◆香港で食べた◆

2017年05月25日

香港2 - 早朝の牛乳プリンから茶餐廳にハシゴし、空港で潮州料理を詰め込む。

翌日は、銀行で事務手続きを済ませてから、空港へ向かうスケジュールだった。

真面目に早起きして、銀行の開店時間前に向かったのは、『義順牛奶公司』の佐敦支店だ。ここも初香港のときから通っている店で、マカオの本店にも何度も行ったことがある。

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お目当ては、ド定番の双皮燉奶(牛乳プリン)。冷たいのと温かいのがあるが、牛乳の豊かな香りとコクを十分に味わうには、絶対に温かいのがオススメだ。柔らかな甘さで、寝ぼけた脳が覚醒していく。うまー。

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銀行手続きは、思ったより早く終わった。これならあと一軒くらい冷やかす時間がありそうだ。佐敦から油麻地まで散歩して、『美都餐室』に立ち寄った。レトロな佇まいが魅力の、老舗茶餐廳だ。

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茶餐廳というものは、要は香港版ファミレスなので、特に旨いものがあるわけではない(と僕は思っている)。昨夜、遅くまで食べ歩いていたせいで大してお腹が空いていなかったこともあり、鴛鴦(コーヒー&紅茶ミックス)と鮮牛油菠蘿包(パイナップルパンのバターサンド)だけ頼んだ。泣く子も黙るベタな組み合わせである。

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で、やっぱり特に美味しいってものでもないんだけれど、力の抜けたチープな味が「これぞローカル香港」な感じで、懐かしさに浸った。思い返すに、初めて鴛鴦の存在を知ったときは驚いたものだ。しかも、それがまあ意外にイケる味だったことにもう一度驚いたっけ。

空港に着いたら、幸か不幸か飛行機が遅れ、ランチを食べる余裕ができた。潮州料理の店に飛び込んで、香煎蠔烙(牡蠣の玉子とじ)と昼ビール。ま、空港のレストランなので味はそれなりだが、ちょっと得した気分だ。

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この日のビールは、サンミゲル。香港ブランドじゃないけど、サンミゲル飲むと香港って気がする。

最後のダメ押しは墨魚丸米粉(イカ団子の汁米麵)

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スープの味はチープだったけど、イカ団子が期待通りブリンブリンで良かった。

そんなこんなで、マカオ→ダナン→香港の幸せ出張は幕を閉じた。帰宅後、体重計に乗った僕は思わず血を吐いたが、まあ、仕方ないというか、本望と言うべきだろう。


<2017年2月>



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2017年05月24日

香港1 - バックパッカー時代を思い出し、深夜のローカルひとり飯!

三泊四日のベトナム・ダナン出張を終え、帰路の経由地である香港に降り立った。往路で立ち寄ったマカオ同様、六年ぶりの訪問だが、何度目かは忘れた。

空港からHK EXPRESSで九龍へ向かい、佐敦の安ホテルに投宿したのが夜の十時半過ぎ。明日の昼には上海へ向かう駆け足スケジュールだが、出来る限り香港気分を味わいたい。

まともなレストランはもう閉まっている時間だ。バックパッカー時代を思い出して、適当にローカル店をハシゴするとしよう。ホテルを出て、佐敦から油麻地のあたりをうろついた。このあたりの雰囲気は、僕がまだ十代だった二十数年前からあまり変わっていないように思える。

腹ペコだったので、一軒目は深く考えず、適当に見つけたローカル海鮮料理店に入った。深夜十一時近くだというのに、店の前の道路に並べた席まで満席の大盛況だ。

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冷えたビールを頼むと、出てきたのは何故か北京ブランドの燕京啤酒。最近は香港にまで勢力を伸ばしているのか。

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それをあおりつつむさぼったのは、白灼麈蝦と豉椒炒青口だ。

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白灼麈蝦は、シャコの塩茹でだ。中華でシャコといえば椒塩(素揚げしたあとピリ辛花椒塩をまぶす)という調理法が人気だが、ひとりで食べ続けるには味が濃過ぎるし、シャコ自体の味も目立たなくなるので、僕は白灼(塩茹で)の方が好きだ。見たまんまの味だが、実に旨い。

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豉椒炒青口は、イガイのピリ辛豆豉炒めだ。イガイはムール貝の仲間で、香港ではよく食べる。豆豉と唐辛子・大蒜・生姜などを合わせて炒める「豉椒」という調理法は広東料理のもので、ちょいと甘めのピリ辛味が貝の旨味とよくマッチし、ビールを呼ぶ。玉葱やピーマンで野菜補給もできて、丁度良かった。

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夜でも昼のように明るい喧騒の中でひとりガツガツと海鮮をむさぼっていると、自分が若返ったような気になる。僕の初めての海外ひとり旅は、確か香港だった。当時の僕も、似たような場所で似たようなものを食べていたんだろうな。

二軒目は、佐敦の有名店『麥文記麵家』へ行ってみた。香港式のゴワゴワ麺の老舗で、深夜十二時までやっているのがありがたい。初香港のときにもこの店には来た気がする。

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注文は、ベタ中のベタで、上湯雲呑麺(海老雲呑麺)。プリプリの海老ワンタン。ゴワゴワの麺。同じ中華圏でも、上海にいると香港式の麺って滅多に食べないので、久々で嬉しい。もっとも、スープはかなり濃い味付けで、途中で持て余してしまったが。

↓上湯雲呑麺。海老ワンタンは麺の下に沈んでいる。
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↓せっかくなので、ひとつ取り出して、パチリ。
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ま、スープの味が濃いのは織り込み済みだ。それを中和するために頼んだのが、油菜である。香港において、油菜とはほぼ「茹で野菜のオイスターソースがけ」を意味する。これが大陸では別の意味になるのだが、そのあたりは以前記事にしたこともあるので、興味がある方はリンク先を見て欲しい。(→「油菜」の謎

↓油菜。
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しかし、香港人って本当にオイスターソースが好きだよな、と思う。同じ広東料理文化圏でも、広東省では香港ほどオイスターソースを用いないし、他省に至っては、ほとんど使われない(今は使うこともあるが、本来は使わない)。日本の中華料理レシピにやたらオイスターソースが使われているのは、香港の影響なんだろうな。

さて、普段は炭水化物を控える生活をしているはずなのに、この日はうっかり蝦子撈麵(海老の卵の和え麺)まで追加してしまった。だって、大好物なんだもん。

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海老の卵の独特の風味を楽しみながら、もふもふムフフと麺を頬張った。ただ、麺の量に比べて蝦子(海老の卵)の量が少なかったので、最後は麺ばかり食べる羽目になってしまったのが、少々つらかった。これを頼むなら最初の雲呑麵を麺抜きにしておけば良かったと思ったが、後の祭りである。

お腹はすっかり一杯だ。だが、なんとなくホテルに戻りたくなくて、これまた有名店の『佳佳甜品』にハシゴした。ここも昔来たことがあるが、当時とは場所が変わった気がする。

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腹にたまらないものという基準で、杏仁露をチョイスした。杏仁の粉に水と砂糖を加えて煮た汁粉のようなものだ。冷たいものと温かいものが選べて、僕は温かいものにした。

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碗からは杏仁豆腐と同じあの香りが立ち昇り、汁はさらりとして、仄かに甘い。若い頃はマンゴー系の派手なデザートに心惹かれたものだが、最近はこういう地味な甜品が好きだ。品のいい味で、満足。見事に〆を飾ってくれた。

気付けば、時計の針は十二時半を回っていた。駆け足ではあったが、出張のついでとしては十分に香港の夜を味わうことができた。


<2017年2月>



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酒徒 at 12:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2011年02月15日

香港 - 十年越しの挑戦!通粉で得た奇妙な満足感!

先週末は、香港へ行ってきた。  
飲茶は広州でいくらでも楽しめるので、今回は久々にアフタヌーンティーへ。
「色々つまみながらだらだらする時間」という意味では飲茶や居酒屋と同じで、なかなか楽しい。

初めて行ったレパルスベイの『ザ・ベランダ』は、景色も菓子の味も良かった。
同じペニンシュラ系列でも、行列客で騒がしい『ザ・ロビー』より、のんびりした時間が過ごせた。

↓『ザ・ベランダ』のアフタヌーンティーセット。
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さて、これまでこのブログで香港の記事をひとつも書いていないのは、
既に情報が豊富な香港より、他地域の記事を書いた方が有意義と考えてきたからだが、
今日だけは、僕にとっての記念碑的意味合いで、例外としたい。

なんせ今回は、十年越しの懸案事項を解決してきたのだ。  
いつか一度は食べてみなきゃと思いつつ、ずっと先延ばしにしていたある食べ物を試したのである。
正確に言えば、数時間に渡るトランプ勝負に負けた連れが、罰ゲームとして頼んだのだが。

香港通の人には、「え!?食べたことなかったの?」と言われそうだけど、
その食べ物とは、通粉(マカロニスープ)のことである。

朝食時の茶餐廳を訪ねれば大勢の香港人が注文している人気メニューにもかかわらず、
茹で過ぎでぶにょぶにょのマカロニも不味ければ、上に載ったハムやランチョンミートも不味いと、
香港を訪ねた日本人の間では、不味すぎるがゆえに却って有名になっているような料理だ。

僕が初めて通粉の実物を見たのは、初香港の13年前だったと思う。
そんな料理でも、とりあえず地元で人気なら一度は食べてみようと思うのが普段の僕だけど、
たまたま隣の客が食べていた通粉は噂以上に不味そうで、雲呑麺だの魚片粥だの、
他に食べたいものがいくらでもあった当時の状況下では、とても頼む気にはならなかった。

いや、当時のみならず、香港経験が3回、5回、10回と増えていき、
今回の広州在住で香港にちょくちょく行けるようになってからも、その思いは変わらなかった。
こう言っちゃ何だけど、どの店で見る通粉も、本当に不味そうなんだもの。。
犬でも虫でも旨そうなら食うけど、不味そうなものにわざわざ手を出すのは躊躇してしまう。

僕同様に学生時代から香港に通い始めた連れも、通粉に対する態度は似たようなもので、
「いつか香港駐在になったら食べてもいいと思えるかも」と、これまで全くやる気がなかった。

だが、このまま食べずに日本に帰国することになったら心にささくれを残しそうな気がして、
今回こそは食わず嫌いを改め、通粉にチャレンジすることにしたのである。

きゃぴっと椰汁木瓜牛奶(ココナツパパイヤミルク)をすする僕の前で、連れは通粉を頼んだ。
目玉焼きが2つのった、双蛋通粉である。

本来ならば、メジャーな火腿通粉(ハム入り)や餐肉通粉(ランチョンミート入り)にすべきだろうが、
連れが「ハムやランチョンミートはどう見たって市販のケミカルなやつだよ。食べるまでもないよ」と
泣きを入れてきたので、優しい僕は「まあ良かろう」と頷いたのだ。

↓椰汁木瓜牛奶。美味しい。
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↓これが双蛋通粉。十年越しの挑戦の結末は如何に!?
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恐る恐るスープとマカロニをすくって口に入れた連れは、静かにスプーンを置いて、言った。

「まずっ!!!」 

その断言に却って興味が沸いてしまった僕も、スープとマカロニをずずっとすすって、言った。

「まずっ!!!」

あまりにも想像通りのまずさに、2人して笑い出してしまった。

ただ、中国に暮らし始めて以来、「コシのない麺類」というものに理解が生まれた僕らにとって、
ぶにょぶにょしたマカロニの食感自体は、それほど奇天烈なものには感じられなかった。
「まあ、こういうのもあるよね」「このスープを吸った感じが香港人は好きなのかもね」って感じで。

だが、決定的にまずかったのが、スープだ。

だって、化学調味料たっぷりの、インスタントスープそのものなんだもの。
だから、そのスープを吸ったマカロニも、当然まずい。  
さすがに目玉焼きは普通に喰えるだろうと思ったら、やっぱりスープがからんでまずい。

まあ、スープ(ダシ)が酷くて全体が台無しってことは雲呑麺や粥でもよくあるから、
通粉のスープだけが突き抜けて不味いってことではないとは思う。
でも、これにケミカルなハムやランチョンミートが加わったら、一体、どうなってしまうんだろう。

↓スープを全身に吸い込んだ、ぶにょぶにょのマカロニ。
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↓放っておくと、どんどんスープを吸っていくところがまたつらい。
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スープがちゃんと美味しい店なら、もう少し美味しくなるのかもしれないが、
「安くて手軽な朝食」という位置付けのものだけに、こだわってる店がそんなにあるとも思えない。
香港のローカル店は基本的に「化調天国」だから、これはきっとこういうものなのだろう。

「まあ、ある意味、『まずい』という結論で良かったよ。
 もし美味しかったら、『十年以上、ずっと損してた!』って歯噛みしなきゃいけなかったし」
「だな。『なんだ、普通じゃん』ってんでもなく、『まずい!』と心から思える味だったのも良かった」

何だか無理やりに聞こえるかもしれないが、意外に奇妙な満足感を得た僕ら。
その周りでは、ほとんどの香港人客が旨そうに通粉をすすっていたのだった。

ま、多くの地元民に愛されている料理を1回の挑戦で見限るのも忍びないので、
いつか香港駐在になって、重度の風邪を引いて、家に食料のストックが全くなく、
3日くらい何も食べられなくて、隣の香港人が通粉を差し入れてくれたという状況になったら、
もう一度くらい試してみるかもしれない。


■今日の料理■
下午茶(アフタヌーンティー)
撮影@『ザ・ベランダ・レストラン/The Verandah Restaurant』
住所:109 Repulse Bay Road, Hong Kong
電話:(852)2812-2722
*オーシャンビューの席を押さえるなら、早めの予約が必須。
 
双蛋通粉 shuan1dan4tong1fen3
撮影@『義順牛奶公司』
住所:香港九龙油麻地弥敦道513号
電話:(852)2332-2726 



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