October 2007

October 31, 2007

デビルズ・バックボーン

ギレルモ・デル・トロ監督

30年代末、内戦の続くスペイン。郊外の荒れ野に建つ孤児院に少年カルロスは連れてこられる。中庭には不発弾を抱えたミサイルが刺さり、水のみ場に幽霊の出る孤児院。女性の院長は義足で、医学者でもある牧師は胎児漬けのラム酒を販売し、男性従業員は子どもたちに厳しい目を向ける。やがてカルロスは、自分に与えられたベッドの前の持ち主が失踪したことを知る。

「パンズ・ラビリンス」が良かったので、観たいと思っていた「デビルズ・バックボーン」。
こちらもなかなかの秀作。

少年目線で見た戦争と、それにより心を荒廃させていく人間の物語。
少年たちの気持ちの交流や成長とともに、
彼らを脅かす人との対決に見ごたえが。

ここで敵として描かれる人物を演じているのが、
エドワルド・ノリエガ。
「オープン・ユア・アイズ」のハンサムセレブ。
(「バニラ・スカイ」におけるトム・クルーズ)
彼(の役)も孤児の育ちで、その成長の過程で同情すべきところはあり、
多分戦争の生んだ悪魔という位置付けだと思うのだけど、
これでもかという悪役に徹していて、逆にすがすがしく感じます。

chikachan112 at 21:27|Permalinkclip!映画 |   【た行】

October 20, 2007

マイ・ボス マイ・ヒーロー(頭師父一体)

ユン・ジェギュン監督

ヤクザの若頭ケ・ドゥシクは喧嘩も強く、組織では一目置かれている。しかし、高校中退の彼はあまりに無知で、ボスからは高校を卒業しなくては明洞(ミョンドン)を任せられないと言われてしまい、裏口から高校に編入することとなる……。

長瀬くん主演TVドラマの、原作韓国映画。
韓国では大ヒットらしく、続編も作られたそうです。
CSでやってたので観てみました。
ドラマのエンドロール見ながら、「頭師父一体」ってどういう意味だろうと思ってたのだけど、
頭=カシラ(親分)と、 師と、父は、同じものだと思いなさい。すべて敬うべき存在です、って意味のよう。
へええ、さすがは儒教の国。

……と思ったのもつかの間、
シモネタ・エッチ系のコメディが続出。
話に絡んでるとは思えないコート男(見せ痴漢)まで出てるし。

どんな映画なんだこれは、話の展開が早すぎるぞ。
キャラがたくさん出てくるけど、考えてることや立場がわからない〜

……と観ている間に、
次は殴り合いのオンパレード。
教師も生徒も親も、女子も男子も中間の人も、血を見るほど殴ったり殴られたり。ERに運ばれるほど生徒を殴って大丈夫なのか?

学歴偏重や金儲け主義に風刺をこめつつ、最後は学園の陰謀へ。
そしてまたもや大立ち回り。
こんな学園ありえんだろ。っていうか、なんで警察が来ないの?(総てが終わった後に来ますが)

勢いがあるので観てしまったのだけど、かなり滅茶苦茶な話でしたよ。
警察につかまったにも関わらず、なぜか卒業証書は手に入れてるし。(戸籍偽造してなかったっけ?)

とはいえ、ヤクザの若頭が高校生になる、というアイディアはやっぱり凄い。
そして、ヤクザコメディの色が濃かったこの映画を、友情メインの学園ものにアレンジした日本のTVドラマの脚色も巧かったですね。

chikachan112 at 20:27|Permalinkclip!映画 |   【ま行】

October 18, 2007

パンズ・ラビリンス

ギレルモ・デル・トロ監督

1944年、スペインは内戦終結後のフランコ圧制の時代。少女オフェリアと臨月の母親は、再婚相手ビダル将軍が陣を構える村へとやってきた。義父ビダルは息子の誕生を見るために、ゲリラが暗躍し、いつ戦場となるかわからない土地に母子を呼んだのだった。冷徹なビダルに馴染めないオフィリア。その夜、彼女は謎の迷宮へ妖精によって誘われる。現れた牧神(パン)は、オフィリアが地底の国のプリンセスだという……。

なんでも2006年のアカデミー賞で、
美術、撮影、メイクアップの部門で栄誉を得たそう。
テクニック的なことはわからないけど、オフェリアが体験する幾つかの「別世界」は、グロくも魅力的。

ダーク・ファンタジーという謳い文句でしたが、なるほど。
スペイン内戦やその時代の民衆の想い、レジスタンスの戦い、などがファンタジーの中に盛り込まれているもよう。
色々な部分に制作者の意図が隠されているようで面白いです。

古木の洞に住み着いて、花が咲くのを邪魔して、自分だけが肥えていく蛙、というのは、
体制側と反体制側の構図にも見えるし、
食器の上に山盛りになったご馳走を餌にして、それを盗んだものを襲う化け物は、
ビダルがゲリラに対して行なった戦法にも似ている。

とことん救いのない、暗く重い話なのだけど、
だからこそ「ファンタジーの世界」に入り込んだオフェリアに納得してしまいました。

ファーストシーンとラストシーンが繋がっているせいで展開が読めてしまうのが残念なのだけど、
美しくも哀しい、しっかりしたテーマの良作(残虐シーンのせいでRG-12だけど)。


少女オフェリア役のイバナ・バケロは、黒髪が印象的で可愛いですよ。
召使メルセデス役のマリベル・ベルドゥに見覚えがあると思ったら、「天国の口、……」の誘惑の人妻だったのか。

ギレルモ・デル・トロ監督は「ミミック」(<<割と好き)と「ブレイド2」(<<まあまあ。1の方が好き)しか観ていないのだけど、
フィルモグラフィーを見ると「デビルズ・バックボーン」が面白そう。
ラヴクラフト原作の映画化にとりくんでいるというニュースもあったし、ちょっと注目してみようかな。

chikachan112 at 19:03|Permalinkclip!映画 |   【は行】

October 16, 2007

サウスバウンド

森田芳光監督

上原二郎の父は、とにかく破天荒だ。ライターの仕事をしているというが、家ではゴロゴロし、しかし学校や社会といった「体制」に対しては、嬉々として吼える。一家の生計を賄っているのは喫茶店を経営している母。凛としたたたずまいの母だが、ぐうたらで破壊的な父を尊敬している。他の家族は、就職したばかりの歳の離れた姉と、可愛い妹。うすうすながらも二郎はわかっている。父はどうやら「元・カゲキハ」らしい…しかも母にも、人には言えない秘密があるらしき……という話。奥田英朗原作。

原作は読んだけど、細かいところは忘れました。
もう少しシリアスで熱い話だったように思うけど、映画はコメディに寄っている……のかな? 話の展開もいそぎすぎているような印象。西表島に渡るに到る重要人物がいないような……。
ただ、細かく比較するほど覚えてないので、展開を楽しんで観ることが出来ました。

ついでに、松山ケンイチが出てるのも知らなかったので(をい)
美味しい気分でした。

正義は他人から教えられるものではない。
自分で判断して行動すべきである。


ってあたりが、作品のテーマになってるのかな。
視点が、父・一郎と、息子・二郎との間で揺れているのが、やや見づらいところ。

見所は、トヨエツの「逆噴射」「つっぱしってる」様子。

彼のような“親”は欲しくないが(笑)、
彼のような“親戚のオジサン”なら欲しい、というのが本音かな。
そんな「世の中に迎合しない勇気」という
実行したいけどなかなか実行できないことをする「ファンタジー」を大人に見せている。

子どもはどう感じるのかな。

監督が、子どもにも見て欲しい、と言っているとどこかの記事で観ました。
狙いが当たったのかどうなのか、
わたしが観に行った回では、レイトショーなのに(笑)、小学生らしき男の子がお母さんに連れられていました。

ふうんー、と、その図を見て、
島の「校長先生」の言葉がストレートに響いてればいいなあ、なんて、
おばさん的な感想を抱いてしまいましたとさ。


chikachan112 at 21:21|Permalinkclip!映画 |   【さ行】

October 13, 2007

X―men:ファイナルディシジョン

ブレット・ラトナー監督

ミュータントは人類の進化や別種への枝分かれではなく「病い」であると、その能力を消去する薬“キュア”が開発された。ミュータントとして生きるか人間になるか、ミュータントたちは選択を迫られ、マグニート一派はキュア開発のカギを握る少年を突き止め、人類とミュータントは全面戦争へと向かう。果たしてX−menたちの選択する道は……。

WOWOWでの視聴。
おかげで「ありかよ!」「なんだよ!」「どんだけ〜!」と、
自由にツッコミを入れながら観ることができました。

アクション部分は、さすがに劇場で観るほうが迫力あるんだけどね。
こういう観方も楽しい。

お約束の展開ながらもきっちり楽しませる映画でした。
ラストも伏線が効いててマル。

……しかしそうすると、もし続編が作られるなら
別の役者があの人を演じることになる、ってことなのかな?


chikachan112 at 22:25|Permalinkclip!映画 |   【あ行】

October 12, 2007

マイアミ・バイス

マイケル・マン監督

マイアミ警察の特捜課の刑事、ソニーとリカルドは、彼らが知る情報屋が殺されたことで、FBIの関わる麻薬密輸事件の任務を引き受けることになる。彼らはドラッグ・ディーラーになりすまし、マフィアへと潜入していく。

なんでもマイケル・マン監督は、TVシリーズの製作総指揮をやっていたそうですね。
もしかしたら、TVシリーズを観ていることが前提で話が作られているのかなあ。80年代の作品だそうだけど。

TVシリーズを知らないせいかもしれないけど、二人のキャラの違いがさっぱり判りません。
あと、サブキャラというか仲間たちも。

困ったなーと思いながらも観てたのだけど、
話もそれほど心躍るものがなく。

リカルドのカノジョをさらった時点で、彼らの正体はわかったんじゃないの?
捜査途中のまま、物語が終わってるように思うんだけど、いいの?

2作目作るつもりなんかなあ……


chikachan112 at 22:26|Permalinkclip!映画 |   【ま行】

October 11, 2007

サッド・ヴァケイション

青山真治監督

中国からの密航者を手引きする仕事に就いていた健次だが、トラブルが起き、追われる身に。その後、代行運転の仕事に鞍替えし、自分を捨てた母親に再会したことをきっかけに、母の再婚先である間宮運送にもぐりこむ。同じ頃、実はワケアリの人間を受け入れる会社だった間宮運送では、バスジャック事件の生き残りの梢が職を得たばかりだった……。

健次@浅野忠信主演の「Helpless」、梢@宮崎あおい(正しい崎の字は、可の上に大ではなく立)主演の「EUREKA ユリイカ」に続く“北九州サーガの集大成”だそうです。

え……、両方観たはず、……だけど、あまり記憶がないわ(爆)

自分と父親を捨てた母親を恨み、その気持ちから離れられず復讐に囚われる健次と、
総てを置いて、周囲を赦し、自分の力で生きることを選ぶ梢。
それは、過去にからめとられてしまう「男性」と、
過去は過去として、前を見て生きる「女性」との対比なんでしょうか。

そして、母性は凄い、善も悪も包み込んでしまう、
という女性賛美もテーマに入っているようです。

……まあ、そんな辺りはわかるのだけど、
どのキャラの心情も響いてこないし、物語の時間も飛び飛びだしで、
理解力が低いせいか、ピンとこなかったのでした。

ラストの、あのアクリル板を挟んでの会話は、
むしろホラーだと思うよ。
母親の側から見ると包容力だろうけど、
子どもの側から見ると、袋から逃れられない行き詰まり。

青山監督には興味があるからつい観てしまうけど、
やっぱ、わからんかったっす。


chikachan112 at 23:02|Permalinkclip!映画 |   【さ行】

October 09, 2007

『めがね』を観たら…

750047e5.jpg…海のものが食べたくなったので(笑)、
連休の中日に知多半島までドライブ。

写真はシャコです。
大きさはイセエビの1/5くらいっすかね。
値段はそれ以下です(爆)

他に、クルマエビの頭ごと海老フライなども食べたのでした。


chikachan112 at 17:28|Permalinkclip!食う | 

October 07, 2007

めがね

荻上直子監督

南の島の小さな旅館。ある春の日、都会からひとりの女性が観光にやってくる。
旅を存分に楽しみたい女性はアクティブに動き回ろうとするが、宿の主人も犬も常連客サクラも高校教師もどこか妙なペースで……という話。

ビールも食べ物もすごく美味しそう。
観ながらとてもお腹がすいて……というのは前作「かもめ食堂」と共通してました。

ただ、どうも、イマイチ感が漂うんだなあ。
……わたしは、ですが。
レディースディのせいもあって場内満員で、補助椅子も出てたし(そういう館があるんですわ)
前の回のお客さんが、満足そうにパンフを求めていたりしたので、
満足されている方はたくさんいるんだと思うんだけど。

イマイチ、と感じた理由は、
狙いすぎてる、ってこと。

綺麗な景色と「たそがれる」時間の愛おしさと、
そしてその空気に染まっていく、多分、都会のキャリアウーマンらしき女性。
いかにも女性向けの「癒し」を狙ってます、という計算が、
透けて見えちゃってるんですよね。


ところで小林聡美って、よほど小柄なんでしょうか。
小柄なイメージの薬師丸ひろ子が大きく見えました。
(エキセントリックな役柄のせいもあるだろうけど)

chikachan112 at 23:18|Permalinkclip!映画 |   【ま行】

October 06, 2007

隠された記憶

ミヒャエル・ハネケ監督

人気キャスターのジョルジュのもとに届いた不審なビデオテープ。そこには彼の家(外観)の隠し撮りが映っていた。やがてそのテープに奇妙な絵が加わり、幸せな生活を送っていた彼の心は揺さぶられていく。そしてジョルジュはやっと思い出すのだ。少年の頃の記憶を。

わかりやすい映画をとるつもりはまったくないんだろうなあ、この監督は。
と、つくづく感じた映画。

結局犯人はわからないまま、というのは、
事件の真実が明らかにされない現実をみれば充分納得できるけど、
「彼」の自殺には疑問符の嵐。
自分の命を犠牲にするほどのことなんだろうか。


chikachan112 at 23:17|Permalinkclip!映画 |   【か行】

October 04, 2007

アクセス解析に思う

よそさまのブログで拝見して面白かったので、
ちょっとやってみます。

更新してない言い訳ですが、はい。

「なんでこのフレーズでうちにきたの?」とアタマをひねった9月のアクセス解析。
映画のタイトルとかそのなかのキーワードなら、ああ、なるほどね、と判るんですけどね。
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chikachan112 at 21:20|Permalinkclip!