上海・浙江・江蘇菜

2018年10月15日

食遊上海512『盛運餐廰』 - 悩みに悩んでローカル上海料理店。

食友のYさんと久々に飲むことになった。どこか新規開拓をしようと言い合ったものの、全然開拓先が決まらない。

というのも、上海で他地域の中華料理を食べようとすると、選択肢はチェーン店ばかり。かといって、上海料理のローカル店は甘過ぎる可能性が高くて、乗り気になれないのだ。Yさんも同じ考えだったようで、会の前日になっても、これという案が出なかった。

結局、僕らが向かったのは寧波路のローカル上海料理店『盛運餐廰』。数年前にふらっと試した時の印象が悪くはなかったので、改めて試すことにしたのだ(→過去記事)。

店内は、相変わらず地元民らしき客でにぎわっている。老板娘(女将さん)も、相変わらず元気一杯。気さくなマシンガントークで、あれが旨いこれが旨いと勧めてくる。それをそのまま頼むのもつまらないので、あれはないのかこれはないのかと聞き返したりして、注文を固めた。

「この老板娘は面白いですね(笑)。圧倒されました」とYさん。
「古き良き個人経営店の女将さんって感じですよね」

料理は以下の通り。改めて品書きを見たところ、上海料理に加えて寧波料理っぽいものも多かったので、店主はそちらの出身なのかもしれない。

糟門腔。門腔は上海話で豚タンのことで、茹でた豚タンを糟鹵という酒粕ベースの漬け汁で味付けたもの。見たまんまの酒の肴。夏でも箸が進む、あっさりした一品。

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風鵞芋艿煲。ガチョウの塩漬け干しと里芋の土鍋煮込みだ。ガチョウの旨味を里芋に吸わせるのがポイント。

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銀蚶。小ぶりの赤貝みたいな二枚貝を紹興酒ベースの汁に漬け込んで生食する酒肴。かなり強い磯の香りがあって、それを楽しめるかどうかで好みが分かれる。

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正直、僕はまだこの料理の魅力が分かっていない。単に鮮度の悪い貝の匂いではないかと思ってしまう。もっと海沿いの街で食べたら、違うのだろうか。Yさんも「これはすごいですね…」と、言葉少なだった。

紅焼米魚。米魚はニベのこと。その醤油煮込みだ。思ったより甘くなく、美味しく食べられた。

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清炒小青菜。チンゲン菜の炒め物。わざわざ外で頼む料理じゃないんだけど、野菜補給。

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酒は、紹興酒。

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「ま、こんなもんですかね」
「そうですね。老板娘も店の雰囲気も面白かったです」

淡々とお会計。地元民に愛される良いお店であることは間違いない。が、僕らにとっては、特に料理に感動はなかった。ま、好みの問題だろう。

二次会は久々にジャズバー。音楽に詳しいYさんに、今夜の音楽はクロスオーバーだなどと解説してもらいつつ、ピルスナー・ウルケルをグビグビ!このジョッキ、欲しいなあ。

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Yさんと深夜まで大いに語り、解散。


<2018年8月> ■店舗情報■



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2018年08月06日

食遊上海503『老正興菜館』 - 久々の老舗上海料理店で淡々と食事。

中国も上海も初めてという出張者を迎え、上海料理を食べに行くことにした。店は、位置的に便利だったこともあって、上海料理の老舗『老正興菜館』(→過去記事)。会社が近くに会った頃はちょくちょく使っていたが、しばらくご無沙汰していた。

値段や品書き構成は以前と変わらなかった。どの料理も若干サイズダウンした気はするが、どんどん物価が上がっている上海で、ミシュランの星をもらった店にしては、好感のもてる方針だ。

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ただ、前菜に化調がたくさん入っているのは昔からの話として、入れるなと頼んだ炒菜にもしっかり入っていた。その点を多めに見ても、なんだか特別感のない食後感だった。もう少し美味しい印象だったのだが。(ってことで、料理名の記載も割愛)

サービスも、昔の国営時代そのままの雑なクオリティ。僕はそれを懐かしんで楽しめるからいいけれど、この店に一つ星を与えたミシュランの基準は本当に謎だなあ。普通に初上海の観光客が来たら、面喰らうと思うぞ(笑)

さて、この日は、ロシアW杯の日本初戦の日。サッカーへの熱意溢れる後輩に付き合って、二次会は近くのアイリッシュバーで十数年振りのサッカー観戦をした。

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試合時間の9割は酒を飲んでヒマを潰すしかないスポーツだよね…などと言って乾杯したこの直後にあのレッドカード。4杯目くらいに2点目。期待以上に楽しく飲めました。


<2018年6月> ■店舗情報■



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2018年07月10日

食遊上海502『聚紅尚』 - ザリガニ通り・寿寧路壊滅!だが、ザリガニ屋は健在!

夏が来たらザリガニを食べよう!ということで、後輩二人と小龍蝦(ザリガニ)の宴を催すことにした。

向かったのは、上海一のザリガニストリート・寿寧路だ。ところが、着いてびっくり。往時は200mほどの路地の両側にザリガニ屋のネオンがひしめいていたのだが、この日はご覧の通り。

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あとで調べたところ、今年3月に強制立ち退きが執行されたのだそうだ。ほぼ全ての店が営業許可証を持っていなかったので、強制閉店させられたらしい。

営業許可証を持ってない方が悪いんじゃないのと思うかもしれないが、そんなのは中国のローカル店ではよくあることで、行政の方もこれまでずーっと見て見ぬふりをしてきたのだ。だが、いざ再開発など立ち退きが必要な話が出ると、営業許可証のことを問題にして、店に退去を迫っていく。

こういう流れは、今、上海のあちこちで見られる。こうやって、上海はどんどん綺麗でつまらない街になっていくわけだ。

というようなことをTwitterで書いたら、上海人と思しき人から、「あんな汚いとこ、なくなって何が悪いんだ」というコメントをもらった。まあ、彼らがそう思うのは分かる。人は誰しも失ってからしばらく経ったあと、自分が壊したものを懐かしがりはじめるのだ。

そんな話はさておき、ザリガニだ。退去した店のいくつかには入り口に貼り紙がしてあって、移転先の場所が記されていた。どこも寿寧路から歩いてすぐのところだ。このあたりは、みなたくましいな。

その中の一軒、『聚紅尚』へ入ることにした。店は新開発された小奇麗な建物の中にあった。今度はさすがに営業許可証を取っているのだろうか。

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日本だとゲテモノ扱いされるザリガニも、上海では極一般的な食材だ。店内は主に若者客でにぎわっていて、女性の方が男性より多かったくらいだ。

ザリガニ専門店は、どこも五、六種類の味付けを用意している。この店もそう。皆で合議した結果、香巴島(一番人気。定番の麻辣味)、塩水(塩水で茹でるだけ)、咸蛋黄(アヒルの塩漬け卵と炒め合わせる)の3種類を2斤(1キロ)ずつもらうことにした。1人当たり1キロの勘定になるが、半分以上は殻の重さなので、別に無茶な量ではない。

「さあ喰うぞ!」
「これだけドサッと盛られると、テンション上がりますね!」

↓香巴島。麻辣味といっても、上海なのでマイルド。
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↓塩水。僕はこれが好き。
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↓でろーん。
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↓咸蛋黄。僕にはToo Muchに思えたが、若者受けは良かった。
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↓むっちょり。
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ぶっちゃけ味付けは下世話だし、手間の割に食べるとこ少ないので面倒だ。また、ザリガニ専門店はどこもサイドメニューが絶望的に不味い。だが、ベトベトのビニール手袋でプラスチックコップのビールを乾杯するうちに細かいことは気にならなくなる。

なんだかんだ言って年に一回はこうやってザリガニを食べないと上海の夏を迎えた気がしないので、バカ話をしながらわいわい飲み食いをして、それなりに満足した。

二次会は、いつもの『Jacky’s beernest』が臨時休業していたので新天地の近くで見つけたビールパブに入ってみた。国内外の瓶ビールを豊富に揃える流行のスタイルだ。

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『啤酒阿姨』(→過去記事)を嚆矢として、上海では瓶ビールの豊富な品揃えを売りとするビールパブがどんどん増えている。ビールと輸入スナック菓子でも並べておけば体裁は整うし、少ない店員で回せるし、参入障壁が低いのだろう。でも、並べたビールにきちんと付加価値を付けて売れている店は少ないと思う。

この店にしても、泥酔した常連たちがくだを巻き、店員はそれを見て見ぬふり。一見の僕らは大変居心地が悪く、ある意味ジャッキーの素晴らしさを改めて知る夜となった。


<2018年5月> ■店舗情報■



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2018年06月29日

食遊上海500『上海老站』 - 毎回頼む迫力のスペシャリテ!上海ダック・八宝鴨!

2015年7月、2度目の上海駐在を切っ掛けに始めた「食遊上海」も今回で500回を迎えた。自分でも「ようやるなあ」という気がするが、これもひとつの通過点として、今後も時間が許す限り書き続けていくつもりだ。

さて、記念すべき500回目は、ちょうど上海料理の回となった。

とはいえ、最近、上海料理店の新規開拓をすっかりサボっている。それどころか、外食で上海料理店に行くことすら少ない。だから、急に上海初心者の出張者二人を迎えることになった僕は、既存の脳内ラインナップから会場を見繕った。

脳内検索にヒットしたのは、『上海老站』(→過去記事)。2007年に上海駐在していたときから使っている店だから、もう長い付き合いだ。

旧フランス人修道院を改装した豪壮な店構え。中庭に置かれた客車は西太后が実際に乗車したもので、その中で食事をすることもできる…といった感じのハッタリが効いていて、旅行者・出張者には打ってつけのレストランである。

料理も、ベタな上海料理がひと通り揃っていて、甘過ぎない味付けで出してくれるので、安心感がある。旧租界時代の遺産を使ったこの種の店は、上海市内にいくつもあるが、そういう店の中ではお値段がお手頃なところも、使いやすい。

コックが変わったのか、料理の盛り付けと店内の照明がややきゃぴっとした方向に変わっており、変な画像加工をほどこしたかのような写真になってしまったが、味は変わっていなくてホッとした。

狙い通り、出張者二人の受けは大変よかったことも、書き添えておこう。

↓糖醋排骨。スペアリブの甘酢揚げ。永遠の定番。
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↓酔鶏。よっぱらい鶏。これまた定番。
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↓涼拌双筍。筍と萵筍(茎レタス)の和え物。箸休め。
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↓薺菜百叶巻。刻んだナズナの押し豆腐巻き。なんだこの盛り付けは・・・。
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↓油燜春筍。筍の甘辛炒め煮。これまたオサレな盛り付け。
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↓黄魚…イシモチのなんたらスープ。忘れた。
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↓これも何やらオサレな名前が付いていたが、セロリと百合根と銀杏の炒め物。
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この日の主菜は、八宝鴨。丸ごと一羽のアヒルの腹にもち米や竹の子、蓮の実、椎茸など様々な具を詰め込み、数時間かけて蒸し上げたド迫力の一皿だ。飴色に輝く肉は驚くほど柔らかく、肉の旨味を吸い込んでむっちょりとした甘辛醤油味のもち米とのコラボは悩殺ものである。

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昔からの大好物で、今どきこんな面倒くさい料理を出してくれる店は多くないということもあって、この店に来るたびに頼んでしまう。

最初は「これは食べ切れないだろ」とメンバーから声が上がるものの、気付くと全てが皿から消えている…というのが、いつもの流れだ。

二次会は、近くの『Dr.Beer』で。(→過去記事

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車で5分もしない距離なので、ハシゴには便利。出張者には、上海のクラフトビールのレベルの高さをしっかりご理解頂き、お開きとなった。


<2018年5月> ■店舗情報■



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2018年06月11日

食遊上海496『舅家』- 旬の崇明島料理で、後輩のサシ送別会!

後輩の一人が近々帰任することになり、サシで飲むことになった。

彼のリクエストは、「上海らしい野菜料理が食べたい」

それを受けて思い出したのが、先日開拓した崇明島料理店『舅家崇明原生态食府(制造局路店)』(→前回記事)だ。毎日崇明島から直送される旬の野菜や魚が売りの店なので、今回の趣旨にはぴったりと言えよう。ローカルな雰囲気も、中国を去る者にとっては、今後懐かしく思い出すことになるもののひとつに違いない。

結論から言えば、狙いは当たった。旬の野菜料理がしっかり食べられたし、川魚も美味しかった。ざざっと料理を紹介しよう。

涼菜は涼拌金瓜絲。崇明金瓜というカボチャの一種を葱油で和えたものだが、調べてみたところ、これは千切りしたわけではなく、繊維が自然と細い糸状になっているのだそうだ。ネットのレシピでは、「崇明金瓜を半分に切って茹でてから、糸状の中身を箸やフォークで掻き出す」と書いてある。

日本で金糸瓜(きんしうり)、そうめんカボチャ、糸カボチャと呼ばれているのと同じもののようだ。市場で見つけたら、買ってみよう。

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蚕豆咸菜筍絲肉絲は、空豆と青菜漬物と筍・豚肉の細切りの炒め煮だ。レンゲでガバッとすくってモフッと頬張ると…う、旨い!炒飯と同じような勢いで空豆を食べてしまった。空豆好きは悶絶必至の逸品!

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韭菜螺絲は、小さな巻貝の剥き身とニラの炒め物。青々しい旬のニラはシャキッとして香り高く、力強い味わい。これにコリッとした貝が実によく合う。中国で殻付きの貝を食べると砂抜きが甘いことが多いが、剥き身なら安心。一つ一つ身を取り出してくれた厨房の下っ端に感謝しつつ味わう。

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香椿炒鶏蛋は、独特の香りが魅力のチャンチュンと卵の炒め物。上海では鮮度の良い香椿は入手しづらく、店でもあまり見かけないので、思わず注文!初挑戦の後輩は「酒飲みにはたまらん臭さですね!」と大興奮。ふふ、分かってるじゃないの。期待通りの臭旨で、僕も大満足!

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紅焼朱魚は、長江で揚がったボラの醤油煮込みだ。如何にも上海料理らしい真っ茶色な仕上がりであるが、意外にも甘さ控えめの上品な味付けで、しっとりとして柔らかな身には香りはあれど臭いはなく、なかなかの美味。こういう魚料理を美味しく食べさせてくれるところは、この店の評価すべき点だ。

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因みに、朱魚がボラだというのは、Twitterで中国人の方から教わった。普通話(標準語)だと「鯔魚(Ziyu=ボラ)」と「朱魚(Zhuyu)」は発音が違うのだが、上海話だと「鯔」と「朱」の発音は同じ「Zi」になるのだそうだ。このように、中国では難しい字を同じ発音の簡単な字で書きかえることがよくある。

そういえば、注文時、冷蔵ショーケースに入っていた魚を指差して店員に名前を聞いた際、店員は「Ziyu、Ziyu」と言っていたような気がする。その後、伝票に「朱魚」と書いてあるのを見て僕は、「正しくはZhuyuじゃん!君たちやっぱりZhの発音は苦手なのね」などと勝手に思っていたのだが、今思えば彼は、普通話で正しく「鯔魚(Ziyu)」と教えてくれていたのである。ゴメン。

↓綺麗に食べました。
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二次会は、いつもの『Jacky's beernest』。この日も満席御礼だった。

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ただ、隣の上海人グループ五人は、各自ビール一杯を一時間はかけてダラダラ飲んでいた。十席程度しかない店でこういう客が多くなると、店としては一杯あたりの値段を上げざるを得ないよなあ…。同じ時間で三、四杯を飲む我々は割りを喰う格好になるので、累進課税ならぬ累進割引を導入して欲しいな(笑)

三次会は、上海版「深夜食堂」のひとつ『紅燈籠餛飩』(→過去記事)へ。饂飩と書かれた赤提灯が看板代わりで、深夜だけ営業する汁ワンタン専門店だ。

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あくまで雰囲気重視であって味重視の店ではないので、その旨をしっかり説明してから訪問したところ、後輩の感想は「むちゃむちゃ期待を持たせるのに、味は本当にフツーですね」。うん、だからそう言ったろ?

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二回目の僕の感想は、前回より酔いが浅かったせいか、一層化調が強く感じられた(泣)。調理台に碗に入った化調があるのを見つけたので、入れないでと頼んだところまではよかったんだけど、そもそも餡にたっぷり入っていたというオチ。汁にも入るのを防げただけマシと自分をなぐさめた。

まあ、三次会で満足することは想定していなかったので(ネタとして連れて行っただけ)、四次会は旧フランス租界武康路のカフェバーへ(店名失念)。酔った勢いで、白酒カクテルなんてものを頼んでしまった。江小白という重慶の安酒にカンパリとグレナデンシロップという凄い組み合わせで、今朝ひどく頭が重かったのは絶対これのせいだ。

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しかし、最近、飲める後輩がどんどん帰任してしまって、さみしい。というか、今後の宴会ライフが危ぶまれる。新星の登場に期待するしかないなあ。。


<2018年4月> ■店舗情報■



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2018年05月21日

食遊上海488『舅家』 - 久々の当たり!崇明島の幸が楽しめるローカル上海料理店!

日本に一時帰国していた西双版納在住のふじもとさんが、上海へやってきた。当然、「さあ、一杯やりましょう」ということになるのだが、店選びには頭を抱えた。このところそんなに積極的に新規開拓をしていないので、ふじもとさんにオススメできるほどの店が全然思い付かなかったのだ。

すると、ふじもとさんが「それこそ新規開拓に付き合いますよ」とおっしゃってくださった。それはそれで「変な店に当たったらどうしよう」というプレッシャーがあるのだが、まあ、人間、進取の気鋭を忘れてはいけない。頑張って、それっぽい店を探してみよう。

ということで、僕がこの日のターゲットに据えたのは、駅近くの崇明島料理店『舅家崇明原生态食府(制造局路店)』だ。

崇明島は、長江の河口に位置する中州のような島で、行政区分としては上海市に属する。島の周囲を取り囲む長江の幸はもちろん、山羊の名産地としても知られているほか、最近は有機農業にも力を入れていて、上海市中心部への食糧供給基地的な存在になっている。

そういう島の料理を売りにする店であれば、ただの上海料理店へ行くより面白いのではないか。そう考えたのが、選択の決め手だ。

八人以上でないと予約は受け付けないと言う強気の方針を電話で聞かされた僕は、定時に会社を出て、足早に店へ向かった。パッと見、そこらにいくらでもありそうなローカルチェーンレストランといった感じの外観だったが、ふじもとさんと待ち合わせた18:30の段階でほぼ満席だった。

↓『舅家崇明原生态食府(制造局路店)』。
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周りから聞こえるのは上海話ばかりで、しかも、遠くからSNSか何かを見て来たといった感じではなく、普通に近隣の地元民が集っているように見えた。今どき室内喫煙を許している点は頂けないが(違法だし)、うむ、雰囲気は悪くない。

この店はメニューの冊子がなく、入り口横に掲げられたホワイトボードを見て注文する方式だ。ホワイトボードには小さく几帳面な字でびっしりと料理名が書かれていた。どれどれと目を遣ると、崇明島の名物料理あり、旬の野菜料理あり、上海らしい定番料理ありで、なかなかそそられる構成だ。

↓この日の品書き。
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「これはなかなかいいんじゃないですか!」
「味はまだわかりませんが、ここまでは良い感じですね!」

ふじもとさんと僕はそう言い合った。

ホワイトボードの下には冷蔵ショーケースが置かれていて、中には崇明島直送という触れ込みの魚介類が並んでいた。

「この魚、どれも悪くないですね。おいしそうじゃないですか」
「本当だ、ちゃんと食欲が湧いてくる鮮度ですね」

テンションが上がってきた我々は、ホワイトボードの前でああでもないこうでもないと話し合い、注文を固めた。もちろん、店員に「不要放味精和鶏精」の呪文を唱えるのは忘れなかった。

酒は何があるのかと店員に訪ねたところ、ビールや紹興酒のほか、崇明島の米酒を量り売りしているというので、それをもらった。ひとくちに米酒と言っても、中国には蒸留酒と醸造酒の二種類あるが、これは後者。控えめな甘味と酸味が残った造りで、恐らくアルコール度は5度前後だろうか。「馬鹿でも作れる単純な酒ですね」とふじもとさんは酷いことを言ったが、まあ、ガブガブ飲む分には悪くない。

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まずは、冷菜が並んだ。冷菜はホワイトボードに書かれておらず、店の奥のカウンターに並んでいる見本を見て頼む方式だ。

↓猪頭肉。豚の頭の肉を茹でたやつを醤油ダレで食べる。見たまんまの味。酒のつまみ。
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↓草頭干。ウマゴヤシの塩漬け干しを醤油や砂糖で炒め煮にしてある。
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作り置きの冷菜には例の呪文が効かないので、よくある濃い味付けだった。やはりこれが上海のローカル店の限界なのか。果たして熱菜はどうか。

不安と期待が入り混じった気持ちは、良い意味で裏切られた。次の写真をご覧あれ。見た目的には全く冴えない、如何にも上海料理って感じの茶色に仕上がった紅焼魚(魚の醤油煮込み)が、とても美味しかったのだ。意外過ぎることに、甘さを控えたあっさり味で、魚自体もふっくらとして臭みがなかった。

↓紅焼魚。
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「おお、これはいいですね」
「ちゃんと美味しいですものね」

魚の名前を忘れてしまったのが、残念。

そのほかの料理も、なかなかの出来栄えだった。

↓崇明河蚌豆腐。イシガイという淡水の二枚貝と豆腐の煮込み。これまた意外なあっさり味。
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↓剁椒臭豆腐。久々に臭豆腐が食べたいというふじもとさんのご要望。西双版納にはないそうだ(笑)
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烏松菜油渣は、青菜とカリカリに揚げた豚ばら肉の炒め物。烏松菜という呼び名は初めて聞いたが、これは多分、塌棵菜(塌菜/ターサイ)なのかな。

↓烏松菜油渣。
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この日のメインディッシュは、滋補崇明山羊湯。崇明島特産の山羊スープだ。皮付き三枚肉がゴロゴロ入った白いスープは、葱と生姜の風味と塩味だけで、実にあっさり。トロトロの山羊肉には臭みなど皆無で、皮と肉の間の脂まで美味しい。ほっこりしたー。

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ここで思い出したのは、この数週間前に沖縄で食べた山羊料理のこと。今日のスープと違って、ひどく匂いが強烈だったが、ありゃ一体なんなんだろう。

ふじもとさんからは、「暑い気候で育った山羊は匂いが強いと聞いたことがある」との説が出た。後日Twitterでは、「去勢したオスは臭くない、去勢していないオスとメスは臭いがある」という説も聞いた。或いは、年齢も関係あるのかもしれない。羊だって、ラムとマトンを分けていてマトンの方が匂いが強いわけだし。

ただ、いくら匂いが強くても、下茹でをしたり、多くの香辛料と煮込んだりすることで、匂い自体を抑えることはできると思うんだよな。沖縄の山羊料理はそういう処置をあまりしていないようなので、もしかすると「強烈な匂いを楽しむため敢えて残している」のかもしれない。結論は、謎のまま。

話が大分それたので、店の話に戻そう。

この夜の食事については、総じて、「ローカル上海料理店開拓で久々に当たりと呼べる結果」だと言えるだろう。絶品とか最高とかじゃないけれど、お値段も雰囲気もローカルで、豊富で新鮮で季節性も物珍しさもある食材が揃っていて、料理の味付けに呪文が効いた。ふじもとさんを迎えた回にスマッシュヒットを打てて、ホッとした。

二次会は、お馴染みの『Jacky’s beernest』へ。何気に2018年初訪問だったので、壁の杜康とあらためて乾杯!

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ジャッキーから悲喜こもごものお知らせがあって、新店計画はやはり城管の横槍で頓挫。しかし、今の場所で2019年3月まで営業を継続することが決定したそうだ。

無駄になった新店の内装費をささやかながら援助すべく、今年も大いに通う所存!


<2018年2月> ■店舗情報■



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2018年01月31日

食遊上海461 『新利査餐廳』 - 上海にも独自の「洋食」文化あり。

明治時代に日本に伝わった西洋料理が独自の発展を遂げて日本固有の「洋食」が生まれたように、上海にも上海固有の洋食文化がある。対外開放した時期は日本より早いのだし、租界には西洋人が山ほどいたのだから、当たり前と言えば当たり前の話だ。

発展著しい今の上海には本国も顔負けの本格的な西洋料理を出す店もどんどん増えているが、そういう料理とは別物として、上海固有の洋食は庶民に親しまれている。僕らがカレーライスやメンチカツに抱くのと同じ思いを、上海人も上海の洋食に抱いていると考えればいい。

この日は、そういった洋食を出す老舗のひとつ、『新利査餐廳』を家族で訪ねてみた。いつ前を通りがかっても多くの客で賑わっているので、以前から気になっていたのだ。しかも、西洋料理店なのに客層が老人主体というところも、僕らの興味をあおった。

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数週間前に行こうとしたときは満席で入れなかったので、開店直後の十時半に訪ねたのだが、それでも結構な客の入り。僕らが食事を終える頃にはやはり満席になっていたから、人気の程が知れるというものだ。客の顔ぶれはやはり中高年が多く、しかも、あまり裕福そうな身なりの人はおらず、庶民が身銭で食べに来ている雰囲気が強い。

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品書きを開くと、なるほど、値段も安い。そこらのローカル中華と同じような価格設定で、新天地やバンドあたりにある高級西洋料理店とは全くの別世界だ。

では、具体的に上海の洋食がどういうものかと言うと、実は日本の洋食に似たものが多い。味付けも大正生まれのお婆ちゃんが作ったかのようなレトロな方向性で、日本人が食べても懐か
しさを覚えそうな感じ
なのである。

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この日は、敢えてベタに代表的なものをチョイスしてみた。

まず、上海の洋食といえば必ず名前が挙がる三本柱のひとつ、土豆沙拉。ご覧のとおり、ポテトサラダである。日本のポテトサラダ同様、原型はロシアのサラート・オリヴィエだ。やや甘さが強いところが、上海らしさかもしれない。

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お次は、三本柱の二本目、羅宋湯。羅宋とは「ロシア」を音訳したもので、ボルシチが原型となったスープを意味する。ただ、本当のボルシチには欠かせないビーツは全く使われておらず、ひと言で言うなら、ケチャップ味の野菜スープといった感じだ。

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三本柱の最後の一本は、炸猪排オーストリアのヴィーナー・シュニッツェルが原型となった、薄いカツレツである。

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写真を撮り忘れたが、これには卓上に置かれた辣醤油をかけて食べる。醤油とは言うものの、その製法や材料は上海版ウスターソースとでも言うべきもので、初めて食べたときは、「上海にもウスターソースがあるのか」と驚いたものだ。

この辣醤油、上海では超ポピュラーな卓上調味料のひとつで、洋食店のみならず、麺やワンタンを出す小吃店でもよく見かけるので、探してみて欲しい。

三本柱に続いて、咖喱牛肉(ビーフカレースープ)も上海洋食の代表選手だ。牛肉スープをイギリスから伝来したカレー粉で味付けたものだ。スパイスの香りはあるが、辛さはほぼ皆無で、むしろ甘さがある。

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最後の一品は、奶油烙麺。これはホワイトソースのスパゲティグラタンだ。

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↓中はこんな感じ。肉は豚肉だったかな。
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「へー!上海にも洋食が!」と思って興味を持った人に向けて敢えて言っておくと、どの料理も味自体は凄くフツーだ。周りの老人客たちのように「これを昔から食べてるのよ、私たちは」という懐かしさ補正がない僕らにとっては、「へえ、面白いね」以上のものではなかった。

ただ、業務用ブイヨンなどに頼らないマジメな作り方には、好感が持てた。味だけに期待せず、「上海の歴史を食べに行く」と思えば、満足度も上がるかもしれない。


<2017年10月> ■店舗情報■



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2018年01月29日

食遊上海460 『月星羊肉館』 - 上海式あっさり山羊鍋と茹で山羊で白酒!

中国の羊肉火鍋というと、北京式の羊肉しゃぶしゃぶ(涮羊肉)が最も有名だろう。

だが、上海にも独自の羊肉火鍋がある。いや、厳密に言うと、羊肉ではなく山羊肉の火鍋だ。だが、上海人は羊と山羊を細かく区別しないので、レストランでは「羊肉火鍋」と表記されている。

日に日に寒さが増してきた十月の中頃、その上海式「羊肉火鍋」を後輩と二人で食べに行ってきた。店は、昨年も訪ねた『月星羊肉館』だ。秋と冬しか営業しない山羊肉料理の専門店である(→過去記事。上記の事情を知らなかった去年は、完全に羊肉と思い込んで、記事を書いている)。

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上海式「羊肉火鍋」のスープには、紅焼と白焼の二種類ある。前者は醤油と砂糖、後者は塩が味付けのベースだ。去年は前者の紅焼を試したので、今年は白焼を頼んでみた。

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具の構成は、どちらも同じだった。山羊の三枚肉と揚げ麩と白菜と太春雨がどっさり入っている。

「おお、これは初めて食べます!面白いですね!」

上海式の山羊鍋は初めてだという後輩が、興奮した声を上げた。

↓二人だと、たっぷり食べられる。
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味は、その興奮を裏切らなかった。上海のローカル店にしては驚くほどのあっさり塩味で、たくさん食べても食べ飽きない上品な仕上がりだったのだ。柔らかな山羊肉は、味わいこそ力強いがもちろん臭味などなく、その旨味を吸った揚げ麩も白菜も太春雨は、全て優しい美味だった。

↓肉だけの部位も旨いし、
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↓脂身をはらんだ三枚肉も美味しい。
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↓白菜や太春雨がまたいい。
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思わず、僕は言う。

「これには、ビールでも紹興酒でもなく、白酒だと思うんだよね」
「まあ、確かにそうかもしれませんね」

こう答えてくれる後輩がいることを喜ぼう。白酒、進みまくり!

↓ウェーイ。
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この店には山羊の各部位を茹でたつまみもあって、それがまた良い白酒の肴になる。このとき頼んだのは羊脚(羊の足)と羊腸(羊の腸)だったかな。いずれもむっちりして、臭味などなく、とても美味しかった。

↓これもオススメ。
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「いやあ、旨かったな」
「これは、アリですね!」

食後は、老西門の止まり木『Jacky’s beernest』まで移動して、二、三杯。

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すっかり気持ちよくなって、解散。


<2017年10月> ■店舗情報■



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2018年01月26日

食遊上海459 『成隆行蟹王府』 - 淡々と上海蟹フルコース。

ときは十月、上海蟹の最盛期。会食で上海蟹尽くしのコースを食べに行ってきた。

店は、『成隆行蟹王府』。上海蟹尽くしコースの専門店としては、上海市内で三本の指に入る有名店だ。この時期は予約で一杯になるので、営業姿勢も強気。予約は5時と7時の二回転制で、それ以外の時間は受け付けないと言われた。

<去年は浦東店に行った>
食遊上海358 『成隆行蟹王府』 - 久々に有名店で上海蟹フルコース。

この日のコースは、一人588元。三両(150g)の雄蟹の姿蒸しをメインとして、7〜8品の料理がセットになっている。

↓小菜三品。前菜三品。蟹型の煮凝りは安っぽいから止めたほうがいいと思うのだが。
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↓王府煲仔翅。蟹味噌入りフカヒレスープ。
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↓蟹黄干焼明蝦。蟹味噌入り海老のピリ辛炒め。
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↓清湯汆大鉗。蟹のハサミ肉と白菜のスープ。
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↓蟹粉銀皮。蟹味噌と板春雨の煮込み。
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↓清蒸上海蟹。姿蒸し。雄で三両は小さめだが、店で大きいのを頼むと無駄に高くなる。
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↓蒸しあがり。
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店員に蟹を解体してもらうこともできるが、この日は気の置けない面子だったので、各自自分で食べることにした。その方が熱々を食べられるし、断然旨い。

↓蟹粉小籠包。蟹肉+蟹味噌の小籠包。
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↓蟹粉捞担担麺。蟹肉+蟹味噌の担担麺。
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↓楊汁甘露。デザート。
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豪華!と思うかもしれないが、正直に言うと、僕のテンションはそれほど上がらない。ほとんどの料理に蟹味噌が入るので味は単調になるし、味付けは濃い目だし。姿蒸しにしても、家で蒸した方が安くて良いものが食べられることを知っているから、大してありがたみもない。毎年、「蟹は家で食べるのが一番」と確認するためにあるかのような内容と値段である。

でも、旅行で上海に来る人にとっては、ひと通りの上海蟹料理が一気に味わえるので、悪くない選択肢だとは思う。ご参考になれば幸い。

<2017年10月> ■店舗情報■



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2018年01月16日

朱家角5 - 最後の晩餐は、ローカル店で自家製米酒と河の幸。

朱家角4 - 二塁打!ぶつ切りウナギの甘辛醤油煮や酔っ払い魚に挑戦。」の続きです。

早いもので、朱家角旅行も二日目の夜、つまり最後の晩餐を迎えた。日が暮れた後、再び古鎮へ繰り出した。闇の暗さが古鎮の七難を隠し、昼間よりぐっと人通りも減って、風情は高まる。

↓写真に撮ると、さらにいい感じ。
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店は、敢えてロケーションが良い水路沿いの店を外し、『酒壜子飯桶』というローカル感が強い店を試してみることにした。素朴な料理と自家製の米酒が美味しいとの評判だった。

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品書きを見ると、とりあえず値段が安い。やはり水際の店は、観光客が集まるので割高なのだろうか。

お目当ての自家製米酒をもらい、韮芽河蚌(ニラとイシガイの炒め物)蝦肉藕夾(蓮根の川海老すり身はさみ揚げ)をお供に据えた。

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この米酒はいつも愛飲しているアルコール度50度の蒸留酒とは別物で、度数は数%の醸造酒。微発泡していて、甘めだ。

↓韮芽河蚌(ニラとイシガイの炒め物)。
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↓蝦肉藕夾(蓮根の川海老すり身はさみ揚げ)。
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主菜は清蒸白水魚。白水魚は鯉科の淡水魚で、細身で骨が鋭く、身が柔らかいのが特徴。この姿蒸しは、朱家角ならどの店でも出している名物料理である。

↓清蒸白水魚。
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「悪くはなかったね。値段は良心的だし」
「だな。最後が三振じゃなくて良かった」

でもまあ、一塁打ってところかな。

今回の成績をまとめると、四打席三安打で、一塁打×2、二塁打×1、凡打x1。本塁打は滅多に出ないからいいとして、三塁打もなかったのはやや寂しい結果だなあ。特に水が綺麗とは言えない上海近郊の水郷で、名物が川の幸だったのだから、元々手強い条件ではあったのだ。そこに化調の壁も加わって、いよいよ打ちあぐねた感じである。

「ま、気軽な旅ではあったし、気分転換にはなったから、よしとしよう」
「そうだね。上海のマンションでただゴロゴロしているよりはよかった」

と、朱家角旅行を締めくくった僕らだったが、今回の結果を受けて、子供とお気軽国内旅行の計画は変更を迫られている。

元々は今後月一程度で朱家角のような上海近郊の水郷を回ろうと思っていたのだが、どの水郷も食材や調理法は似ているだろうし、今回のように大して綺麗でない水で育った淡水魚を食べ続けることになったら辛いのではないかという懸念が湧いたのだ。

では代わりにどこへ行くかというと、今のところ、良い案が浮かんでいない。


<2017年9月> ■店舗情報■



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2018年01月15日

朱家角4 - 二塁打!ぶつ切りウナギの甘辛醤油煮や酔っ払い魚に挑戦。

朱家角3 - リゾートホテルの夕食で、筒切りタウナギと塩漬け豚肉の蒸し物。」の続きです。

翌朝は、ホテルのビュッフェで食事。結果は、昨晩の料理から察した通り。濃い味付けで化調も普通にたっぷり使ってあって、そこらのホテルと同じだった。

↓環境は良いのだけれど。
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持ち込んだ缶ビールで朝酒を頂きながら、ホテルの目の前の湖畔を散歩。晴天と水面があれば、とりあえず心は癒される。午前中から古鎮内を散策するという計画は何処へやら。やむを得ぬこと酒飲みの休肝日の如し(=物事が予定通りに進まぬことの例え)。

↓ウェーイ。
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昼時になってようやく、再び古鎮へ出掛けた。ネットの評判も客の多寡も当てにならないのであれば、頼れるのは自分だけだ。観光客が溢れる朱家角において、地元民らしき客の出入りが多かったこと、入口に客引きがいなかったことを評価して、『漕渓人家』という店に入ってみた。

↓『漕渓人家』。
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↓店の目の前が水路。
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↓小船が行き交う。
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↓窓際席。
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前菜に、醉魚を試してみた。塩漬けして干した草魚に酒粕で風味を付けたもの、かな。酒釀(麹で糖化したもち米。白いやつ)がたっぷりのってるのには仰天したが、強い塩気とのバランスが取れて意外に悪くなかった。

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旬の菱角(菱の実)を使った料理を、この日も一皿。菱の実と刻んだ鶏毛菜(つまみ菜)を炒めてとろみを付けた菱角毛菜だ。シャキッとした青菜とホクホクの菱の実をとろみがまとめて、侮れない美味に仕上がっている。

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次の写真の真っ黒な塊は、紅焼河鰻。ぶつ切りウナギの甘辛醤油煮…なのだが、この店では最初に蒸しているのか、身がふっくらと柔らかかった。見た目より甘さや醤油味も控えめで、良い意味で裏切られた。

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↓中は真っ白な鰻の身が。
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油燜茭白(マコモダケの甘辛炒め煮)もなかなか。甘めでこってりしているのだけれど、これはそういう料理なので、それでいいのだ。シャクッとしたマコモダケ、大好き。

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ここまでの料理が悪くなかったので、朱家角名物の扎肉(笹の葉で包んだ豚角煮)も頼んでみた。古鎮を歩いていると、テイクアウト用の小吃として売っている店を山ほど見かけるが、そういう店より味付けが良いのではないかと期待したのだ。

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期待通り、道端で見かけたのよりは美味しそうなものが出てきた。味自体は「笹の葉で包んだ豚角煮の味」としか言いようがないが、普通に美味しく頂けた。

↓道端のは、もっと味が濃そうな感じだった。
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デザート代わりの草頭塌餅は、ウマゴヤシというクローバーに似た青菜の草餅。中には餡子が詰まっているが、甘さはそれほどでもなく、つるりとした舌触りともっちりした歯触りで美味しい。キンモクセイ風味のとろみ餡も良いアクセントだった。

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総じて、二塁打と言ったところか。不要放味精和鶏精のリクエストもある程度通じて、心穏やかに食事を終えることができた。

尚、このとき考えた旅行時の野球的レストラン分類は、下記の通り。

一塁打:良い面もあったが、その店を再訪することはない。
二塁打:割と満足したが、積極的に再訪したいほどでもない。
三塁打:その街を再訪する機会があれば是非また訪ねたい。
本塁打:滞在中に再訪したい。むしろその店のためにその街を再訪したい。

この分類に倣うと、昨日のランチは一塁打、ディナーは凡打。とりあえずこの店がこの旅初の二塁打となったわけだが、夕食では三塁打以上を目指したいところだ。

そんなことを話しながら、ホテルに戻っておやつに蓮の実を食べた。

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見た目は妖怪百目だし、花托から実を取り出す様子も虫か何かの卵のようで、何だか美しい花とは対照的だが、白い実はシャクリとして僅かに甘く、茶請けになるのだ。

さて、夕食はどうなることやら。


<2017年9月> ■店舗情報■



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2018年01月10日

朱家角3 - リゾートホテルの夕食で、筒切りタウナギと塩漬け豚肉の蒸し物。

朱家角2 - ニゴイ、タニシ、菱の実!朱家角名物の「河鮮」料理に挑む。」の続きです。

初日の夕食は、再び古鎮まで出かけるのが億劫だったので、泊まったホテル『中信泰富朱家角錦江酒店』の中華料理レストラン『逸林軒』を試すことにした。

↓店内の様子。
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↓翌日明るいときに撮ったもの。
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↓夜は紹興酒。
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注文はタブレットを操作して行うシステムで、そのアプリがむちゃむちゃ使いづらくてイライラしたが、とりあえずご当地っぽい料理を選んでみた。

主菜は咸肉蒸黄鱔。豚の塩漬け肉にタウナギの筒切りをのせて蒸したものだ。この二つの食材を合わせる発想はなかったな…!プルプルブリンブリンのタウナギは旨味たっぷり。意外にも胡椒がガッツリ効いている。

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江南のタウナギ料理と言えば真っ先に名が挙がる響油鱔糊も、胡椒をしっかり効かせることになっているので、そこからの発想かもしれない。今日の料理はちょっと効かせ過ぎの感があったが。。そもそも胡椒をはっきり効かせる中華料理ってそれほど多くないので、過剰に感じたのかも。

↓筒切りのタウナギ。
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倒笃菜炒蛋は、青菜の漬物と玉子の炒め物だ。

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倒笃菜という漬物の名前は初めて聞いたが、調べてみたところ、雪菜の仲間のようだ。

材料は、雪菜と同じく、カラシナの一種である九頭菜(雪里蕻)を用いる。干して水分を飛ばしてから甕で塩漬けする点は雪菜と同じだが、その甕を上下逆さまにひっくり返して(=倒笃)置くことが大きな特徴であり、名前の由来でもあるそうだ。甕の口を下にすることで余分な液が外に出て行き、腐敗を防ぐ効果があるのだという。

甕をひっくり返さずに作る雪菜だって別に腐敗しないので、正直この理屈はよく分からないが、とりあえずそういうことらしい。

絲瓜炒面筋は、ヘチマと揚げ麩の炒め煮だ。むちょっとした揚げ麩は、僕の好物。

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葱油芋奶は、蒸すなり茹でるなりして皮を剥いた里芋を刻んだ青葱の香りを移した油で炒める。

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解説があっさりしているのは、どの料理も味が今ひとつだったから。高級店のくせに不要放味精和鶏精の呪文は通じず、昼間の店以上に化調が強く、味付けも濃かった。

「なかなか難しいものだな。。」
「見掛け倒しだったね。こりゃ明日の朝食も期待薄だね。。」

寂しい感想を口にして、店を後にした僕ら。

もう一泊あるので、明日はせめて一軒くらい、ホームランとは言わぬまでも、二塁打程度の当たりに出会いたいものだ。


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2018年01月08日

朱家角2 - ニゴイ、タニシ、菱の実!朱家角名物の「河鮮」料理に挑む。

朱家角1 - 子連れ国内旅行第三弾!水郷の街のリゾートホテルに2泊!」の続きです。

土曜日の朝に上海を経ち、ホテルに荷物を置いてから、昼食へ。中国のホテルは、部屋さえ空いていれば何時からでもチェックインを受け付けてくれるのがありがたい。

朱家角での店選びは、難航した。同じような構えの店が、同じような料理を出しているからだ。観光地で客の多い少ないを基準にしても仕方がないし、かと言って、事前調査で見た大衆店評の評価はどの店も異常な高得点で、全然信じる気になれなかった(日本の食べログ同様、高評価は金で買えるそうだ)。

最初からあまり悩んでも仕方がないか、と、店構えが控えめで、店頭のおばちゃんの対応が良かった『金齢餐館』に入ってみた。

↓『金齢餐館』の店構え。
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↓小さな店。
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↓朱家角ビールで乾杯。いわゆる水ビール。
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水郷の街だけに、朱家角の料理は海鮮ならぬ「河鮮」がメインになる。名物料理のひとつ・紅焼鶏格朗は、ニゴイの仲間を甘辛醤油味で煮込む。上海近郊の水質の限界で、臭みがあるのは残念だが、思ったより甘さが控えめで、柔らかくも詰まった肉質は好印象だ。

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これまた朱家角名物の田螺塞肉。タニシの殻から身を取り出して洗い、豚ひき肉や生姜と刻み合わせてから殻の中に詰め戻し、炒め煮にする。この過程で身の砂や臭みが消えるので、そのまま調理するタニシより僕は好きだ。

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人が作ってくれる分には嬉しいけど、自分じゃ面倒くさくてやりたくない料理ランキングの上位入賞候補である。

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「河鮮」は魚介類だけではない。9月の朱家角は期せずして菱角(菱の実)の旬真っ盛りだった。仄かに甘く、栗のようにホクホクとした白い実を枝豆と炒めた菱角毛豆。短い旬に偶然出会えた幸福をひと口ごとに喜ぶ。

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この青菜は何だったかな、枸杞頭だったかな。

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総じて、店の印象は「フツー」。注文時に入れないでと頼んだ化調は普通に入っていたし(それほど多量ではないが)、味付けも濃かった。農家料理を謳ってはいるが、所詮は上海の郊外だし、完全な観光地だから、味の価値観が都会化しちゃってる感じだ。因みに、この店も大衆点評では超高得点だった。

店を出て街を歩いていると、道端で赤緑二種類の菱角(菱の実)を売っているのを見つけ、買い求めてみた。

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乾燥すれば忍者の撒菱になるのも納得の固さになるが、採れたての皮は割と柔らかく、中の白い実(中央)は生食できる。シャクっとして少し甘い。

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濃い味付けに疲れた舌には、一層優しく感じられた。


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2018年01月05日

朱家角1 - 子連れ国内旅行第三弾!水郷の街のリゾートホテルに2泊!

蘇州、マカオに続く国内子連れ家族旅行第三弾は、上海郊外の水郷の街・朱家角を行き先に選んだ。

上海の中心から朱家角までは、タクシーで一時間程度の距離だ。そこに敢えて二泊。十年前の前回駐在時にも何度か行ったことがあるので、現地が観光化されまくっていることは知っているし、今さら新たに見るものもないのだが、ま、週末の気分転換だ。

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古鎮の中にある宿は、雰囲気はあるが幼児連れだと少々つらいので、古鎮からタクシーで5分ほどの距離にある『上海中信泰富朱家角錦江酒店』というリゾートホテルに泊まることにした。ハードはオサレで、サービスも中国にしてはなかなか。

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ホテル内のレストランがイマイチだったのが玉に大きな瑕だったが、水がたゆたうのを見ているだけで二合半はいける口の僕としては、ホテルの目の前が湖というだけで満足。居心地は良かった。

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ということで、珍しく景観写真ばかりでお送りした朱家角篇、明日からは料理がずらっと並びます。


<2017年9月> ■店舗情報■



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2017年12月15日

食遊上海454 『葡萄園』 - 新たな語学研修生を迎え、久々のローカル上海料理開拓。

我が社の新たな語学研修生が上海に着任したので、ローカル上海料理と紹興酒でお出迎えすることにした。最近、こういう機会でもないと外で上海料理を食べないので(だって、店によってはむちゃむちゃ甘いんだもん)、僕にとっても久々の上海料理だ。

せっかくなので、ローカル店を新規開拓することにした。新乐路x襄阳北路の『葡萄園』。1980年代から営業している家族経営の上海料理店で、元々は小さな食堂だったが、外国人も分け隔てをしない誠実な商いが受けて、外国人が固定客になって有名になったのだそうだ。

そういう店は多店舗経営に走るのが世の常だが、ここは今もそれを控えていて、店舗こそオールド上海な感じに改装したものの、こじんまりと営業を続けている。

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月曜だからか客の数は少なかったが、僕ら以外のテーブルには西洋人混じりのグループが目立った。寡聞にして僕はこれまでこの店を知らなかったが、今も西洋人には有名なのかもしれない。

名物だと聞いていた料理に加えて、定番の上海料理をずらっと並べた。

↓土豆沙拉。ポテトサラダ。ロシアから伝わった上海の家庭料理の定番だ。
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↓糖醋排骨。豚スペアリブの甘酢和え。ちょい甘め。
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↓糟毛豆。麹風味の枝豆。
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↓炸臭豆腐。上海初心者には、とりあえず食べさせてみる(笑)。
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↓八宝辣醤。八種の具のピリ辛炒め。
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↓魚面筋。魚のつみれ揚げと椎茸・青菜・筍などのとろみ煮込み。
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↓檸檬鶏。鶏のレモンソース。
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↓蛤蜊燉蛋。アサリの茶碗蒸し。どどんと殻ごと入れちゃうのが中国らしさ。
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↓炸鶏翅。フライドチキン。名物と聞いていたが、アメリカンジャンキーな感じでびっくり。
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↓糟熘鱸魚。スズキの麹煮込み。
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↓肉末粉皮。板春雨の豚挽き肉煮。ピリ辛なのは最近のアレンジかな?
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↓蟹粉豆腐。みんな大好き、蟹ミソ豆腐。
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↓上湯米茜。ヒユナのスープ仕立て。
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↓小籠包。まあ、一応。
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↓上海炒麺。お馴染み、上海焼きそば。
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どの料理も参加者の受けは上々で、紹興酒が何本も空いた。

個人的感想を率直に言うなら、特に感動した料理はなかったけれど、ローカル上海店に時たまありがちな「とにかく甘い。甘さしか印象に残らない」ということはなかったので、ひと安心。それに、全体的に値段は控えめだったので、「気軽な値段でベタな料理を楽しめるところが受けているのだろう」という感想に落ち着いた。

ただ、この日の料理をこの店を昔から知る人に照会したところ、昔と比べて色々とキャピッとした方向に様変わりしていたようだ。代替わりしたようなので、その影響かもしれない。どうせ上海で食べ歩きをするなら、今ほど味付けが現代化する以前の、二、三十年前にやりたかったなあ。

ともあれ、二次会は、すぐ近くの『Shanghai Brewery Donghu』までモバイクで移動(→過去記事)。「まだ月曜日ですが、二次会行くんですか?」という語学研修生に「何曜日だろうと死ぬまでの貴重な一日には変わりない」と李白みたいな返事をして、ビールをぐいーとあおった。

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涼しさが増し、空気も良い最近の上海。テラス席での一杯が心地よかった。


<2017年9月> ■店舗情報■



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2017年11月22日

食遊上海446 『1221』 - 久々の上海料理開拓で、隠れ家的上海料理店。

日本からの出張者を迎えて、久々に上海料理の新規開拓を敢行した。

正直に言うと、最近、上海料理の開拓意欲が減退していて、こういう切っ掛けでもないと、なかなか外で上海料理を食べなくなっている。今回の出張者は後輩なので、「まあ、ハズレでも別にいいだろ」という適当なテンションで(すまぬ)、接待にも使えそうな隠れ家風の店を試すことにした。

店は、延安西路の『1221』。そこに店があると知らねばなかなか気付かぬ路地の奥にある。店内は、オールド上海という形容がぴったりなレトロな内装だ。この日は西洋人の客が多かったが、なるほど、外国人受けしそうな雰囲気である。

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この日は見かけなかったが、日本人の客も多いようで、品書きの日本語も正確。日本人の中でも中華食材に詳しい人が手掛けたと思われるほど、しっかりしていた。

お茶は、功夫茶形式の八宝茶。細長い注ぎ口の薬缶でアクロバティックに注いでくれる。こういうパフォーマンスも、外国人には受けるポイントなのだろう。

↓八宝茶。
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肝心の料理はというと・・・極めて普通。ローカル上海料理店にありがちな「甘過ぎてキツイ!」とか「化調が強過ぎる!」とかではないが、特に「美味しい!」という感動も沸いてこない感じ。

↓酔鶏。酔っ払い鶏。
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↓周庄咸菜毛豆。青菜の漬物と枝豆の和え物。
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↓陳皮蝦。衣をつけた海老に陳皮の香りとピリ辛風味を効かせてある。
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↓笋干烧肉。干したタケノコと豚三枚肉の甘辛醤油煮込み。紅焼肉系の味。
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↓葱油白瓜…だったかな。葱の香りを移した油で瓜を炒めたもの。
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↓酒は、紹興酒を飲みました。
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食後に無料で供された八宝飯は、この店の名物らしい。
シナモン風味の甘いもち米の下にバナナが潜んでいる。

見た目に反してなかなか美味しいのだが、何故これが八宝飯という名前なのかは謎。
普通、八種類の具を入れたものが八宝飯だと思うのだが。

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さて、総評。料理はどれもポーションが小さめで、値段を抑えてあるから、雰囲気込みで考慮すれば、予算が限られた日本人接待にはいいかもね…って、感想が完全に仕事モードである。

上海料理開拓は、本当に難しいな…。


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2017年11月09日

食遊上海442 『功徳林』 - 地味な美味!精進料理店の椎茸ぶっかけ麺や汁ワンタン!

雲南省の西双版納で普洱茶作りに励む友人のふじもとさんが、上海にやってきた。今回は一時帰国していた日本からの来訪で、上海では茶会を開くのだそうだ。

その茶会で使うために持ってきたという、チェコ人の陶芸家の中国茶器をご披露頂いた。僕には酒器にしか見えず、早速、いくつかを昼酒の器に拝借(笑)。なかなか具合がいい。

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なんでチェコ人が中国茶器を作っているの?と思うかもしれないが、意外なことに、チェコでは中国茶が一般市民の生活に浸透しているらしい。冷戦中の共産国同士の繋がりで、チェコの銃火器と中国の茶を物々交換していたことが切っ掛けと聞き、びっくり。この茶器も、元々はチェコの国内市場向けに作られたものだそうだ。

お土産にそのチェコ人陶芸家の茶杯を三つも頂き、「わーい、これで晩酌が楽しくなる」と喜んだら、ふじもとさんには「予想したとおりだが、まるで茶に使う気がない・・・」と嘆かれた(笑)。

その言葉は聞き流して、早速、酒盃として試してみた。土も形状も異なる三つの盃に、同じ酒を注ぐ。まるで別の酒かのように味が変わるので、どの盃の味が好きか言い合う。酒を変えて同じことをすると、好きな盃が変わる。楽しい。

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酒とともに、もちろん茶も淹れる。ふじもとさんが作った熟茶は、数年を経て明らかに旨くなってる。これまた茶会用に持参したという錫引きの銅薬缶が格好よい。

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食事は、以前ふじもとさんに教えてもらった素食(精進料理)レストラン・『功徳林』へ行った(→初訪問時の記事)。同じ店でも、季節が変われば頼む料理も変わる。今回も、新たな発見があった。

前菜は、麻醤三絲。胡瓜をメインに人参と木耳の細切りを、麻醤と言いつつ花生醤(ピーナツペースト)のタレで和えた一品だ。甘味や酸味の塩梅がとても良く、夏らしい爽やかさ。このタレで冷やし中華を作りたくなる。

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個人的なヒットは、茹でたて熱々の麺に椎茸とマッシュルームの甘辛醤油煮をぶっかけた干挑双斂!程よいとろみが麺にからみ、濃厚なのにあっさりしたキノコの旨味が口一杯に広がる。ヤバイこれ、最強のキノコ麺かも…!

↓見た目は真っ黒だが、激旨!
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↓最初は別々に供される。
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素餛飩も良かった。椎茸ダシのあっさりスープにナズナがぎっしり詰まった大ぶりのワンタンが浮かんでいる。

ワンタン自体は、上海ならそこらでいくらでも食べられるが、残念ながら、チープな味を出す店が多い。その点、ここは精進料理店だけあって、素材本来の味が感じられる優しい味わいだった。大満足!

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その他の料理は、写真でさらりと流す。どれも美味しかった。

↓素鴨。湯葉を鴨肉に見立てたモドキ料理。甘辛味がおいしい。
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↓木耳面筋煲。キクラゲと揚げ麩の土鍋煮込み。醤油味が染みた揚げ麩が最高。
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↓何の青菜だったっけな・・・。失念。
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食後は、すぐ近くにあるブルーパブ、お馴染みの『Boxing Cat Brewery』で食後の一杯。

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そこからプラタナス並木を30分ほど散歩して、程よく汗をかいてから再び一杯。行きつけのアイリッシュバー『Park Tavern』だ。

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「運動のあとのビールは罪悪感がないですね」と言ったら、「いつもそんなもの感じてないくせに」とふじもとさん。…身も蓋もないが、確かにいつもと同じように旨かった(笑)

我が家に戻って、再びお茶。ふじもとさんは紅茶も作っていて、普洱茶のように圧餅している。六年前に買ったやつが上手く熟成し、とても美味しい。香りに派手さはないが上品で、旨味と言ってもいいような豊かな味わいがある。

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酒を飲み、茶を飲みながら、あれこれと食について話す。この上なく楽しい時間だった。


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2017年09月29日

食遊上海432 『漁社』 - 上海ではダメダメになった舟山海鮮料理店。

海外からの出張者を迎えて、会食。肉は食べられないが海鮮なら大丈夫と言うので、舟山(浙江省)の海鮮料理を売りにした『舟山海中洲 漁社』を試してみた。実はこの店、舟山に本店があり、四月の舟山出張のときに行ったことがあったのだ。(→本店の記事

ところが、上海支店はダメダメだった。本店は広々としたホールに水槽や氷台がずらりと並び、新鮮な魚介類がババンと揃っていたのに、上海支店ときたら、水槽は数個だけで水も濁っており、氷台に並んだ魚介類もあまり新鮮ではなかった。そのくせ、お値段だけはご立派なので、注文する前からテンションが下がってしまった。

品書きも、ガッカリ。舟山ならではの郷土料理が並んでいた本店の品書きと異なり、上海支店の品書きではなんと上海料理や創作料理が幅を利かせていたのだ。こんな調子なら、舟山料理を看板に掲げるのは止めればいいのに。

でも、来てしまった以上は仕方がない。あまり値段が張らない海鮮を選び、なるべく舟山っぽい料理を品書きから探し出した結果が、以下だ。

↓涼拌舟山海延。小魚とピーナツの和え物。酒のつまみ。
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↓舟山熏鯧魚。下味をつけたマナガツオを揚げ、醤油ダレに漬け込む。これも酒のつまみ。
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↓脆皮黄瓜。胡瓜の冷菜。きゃぴっとした盛り付け。
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↓塩水活皮蝦。海老の塩茹で。こんなんで78元もした。
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↓葱姜炒梭子蟹。カニの炒めもの。こんなんで278元もした。
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↓海皇粉糸煲。海鮮ビーフン炒め。
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まあ、値段を知らない出張者たちはそれなりに楽しんでくれたようだけど、再訪はないなあ。

二次会は、静安寺のブルーパブ・『Dr.Beer』へ(→過去記事)。

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久々に英語を話し続けて、疲れた(笑)


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2017年07月10日

食遊上海405 『南伶酒家』 - 若者とサシでベタな淮揚料理をつつく。

とある会合で知り合った同郷同窓の大学生と飲むことになった。

中国留学に来ている以上、これから中国関連ビジネスで身を立てていこうという人なのだろうから、店を選ぶに当たってはコテコテのローカル中華にしようと考えたのだが、ふと自分の留学時代を振り返ると、当時出会った社会人の先輩たちが僕自身じゃ行けないような値段の店に連れて行ってくれたことを思い出し、方針転換してそこそこ高級路線の店を選ぶことにした。

で、選んだのが静安寺の『南伶酒家』(→前回訪問)。ベタな上海料理や淮揚料理(江南地方の料理)が揃う店だ。せっかく上海に留学しているのだから、この土地ならではの料理で紹興酒でも酌み交わすことにしよう。

上海料理や淮揚料理なら学生も普段から食べているかもしれない、とはあまり考えなかった。今のご時勢、大学の周辺にもお洒落な日本料理店や西洋料理店がたくさんある。昔みたいにローカル中華しか食べるものがなかった時代とは違うのだ。

それに、仮にローカル中華に抵抗がないタイプだとしても、学生の知識と財源には限りがある。よほど中華料理に興味を持っていない限り、学食やそこらの小吃店でありふれた小吃ばかりを食べている可能性が高い。ベタな上海料理や江浙料理も意外に食べる機会がないのではないか。

狙いは当たって、この日頼んだ料理を見て、学生は「どれも初めての料理ばかりです」と言った。やはり。これは、日本に来た外国人留学生が、ラーメンや牛丼なら知っているけれど、(チェーン店ではない)居酒屋や割烹の一品料理には疎いのと同じかもしれない。

↓この日頼んだ料理。
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ということで、ひとつひとつ見ていこう。

僕的にこの日一番のヒットは、青豆瓣酥。蒸した空豆をペーストにし、塩と胡麻油で調味した冷菜だ。見たまんま、書いたまんまのシンプルな味ではあるが、空豆の風味がとても良く、家でも真似してみたくなる旨さだった。

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白切肚尖。モツを茹でて醤油タレで食べる「白切」は、江南地方の定番。肚尖とは豚の胃の上下の出口部分(胃や十二指腸との連結部)のことで、ブリブリした食感が魅力。紹興酒を進める味だ。

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馬蘭頭拌香干も、定番中の定番。刻んだコヨメナと燻製豆腐の細切りを和えたもので、これまた野菜料理にして酒が進む一品だ。

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葱油鶏は、茹でた鶏肉を骨ごとぶつ切りにして、葱油ソースをたっぷりかけ回したもの。これは鶏肉自体の質がイマイチで、偉そうに言うなら、自分で良い鶏を買って作った方が断然旨いな。

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苔菜拖黄魚は、前回気に入った一品。アオノリをまぶしたキグチ(小黄魚)のフリッターで、見た目こそ淀んだ沼に落としてしまったアメリカンドックのようだが、サクサクジューシーでとても美味しい。

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若い男には肉が必要だろうと思って頼んだのが、お馴染みの紅焼肉(豚三枚肉の甘辛醤油煮込み)。完全にゼラチン質化した脂身が旨い。

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野菜補給が目的の上湯豆苗は、トウミョウのスープ仕立て。ちゃんと大豆苗が使われていたし、見た目に反してあっさりした仕上がりで、好印象。

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〆は、葱油拌麺をシェア。それなりに美味しいけど、これももう家で作った方が旨いな、と心の中で自画自賛。

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自分より二十も下の人間と話すのは久々だったので、それがたとえ男であろうと(←コラ)、なかなか面白かった。

うっかり二次会にも誘ってしまい、二人でモバイクに乗って、上海商城の中にある『Lil’ Laundry』へ。陝西南路にある『Liquid Laundry』の姉妹店で、最近開店したばかりだそうだ。上海商城に雑技を見に来る客がショーの前後にふらりと寄るのを期待しているのかな?

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『Liquid Laundry』同様、お洒落なカフェ的な作りだが、面積は四分の一ほど。オープンして日が浅いからか、とっくにショーが終わった時間だったからか、この日はほとんど客がいなかった。

ま、ビールはしっかり美味しくて、思わずここでも飲み過ぎてしまった。モバイクを漕いで家まで帰ったはいいが、居間で雑誌をめくっているうちに、そのまま寝落ち。今週は、全然ベッドで眠れていない。。。


<2017年4月> ■店舗情報■



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2017年05月10日

食遊上海386 『建国328小館』 - 台湾人オーナーのお洒落な上海料理店。

昨年北京で知り合った後、異動で上海へ引っ越してきた食友のYさんと、二人で本幇菜(上海料理)レストランを開拓することにした。

僕同様、葱油拌麺をこよなく愛するYさんが、とある店の葱油拌麺が評判だという情報を聞きつけてきたのだ。僕もその店名には聞き覚えがあったので、いっちょ試してみようとなった次第。

店の名は、建国西路の『建国328小館』。番地がそのまま店名になっている。カフェか洋食店と見間違いそうなお洒落でこじんまりとした店構えで、実際、僕は気付かずに店の前を通り過ぎてしまったくらいだ。

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テーブルは、半地下の一階と中二階を合わせて十五卓くらいだろうか。金曜日の夜だからか、店内は大盛況で、席待ちの客が店の外に並んでいた。客層は、若くて、お洒落で、ちょっと裕福そうな上海人が中心だ。

品書きを見ると、なるほど、それっぽい本幇菜が並んでいる。料理名には英語と日本語が併記してあったのだが、その日本語の正確さに驚いた。ただの直訳ではなく、相当中華料理に詳しくないと出来ない水準だったのだ。

「誰が訳しているんでしょうね」と僕が言うと、「ちゃんと翻訳会社に依頼したんですかね。とりあえず、オーナーは台湾人だそうですよ」とYさんが言うので、びっくりした。甘さの由来は異なれど、台湾料理も上海料理も、「甘さ」が料理のベースにある。台湾人が供する上海料理は、一体どういったものになるのだろう。

二人であれこれ話して、まずは五皿ほど頼んでみた。

一皿目は、定番の松子馬蘭頭(松の実とコヨメナの和え物)。店員が「うちは化学調味料を使用しません」と言ったのが素直に信じられる、あっさり味だ。

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二皿目の凍蹄は、豚足の煮凝り。長々と煮込んだ豚足を骨から外して細かく切り、味をつけた煮汁に浸して冷やし、煮凝りにする。何となく上海と言うより北方の料理という気がするが、普通に美味しかった。

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三皿目は、咸菜冬筍目魚絲(青菜の漬物と竹の子とイカの炒め物)。最近、はるか昔に撮ったこの料理の写真をInstagramにアップしたばかりで、それで何となく食べたくなって頼んだのだが、やっぱりこの料理ってどの店で食べてもイカの質がイマイチなんだよな。これが上海の海鮮の限界か。

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四皿目は、本幇扣三絲。鶏胸肉・竹の子・中華ハムの細切りを碗に詰めて蒸し、碗を大皿にひっくり返してドーム状に盛り付けた後、スープをかけ回したものだ。これもあっさり味ではあるのだが、見た目も味の方向性も、思ったのとちょっと違った。

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五皿目は、この店の名物で、周りの客もみんな頼んでいた醤爆猪肝(豚レバーの味噌炒め)。どこの地域の料理というほどのものでもないありふれた料理だが、甘めの仕上がりが上海風ということか。

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そうそう、酒は十年物の古越龍山。瓶入りではなく、甕からポットに移して供される方式で、一斤(500ml)58元。上海でも安い方だ。

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五皿が揃ったところで、Yさんと言い合った。

「悪くはないですが、グッと来るわけでもないですね」
「はい。なんでしょうね、この感じ」
「そう言えば、上海料理のド定番的な、甘辛い味付けの料理を頼んでいなかったですね」
「それを試してみますか」

お洒落な上海料理店らしく、一皿の分量は控えめだったので、五皿のあとでも余力があったのだ。

そして、頼んだのが特色紅焼肉(上海風豚の角煮)。上海料理の王道とも言える料理だ。

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これを食べて、僕らの違和感の原因がはっきりした気がする。上海料理らしく、甘いことは甘い味付けなのだが、その甘さが上滑りしていると感じたのだ。

俗に「濃油赤醤」と言われるように、上海料理の特徴は、油と砂糖と醤油をたっぷり使った、甘じょっぱくてこってりとした味付けにある。その観点で言うと、この紅焼肉には油が不足していた。大量の油がもたらすこってりした土台がないので、甘さだけが目立つのだろう。

恐らく、甘さには上海人並みに耐性がある台湾人オーナーも、上海料理の油っこさは受け入れられなかったのではないか(笑)。「化学調味料不使用」を標榜しているところから察するに、油や添加物を控えめにした「ヘルシー上海料理」を目指しているのかもしれない。

この印象は、〆に頼んだ葱油拌麺にも受け継がれた。これまた周りの客は全員頼んでいた一品なのだが、僕らにはあまり響かなかった。


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↓これは野菜補給の酒香草頭(ウマゴヤシの白酒炒め)。
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尚、周りの客たちは、例によって、こういう甘い料理にスプライトやココナツジュースを合わせていた。これまでの人生、舌を現地化することは得意だと思ってきたんだけど、上海人の糖分耐性だけは真似できる気がしないな。。

↓今日頼んだ料理。
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ということで、大人気店ではあったけど、僕がまた行くかと聞かれたら、疑問符が付く。

「ま、でも、面白かったですね。開拓なくして成功なし、ですし」
「そのうちまた別の店を試してみましょう」

そう言って店を出た僕らは、巨鹿路までタクシーを飛ばして、二次会へ。少し前に復興西路から移転した老舗ジャズバー『JZ CLUB』でクラフトビールをあおった。

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上海のジャズバーは五割以上の確率でジャズをやっていないのが難点(爆)だが、演奏技術そのものは高いバンドが多いので、「何かしらの音楽を聴きながら酒を飲む」というスタンスで行けば楽しめる。この日のファンクバンドがやったEW&FのSeptemberは、懐かし過ぎたな。

Yさんとの話は盛り上がり、家に帰ったのは一時過ぎだったか。よく飲んだ。


<2017年2月> ■店舗情報■



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