酒

2017年03月21日

中華なお取り寄せ4 「自烤酒」 - 常備!雲南・西双版納のとうもろこし酒が大活躍!

中華料理といえば紹興酒を飲むものだと思っているのは日本人だけで、実のところ、中国で紹興酒が飲まれているのは浙江省紹興を中心とした江南地方くらいだということは、中華料理が好きな人なら、大抵は知っていることと思う。

実際に試してみると分かるが、江南地方以外の中華料理に、紹興酒はそれほど合わない。紹興酒の持つ甘さが、他地域の料理の味わいとはぶつかってしまうのだ。

つまり、江南地方以外の中華料理を食べるには紹興酒以外の酒が必要で、現在、ふたつの甕入り紹興酒を自宅に有する僕ではあるが、それだけでは日々の「おうちで中華」ライフを十全に楽しむことはできないということだ。

幸い、「酒徒は白酒が好きらしいぞ」という噂が社内に回ったおかげで、最近は上司や同僚がお客さんからもらった白酒が僕に回ってくるようになったので、白酒の調達には事欠かないようにはなったのだが、それに加えて、自分自身で取り寄せている酒が、本日の「中華なお取り寄せ」のテーマである。

それは、雲南・西双版納の自烤酒。「自烤」とは本来自家蒸留といった意味で、小規模醸造所の蒸留酒を指す。原料は様々だが、僕のお気に入りは、包谷酒。「包谷」とはとうもろこしの方言で、とうもろこしの蒸留酒のことだ。他地域では、玉米酒ともいう。

広州駐在時代の西双版納旅行でハマり、当時はペットボトルに量り売りしてもらったのを持ち帰ってちびちび飲んでいたのだが、最近の淘宝(中国の通販最大手)の発展は素晴らしいもので、試しに検索してみたら、うお、こんなものまで売っている!僕はスマホを手にしながら歓喜した。

では、ご登場頂こう。西双版納の自烤酒です!

↓じゃーん。
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ミネラルウォーター・・・ではなく、その空きペットボトルに詰めて送られてきた。

こんなの見たら、普通の人はドン引きするかもしれないが、僕はむしろ「本場と同じだ!」と叫んだ。どういうことかと言うと、自烤酒の醸造所はどこも小規模経営で、小さな単式蒸留器で醸した酒を大甕で熟成させており、小売りするときはペットボトルや巨大なプラスチックボトルを使って量り売りするのが普通なのだ。

↓西双版納旅行で訪ねた醸造所のひとつ。
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↓こじんまりとした蒸留設備。
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↓昔ながらの単式蒸留。
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↓熱源は薪!
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↓出来立てホヤホヤ!
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↓量り売りしてくれる老板娘。これは熟成させたもの。
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↓ローカル市場の酒屋でも、こんな風に量り売りしている。
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↓甕ごとに様々な酒が入っている。
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もっとも、ペットボトルのまま長期保存するのは僕だって不安なので、届いたらすぐ空いた一升瓶に移して保管している。

↓一升瓶に移せば安心。
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僕が何故この酒をわざわざ取り寄せているかと言うと、まず、単純に美味しいから。

アルコール度数は50度。とろりとした液体には、とうもろこしの風味があふれている。香りは程よく華やかで、味わいはほのかに甘く、コクがある。単式蒸留だけあって、とうもろこしの魅力が十分に活かされているといえる。

尚、この記事を書くに当たって業者に原料を確認したら、とうもろこしの他に、粟(あわ)も混ぜているそうだ。それが味にどう影響しているのかは、そもそも粟100%の蒸留酒を飲んだことがないのでよく分からない。

ともあれ、白酒のようなキツさがないので、合わせる料理を選ばないし、毎日でも手が伸びる。現地では生(き)でそのまま飲むのが普通だが、焼酎のように、前割り・ロック・お湯割りにしても旨い。

↓雲南で買ったナシ族の銅器に入れて、雲南旅行を偲ぶ。
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↓前割りにして冷蔵庫に入れておけば、夏も爽やか。
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その汎用性は驚くべきもので、実のところ、この酒を常備するようになってから、和食の際も焼酎を必要としなくなった。更に言えば、最近は、日本酒や紹興酒より高い頻度でこの自烤酒を飲んでいる気がする。

以下、日々の食卓から。盃に入っているのは、全て自烤酒だ。

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ここまで傾倒しているのには、値段の安さも大きく寄与している。聞いて驚くことなかれ。なんと500mlでたったの28元(450円)!。広告宣伝費を湯水のように使った有名ブランドの白酒が同じ量で何百元もするのと比べると、なんというか、アホみたいな値段である。

ものの良し悪しは値段でもブランドでもないのだなあと、こういうときに思わされる。これまで多くの友人や後輩にこの酒を勧めてきたが、おおよそネガティブな反応はひとつもない。アルコール度が高いという苦情はあったが、皆、その濃醇な味わいは認めてくれた。

中国在住の酒好きのあなた!是非一度お試しあれ。


■備忘録■
『老杨绿色食品店』で、購入。
*何店か試したが、ここに落ち着いた。



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酒徒 at 12:00|PermalinkComments(5)TrackBack(0)clip!

2016年12月28日

中華なお取り寄せ2 「甕入り紹興酒」 - お勧め!「甕のある生活」の圧倒的多幸感!

初回から随分と間が空いてしまった「中華なお取り寄せ」。(→第一回
第二回の今日は、二ヶ月前から我が家の居間に鎮座している御仁にご登場願いたい。

どん!!

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「甕」である。しかも、二つ。
中身は何かと言えば、タイトルでネタバレしているのでさらっと行くと、紹興酒だ。

写真では分かりにくいかもしれないので容量を言うと、一甕23リットルだ。
つまりは合計46リットル
現実感がない数字だと思うので500mlボトルに換算してみると、実に92本相当
酒屋でも開くのかって感じの量の紹興酒が、我が家には常備されているのである。

↓500mlのビール缶と比較して頂きたい。
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事の発端は、十月。
北京の食友が上海蟹のために我が家へやって来ることになったところから始まる。

「せっかくだから、どどーんと紹興酒を買っておこうか。甕とか面白いかもね」
「いいね!じゃあ、私が淘宝(通販サイト)で見繕って買っておくよ!」

そんなやり取りで、手配を連れに任せた僕。
しかし、まさかこんな巨大な甕を二つも買うとは思ってもみなかった。

「か、甕ってのは5リットルくらいのをイメージしていたんだが・・・」
「いやいや、大きい方が見栄えがするかと思って」
「・・・そりゃするかもしれないけど、なんでまた二つも・・・」
「飲み比べできた方がいいでしょ、五年物と十年物にしたよ」
「・・・今回の宴会は4人だよね?ひとり12リットル換算になるけど?」
「あ、そんなに?ま、大は小を兼ねる的な、ね」
「当然今回じゃ飲みきれないけど、置きっぱなしにしたら劣化していくんじゃない?」
「え・・・?蓋をしておけばきっと大丈夫でしょ!」

得意満面の連れ。
知り合ってもう二十年近くになるが、こんな思い切った一面があるとは知らなかったぜ・・・。

銘柄や値段を詳しく言うと、ひとつは古越龍山の加飯酒(三年物)で、もう一つは会稽山の十年物
お値段は、古越龍山の三年物が338元(約5700円)、会稽山の十年物が1756元(29800円)だ。
やはり古酒になると、一気に値段が跳ね上がるのだな。

価格だけ聞くと高い気もしたが、500ml換算だと三年物が7.3元(120円)、十年物が38元(640円)。
・・・安っ!十年物ですら、調理酒としてもガンガン使えるレベルだ。

「まあ、開封後の劣化の懸念さえ除けば、悪い買い物ではないかもしれない」
「でしょ!?」
「でも、同時に空けるのはさすがにリスキーだから、十年物を先に開けよう」
「そうかー。しばらくして劣化しなさそうだったら、三年物も開ければいいね」

方針はまとまった。
最初は度肝を抜かれたが、いざ並べてしまえば、何やら頼もしい感じがする。

そして、いざ迎えた食友との上海蟹の宴。
十年物の甕の開封式を以って、宴は始まった。手順は以下の通り。

1)中華包丁やハンマーで外蓋の周りの固まった土を叩き壊し、外蓋を外す。
2)その下にある蓮の葉のカバーを外す。
3)更にその下にある素焼きの内蓋を外す。

↓1)が終わったところ。蓮の葉カバーが見えてきた。
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↓2)も完了。
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↓じゃーん、これで飲めます。
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床に散らばった土を掃除機で片付けて、開封式は終了。
甕に付帯してきた長い柄杓で酒をすくい、だばーっと大きな片口に注ぐ。
この作業が何気に楽しい。日常に非日常感が生まれる。

↓こんな感じ。
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↓大きな片口にたっぷりと。
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「えーと、紹興酒は売るほどあるので、いくらでも飲んでください」

僕が宣言すると、参加者から「わー!」と声が上がった。
この、「いくらでも飲んでいい」ことが宴にもたらす好作用は、想像以上のものだった。

何が寂しいって、宴の途中で酒が切れることほど寂しいことはない。
この甕を前にしたら、そんな不安など一気に吹き飛んでしまう。
むしろ酒を汲みにいくたびに、なみなみと揺れる酒の海を見て、心がゆったりしてくる。

飲んでも飲んでも水位が減る気配すら見えないのがいい。

「もう数リットルは飲みましたよねえ」
「仮に三リットルだとしても、まだ二十リットル入っていますからねえ」

この圧倒的安心感と多幸感!
「買って良かった」という気持ちがじわじわと沸き起こってきた。

味自体は普通の十年物の紹興酒だが、「ブレンドされていない」という面白さはある。
通常の紹興酒は、品質安定化のため、様々な甕の酒がブレンドされる。
また、十年物と言っても一定量は他の年数を混ぜても良い法律だから(うろ覚え)、
ピュアな十年物ではない可能性が高い。

ま、こういうことを言い出すと、そもそもこの甕の中身が本当に十年物かも分からないのだが、
みんなが飲んだ感想は、「普通に美味しいし、安くていい!」というものだった。

さて、封切りから約二ヶ月経った今、紹興酒の甕はすっかり我が家に馴染んだ。
「どれだけ飲んでもなくならない」という安心感は、僕の精神安定に大きく寄与している。

普段の晩酌、然り。
酔鶏や酔蟹など、紹興酒がふんだんに必要な料理を作る時も然り。
何も躊躇することなく、がぶがぶ飲んで、だばーっと使えるのがいい。

↓紹興酒を消費するために中華を作る頻度が高まった(笑)。
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↓一人でも大きな片口でがぶがぶ飲む。
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↓飲まないときは素焼きの蓋を布でくるんで置いてある。
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その結果、甕の水位は大分下がってきた。
今のところ、劣化の兆しも見えない。こりゃ本当にいい買い物をしたと言えそうだ。
唯一の欠点は、酒がなくならないので毎回トコトン呑んでしまうことくらいだろうか。

ということで、「甕のある生活」、あなたも如何ですか?
楽しいですよ!


■備忘録■
『燕九坊酒类专营店』で、購入。



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