●シンガポールで食べた●

2018年04月20日

シンガポール11 -『Chilli Padi/辣椒香』のスパイシーかつ豪快なニョニャ料理。

シンガポール10 - 『Kia Hiang Restaurant/嘉香餐館』のクレイポットチキン。」の続きです。

シンガポール最後の食事は、再びニョニャ料理。しかも、客先が郊外にあったので、行きたかったカトン地区のニョニャ料理レストランへ行くチャンスに恵まれた。

店の名は、『Chilli Padi/辣椒香』。昼時なのに他の客の姿がなかったので不安になったが、他に当てもないので、そのまま席についた。店内には、各種レストランアワードの賞状がズラリと貼られていた。これに見合う実力を持っていると思うしかあるまい。

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あとは飛行機に乗って帰るだけなので、タイガービールで乾杯。さっぱり分からないので任せます、と同行者(三代目)から全権委任されたので、気になるものを頼んだ。

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前菜は、花藍餅(クエ・パイティー)。カップ型に揚げた生地に千切りの根菜を詰めて、茹で海老をのせたもの。

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二品目は、酸甜鴨という中国語名を見て興味が湧いたイテック・シオ。名前の通り、本当に酸っぱくて甘いのだが、酸味も甘味もタマリンド由来のようだ。その他コリアンダーシード、エシャロット、老抽で煮込むそうで、不思議な味わいに舌鼓。

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メインは、ニョニャスタイルの亜参咖喱魚頭(フィッシュヘッドカレー)。ココナツミルクやタマリンドが効いたスパイシーなカレーに鯛に似た魚の頭がドン!東南アジアの複雑な香辛料使いって大好き。プリプリの魚も美味。何より土鍋にたっぷりあるのが嬉しい。

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野菜補給は、カンコン・ブラチャン。空心菜のサンバル炒めだ。

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初日の『The Blue Cuisine』と比べると、どの料理も辛さとスパイス使いが激しくて、量もたっぷり。僕にはこっちの方が向いているな。

しかも、二人で食べたのに値段は初日より安かった気がする。シンガポールのニョニャ料理が、どこも高いわけじゃないんだな。

と、最後の食事で満足感を得られたので、気持ちよく飛行機に乗り込んだ。今後もたまーに出張の機会がありそうなので、ニョニャ料理をメインターゲットに据えて攻めていくようにしよう。


<2018年1月> ■店舗情報■



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2018年04月19日

シンガポール10 - 『Kia Hiang Restaurant/嘉香餐館』のクレイポットチキン。

シンガポール9 - 朝食は『ヤ・クン・カヤ・トースト』のセットAに初挑戦。」の続きです。

昼食は、取引先の案内で中華料理。「上海在住なのにシンガポール出張で中華料理だなんて可哀そうに」と思うかもしれないが、まあ、良くも悪くも東南アジア圏の中華は大陸の中華とは別物なので、それなりに興味は湧く。

店の名前は、『Kia Hiang Restaurant/嘉香餐館』。飲食店があるようには見えない雑居ビルの奥にあったので、パッと見、さぞローカルな店なのかと思ったが、店内の壁には日本語フリーペーパーの紹介記事がいくつも貼られていたので、当地の日本人社会では有名な店なのだろう。僕らの他にも、数組の日本人客を見かけた。

看板メニューは、骨付き鶏肉をキャベツで包んで煮込んだ砂鍋童子鶏(クレイポットチキン)だそうだ。

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正確な料理名は忘れたが、あとは芙蓉蛋(中華オムレツ)肉末茄子(茄子とひき肉のピリ辛炒め)

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どの料理も調理のベースは中国南方系だった。ただ、醤油主体の味付けなのに何となく甘め

暑い地域で、酒をあまり飲まずにご飯をたくさん食べる文化だと、こういう味付けが好まれるのかもしれない。

なるほど、如何にもシンガポールらしい中華料理だった。


<2018年1月> ■店舗情報■



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2018年04月17日

シンガポール9 - 朝食は『ヤ・クン・カヤ・トースト』のセットAに初挑戦。

シンガポール8 - ニョニャ料理の『True Blue Cuisine』を再訪。」の続きです。

翌朝。深夜便で日本から飛んできた同行者(三代目)とホテルで合流し、朝食へ出かけた。

シンガポールの朝食と言えばバクテー(肉骨茶)だが、日本人の客とのアポを前にして、ニンニクモリモリスープというのはちとよろしくない。代わりに白羽の矢を立てたのは、カヤトーストだ。甘過ぎるという声も耳にしていたので、これまでの出張では避けていたのだが、まあ、せっかくだから一度くらい試してみよう。

店は、カヤトーストと言えば真っ先に名前が挙がるくらい有名だという『ヤ・クン・カヤ・トースト(Ya Kun Kaya Toast)』にした。シンガポールのあちこちに支店を構えるチェーン店で、泊まったホテルの隣にも支店があったのだが、せっかくなのでローカルな雰囲気が良いという本店(ファーイーストスクエア店)へ向かった。

なるほど、確かにローカル感がある。アウトドア席があるのもいい。

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初めてなので、注文もベタ中のベタを攻めた。すなわち、カヤトーストに温泉卵とコーヒーまたは紅茶が付いたセットメニュー(セットA)だ。

但し、ドリンクはKopi/コピ(砂糖とコンデンスミルクがたっぷり入った極甘コーヒー)を頼むのが現地風だと聞いてはいたものの、甘さに耐えられる自信がなかったので、Kopi O/コピオー(ブラックコーヒー)にした。

↓セットA。
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カリッと焼き上げられた薄めのトーストを手に取る。二枚で一組で、間にはバターと薄緑色のカヤジャムが塗られている。カヤジャムを挟んだトーストだから、カヤトースト。カヤジャムとは、アヒルの卵とココナツミルクとパンダンリーフを煮詰めたものだそうだ。

まず、ひと口。なるほど、甘い。だが、パンダンリーフの香りがとてもよく、くどさを感じさせない。トーストのカリカリの食感と香ばしさも一緒になって食欲をあおってくるものだから、思わずもう一口。

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温泉卵につけて食べるともっと旨いと聞いて、早速トライ。ふむ、玉子のコクで甘さが中和されて、更に食べやすくなった。

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僕は普段ほとんど朝食を食べないので、最初はこんなに大量のトーストは食べ切れないと思っていたのだが、あれよあれよと言う間に食べてしまった。とんでもなくハイカロリーな代物だと分かっていたのに、だ。むう、これは危険な食べ物である。

でも、これと極甘のコピがシンガポール人の朝食の定番だと聞くと、シンガポールでは糖尿病が国民病で、実に60歳以上人口の三分の一以上が糖尿病だという話も、さもありなんと言わざるを得ない。人間が日常的に食べてよいものではない気がする。

まあ、旅行者がものの試しに食べる分には、美味しい朝食だった。


<2018年1月> ■店舗情報■



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2018年04月16日

シンガポール8 - ニョニャ料理の『True Blue Cuisine』を再訪。

今週は、シンガポール出張篇をお送りします。
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1月中旬、降って湧いたシンガポール出張。何年ぶりだろう。

シンガポールは、相変わらずの冷房地獄だった。到着してコートや上着を脱いでから乗ったタクシーの車内が極寒で、「嗚呼、こういう国だった」と思い出しながら死んだ。ホテルも部屋に入った瞬間寒気がして、速攻クーラーの電源を切った。外気温は30度超えなのに、室内の寒さが怖いので、外出時は長袖で出かけざるを得ない。

いきなりこう書くと怒られそうだが、僕にとってのシンガポールは、物価は高いし、中でも酒は本当に高いし、んでもって料理もフツーだし、東南アジアの中では一番テンションが上がらない旅先である。基本は華人文化なので、中国在住者にはグッとくる料理が少ないという問題もある。

シンガポールのローカルフードと言えばホーカーだが、過去の経験から言うと、値段よりも更に味が安いという印象しか残っていない。物価が高い国で安く料理を仕上げようと思ったら、こういう風に食材の質をごまかそうとして濃い味になるよねって感じの、ジャンキーで若者向きの味。今回、敢えて再び挑戦しようという気にはならなかった。

でもまあ、せっかくの機会は活かさないとね。夕食はニョニャ料理でも喰おうかな…などと考えつつ、とりあえずタイガービールで乾杯だ。

どうでもいい話だが、若いころ、タイガービールとシンハービールの生産国がごっちゃになって覚えられなかったとき、「『タイ』ガーはシンガポールで、『シン』ハーはタイ。逆さになっていると覚えればいい」と先輩に教わり、以来、間違えないようになった。ご参考まで。

↓まだ明るいClark Quayで生タイガー。
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ニョニャ料理は、華人とマレー人の文化が融合して生まれたフュージョン料理だ。ざっくり言うと、中華料理の技法と東南アジアのスパイス使いが合わさっていて、独自の魅力がある。本当はカトンあたりのローカルなニョニャ料理店を試してみたかったが、出張なので中心地で自重。過去の出張でも訪ねたことのある『True Blue Cuisine』の戸を押した。

<前回訪問>
シンガポール1 - 初めての食事は、『True Blue』のニョニャ料理!

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僕が食べたかったのは、前回も食べて気に入ったAyam Buah Keluak(黒果鶏)だ。3日以上水に漬けて毒抜きしたブラックナッツと骨付き鶏肉を煮込んだカレーのような料理である。真っ黒なペースト状のブラックナッツは、深みのあるコクが素晴らしい。そこに様々なスパイスを加えて煮込んだスープは、ひと口すするだけで異国情緒が高まる不思議な味わいなのだ。

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Udang Goreng Assamは、海老のタマリンド風味。こんがりと焼いた殻付き海老に甘酸っぱいタマリンドソースがからんでいる。タマリンドを食べると、東南アジアに来たなあという実感が湧いてくる。

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Kerabu Pomeloは、ポメロ(文旦)のサラダ。細かくほぐしたポメロの果実と砕いたナッツや海老を和え、甘酸っぱいソースでまとめてある。これは僕にはちょっと甘過ぎたな。。途中で飽きた。

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上記3品にタイガービール2杯で、細々と突き出しの料金が加算されて、お勘定はSGD111.80(約9000円)。前回は初めてのシンガポールかつ初めての食事だったので、こんなものかと思ったが、さすがに高い気がする。美味しいことは美味しいけど。僕が東南アジアに求める「お得感」が味わえないところが、シンガポールのつらいところだな。

ビール二杯では全く飲み足りないので、近くのClark Quayに足を延ばした。自家製クラフトビールを出す『HIGHLANDER』という店を見つけ、アウトドア席に陣取った。喧騒の中、前回の一時帰国時にたまたま古本で買っていたシンガポール史を読んだ。

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「明るい北朝鮮」とも言われる超管理選別社会の成立過程と現在の光と影。思わず、読みふけってしまった。その間にビール二杯からウイスキーに飲み進み、しっかり酔っ払った。

ホテルへの道すがら、Mobikeを見つけて、乗ってみた。中国のアプリがそのまま使えて、4分乗って2.43人民元(45円)相当。中国ではほとんど金を払わずに使えてしまうので、高く感じるな(笑)

↓Mobike。中国より車体が綺麗に保たれている。暑いからか、乗っている人は多くなかった。
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折しも旧正月の前だったので、チャイナタウンの入り口には巨大な犬の灯篭が。

↓どーん。でかいけど可愛くない(笑)。
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まあ、色々ボヤいてはいるけれど、異国の地で普段食べないものを食べるのは楽しい経験には違いない。明日以降も、あれこれ挑戦してみよう。

<2018年1月> 

■店舗情報■
『True Blue Cuisine』
住所:47/49 Armenian Street, Singapore 179937
電話:64400449/64404549
*1人でSGD 98(約6000円)。



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2016年05月07日

シンガポールで食べた!

2011年〜2013年に10回ほど出張したシンガポールの記事をまとめてみました。

下調べをするヒマも、まともに食べ歩く時間もなかったので、ディープなところは攻められませんでしたが、一番惹かれたのはプラナカン文化で、その結晶であるニョニャ料理です。その興味が高じて、2014年にはプラナカン文化が色濃く残るマレーシアのペナンにも飛んだのですが、その顛末はまだ記事に出来てません。。いつか必ず!

尚、ラッフルズホテルのシンガポールスリングに関する記事は、何故だか分かりませんが、このブログ屈指の人気記事だったりします。

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<記事一覧>
「食」=食べ物関連 「★」=オススメ! 

2012年3月
★ シンガポール1 - 初めての食事は、『True Blue』のニョニャ料理!
食 シンガポール2 - お約束!ラッフルズホテルのシンガポールスリング!
★  シンガポール3 - 朝食は、『松發肉骨茶』のシンガポール風バクテー!
食 シンガポール4 - 昼食は、リトルインディアでブリヤニ・チキンとバナナ・プラタ!
★  シンガポール5 - プラナカンを追ってカトンへ!初めてのラクサとニョニャ菓子!
食 シンガポール6 - 七色のマーライオンに呪われて、ホーカーを彷徨う!

2013年9月
★ シンガポール7 - 久々の安息!『Lantern』の絶景カクテルと『Red House』のチリクラブ!



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2013年09月14日

シンガポール7 - 久々の安息!『Lantern』の絶景カクテルと『Red House』のチリクラブ!

シンガポール。
昨年3月の初出張以来、何だかんだでそろそろ両手の指では数え切れなくなるくらい出張している。

ただ、その多くが0泊3日の往復夜行便といった非人道的な日程で、まともな食事にありつければマシな方、たまに食事できると思えばペーパーチキンの店に3度連続で連れていかれたりして(在住日本人に絶大な人気を誇るみたい)、写真を撮れる機会に至っては皆無だった。

<初出張のシンガポール>
シンガポールで食べた! 2012年3月

今回、そんな悲しい出張を強いられていた案件が一段落し、夕方から夜行便までの数時間がフリーとなった。久々の解放感とシンガポールらしさを味わいたくて、『ザ・フラトン・ベイ・ホテル』の屋上にあるバー・『ランタン/Lantern』へ行ってみた。

マリーナ湾に面して建つホテルの屋上だけに、眺望は抜群。
目の前には『マリーナ・ベイ・サンズ』のあの船がずどーん。まるで空中を航行しているかのようだ。

↓はったりが効いたバー・『ランタン/Lantern』。夜は混みそう。
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こういうきゃぴっとした場所では、きちんときゃぴっとしたカクテルを頼むのが礼儀だろう。店名を冠したレッド・ランタンとマーライオンというロングカクテルを干した。1杯1600円くらいしたが、酒税が高いシンガポールはそこらでビールの中ジョッキを飲んでも結構取られるので、この環境でちゃんとしたカクテルが飲めるなら、むしろお得感がある。

空調がきつ過ぎるシンガポールにおいては、アウトドアという点もありがたい。海から流れてくる風が快適で、読書しながら2時間近くも居座ってしまった。夕方は穴場のようで、他の客の姿は少なかった。

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↓マリーナ湾を一望できる。
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何の下調べもしてこなかったので、夕食はそこらで適当に麺や肉骨茶でも探そうと街を歩いたが、シンガポールの小吃店はどれもチェーン店に見えてしまって、イマイチ食指が動かない。そもそも中国に住んでいた身には、味の割に割高に思えちゃうんだよな…ということで、結局、ブーン・タット通りの『Tandoori Corner』というインド料理屋へ流れた。

キングフィッシャービールチキンティッカフィッシュカレー。悪くなかった。インド系もたくさん住むシンガポールのインド料理は辛さやスパイス使いが本格的だし、ご飯がデフォルトでバスマティライスというのが嬉しい。インドカレーには絶対バスマティライスだよ。旨さ百倍だよ。

↓キングフィッシャー大好き。でも、瓶1本で900円くらいする。酒飲みには厳しい国だ。
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↓チキンティッカ。鶏肉の質は普通だが、スパイス使いが良い。
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↓フィッシュカレー。魚の質は普通だが、本格的な味。好き好きバスマティライス!
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そうそう、過去のフォルダからシンガポール名物・チリクラブの写真が発掘されたので、ついでに紹介しておこう。これまで何回か食べたけど、写真はロバートソンキーの『レッドハウス/小紅楼/Red House』のもの。

↓『レッドハウス/小紅楼/Red House』。
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主役の前に、まずは蒜茸蒸竹节蚌(Steamed Scottish Bamboo Clam with Minced Garlic)。巨大なマテガイのニンニク蒸しだ。むっちりとして甘い。中国在住時に大好きだった料理のひとつだが、こういう立派なマテガイはなかなか食べられないので、嬉しい。

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野菜は、叁岜应菜(サンバルカンコン/Sambal Kang Kong)。インドネシアやマレーシア由来のサンバルという辛味調味料で空心菜(カンコン)を炒めたもので、辛味と甘味の他、カピのような発酵エビ調味料の香りもする。中国本土では見かけない東南アジアな味が面白いが、どの店もペーストの味が濃くて甘めなので、途中で飽きちゃうのが玉に瑕。

↓叁岜应菜(サンバルカンコン/Sambal Kang Kong)。
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そして、いよいよメインのチリクラブ(辣椒螃蟹/Red House Chilli Stew)。直径30cmくらいの大皿にスリランカクラブ(多分)が丸ごと一杯ドドン!そして、とろみがついた鮮やかな朱色のチリソースがたっぷり!1皿5000円近くするだけあって、迫力満点である。

生姜・大蒜・葱・レモングラス・唐辛子を炒めて香りを出し、あらかじめ火を通した蟹を入れて更に炒め、チリソース・トマトケチャップ・鶏ガラスープなど加えて煮込んだら、水溶きコーンスターチでとろみをつけ、溶き卵を垂らして全体を混ぜる、というのが基本的な作り方らしい。

↓チリクラブ(辣椒螃蟹/Red House Chilli Stew)。2人だとこれだけで結構お腹一杯になる。
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この料理が出た以上は、一心不乱に蟹に向かわねばならない。ソースが飛ばぬよう固い殻から身をほじくり出すのに集中力がいるし、普通の蟹料理以上にソースで手がベトベトになるので、一度食べ始めると手をフィンガーボールで洗って他の料理へ戻るのが面倒なのだ。

食べるたびに、あらかじめ厨房で身や蟹ミソをほじくり出してくれりゃいいのにと思う。そう考えてしまうのは、僕がこの料理に夢中になれていないからかもしれない。だって、甘いんだもん。いや、ソース自体の味は「酸っぱ甘辛い」んだけど、ベースがケチャップだからか、どうにもくどくて途中で飽きが来る。

立派な蟹を使ってはいるが、ソースの味が強過ぎて、蟹の味なんて霞んでしまう。最後に余ったソースに揚げ饅頭(炸馒头/Fried Mantou)を浸して食べるのが本場の流儀だそうだが、僕にはトゥーマッチだった。…ということで、今のところ感動できるチリクラブには出会えていない。

↓揚げ饅頭(炸馒头/Fried Mantou)。
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話は今日に戻って、夜行便で自宅に帰り着いた後は、ニョニャ菓子・クエラピスで鉄観音を一杯。シンガポール空港内の菓子屋で買った割りには、なかなか美味しくてご満悦。

↓ココナツオイルともち米を使ったニョニャ菓子には、和菓子ともまた違った繊細な美味しさがある。
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一日しっかり鋭気を養ったので、明日はベルギービールウィークエンド東京へ行くつもりです!


■今日のお店■
『Lantern (Bar) at The Fullerton Bay Hotel』
住所:80 Collyer Quay, Singapore, Singapore
電話:+65 6333 8388
*観光途中に一杯飲んで休憩したいときにオススメ。

『Tandoori Corner』
住所:5 Boon Tat Street | #01-01, Singapore 069613, Singapore
電話:+65 6223 3200
*たまたま入った割には美味しかったけど、わざわざ旅行者がこれ見て行かなくてもいいと思います。

『Red House Seafood Restaurant』
住所:Robertson Quay 60, 238252 Singapore, Singapore, Singapore
電話:+65 6735 7666
*チリクラブの有名店の1つだそうです。中国系の客でにぎわっていて、いい感じ。

『Bengawan Solo』
住所:シンガポールチャンギ空港内
*詳細は、リンク先ご参照。
*ニョニャ菓子は当日消費が基本なので注意。日が経つと香りが悪くなります。



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2012年07月16日

シンガポール6 - 七色のマーライオンに呪われて、ホーカーを彷徨う!

シンガポール5 - プラナカンを追ってカトンへ!初めてのラクサとニョニャ菓子!」の続きです。

夕食へ出かける前に、ホテル近くのビアパブで生ビールをあおった。銘柄は、パウラナー ヘフェ ヴァイスビア(Paulaner Hefe Weissbier)。日本ではマイナーだけど中国ではよく見かけたドイツの白ビールで、爽やかな香りとコクのある酵母の味わいに中国生活を懐かしく思い出した。

↓パウラナー ヘフェ ヴァイスビア。大好き!
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夕食の店を目指してマーライオン公園方面へ向かった僕は、暗くなった空の下に想定外の物体を見つけて、眼を見開いた。なんと、昼に見たときは真っ白だったマーライオンが七色に輝きながら赤いゲロを吐き出しているではないか。しかも、その七色の身体も彼が吐き出すゲロも、数十秒ごとに微妙に配色を変えていくのだ。どうやら、周囲からレーザー光線で色を当てているようだ。

そのおどろおどろしい姿に呆気にとられながらも、僕はシンガポール国民の7割が中華系であることを思い出し、妙に納得していた。この原色バリバリのどぎついカラーリング。何と言うか、根っこのセンスが中国と同じって感じがする。

↓闇夜に浮かぶマリーナ・ベイ・サンズは宇宙船のよう。
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↓飲み過ぎで真っ青になって赤い血ヘドを吐いている!
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↓色が変わった!
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この禍々しい生物を写真に収めたせいで、呪われてしまったのだろうか。シンガポール名物のチリクラブを食べるつもりだったレストランでは、満席で2時間待ちだと言われてガックリ。しかも、辺りをうろつくうちに雨まで降りだした。

「仕方がない。あまり気は進まないが、近場のホーカー(屋台街)で済ませるか」と向かったのは、『マカンストラ・グラトンズ・ベイ/Makansutra Gluttons Bay』。だが、困ったことに食べたいものが全く見当たらない。

僕自身の事情で、「とにかく中華系は避ける。昼食べたインド系もなるべく避ける」と決めていたことが原因の1つだろうが、マレー系のミーゴレンサテにしても、如何にも都会のフードコートで出す安い味という感じの見た目で、どうにもそそられない。

地元のグルメ雑誌「マカンストラ」が選んだ人気店を集めたってのが売りだったけど、それって要はチェーン店の寄せ集めってことだもんなあ。ラー○ン博物館とか餃○スタジアムとかと同じ臭いを感じて、テンションが上がらなかった。

↓12軒の屋台が集まる『マカンストラ・グラトンズ・ベイ』。小奇麗な屋台が並んでいる。↓
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選択肢が増えれば違うかもしれないと、100軒以上の屋台が集まるという『ラオパサ・フェスティバル・マーケット/Lau Pa Sat Festival Market』へタクシーで乗り付けた。ドーム形の大きな建物の中は、大勢の客で賑わっている。しかし、ひと通り屋台を見て回った僕は、やはりうーんと首をひねってしまった。

その理由は、「キレイ過ぎて落ち着かない」「こんなキレイなところで旨いものが出てくるとは思えない」。我ながら、中国生活の後遺症が激し過ぎる(笑)。この種のホーカーの観光客にとっての魅力は、「色々な国の料理が1カ所で味わえるし、清潔だし、英語も通じる!」ということなのだろうけど、そんなに便利だと却って不安になってしまうのだ。

↓『ラオパサ・フェスティバル・マーケット』。地元民もたくさん来ているようだ↓
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大の男が15分も歩き回った挙句、入る店を決められないのだから、恥ずかしい話だ。最初は声をかけてきた屋台の人々も、2周目・3周目になると、「こいつは何をしているんだ」という顔で僕を見つめてくる。その視線に追われるようにして、一度、建物の外に出た。すると、目の前の通りが煙でもうもうと曇っている。目を凝らすと、煙の向こうにはサテ(Satay)を焼くアウトドアの屋台が並んでいた。

とりあえずビールで頭を冷やそうと、サテ屋台の1つに腰を下ろした。何故か当然の如く中国語で語りかけてくるマレー系の店員にサテを1人前注文すると、鶏肉と羊肉のサテが10本ずつくらい盛り合わせになって出てきた。

「多いよ!」と思いつつ、冷えたビールをあおり、香辛料とココナツミルクのタレがたっぷりついたサテをガブリ。旨い!…わけでもなく、すごく普通だ。タレはとても甘く、鶏にしても羊にしても、肉の味は弱い。つまりは、食材の弱さをタレの味で補おうとする、都会の味付けだ。

↓サテ屋台。十軒くらい並んでいる屋台が全てサテを焼いている。違いはあるのだろうか。↓
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↓タイガービールとサテ。この三分の一くらいの量で味見したかった。
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席に座っている僕にやたらと売り込みをかけてきたインド人の店員へ、マトン・ムルタバ(Mutton Murtabak)を頼んでみた。薄く引き伸ばした小麦粉の記事に羊肉のひき肉を挟んで焼いたインド風のお好み焼きだ。

これは、まずまず。羊肉の質はともかく、味付けはそれほど濃くないし、香ばしく焼き上がった生地がなかなか美味しい。サテは「鶏さんと羊さんに心の中でごめんなさい」して、主にムルタバを頬張った。

↓マトン・ムルタバ。カレーがついてくる。
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とりあえず腹が落ちついたせいか、一度くらい中華系の屋台も試してみるかという気になった。改めて屋内の屋台街を見直したところ、福建系や広東系の麺料理が中心で、それにひき肉・唐辛子・辛いソースなどが加わって、シンガポール独自のアレンジが施されている印象だ。

その中の一軒で、魚圓肉脞拌麺(Fishball Minced Meet Noodle)を頼んだ。細めの卵麺に大きな丸い魚丸が2つとカマボコ、豚のひき肉、青菜、刻んだ生の唐辛子がのっている。

↓適当に選んだ一軒。店名不詳。
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↓魚圓肉脞拌麺。
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和え麺にしたのはスープの化学調味料問題を心配したからだが、別のお椀で添えられたスープを飲んで、その選択が正しかったことを知った。但し、この問題から完全に逃れられたわけではなく、和え麺のタレからもぷりぷりの魚丸からも、同じ味をかなり強く感じてしまった。

要は、国を問わず、「チェーン店やフードコートで出て来そうな味」そのもの。嫌な予感は当たるものだな。なんだかんだ腹がふくれてしまったこともあって、別の店を試してみる気にもならず、そのままホテルへ戻った。

ということで、シンガポール自由行動最後の食事は、何とも冴えなかった。もちろん1回の経験でホーカーをどうこう言うつもりはない。きっと美味しい店もあるのだろう。でも、次回のシンガポールではなるべくちゃんとしたレストランに行きたいものだなあとぼやきながら、床に就いた僕なのだった。


■今日の料理■
Satay
Mutton Murtabak
Fishball Minced Meet Noodle

撮影@『ラオパサ・フェスティバル・マーケット/Lau Pa Sat Festival Market』
住所:18 Raffles Quay, Singapore
*営業時間は屋台により異なる模様。



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2012年07月12日

シンガポール5 - プラナカンを追ってカトンへ!初めてのラクサとニョニャ菓子!

シンガポール4 - 昼食は、リトルインディアでブリヤニ・チキンとバナナ・プラタ!」の続きです。

昨夜のニョニャ料理プラナカン文化に興味が湧いたので、午後はプラナカン博物館を訪ねた。女性の服や装飾品、家具や行事など、色々なものに中国と東南アジア・西洋の融合が見て取れて、とても面白い。

中でも興味を惹かれたのは、プラナカン陶磁器。器の形は中華なのに色付けが大胆で、以前、ふじもとさんに教えてもらったときから気になっていたのだ。ベビーピンク・ペパーミントグリーン・クリームイエローなど、派手な色合いなのに、それが嫌らしくない。作られてから百数十年の時を経たものだからかもしれないが、思わず「欲しい…」と唸ってしまった。

↓建物も素敵なプラナカン博物館。
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↓プラナカン陶磁器の数々。
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その思いに突き動かされて、多くのプラナカンが住むというカトン地区へ向かった。かつて貿易で財を成した人々だけに、カトン地区に近づくと、狭いシンガポールには似つかわしくない広大な敷地の豪邸が目立ち始めた。「このあたりは金持ちばかりさ」と、タクシー運転手が言う。

その運転手は、こちらから尋ねもしないのに、カトン地区にあるラクサの美味しい店を教えてくれた。「じゃあ、そこに連れてってよ」と頼み、『328カトンラクサ/328 Katong Laksa/328加東叻沙』という店の前でタクシーを降りた。

福建や広東でよく見かける騎楼(1階の通路部分がアーケードになっている洋風建築)に入った店は、なかなか雰囲気がある。実は超有名なチェーン店で、後日、空港内にも支店があるのを見つけたときには興醒めしたが、まあ、地元のタクシー運転手も通うようなところではあるわけだし、一応、ここが本店だったようだ。

昼のインド料理で腹は膨れていたので、スタンダードなラクサの小を頼んだ(SGD 4≒250円くらいだったかな)。「貝はいるか?」と謎の問いかけをされたので、とりあえず「いる!」。タダでもらえるものはもらっておく主義なのだ。

ガンガンに空調が効いている室内を避けて、騎楼の1階部分にあったアウトドア席に腰を下ろすと、すぐにラクサが運ばれてきた。実は、これが僕にとって初めてのラクサ。期待に胸を躍らせつつ、レンゲでスープをすすった。

↓『328カトンラクサ』の店構え。
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↓スタンダードなラクサ。
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なるほど、一般的に「ココナツミルクベースのカレー味」と言われる通りの味だ。それなりに辛いのに、しっかりと甘さもあるところが面白い。濃厚で、クリーミーで、あとで喉が渇きそうな味ではあるけれど、熱烈なファンがいるのも分かる気がする。魚やエビで取るというダシの他に化調も入っているとは思うけれど、気になるほどではない。

レンゲでスープの中を探ると、真っ白なライスヌードルが姿を表した。切り口が丸く、中太のライスヌードル。米の液を丸い穴から熱湯の中に押し出して作るタイプで、中国では米粉と呼ばれるタイプだ。ラクサには中華麺を使うものと勝手に思い込んでいたのだが、そうでもないのか。もしかすると、つるりとした米粉には中華麺のようにスープがからまないので、スープを濃厚にしてあるのかもしれない。

ここで箸がないことに気付き、店員に持ってきてもらったのだが、さっきネットで調べて、本来ラクサはレンゲだけで食べるものだと知り、愕然とした。そう言われれば、レンゲでも食べやすいよう米粉が短く切られていたような気もする。レンゲだけで食べる理由はなんだろう。「箸で食べるとスープがからまない米粉も、レンゲで食べればスープと米粉を一緒に食べられる」ということかな。

緑色の乾燥ハーブは、タデのようなクセのある香りだ。ラクサリーフと呼ばれるものらしいが、「お前、ラクサにしか必要とされていないのか?」と心配になってしまう名前である。

具は、モヤシの他、エビとイカのように見える白く細長い魚のすり身(Fish Cake)と小指の先ほどの大きさの貝の剥き身(Cockleというらしい。最初に入れるかどうか尋ねられたもの)。それほどクセがある味でもないのに、何故貝だけ入れるかどうか尋ねるのだろう。食あたりを気にする観光客が多いのだろうか。

↓麺は、米粉(ライスヌードル)。
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↓魚のすり身や貝の剥き身が入っている。
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何でも初めての食べ物は、楽しい。満足して席を立った僕は、店のあるEast Coast Roadを西に向かって歩いた。数分も歩かぬうちに、ショーウインドウにプラナカンの食器を飾った店を見つけ、吸い寄せられるように中に入った。

その店・『ルマー・ビビ/Rumah Bebe』は、プラナカン雑貨では有名な店のようで、店内には日本語の紹介記事が張られ、日本人観光客の姿も少なくなかった。それだけに(?)、お目当てのプラナカン食器のお値段は高めで、値引き交渉も受け付けないと言うので、「もっと安い店を見つけてやる!」と一度は店を出たが、他にプラナカン食器を扱う店自体見つけられず、すごすごと店に戻り、蓋碗1つと茶杯2つだけを買い求めた(笑)。

↓鮮やかな色遣いが魅力的。でも、確かこれで3000円くらいした。
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↓プラナカンな街並み。ただ、こういう建物の数は多くない。建物を期待していくと当てが外れるかも。
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『ルマービビ/Rumah Bebe』の隣には、ニョニャ菓子を扱う『キムチュー・クエ・チャン/Kim Choo Kueh Chang/金珠』という店があった。インドネシアで似たものを食べて以来、東南アジアの生菓子がお気に入りの僕。プラナカンの食器以上にビビッドなカラーリングに惹かれて、3種盛り合わせを購入。朝から歩き尽くめで疲れたし、ホテルに戻って、これでも食べよう♪

↓『キムチュー・クエ・チャン』。
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↓日本人の目にはドギツク感じるが、これが当地ではナチュラルカラー。
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ということで、ホテルに帰った僕は、シャワーで汗を流した後、いつも旅先(じゃなくて出張先だった。笑)に持参している茶葉の中から白茶を淹れて、ニョニャ菓子を皿に並べた。鮮やかな緑色がバンダンリーフ由来だということは知っているが、赤や黄色が何の色なのかは知らない。ま、いずれにしろ天然素材でケミカルなものではないので、色を見て敬遠してしまうのはもったいない。
 
↓ホテルで小休止。さっき買った茶器を使いたかったけど、再梱包が面倒なので我慢。
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↓一番左がラピスサガ。他の菓子の名前は知らない。
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甘いものを食べると、疲れが癒えるなあ。ういろうのようにもちもちとして、ココナツの香りがふわり。甘さも上品で、とても美味しい。主原料はもち米だけに腹には貯まるのだが、時間が経つとココナツオイルの香りが悪くなっちゃうんだよな…などと自分自身に言い訳して、ペロリと食べてしまった。

よし、このままちょいと昼寝でもして、涼しくなったらまた出かけるとしよう。


■今日の料理■
Laksa
撮影@『328 Katong Laksa』
住所:53 East Coast Road
電話:+65 9021 2384

ニョニャ菓子
撮影@『Kim Choo Kueh Chang』
住所:109/111 East Coast Road
電話:+65 67412 125



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2012年07月10日

シンガポール4 - 昼食は、リトルインディアでブリヤニ・チキンとバナナ・プラタ!

シンガポール3 - 朝食は、『松發肉骨茶』のシンガポール風バクテー!」からの続きです。

お昼を食べるために、リトル・インディアへ移った。駅を降りるなり、道を行く人の9割が中華系からインド系に変わって、びっくりする。地区が変わるだけで国が変わったかのような「テーマパーク感」が、シンガポールの楽しさなのかな。しかも、それぞれの地区には本物の住民が住んでいるのだから、どんなテーマパークも敵わない臨場感がある。

昼食の目的はフィッシュヘッドカレーだったのだが、当てにしていたフィッシュヘッドカレー発祥の店を訪ねると、昼時なのに閑古鳥が鳴いていて、わずかにいる客は全て東洋系の観光客だったので、興醒めしてしまった。

これなら駅前で見かけた市場食堂の方が面白そうだと取って返し、まずは市場(Tekka Center/テッカ・センター)を見学した。道行く人とは異なり、市場にはインド系・中華系・マレー系の人々が混在していた。鶏肉も牛肉も羊肉も、看板にはHALAL(イスラム系の教えに従って捌いてますよ)マークがあるのが、それっぽい。

そういうところに面白さを感じつつも、僕の心は躍らなかった。それは食材があまり美味しそうじゃなかったから。海がすぐそこにある割には海鮮の鮮度はイマイチに見えたし、牛肉や羊肉は冷凍物が目立ったし、鶏だって捌いて毛抜きしたものしか売ってないし。

ま、水すらお隣のマレーシアから輸入していて、食料自給率が1割未満と言われる国だもんなあ。それなら仕方ないかと思いつつも、こういう鶏で作る海南チキンライスがそんなに美味しくなるものかねと、意地悪なことを考えてしまった。

↓リトル・インディア駅前。いきなりインド系の人々ばかりになる。
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↓スリ・ビーラマカリアマン寺院。
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↓派手なヒンズーの神々。
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↓市場の中。                       ↓羊肉売り場の前には、マレー系。
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↓活きた鶏がいない鶏肉売り場なんて・・・。      ↓魚介類は全て中華系が扱っていた。
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↓今ひとつそそられない海鮮の数々。        ↓サメはどうやって食べるのかな。
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市場見学を早々に切り上げて、市場に併設された屋台街へ戻った。インド系に限らず、中華系・マレー系の屋台がずらりと並んでいる。これがいわゆるホーカーってやつか。とりあえず飲み物売り場で冷えたタイガービールをゲットし、インド系の客が殺到していた『Allauddin's Biryani(アラジンズ・ブリヤニ)』を試してみることにした。

ブリヤニとはスパイスの効いたインド風ピラフで、具をチキン・マトン・フィッシュから選ぶ。正直、さっきの市場で見た捌き済みの鶏肉・冷凍の羊肉・目の淀んだ魚などが頭に浮かんでしまって困ったが、一番スタンダードっぽかったブリヤニ・チキン(Biryani Chicken)を頼んだ。

値段はSGD4〜5(300円くらい)で、ブリヤニの他、ダルチャ(Dalcha/豆カレー)とズッキーニのアチャール(Achar/漬物)煮玉子が付いてきた。

↓ブリヤニ・チキン。
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↓『Allauddin's Biryani(アラジンズ・ブリヤニ)』。  ↓ダルチャ。
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↓ズッキーニ(西胡蘆?)のアチャール。        ↓煮玉子。これは追加料金がかかったかも。
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↓ブリヤニの下に骨付き鶏肉が潜んでいる。
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冷房のない中、冷えたタイガービールがやたらと旨い。喉を潤してから、ブリヤニを頬張る。思ったよりスパイスの効かせ具合は控えめで、あっさりとした味だ。久々のバスマティライスが嬉しい。パラパラして香りが良く、やっぱりエスニック料理との相性は抜群だ。

鶏肉は、ホロホロ。実に柔らかく、スパイスの味がよく染みている。でも、やっぱり肉質は普通かな。肉は何でも柔らかけりゃ最高って価値観が日本では横行している気がするんだけど、肉はやっぱ香りと味と歯応えだぜ。煮玉子も、玉子自体の味が弱く感じてしまった。

でもまあ、所詮はファーストフードと考えれば、これが気軽に外食出来る食環境ってのは羨ましい。シンガポールの物価をよく知らんけど、例えば日本で倍の値段(600円)を出して何を食べられるかと考えると、悲しくなるものね。

うにゃうにゃ考えつつも、あっという間に食べ終えて、ごちそうさま。余ったビールを飲みながら再び屋台街を歩き回り、デザートを見つくろうことにした。目を付けたのは、これまた多くの客が群がっていた『Ar-Rahman Royal Prata(アルラウマン・ロイヤル・プラタ)』

鉄板の前に立つのは、いぶし銀という言葉がぴったりのインド系のお爺ちゃん。鉄板の上で生地を伸ばし、クルッと回す…という作業を素早く繰り返している。生地は、お爺ちゃんが回すたびに遠心力で薄く丸く伸びていく。それを眺めているうちに、中国でプラタが「印度飛餅」と呼ばれていたことを思い出した。確かに空を飛んでいる。

生地がある程度の大きさになったら、スライスしたバナナをのせて、じっくり焼いていく。そう、僕が頼んだのはバナナ・プラタ(Banana Prata)だ。腹にたまることは分かり切っているが、熱を加えたバナナの香りと甘さって、たまに無性に旨そうに思えちゃうのよね。それに生地の香ばしさも加わって、なかなか美味しい。

↓『Ar-Rahman Royal Prata(アルラウマン・ロイヤル・プラタ)』。
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↓バナナ・プラタ。
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しかし、甘いプラタにもカレーが付いてくるとは知らなかった。しょっぱいプラタをカレーにつけて食べるのは知っていたけど、甘いのにもつけるのかな。だとすると、地元民にとっては、バナナ・プラタもデザートじゃないのかもしれない。

ところで、この記事を書くに当たってネット検索をしたところ、2店とも結構な有名店だったようだ。自分の勘で選んだつもりでも、結果はガイドブックを見て行くのと同じだったってのは少し悲しいけれど、ま、選んでいるときは楽しかったから良しとするか。で、フィッシュヘッドカレーは次回の課題としよう。


■今日の料理■
Biryani Chicken
撮影@『Allauddin's Biryani』
住所:#01-232 Tekka Center, Blk 665 Buffalo Road, Singapore

Banana Prata
撮影@『Ar-Rahman Royal Prata』
住所:#01-247/248 Tekka Center, Blk 665 Buffalo Road, Singapore



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2012年07月06日

シンガポール3 - 朝食は、『松發肉骨茶』のシンガポール風バクテー!

シンガポール2 - お約束!ラッフルズホテルのシンガポールスリング!」からの続きです。

翌日はよく晴れたので、ホテルの朝食を無視して、外へ飛び出した。マリーナベイサンズを遠くに望みつつエスプラネード橋を渡り、マーライオンパークやフラトンなど、お決まりのスポットを巡る。午前中の日差しはまだそれほど強くなく、海からの風を浴びながらの散歩が気持ちいい。

誰が言ったか、世界三大ガッカリ名所の1つとされるマーライオンは、2002年に見栄えのする場所に移転したせいか、少なくともかつて見たベルギーの小便小僧よりは存在感があった。白酒の一気大会をハシゴしてもこうはなるまいという、見事な吐きっぷりが素晴らしい。

↓エスプラネード橋からフラトンと高層ビル群を望む。
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↓マリーナベイサンズ。地震がない国の建築物って、なんだかこう、自由だな。
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↓マーライオン。それだけ吐ければ気持ちよかろう。
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↓マーライオンの後ろにはミニマーライオンが。   ↓何だか目付きがいやらしいミニマーライオン。
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昨夜、豪華なニョニャ料理を食べたので、今日はローカルフードを攻めることにした。しかし、さすがは多民族国家のシンガポールだけあって、さらっとガイドブックを見るだけでも、中華系・マレー系・インド系などなど様々なローカルフードが紹介されていて、悩ましい。

とりあえず、中華系はパスしよう。でも、朝食からラクサやフィッシュヘッドカレーってのもヘビーだから、昼以降にしよう。そんなことを考えて、朝食にはバクテー(肉骨茶)を食べることにした。

バクテーだって福建系の移民が考案したものだから中華系ではあるけれど、中国本土じゃ完全にシンガポール・マレーシア料理扱いで、似たものが食べられているわけじゃない(福建にはあるのかな?)。ほとんど同じものが中国本土にもある海南チキンライスやその他粥麺類に比べると、「ご当地ならでは」感が強いように思われたのだ。それに、酒が進まないスープ料理だから、朝食にぴったり(笑)。
 
対岸のボートキーを眺めながらシンガポール川沿いを歩き、コールマン橋を渡ったところに目的の店『松發肉骨茶』はあった。洋風建築にオープンカフェ風の造りだが、看板は漢字。なんだか、シンガポールだな。清潔な店内と綺麗な写真付きのメニューを見ると、中国の小汚い店に慣れた僕なんぞはチェーン店かと思ってしまうが、そうではないそうだ。

客層は完全に中華系で、客も店員も中国語(普通話)で会話している。僕に話しかけてくるときも、やはり中国語。一瞬も日本人と思われていない証拠なのに、英語で話しかけられるよりホッとしている自分が悲しい(笑)。

豊富なサイドメニューでビールをあおっている客が少々羨ましかったが、僕にはこの後食べたいものが色々ある。初志を貫徹し、スタンダードなバクテーご飯だけをストイックに頼んだ。

↓カフェバーやレストランが立ち並ぶボート・キー。別の日に取引先の人と飲みに行った。↓
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↓窓枠がキレイな情報通信芸術省。        ↓UFOのような最高裁判所。
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↓『松發肉骨茶』の店構え。
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↓バクテー(SGD 6=380円)。ご飯は、SGD 0.4(25円)。
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シンガポールのバクテーは、ニンニクと胡椒を効かせた薄い色のスープが特徴。
マレーシアのバクテーは、香辛料を多用し、甘めの醤油で煮込んだ黒いスープが特徴。
そういう違いをどこかで聞いたことがある。

それが事実なら、この店のバクテーは正調・シンガポール風と言えそうだ。薄い色のスープは、八角や肉桂よりもニンニクの風味が豊かで、胡椒がしっかり効いている。とは言っても、濃過ぎやり過ぎの感じはなく、全体のバランスは取れていて、むしろ後味の印象はすっきりしている。豚のダシの旨味も上品で、正直、もっと化学調味料に依存した味を想像していたが、普通に美味しい。

僕がこれまで食べたバクテーはマレーシア系ばかりだったので、新鮮な気持ちでスープをすすった。マレーシア系のものより、バクテーと言う料理の成り立ちから来るイメージに寄り添う味に感じられた。その成り立ちとは、貧しい苦力(港湾労働者)が肉をこそぎ取った余りの骨を利用して作った、というもの。ニンニクと胡椒をしっかり効かせる味付けは、如何にもスタミナ命の苦力に受けそうだ。

当時苦力が食べていたであろうものより遥かに肉付きが良いスペアリブを手で持ち、齧る。柔らかく煮込まれて、なかなか美味しい。スープに唐辛子と醤油をほんの少し足して、味を微妙に変えながら飲み進み、途中からご飯にぶっかけてガツガツ。うん、清く正しいローカルフードだ。

↓別アングルからもう1枚。
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スープとご飯を食べ尽くすと、器の底から赤い鶏が姿をあらわした。お、公鶏碗だ!詳しい由来は僕も知らないが、鶏が食卓にのぼることが少なかった時代、せめて器にだけでも鶏をって発想で生まれた図案だそうだ。起源は香港だそうだが、これまでタイやベトナムでも似た図柄を見かけたことがある。逆に、中国本土ではあまり見たことがないので、香港起源説はきっと正しいのだろう。

因みに、同じ発想で青い魚が書かれた鯉魚碗というのもあって、どちらもいい加減な筆致が却ってかわいい。我が家にも、香港で買ったものが何セットかあります。

↓これが、公鶏碗。レンゲや平皿もある。        ↓お行儀悪いけど、内側はこんな感じ。
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話が逸れたが、ともあれ、なかなかの満足感を得て、店をあとにした。熱々のバクテーを食べたお陰で、再び太陽の下に出ると身体の中から汗が噴き出してきたが、それが意外に心地いい。正に中医の言うところの「以熱治熱(熱を以て熱を制す)」というやつで、本当に暑い所に住んでいる人たちは、さすがに暑さとの付き合い方をよく知っている。

ま、そのくせ、室内を冷蔵庫並に冷やす理由はよく分からないけれど(笑)。
 
 
■今日の料理■
肉骨茶 Pork Ribs Soup
米飯 Plain Rice

撮影@『松發肉骨茶/Song Fa Bak Kut Teh』
住所:11 New Bridge Rd Singapore 059383
電話:+65 6438 2858



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2012年07月05日

シンガポール2 - お約束!ラッフルズホテルのシンガポールスリング!

シンガポール1 - 初めての食事は、『True Blue』のニョニャ料理!」からの続きです。

ニョニャ料理でふくれた腹をさすりながら、夜のシンガポールを歩く。
次にすることは、既に決めていた。それは即ち・・・

「ラッフルズホテルで、シンガポールスリングを飲む!」

1915年、ラッフルズホテルのロングバーで考案されたとされるシンガポールスリング
甘めのロングカクテルだから、普段、バーで注文することはほとんどないけれど、
せっかくシンガポールまで来た以上は、一度くらい試しておかないとな。

・・・ま、我ながら、泣く子も黙るベタな行動である。

↓白亜の威容を誇るラッフルズホテル シンガポール。この写真も翌日の日中に撮ったもの。
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↓中庭を見物しながら、バーへ向かう。
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『ロングバー(Long Bar)』は、僕と同じように考えたらしい観光客で、大盛況だった。
その名の通り店内は細長く、入り口から長く太いカウンターがビッと伸びている。

店内のコンセプトは、「20世紀初頭のマレーシアのゴム農園の建物」だそうだ。
ゴム農園の建物に対するイメージなんてさっぱり持ち合わせていないし、
よく分からんコンセプトだとは思うが、植民地時代を髣髴とさせるレトロな造りではある。

面白かったのは、天井に一定間隔で並んでいた棕櫚のうちわ。
電気制御でバタバタと動いていて、レトロなんだか、無粋なんだか。
まあ、冷房がやたらと強過ぎるシンガポールにあっては、その貧弱な冷却力がありがたい。

タイル敷きの床には、一面にピーナツの殻が散らばっている。
カウンターや各テーブルには、木箱に盛られたピーナツがサービスで置かれていて、
その殻を床に投げ捨てるのが「ロングバーの流儀」なのだとガイドブックに書いてあった。

喰い散らかしたものをテーブルの下に捨てるのはアジアではありふれた習慣で、
流儀だなんだと持ち上げるようなものでもないような気がするが、
老舗の高級ホテルが敢えてそういう習慣を許しているところが面白いのかもしれない。
道端でゴミを捨てるだけで罰金を取られる管理社会へのささやかな反発なのだろうか?

↓食べ放題のピーナツ。年季の入った木箱がかっこいい。
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カウンターの内側には、インド系のバーテンダーが数名。皆、髭を蓄えていて、ゴツイ。
早速、シンガポールスリングを頼むと、1分もしないうちに運ばれてきた。

その速さに驚きながら、まずはひと口。

・・・甘い。

・・・甘いとしか言いようがない。なんかこう、シロップ的な甘さだ。
少なくとも、日本で飲んだことのあるシンガポールスリングより、遥かに甘い。

それもそのはず、今、世界に広まっているシンガポールスリングは、
オリジナルのレシピがロンドンのバーでシンプルにアレンジされたものだそうだ。

<一般的なシンガポールスリング>
ドライジン 45 ml
チェリー・ブランデー 15 ml
レモン・ジュース 20 ml
砂糖 1 tsp
ソーダ水
飾り - マラスキーノ・チェリー

<ラッフルズのシンガポールスリング>
ドライ・ジン(ビーフィーターのもの) 30 ml
チェリー・ブランデー(チェリー・ヒーリング)15 ml
パイナップルジュース 120 ml
ライム・ジュース 15 ml
コアントロー(ホワイト・キュラソー) 7.5 ml
ベネディクティン 7.5 ml
グレナデン・シロップ 10 ml
アンゴスチュラ・ビターズ 1 Dash
飾り - パイナップルのスライスにチェリーを竹のピンで刺し、オリジナルグラスのふちに飾る。

↓ラッフルズのシンガポールスリング。
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・・・うん、そりゃあ甘くなるわな。

わずか1分で出てきた理由は、バーテンダーの動きを観察したら分かった。
ここのシンガポールスリングは、十数杯分をまとめて作っているのだ。

必要な酒やシロップをブレンドした「シンガポールスリングの素」みたいなものがあって、
それとジュースを大きな容器に注いだ後、機械でシェイクするだけ。
で、注文が入ったら、容器からグラスに注ぎ、パイナップルを添えて出来上がり。

・・・これで一杯SGD 27(1700円)とは、ボロイ商売だなあ。
因みに、例の「素」は「シンガポールスリング・プレミックス」という名前で外売りもしていて、
6杯分でSGD 45(2800円)。これもボロイ商売だなあ。

世界中からやって来る観光客が、ほとんどシンガポールスリングだけを飲んで帰っていくバー。
果たして、このバーに「常連客」ってものはいるんだろうか。

ラッフルズ側も二度来ることは期待してないからこその値段設定なんだろうし、
それでも客はやって来るわけだから、「ブランドの力、恐るべし!」ってやつだけど、
とてもじゃないが、「他のカクテルも試してみようか」という気にはならなかった。

・・・とまあ、こんな文句も飲んでみなければ言えないわけで、
それなりに楽しんで『ロングバー(Long Bar)』を後にした僕なのだけれど、
それこそラッフルズの思う壺ってやつか。


■今日のカクテル■
Singapore Sling
撮影@『Long Bar』@Raffles Hotel Singapore
住所:1 Beach Road,Singapore 189673
電話:+65 6337-1886



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2012年07月03日

シンガポール1 - 初めての食事は、『True Blue』のニョニャ料理!

3月に出張で訪ねたシンガポールについて、簡単に書きたい。
中国各地を出張した後、広州からそのままシンガポールへ飛んだのだ。
時系列としては、↓の記事の直後になる。

<出張中とも思えぬ食べっぷり>
半年振りの帰還!古巣の広州で喰らう懐かしの美味!

実は僕、このときが初めてのシンガポール。
週末に移動したので、土曜の夜と日曜の丸一日がフリーになったのは幸運だった。

最初の夕食に、何を食べるかはかなり悩んだ。人口の76%が中華系なのだから、中華料理は本格的なのだろうが、中国に5年住み、このときだって中国からやってきた僕が、敢えてシンガポールで中華料理を食べる理由は見当たらない。

シンガポール経験者からは、1人での食事ならホーカーと呼ばれるフードコートが安くて便利で旨いと教わったものの、「所詮はフードコートの味だろうしなあ、夕食にはもうちょっとまともなものが食べないなあ」とイマイチ気乗りしなかった。

どうせならシンガポールでしか食べられないものを…と考えた僕は、プラナカンが生んだニョニャ料理に挑戦することにした。

「プラナカン」とはマレー語で「ここで生まれた者」を意味し、世界各国からマレーシアやシンガポールにやってきた移民と現地のマレー人女性の子孫のことを指す。

その中でも、15世紀後半から20世紀初頭までに移住してきた華人男性とマレー人女性の子孫である中華系プラナカンを「ババニョニャ(ババは男性、ニョニャは女性の意味)」と呼び、貿易で富み栄えた彼らは、中国やマレーの文化とヨーロッパの文化をミックスさせた独自の生活スタイルを築いた。

当然、その独自の生活スタイルは食生活にも及ぶ訳で、男系の中華料理と女系のマレーシア料理が融合したものが、彼らにとってのおふくろの味・ニョニャ料理らしい。以上、ガイドブックの受け売り(笑)。

熱帯のシンガポールは、3月でも蒸し暑い。ホテルから夕暮れの街を20分ほど歩き、目的の店『True Blue』に着いたときは、背中がじっとりと汗ばんでいた。ニョニャ料理の専門店だけあって、建物も見事なプラナカンスタイルだ。

↓『True Blue』の店構え。この写真は、翌日の日中に撮ったもの ↓
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アジアでは、まともなレストランに一人客は珍しい。最初は店員に怪訝な顔をされたが、事前に電話で予約をしておいたことを告げると、笑顔で奥に通してくれた。本物のプラナカンの家もこんな感じなのかなと思わせるレトロな店内は、薄暗い照明で照らされて、落ち着いた雰囲気だ。

客層は、観光客と懐に余裕のありそうな地元民らしきが4:6といったところだ。店員は全員中華系(それこそプラナカンなのかもしれない)で、親切な男性店員のアドバイスを聞いて、注文を固めた。英語と中国語が併記された品書きの中国語ばかり見てしまう自分が悲しい(笑)。

角の目立たない席だったので料理の写真も撮影してみたが、暗かったので写りは冴えない。

まずは、お通しの海老せん(蝦餅/Prawn Crackers)をつまみながら、タイガービールの生をぐいーっ。サクッとした海老せんは市販のものと違って控えめの味付けで、海老の風味も豊か。このあとの料理の為に控えめにしておこうと思いつつも、手が伸びてしまう。

↓タイガービールと海老せん(蝦餅/Prawn Crackers)。
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上の写真の手前に写っている小皿は、別途注文したチンチャロ(真佳露・蝦醤/Cincalok)。中国語名で蝦醤と書いてあったので、中国の蝦醤、ベトナムのマムトム、タイのカピのような、エビの原型を留めないものを想像していたが、実態はアミの塩辛に似ていた。

「すっごい辛いよ。クセがあるよ」と店員に念押しされた一品で、確かに辛くて独特の香りがあるが、これをつけて海老せんを食べるとビールが何杯あっても足りないくらいだ。

お次は、バナナの花のサラダ(香蕉花酸菜/Kerabu Jantong Pisang)。Kerabu=サラダ、Jantong Pisang=バナナの花ということらしい。

↓バナナの花のサラダ(香蕉花酸菜/Kerabu Jantong Pisang)
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これが、見た目に反して、かなり辛い。一方で、甘さも立っている。そこにヨーグルトっぽい白いソースや一緒に和えられたスターフルーツの酸味が加わって、全体としては辛くて甘くて酸っぱいという不思議な味。実のところ、バナナの花よりスターフルーツの存在感の方が強かったのだが、これはこれで美味しかった。

店員のオススメに従ったのが、ミンチの湯葉巻き揚げ(五香/Ngoh Hiang)。中国語名の五香から分かるように、五香粉で味付けた豚と海老のミンチを湯葉で巻いて揚げてある。いくらでも下世話に作れそうな料理ではあるが、この店の味付けはあくまで上品。美味しい。

原型は、福建省の炸五香だろうな。昔、アモイで食べたことがある。

<アモイで食べた炸五香>
アモイ9 - まるで小吃デパート!「呉再添」の多彩な小吃。

↓ミンチの湯葉巻き揚げ(五香/Ngoh Hiang)。
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メインは、鶏肉とブラックナッツの煮込み(黒果鶏/Ayam Buah Keluak)。店員のイチオシで、僕も食べてみたいと思っていた料理だ。青磁の壺で供されて、なかなか雰囲気がある。たっぷり入っているのも嬉しい。

↓青磁の壺で供される鶏肉とブラックナッツの煮込み(黒果鶏/Ayam Buah Keluak)。
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簡単に言うと、その実態は薬膳チキンカレーだ。別途注文した蒸しご飯(白飯/Steamed Rice)の皿に、ホロホロに煮込まれた骨付き鶏肉のカタマリを移し、真っ黒なソースをかけ回して食べる。

ブラックナッツ(Buah Keluak)の実は、元々インドネシアで食べられていたものを、プラナカンが自分たちの料理に採り入れたもので、マレー半島の人は今も手を付けないらしい。3日以上水に漬けて毒抜きし、様々なスパイスと共に煮込まれたスープは、複雑な香りはもちろん、程よく苦味の効いた深みのある味わいで、とても美味しい。

「実の中身を掘り出して、ご飯やスープと混ぜて食べるんだ」と店員に教えられてやってみたところ、これがまた旨い!不思議なことに、どこかズワイガニのカニ味噌を思わせる味で、ただでさえ濃厚な真っ黒スープに、一段とコクが加わる。

↓カレーのように食べる。鶏肉はフォークで触れるだけで骨が外れるほど柔らかい。
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↓これがブラックナッツ。ペースト状の実は、カニ味噌の味!
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知らないものを食べるのは、楽しい。それが美味しければ、もっと楽しい。気を良くして追加したデザートは、オンデオンデ・ドリアン(Onde Onde Durian)だ。

オンデオンデは、もち米にタピオカ粉を混ぜて作るニョニャの伝統菓子。普通はバンダンの葉で緑色に染めたものが多いようだが、この店のオンデオンデはオレンジ色で(何で色をつけてあるんだろう?)、その上にかなり熟成したドリアンがのせられていた。

↓オンデオンデ・ドリアン(Onde Onde Durian)。
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臭い!旨い!大好き!

広州在住時代はタイから輸入されたドリアンを安く食べられたのだが、日本に帰国してからすっかりご無沙汰だったもんなあ。久々のドリアン熱を冷ますには、これくらい臭いやつで丁度いい。そのねっちょりと強烈な味わいが、むっちりとしたオンデオンデによく合う。


因みに、ドリアンを食べるときに飲酒すると死ぬという俗説は迷信だそうだ。僕だって、何度も実践しているがまだ生きている。ただ、腹の中で特殊な発酵ガスでも出るのか、何だか妙に腹がふくれる気がするのも、事実。このあと、すさまじい満腹感に襲われた。

食後に、リュウガンとナツメのお茶(龍眼紅棗茶/Longan&Red Dates Tea)をゆっくり飲んで、ごちそうさま。1人でSGD 98(約6000円)というお勘定はかなり高額の部類だし、それこそホーカーでの食事の10倍くらいするが、一食の価値を充分に感じて、店を後にすることができた。


■今日の料理■
Tiger Beer
Prawn Crackers
Cincalok
Kerabu Jantong Pisang
Ngoh Hiang
Ayam Buah Keluak
Steamed Rice
Onde Onde Durian
Longan&Red Dates Tea

撮影@『True Blue』
住所:47/49 Armenian Street, Singapore 179937
電話:64400449/64404549
*1人でSGD 98(約6000円)。



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酒徒 at 12:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!