーと、エビ餃子が売りの海鮮料理屋か。悩んでいる暇はない、ここにしよう。
店に飛び込み、水槽の海鮮を指差して、即座に注文を済ませた。

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あとは上海に帰るだけだしね、と心の中で言い訳して、青島ビールも注文。
「生は1.25Lのピッチャーしかないんです。一人じゃ多いですよね?」いう店員の言葉にも、もう動じない。
大丈夫、もらいますと応じて、プハー!!生の原浆、やっぱり最高!!

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正直、ビール祭りのやつより圧倒的に旨いな!
注ぎ立てでちゃんと冷えてるんだもの。

しかし、昨日といい、今日といい、何で注ぎ分けるグラスがこんなに小さいのだろう?
結局今日もまた、二杯目はピッチャーからそのままグイーだ。

最初に運ばれてきたのは、辣炒黄蜆貝
アサリに似た二枚貝の唐辛子炒めだ。

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イイネ!これまた昨夜とは段違いに旨い!
新鮮で、肉厚で、熱々で、少しだけ辛味が効いていて、ビールがガンガン進む。

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あっという間に60匹近くを大量虐殺した。

次の標的は、白灼本地活蛎虾
日本語だとサルエビというのかな?小ぶりの海老を茹でただけのもの。

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これもイイ!
小ぶりなエビで、派手さはないが、小味がある。
ミソだって量は少ないけど味は濃く、いい酒のつまみだ。

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殻ごとでもイケるので、途中から皮剥きが面倒になって、丸ごとバリバリ食べた。

アサリとエビのジェノサイドを終えて、主食は名物の开海红岛(エビの水餃子)。
餡の味付けはちょいと甘めだけど、プリプリのエビがたっぷり入っていて、なかなか美味しい。

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やっぱ餃子は北の方で喰うに限るな。皮が旨い。

餃子がなくなる頃にはピッチャーもすっかり空になり、満たされた気持ちでごちそうさま。
野菜は夕食で固め食いすることにしよう。

飛行機は二時間ほど遅れたけど、何のその。幸せな気持ちのまま、上海へ帰り着いた。 


<2015年8月>



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