March 2006

March 31, 2006

好きだ、

石川寛監督

ユウ(17歳)は、同級生のヨースケがちょっと気になっている。彼の奏でるたどたどしいギターのメロディも覚えてしまっている。けれどユウは、ヨースケが自分の姉のことを気にかけていると思っていて、心を伝えられないままでいる。じれったい時間を重ねて、深まるかと思ったふたりだが、ある事情から遠く離れてしまう。そして17年後。かすかに重なるふたりの時間……という話。

あああああ、もどかしい!!!!

恋愛初期の、やるせなさ、つーんですかね?
自分の気持ちとか存在とか空気とかなにもかもを好きな相手に知ってもらいたいという衝動。でもそう思っていることに気付かれると、穴掘って埋もれたくなるような絶望。相反する感情が交互に襲ってきて、やっぱりまた埋もれたくなる。
そんなふたつの気持ちに引き裂かれそうになる「若かった自分」を思い出して、
懐かしくて面映くて情けなくて、すごーく恥ずかしくなってしまう。
……そんな映画でした。

17歳。そして、さらに17年。
倍の時間を重ねていても、好きな人に対峙するときのドキドキした気持ちって、変わらないんだよねえ。

17歳のふたり、と、34歳のふたり、を、違う俳優が演じています。
宮あおいと瑛太。永作博美と西島秀俊。
どの時間の気持ちにも共感してしまいます。

と。と、いっても。
感じ入ったのは、それぞれの人の一瞬ごとの気持ちであって、物語の全体像ではないのです。
全部をまとめて思い返してみると、
スピードは遅いし、わからない部分もあるし、エンターテインメントなドラマに慣れきっている(セオリーに慣れてるってゆうか)自分からすると、「たるい!」と感じる部分も多いので、
チョー面白かった! とはいえないのです。

だけど、それぞれの時点での「もどかしさ」が、やはり泣けそうに気持ちに迫ってくるのですね。

どこに切なさを感じるか、って、人によって違うんでしょうね。
わたしは、「好きな人は、別の人を見てる」「好きな人に、素直になれない」ってあたりがツボなんだなあ、と、つくづく感じました。


いい大人になって。
面映くて、愛だの恋だの、いえない歳になって。
それでも気持ちを丸裸にされてしまう、やるせない想いがある。

……そんな時間に引き戻してくれる映画でした。


個人的には、後半部よりも前半部の方が好きですね。
特に、宮あおいに寄っていくような、撮影方法がね。
一緒にいる瑛太の感情は、実はそれほどわかんないんですよ(笑)。
でも、ユウこと宮あおいの表情とか、仕草とか、一瞬の間とかが、いいのです。
それをじーっと、ある意味執拗に(笑)映してるのですね。
恋するゆえに考えすぎちゃってる彼女の気持ちの揺れ動きがわかるのです。

あ、情けない西島秀俊もよかったですよー。
なんだかんだ言って、わたし西島氏、好きかもしんない。けっこー、観てるよなあ。


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March 28, 2006

クラッシュ

ポール・ハギス監督

二人の黒人少年は、富豪カップルが自分たちを差別の目で見たと言い、車を奪う。強奪された車と同じ車種に乗っていたパーティ帰りの黒人カップルは、巡回中の市警察官により辱めを受ける。一方、イラク人と誤解された雑貨店のペルシャ人店主は護身用の銃を手に入れようとして口論に。日常会話程度の英語しかできない彼は銃に相応しい弾を購入することができず、娘が棚の中から選ぶ。
アメリカはLA。様々な場所で様々な人間がぶつかり、苛立っている。そんなある冬の夜、翌夜までの36時間の話。

描かれている人種差別について、自分に深い実感がないからかもしれませんが、
差別はモチーフではあるけど、それだけが本題ではないように感じました。

これは、どこででも起こりうる「人と人との衝突」の話なのではないかと。

人が何人かあつまれば、当然考え方の違いが浮き彫りになります。

相手を思い込みで判断することもある。
気分によって自分の行動が左右される。
相手の反応を深読みしたり、勘ぐることもある。
無意識の言葉が、相手を傷つけてしまう。
逆に、意味なくひねくれてしまうこともある。
誤解が傷を広げ、そして他人との間に亀裂がうまれる。

本映画では、ある夜に起きた出来事が、
翌朝にはいろんな場所でいろんな風に発展していました。
一日の間に、登場人物たちがそれぞれ動いて、
その日の夜には、昨夜とはまったく違う人間模様を描くことになります。

それぞれの心の中で解決した問題もあれば、
新たな火種も生じる。
残酷な現実を突きつけられた人もいれば、
奇跡のような幸運に恵まれた人もいる。

でもそれは、一人一人が変化したというより、
人には色んな面があるということを告げられたようでもあります。
特に二人の市警の辿った道は……。

「今」を切り取って投げてみました、とでもいわんばかりのラスト、空中からのショット。
あとは観た人がそれぞれの受け取り方で受け取ればいい、と
そんな風に感じました。

とさて、ところで以下、ネタバレ↓↓続きを読む

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March 27, 2006

ブロークバック・マウンテン

アン・リー監督

1963年、ブロークバック・マウンテンで羊の放牧監視の仕事に就いた二人の男。いつしか二人に深い絆が生まれるが、それは許されない愛の形。それぞれに妻を娶り、子を成した二人だが、互いを忘れたわけではなく……という話。

なかなか辛く切ない話でした。
相思相愛……なんだけど、
互いを想う気持ちには大きなズレがあり、そこがドラマのキモと感じました。

愛する気持ちだけでは生きられない。
生活もあれば世間体もある、関わってきた人間もいる。
また、二人の「求めているもの」も微妙に違うようす。

ジェイク・ギレンホール演じるジャックは、両刀ではあるけど、
どちらかというと、男性の方が好きな様子。
最初から、ちょっと目つきが怪しい(笑)

ヒース・レジャーのイニスは、
男性が好きというより、「ジャック」が好き。
また、父親の影響や幼児体験もあって、自分は「そういう嗜好」はないと断言。

互いに離婚して、二人だけで暮そう、経済的にもやっていける目処はある、と誘う大胆なジャックに対し、
世間の目を気にする慎重なイニス。
でも、自分の心を偽ることができず、生活が先に崩壊するのはイニスの方。
ジャックも逢瀬の少なさや、ままならぬ二人の関係に苛立ち、
イニスを裏切るようなことをしてしまう。


同性愛者に対する差別の、時代背景の細かな部分はわからないけど、
わたしの知ってる範囲だと、
物語の終盤頃の時代に、エイズがゲイの病気と誤認され始めてます。
(81年に、アメリカ都市部で「男性同性愛者が免疫不全の感染症で死亡」として有名に)
神に背いた罰といった言われ方もされていたように記憶しています。

映画中にはエイズの話題が出ていないので、
彼らはそれを知らなかったかもしれないけど、
かなり差別的な時代だったろうと推測できます。

それを考えると、関係を続けるために慎重になるイニスの方に共感してしまう。
けれど、相手を求める狂おしさが抑えられないジャックの気持ちも、判らなくもないんですよねえ。

なんとかして添い遂げさせてあげたいと思うのだけど、
それがままならないからこそ、見入ってしまうんでしょうね。


ラストで、思い出に生きていくようなシーンがあったけど、
中盤からずっと、二人は思い出の中で生きていたのかもしれないです。
現実の自分たちは、生活のためにいろんなものを塗り、疲れ果てた人間。
でも本当の自分たちは、あの山(ブロークバック・マウンテン)にいまもいる、と。


さてこの映画、
「リアル」シーンがあって、そこが耐えられないという話もあり、
たしかにわたしも、
ごつい男で、っつーのはキッツイなあ、とも思うのだけど(優男ならいいのか(笑))。

でも、それよりも個人的にもっとキツく衝撃的だったのは、
最初の頃の、ある羊移動シーンでした。

その少し後の、
緑の中に、羊が放牧されているシーンは、牧歌的だったし、
他の背景シーンはどれも美しかったのだけど、
「大画面の端から端まで、空中から撮られた薄桃色の羊が、所狭しと、うにうにと動いている数秒間」は、
羊が羊に見えず、人間を押し潰しかねない恐ろしい「なにか」の集団に見えて、
冷や汗が出ました。

眠れない夜に羊の数を数えるといいって言われるけど、
数万の羊の大群は、ちょっと怖い。あまり数えたくないシーンでした。

そうそう、この映画、
羊の数を数えていたら、いつのまにか「寝て」しまった話、でもあります。<違う違う

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March 26, 2006

カーナビは考える

週末に、旅行というか、この冬、不義理をしていた親戚回りに行ってきました。

ずっと調子の悪かった車がやっと新車になったので、足慣らしの意味もあります。

カーナビもまったく違うものになりまして、これがなかなか頭がいい。

目的地登録をすると、ルート設定してくれて、到着時間予想から道案内からおまかせ、
というのが、一般的なカーナビの利点でありますが、
以前のってた車は、かなり五月蝿かった。

とにかくやたらと自分の決めたルートにこだわるのよ。

右折して500M、続いて左折して500M、ってのと、
直進して500M,右折して500Mって、到着地点同じでしょ?
道の大きさとか、交通事情とか、カーナビも考えてるだろうけど
運転者も信号の具合とかその他で判断するわけですよ。

それを指示どおりに右折しなかったからって、
次の100M地点で右折させ、細かな道を進ませて自分の指示してた左折後の道に進ませようとするわけだ。
かえって時間かかるっつーに。
しかもいちいち
「ルートが変わりました、ルートが変わりました」って叫ぶ。

「変わりました」じゃなくて「変えたんだ!」っちゅーの。

ついでに観光地の案内もしてくれる。
外ではありがたいけど、地元では邪魔。
うちから駅に向かう途中に、ちょいと大きな神社があるので、まいど案内してくれるのです。
……いや、もういいから。知ってるから。


同じように五月蝿く感じていた人が多数いたんでしょう。
新しい車のカーナビは、ずいぶんソフィスケートされていました。

ルート変更しても、騒がず焦らず、次の候補を示してくれます。
「この先、500M……(沈黙)、400M先を右です」と、
車のスピードに応じて考え直して、言い直してもくれました(笑)。

面白かったのでぐるぐる回ってルートを混乱させてみましたが、
耐えています。

その上、帰宅のルートを変更して図書館に寄ろうとしていたら、
「この先△M先、○○図書館南交差点を左折です」と、予定通りの道まで案内してくれました。……これは偶然だけど。

褒めてつかわす。


chikachan112 at 23:59|Permalinkclip! 

March 24, 2006

コラテラル

マイケル・マン監督

タクシー運転手の主人公(ジェイミー・フォックス)が、偶然乗せたイケメン銀髪のビジネスマン(トム・クルーズ)。一晩のうちに済ませたい仕事があると大金を見せるビジネスマンだが、実は殺し屋。タクシーの中に死体まで乗せられ、この分では最後に殺されかねない。はたして主人公は、無事に朝を迎えることができるのか。

一晩の物語、というのはやっぱりスピード感がありますよね。
最悪の状況から逃れたいとじたばたする主人公の様子は見ごたえがありました。

ええ、主人公!!はあくまで、タクシーの運転手の方ですから(笑)

主人公はどちらかというと真面目なタイプ。
自分の会社を興したいという夢もある。
けれど今の生活に慣れてしまっていて、自ら夢を遠くに置いている。
母親の病気もあるけれど、
実際に行動を起こそうとしていない。

そんな主人公が、最悪の夜を過ごし、自分の足で走ろうとする。

タクシー運転手の方から映画を見ると、
クールでハードボイルドな話かな、と思っていたのが、
次第に熱くなってきて、心躍りました。

警察がところどころ間抜けだったり(職務質問から簡単に解放されるとか)、
ダンスホールの銃撃戦がご都合主義だったり、
「あれ?」と思うところも多多あったけれどね。

殺し屋は、悪魔のような天使だったのかもしれませんね。

あのラスト、彼も人生から解放されたと受け取りました。

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March 23, 2006

海猫

森田芳光監督

函館から漁村に嫁にきた美しい主人公。素朴なところに惹かれたはずの漁師の夫は、次第に乱暴な様子を見せる。芸術を解する夫の弟は、主人公に熱い視線を注いでいる。いくつかのすれ違いで夫への心が薄らいだ主人公はあやまちを犯す。それが悲劇のはじまりで……という話。

実は、佐藤浩市目当てで見ました!
……実はもなにも、いまさら告白するようなことじゃないけど(笑)

鑑賞の動機が不純だったせいもあるのか、
面白く感じませんでした。

キャラクターが、なにを考えているのか、
どういう理由がそれぞれの行動の元になっているのか、全然わからないのです。

特に主人公がわからない。
どうして彼と結婚しようと思ったのか、なぜ自我がない(ように見える)のか。
主人公の弟は妙に姉にべたべたしているし、逆に母は娘に対して距離があるし。
主人公を愛する義弟も、色んなところで浅はかで、理知的に見せてる割に詰めが甘いし。
佐藤浩市の演じた「夫」は、「子供が大人になった自分しか見ていないワガママおばかさん」なんだけど。

また、20年前ってそんなに封建的? と感じる場面もちらほら。

最後の選択にいたっては、理解不能でした。
幼児と乳飲み子を置いて、母親が○○できるものなんですか?(ネタバレなので伏字)

女の幸せとはなんでしょう、っていうテーマなのでしょうか。
それとも、薄幸の運命と(ある種の)純愛に泣いてください、ってことなんでしょうか。

原作は谷村志穂。
原作を読んだら納得できるかも、とも感じたけど、正直、わざわざ読みたいとは……思えないなあ……。

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March 22, 2006

僕の彼女を紹介します

クァク・ジェヨン監督

『猟奇的な彼女』の雰囲気をそのまま持ち込んだ映画で、
同じ「可愛くて乱暴者で、でもにくめない」女の子の話だと思ってました。
公開の時の売りの文句も、
監督も主演(チョン・ジヒョン)も同じということを強調していたように記憶してるし。

なので中盤からの展開に、
……おぉ、そう来たか!
と素直に驚き。

「それ、ありえんから」とつっこみたい部分はあったけど、
一途でいじらしいし、想いは伝わってくるし、
楽しめました。

部屋中の風車もかわいくていいですね。

けど、ラスト、
「出会い」は急がなくてもいいんじゃない?

ましてや「あの彼」が出てきてはギャグでわ……。

チョン・ジヒョンの映画では『イルマーレ』が一番好きです。穴はあるけど。(過去感想はここ


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March 21, 2006

販売戦略たててみる?

先日の土日は用があってバタバタしてたので、
今日は久しぶりのお休みでした。
漫画喫茶行って、図書館行って、スポーツクラブ行って。さあ、寛ぐぞ。


しか〜し。なんか変。


……どこもかしこも閑古鳥でした。
どうやら、ワールドベースボースクラッシック決勝のせいみたいで。

漫喫では、従業員が余り過ぎてレジでグチってましたよ。
「仕事ならんね。わたしあがらしてもろてええ?」(あがる=仕事を終えるという意味)
「ランチの仕込み、あまるわ」

この漫喫、休日はお客さんで一杯なんですよ。駐車場も満タンだし、禁煙席もとれないし。
しかし今日は、全然いません。ぽつねん、って感じ。

ま、従業員さんもわたしも、TV観てたんですけどね。

ちなみに、漫喫で4−1まで観てて、
図書館から車に戻ったら6−1になってて、
スポーツクラブに行ったら、なぜか6−3で、(<なぜかじゃない)
そのまま6−5になった時には、少ないお客さんが食いつくようにTV観てました。
あ、ここのクラブも休日は一杯の人なんすけどね。
そしてわたしも読むつもりで持ってきた図書館の本そっちのけ。

イチローが打った時、最終的に勝利した時には、
みなさんで拍手喝采。

今日はどれだけ宅配ピザが売れたんだろうな。
外食産業は、きっとイマイチだったことでしょう。
そんな風に人の流れを変えてしまうってのは、凄いですねえ。


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March 20, 2006

サマリア

キム・ギドク監督

旅行費用のために援助交際をする女子高生と、監視役の友人の女子高生。ある日、主人公が目を離した隙に警官に現場を押さえられてしまい、友人は逃げようとして死んでしまう。
主人公は友人の「相手」だった男たちと会い、寝て、金を返していく。
しかし彼女の父は刑事。やがて娘の行動に疑惑を持ち……という話。

援助交際をしていた少女は、いつも不思議な笑みを浮かべていた。
自分の行為で相手を癒しているという一種の自負のようなものを持っていたようす。

主人公は、友人が死んだ後、彼女の気持ちを知りたいと感じる。
金を返すことで罪をあがなおうとする。

彼女の父親は、娘への思いから、悩み苦しみ、抜き差しならないことになっていく。

慈悲。贖罪。
そして父親の愛情と苦悩。
ひとつひとつは伝わってくるのだけど、
それぞれの想いが絡まっているような絡まっていないような、
どこか座りの悪い印象でした。

現代美術館(?)の少女たちの語らい、
草原の中での暴力、
埋められる少女、
絵になるシーンが多くて、きれいで、
そこが哀しみを強調させていたんだけど。

ラスト、主人公がひとり車を走らせるシーンは救い……かな?


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March 19, 2006

父と暮せば

黒木和雄監督

1948年。原爆投下から3年後の広島。
広い大きな家に独り住まう図書館司書の娘の元に、「父」が現れる。どうやら父は、図書館にやってくる青年に心惹かれつつも、いつ襲われるかもわからない原爆病を怖がって気持ちを表に出せない娘を案じているようす。そんな彼女に向け、恋の応援団長を名乗る父。
父と娘の会話で、話は進んでいく……。

とても良かったです。
舞台劇風の設定も良かったし(原作は井上ひさしの戯曲だそうです)
徐々に見えてくる映画世界も良かったし、
宮沢りえと原田芳雄の演技もいい。

そして、ストレートすぎるほどのテーマが、まっすぐに響いてきます。

まずは何も考えずにとにかく観て、感じて欲しい映画なんだけど、
ネタを割らずに感想が書けないので、以下↓↓
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March 18, 2006

阿弥陀堂だより

小泉堯史監督

心を病んだ女医が、夫の故郷の村に越してくる。週3日だけだが診療もはじめ、無医村だった村の人々は大いに歓迎する。
阿弥陀堂に住まう96歳の老女。その暮らしを村便りで紹介する、病気で声を失った若い女性。死の縁にある夫の恩師。
かれらを始めとした村人との交流。そんなゆったりとした暮らしに、女医はやがて心癒されていく……という話。

現代の日本人が夢見る、おとぎ話のような穏やかな映画。

ストーリーの大きな起伏はないし、いい人ばかりだし、
どちらかというと、わたしの苦手な話……のはずなのだけど。

でも、とても楽しめました。
ゆったりとした気分が味わえました。

うーん、なぜだろう。

無駄な演出や計算が見えなかったからかもしれません。
見えない、ということは、逆に計算も緻密なんでしょうね。

春からはじまり、田に水が張られ、稲を植え、緑の色が濃くなっていき、やがて黄金となり、白に閉ざされる。

そういった山里の穏やかな一年に抱かれながら、
日々を生き、死に、新たな命が芽生え、という人の暮らしが流れていきます。

人、が、その人個人ではなく、自然の中にある全体の命、として描かれてました。
その中にあると、すべての出来事が、また巡り来るものとして感じられる。

実家が田舎にあるわたしとしては、
不便というだけでない面倒さを知っているので、
(ここまで山の中じゃないけど)
やっぱ、これって都会から見たおとぎ話だよな、と苦笑もするのだけど。

でも、たまにはこういう映画も悪くないなあと思うのでした。

そういえば、
続けて観た『父と暮せば』もこれも、宮沢賢治がモチーフとして使われていました。
本作では、「雨ニモマケズ」の詩を朗読。

宮沢賢治ってのも、日本人が旧き良き日本を感じるキーワードなんでしょうかね。

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March 13, 2006

ショーン・オブ・ザ・デッド

エドガー・ライト監督

イギリス映画です。ゾンビ映画です。コメディ映画です。
爆笑大満足でした。

平和な生活(本作の場合、むしろぐーたらな)を送っていた主人公の周りで、ある日、異変が。周囲の人々がなぜかゾンビ化していたのだ。
逃げる主人公、いつしかみつける仲間、立てこもり、攻撃、追撃、仲間の一部がゾンビに、どこに救いを求めればいいのか……。

……っていうゾンビ映画のパターンを踏襲しつつ、
とても、おちょくってます。

愛しつつも笑いのネタにしてしまうという、
そのキツイユーモアが、イギリス風なのかな??

コメディのネタを割るのは、
ミステリのネタを割るのと同様、許されませんし、
また、リズムが命なので、文章で書いても全然面白くないと思いますが。

しかし、そのリズムこそが、笑えます。

数々のレコード盤、そして「クイーン」!! 「ドント・ストップ・ ミー・ナウ」<ですよね、たしか。

そういえば「『クイーン』を止めろ!」というあのセリフは、歌のタイトルに引っ掛けたギャグとともに、イギリスならではのブラックユーモアですか?
「プリンス」もでてたしなあ。
「プリンス」は割れないのか。そうかあ。どんなにつっぱしってもプリンスはプリンスなのね。<謎

ゾンビからの逃げ方レクチャーもいいです。

哀しきラストにもうるうるきましたが、
その後の落ち方も素晴らしい。資源は有効に、ってことですね。

おバカでマニアックな映画が好きなら、観るべし!!

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March 12, 2006

モンスター

パティ・ジェンキンス監督

1986年。娼婦アイリーンは自分に乱暴しようとした男を殺してしまう。
おりしも、バーで出会った少女に慕われ、彼女との生活を夢見る。しかし生活の術がない彼女は身を売るしかなく、金や車を求めるため、また恐怖心からさらに多くの男を殺し……という話。

実話の映画化だそうです。アメリカで初めて連続殺人犯として死刑になった女性の話だそうです。
また、この主人公を演じるにあたって、シャーリーズ・セロンが肉体改造に挑み、13キロ太り、アカデミー賞優秀主演女優賞を獲得しています。

や、たしかにシャーリーズ・セロンは迫力でした。
悪女役は以前にも観ていた(「レインディア・ゲーム」とか)けど、
このブチキレかたは凄いです。怖いです。

ただどうにも楽しめない。
カタルシスの欠片も無い。

楽しむ映画ではないとわかってはいるけど、
それでも観てて疲れてしまいました。

主人公アイリーンは「可哀想」だとは思うけど「同情」はできないし。
そのうえ、彼女を慕う少女があまりに身勝手すぎて、
その彼女にいいように扱われた主人公を思うと落ち込んでしまう。
(演じたクリスティーナ・リッチはその無邪気さと恐ろしさをみせつけてくれて、これまた上手かったんですけどねえ)

リアリティとはこういうものなのかしらん。
彼女はモンスターではなく、愛を求める人間だった、というテーマなのだろうとは思うのですが、
しかし、……ほんと疲れました。
行き詰まり、な気になってしまいます。


もしあなたが、完全犯罪狙って、身近な誰かを殺したいと思ってるなら、
毎日毎日毎日、これ、見せるといいかも。
ふらりとビルから飛び降りたい気分になれます。

chikachan112 at 23:55|Permalinkclip!映画 |   【ま行】

March 11, 2006

漢字バトン

奈々さんからバトンをいただきました。
漢字バトンだそうです。いろんなバトンがあるんですね。

正直、製作した人の意図がわからないです(苦)。

どんな解答が得たいの?? あいや、回答という表記が正しい??
この微妙さが、漢字の面白さであり難しさであるような気がします。

でも、ま、伝言ゲームみたいに、
途中で曲がるのもアリなんじゃないですかね。
それはそれ、これはこれ、<気に入ったらしい@逆境ナイン
ってことで、ひとつ。<勝手な解釈

【好きな漢字】
直線で書ける漢字。適度な画数がある漢字。バランスがとりやすい漢字。
嫌いな漢字は、その逆。
主要人物に名づける漢字は、どれもみな好きですよ。好きな漢字のが多いね、きっと。

【前の人が答えた漢字に対して自分の持つイメージは?】 
永……退屈。
影……下克上。
咲……終わる。

【次に回す漢字三つ】
難しいですね。
……名、探、偵。……大、脱、走。……天、津、飯。
お好きなのをどうぞ。

【大切にしたい漢字】
これも、さらに難しいですね。
「ことば」を大切にする、粗末にする、という感覚はわかりますが、
「漢字」を大切にする、粗末にするという意識がないです。特に、それらを差別化できません。
同様に、「大切にしたいひらがな」「大切にしたい数字」「大切にしたいアルファベット」
それらも思いつきませんね。

【漢字の事をどう思う?】
ひらがなよりも曖昧でない。

【最後に貴方が好きな四字熟語を三つ】
日進月歩。
真実一路。
一気呵成。
狂喜乱舞。
魑魅魍魎。
……なんか徐々に間違っていくようです。

【バトンを回す七人とその人をイメージする漢字】
思いつきません。
ご希望の方がいらしたらどうぞお持ちください。


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March 10, 2006

ヒアルロン酸実験中

ヒアルロン酸が水を閉じ込めるところ、見たことありますか?

あ、ヒアルロン酸ってのは、ちょいと前から女性の間で人気の酵素。
保水力が凄いんだってさ。
「ヒアルロン酸入り」って言葉が入ってるかないかで、
化粧水とか乳液とかの売れ行きが違うらしいですね。

わたしも今、角膜の傷を治すヒアルロン酸入りの目薬を愛用してます。
……いや、医者の処方で出されるものなので、愛用というよりむしろ常用か。
ドライアイなもので。
常用薬っていうと、少々怖い響きありますけど。
ま、ともあれ。


いきつけの美容院に行ったら、実験ですよ、と言われ、デモンストレーションされたんです。
要は、新しく扱うシャンプー&コンディショナーの売り込みなんだけど。
滅多に見れないものなので、やってもらいました。


手のひらの上に、ほんの十数粒、粉を振りかけられました。
さらっとした砂糖のような粉。
でも砂糖と違い、隣の粉とくっつきあってはいません。

そこに水を少々。
一瞬にしてゼリーになりました。
ぷるんと盛り上がって、乳白色。
おおっ。って気分。

なおも水を垂らして、2,3ミリリットルくらい手のひらのくぼみに乗せたけど、
まだゼリー状。色は透明になったけど、
たしかに水分を閉じ込める効果があるというだけに、形がしっかりしてます。

触ってみるとさらさら。……水ですからね。
面白いです。
ぐちゃぐちゃと掻き回して幾つかに分けたら、
ケーキの上に乗ってる、ゼリークラッシュみたいでした。
写メール撮れる状態なら良かったけど、
頭にロット巻きつけて動けませんでした(笑)

思わず舐めてみました。なんも味しません。……だから水ですからね。

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March 09, 2006

三年身籠る

唯野未歩子監督

現在妊娠9ヶ月の冬子はスローモーな生活をしている。子どもと繋がっている感覚はあるものの、おなかの中にいるのが夫婦の間にある子どもという意識はない。というのも、夫は彼女以上に親の自覚がなく、愛人と遊び歩く毎日だからだ。冬子はそんな夫を放置している。
こんなところに生まれたくない……と子どもが思ったのかどうかはわからないが、なぜか冬子は産気づかない。
そのまま18ヶ月が過ぎ、27ヶ月めになって……。

女優として不思議な存在感のある唯野未歩子の初監督作。
たしか矢口史靖の短編映画集「ONE PIECE」の中で、自分も撮ってみたいみたいなことを言ってなかったっけ?
(田中要次とごっちゃになってるかな。手元にないので不確かですが。感想はこちら、春編秋編)

母と父が「親」という覚悟を固めるまでどれだけかかるのか。
未熟なまま生まれてくる人間の子どもが、馬の子どものように生まれてすぐ歩く「種」だったらどんなだろう。

そんなアイディアは面白いんですけどね。
ただちょっと、冬子と同様、ストーリーもスローモーでした。
話の推進役がいないというか、
葛藤がそれぞれの心の中にしかないというか。

夫・西島秀俊の変化はわかるし納得もいくのだけど、
妻・中島知子の方が、いまひとつわかり辛い。
ただ、今この文章を書きながら、母子という繋がりだけでなく、父や家族の中にある母とか、社会の中にある母とか、そういうポジショニングを自覚することも、人間を「母親」にするのかなあ、なんて考えています。
愛人がいるのに問題にしてないっていうのも、歪だしなあ。
冬子自身が、妊娠期間中は夫を父親と認めていなかったということかもしれないですね。

女系家族の恐ろしいまでのかしましさはよく出てましたね。
対する、超いい加減な夫・西島秀俊ははまりすぎ。
今、彼以上に「自覚のないからっぽな人間」を嫌味や姑息さを出さずにできる人、思いつけないです。
ただここのところ、西島秀俊にはそういった倦怠感漂う役が多いので、そろそろ別のタイプも見たいです。


最後に私的にショックだったことを少し。
女装した塩見三省が、ある悪さをして髪を切られた元恋人に「女のふり」をして慰めを言うシーンがあるんですね。
「ショートも似合うわよ、わたしも髪、切ろうかな」って意味のことを。
すると元恋人は、女はそうは言わないと反論します。
「ひどいことされたね、貴女は全然悪くないよ。本当にひどいね」
そう言わないと慰めにならないと。

がーん。

わたし多分、後者の台詞は言えない。だって本当にひどいことをしたのは「髪を切った人間」じゃなく「元恋人さん」なんですから。
ああいうシチュエーションで「ひどーい。相手が悪いー」って盛り上がれないから、
たまに女子の中で浮くのか……。


chikachan112 at 00:18|Permalinkclip!映画 |   【さ行】

March 08, 2006

四日間の奇蹟

佐々部清監督

不慮の事故で指が動かなくなった青年ピアニスト。一方、彼が救った心を閉ざした少女はサヴァン症候群らしくピアノの天賦の才を持つ。二人で慰問の旅をしつつも自分の心は癒せずにいた青年。ある日訪れた脳疾患の患者をケアする施設で、ひとりの女性と出会う。演奏会が終わり突然の事故が起き……という話。

原作もDVDも、でてずいぶん経ちますし、ネタバレしていいですかね。↓↓
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chikachan112 at 23:16|Permalinkclip!映画 |   【や行】

March 07, 2006

恋は五・七・五!

荻上直子監督

俳句甲子園。その舞台に挑むのは、帰国子女にして漢字音痴の主人公をはじめとして、見た目でチアガールを辞めさせられた女子、ウクレレを抱く不思議系女子、野球部万年補欠おどおど男子、写真部片思い妄想系男子、の5名。
もともとは、統廃合される高校名を残そうとする教師陣の思惑だったけれど、いつしか俳句にのめりこんでいく生徒たち。

おちこぼれ主人公が、理系の甲子園と言われる高専ロボットコンテストにまきこまれる『ロボコン』と同じような構成。
細かなネタに笑わされました。
中盤の、教室まるごと習字教室にしたシーンが印象的。

全体に爽やかだったけど、ちょっと物足りないというか、薄いというか。

メインの生徒、5人のキャラのせいかもしれません。
一人ずつは個性的で魅力的なんだけど、まとめるとどこか似てて、対立の面白さがなかったなあ。
特に男子は、ふたりとも弱気なタイプ。
そのせいなのか、彼らの詠んだ句に、個性の違いが感じ取れませんでした。

話のテーマが、5人ともに
「わたしはわたし」「自分らしく」ということを気付く話だから、とは思うんだけど。

対して、敵役になるアンドロイド軍団(笑)はよかったです。
キャプテン……いえ、教師の嶋田久作がいかにもだし、
クローン1号とでも呼びたい中村靖日もいい味でした。


もうひとつ残念だったこと。

最初の方の、主人公たちが海を臨む堤防脇の道を自転車で走っていくところで、
「あれ? この風景どっかで観たぞ、セカチューと同じロケ地?」と感じてしまいました。
(場所ははっきりわかりませんが、エンドロールによると愛媛です)

だからてっきり舞台全部が愛媛だと思っていたのですが、
実際、俳句甲子園は愛媛の松山で行われていたのですが、
しかし、主人公たちの高校はお茶所の静岡県という設定なのですね。

途中で「どこからどこに移動したんだっけ?」と混乱してしまいました。
気にするほどのことでもないんだけどねえ。


chikachan112 at 03:21|Permalinkclip!映画 |   【か行】

March 06, 2006

シークレット・ウインドウ

デイヴィッド・コープ監督

スランプ中の作家・モートの元にひとりの男がやってくる。シューターと名乗る彼は、自分の作品をモートが盗作したと言い出す。そこからシューターによるストーカー的いやがらせがはじまり……という話。

同時に観た『ネバーランド』と、奇しくも主人公のキャラ設定の一部が被ってました。

どちらの主人公も、空想の世界と行き来する感受性豊かな作家です。
その一面がプラスに働くか、マイナスに働くか、どちらの様を描くかで、全然違う趣に仕上がってます。

ジョニー・デップは、そんな、
よく言えば空想力豊かな人・悪く言えば変人、をやらせると
とてもハマりますね。
『スリーピー・ホロウ』『フロム・ヘル』あたりも同じ流れ。

とまあ、そういうキャラは納得したんだけど、
話がねえ。

オチ以前に、
主人公の行動がバカすぎます。

ストーカー的な人物に対して、
相手にしない。逃げる。(盗作のいいがかりに)一刻も早く証拠を示す。
ふつうの人間がやるべき行動でしょう。
もう、なぜその行動ができないのか、イライラします。

……もちろん、そのバカな行動がないと
オチに繋がらないんだけど。

オチから戻ってみると納得できなくもないけど、
ただ、盗作は明らかないいがかりと観るものに示してしまった以上、
不自然さが目に付くんですよね。

ラストのとうもろこしのくだりも、
50年位前の話なら、気が利いていると感じますが、
現代だったらさすがにバレてるって。


chikachan112 at 00:01|Permalinkclip!映画 |   【さ行】

March 05, 2006

ネバーランド

マーク・フォースター監督

スランプ中の劇作家バリが出会った4人兄弟とその母親。
兄弟のひとり、ピーターに昔の自分を見た彼は、父親を亡くした彼らの友人になり、同時に自分も癒されていく。
そして彼らとの交流が元で「ピーターパン」が描かれるが、しかしバリの家庭は崩壊寸前となっていた。また兄弟の母親も……。

予想通りだけど実に丁寧な話だなあ、という印象。

話の展開は見えてるのだけど、
全然、退屈じゃなかった。
主人公バリや兄弟、それそれが変化していくさまが、
無駄なく無理なく自然で、
ひとつひとつが響いてきました。

脚本も丁寧かもしれないけど、
俳優陣が上手いのでしょうね。

ダスティン・ホフマンの「キャプテン・フック? は!! くだらない!」
というセリフは映画ファンに向けたものですね。笑えました。
(昔『フック』でフック役やってました)

一番楽しめたのは、主人公バリが空想の世界と行き来する様子。
子供たちとの交流を通して、
どんどん彼が「自由」になっていくのが見えました。
一歩間違えると怪しい人物なのですがね……。

『シークレット・ウインドウ』の方でも書いたけど、
ジョニデならでは、の話ですよね。

chikachan112 at 19:56|Permalinkclip!映画 |   【な行】

March 04, 2006

サイレン

堤幸彦監督

父とともに、弟の転地療養のために夜美島にやってきた主人公由貴。しかしかつてその島は島民集団消失事件があったのだった……という話。

なんでも世界初の「サウンド・サイコ・スリラー」らしいのですが。

わたしには音のセンスがないようです。
どの音が凄くてどの音が斬新なのか、どの音が心をかき乱すのか、全然わかりませんでした。

ストーリーは単純。
謎のちりばめ方や、観るものの不安感をあおる演出はそれなりに楽しいのだけど、
まさに「サイコ」スリラーで、もはやこの「実は」は、古すぎるなあ、と感じます。

というわけで
製作者の意図や狙いを受け止めることはできませんでしたが、
なによりも怖かったのは、お父さんの森本レオでした。

単純に、演技がうまくて怖く感じるというのもあるんだけど、
転地療養といいながら、「とんでもないことのあった島」に子どもを連れてくるって、アリですか?
あきらかに自分のため、執筆のためじゃないですか。
自分しか見えていないお父さんがおかしくなっちゃうというのは、
『シャイニング』を想起させ、
主人公の身に起こった出来事より、そっちの方が怖い。

そういえば『CASSHERN』の寺尾聰も怖いな。


chikachan112 at 11:28|Permalinkclip!映画 |   【さ行】

March 03, 2006

キャットウーマン

ピトフ監督

かの、アカデミー賞主演女優ハル・ベリーが、
かの、ラジー賞(ゴールデン・ラズベリー賞)の授賞式に出席して漢をあげたという、本作。
(2004年度作品として2005年3月……つまり一年前に受賞)

どんなに素晴らしくぶっとんだ作品かと思ってましたが、
まあ、ふつーに、よくあるストーリーでした。

遊びすぎた、というほど遊んではいないし、
カッコいいと思って作っているのだろうし。

そこそこに注目を集めたからこそ、ラジー賞を受賞したわけで、
人に知られることなく消え去る映画より、よっぽどいいんでは?

今年の発表は現地時間で3月4日だっけ?


chikachan112 at 23:59|Permalinkclip!映画 |   【か行】

March 02, 2006

夢のチョコレート工場

メル・スチュアート監督 (製作:1971年アメリカ)

「チャーリーとチョコレート工場」に先んじて作られた30数年前の映画。
基本的には同じ……って、原作ものだからあたりまえだけど。
ラストは割とシンプルでした。
ウィンカ氏の裏事情(?)がなかった。
やや教育的な雰囲気は漂うなあ。

30数年前の映画なのかあ。

当然、CGなんてないです。
ないけど、工場内の不思議な世界とか例のウンパルンパなオジサンのダンス&ミュージックとか
(別人に同じメイクして、キモカワ系のダンスをしてるんすよ)
と〜っても魅力的な映像。

もちろんCGがある分、
そしてキャラの濃さの分、
ティム・バートンの映画の方が、華やかで空想的で、
並べてみれば、後者の方が今の子供たちにはうけると思う。ずっとね。
でも映画という別世界が見せてくれる想像力のすごさって、それに驚く気持ちって、
いつの時代でも変わらないんだろうな。
視聴した当時の子供たちは、きっとワクワクしたことだろうな。(日本で公開してたかどうかは知りませんが)

大人になって、色々なマジックの裏側を知ってしまったけど、
ファーストコンタクトの感動は忘れたくないなあ、
……なんて、映画とは違うことを思ってしまったのでした。


chikachan112 at 00:36|Permalinkclip!映画 |   【や行】

March 01, 2006

ホテル ビーナス

タカハタ秀太監督

アジアのどこかの国。ホテルビーナスには訳ありの人たちが集まっている。
恋人を亡くした男。自称殺し屋。元医者。彼を支える妻。女装のオーナー、他。
そしてこの日、新たな男が加わる。男には陰があり連れている娘は口が聞けなくて……。

という冒頭の設定から考えるに、
少女は精神的なショックで喋らないだけで、周囲の人間のそっけなくも人間味溢れた関わりで心が開かれていって、また周囲も少女によって変わり、しかし追われてるらしき父親は、捕まってしまい……って感じかなあ。
でもそりゃあまりにベタだなあ。
――と思ってたら本当にベタな展開で、驚きました。
ベタならベタなりになにかトンデモ展開が隠されてるかと思ったんだけど、ないし。

話はともあれ映像で見せるのかと思いきや、
モノクロ異国風の情景は面白いけども、二時間近くずーっと面白く思えるほどでもないし。
ウラジオストックで撮影され、韓国語で話される(いわゆる幹流ブームより前の作品)本作、
それが逆効果か、無国籍映画には見えない。
主人公のチョナン。気持ちの振れ幅が少ない役だからなのか、言葉が棒読みに感じました。
香川照之、中谷美紀などの方が、韓国語を流暢に扱っているような印象を持ちます。

CMと音楽の雰囲気に期待してましたが、イマイチでしたね。残念。

chikachan112 at 22:29|Permalinkclip!映画 |   【は行】