April 2008

April 15, 2008

スルース(2007)

ケネス・ブラナー監督

有名推理作家ワイクの暮らす豪邸に、野心に富んだ若い俳優マイロがやってくる。実は彼、ワイクの妻の浮気相手。ワイクに妻との離婚を迫りにきたマイロだが、現在は失業中。互いの幸福のために……とワイクが持ちかけた提案は、保険金詐欺のための泥棒。果たしてこの計画に、乗るべきかそるべきか……。

元が舞台で、72年に映画化もされてるそうです。
72年の作品とは脚本を変えているらしく、観ていないのでコメントはできないけど、
かつて若いマイロを演じたマイケル・ケインが、老人ワイクの役に。
そして今回のマイロはジュード・ロウという豪華新旧対決。(ちなみにジュード・ロウは「アルフィー」のリメイクでも昔マイケル・ケインがやった役を演じてる)

二人舞台ということもあり、セリフが中心の心理劇。化かし合い。
物語は大きく3幕に分かれていて、2幕目のあの人があの人というのはバレバレだったんだけど(でもメイクはすごく良かった)、
90分の間、どう話が進んでいくのか、目が離せない。
それだけに、ラストの解決方法はやや乱暴。
もうちょっとスマートな「絶対勝利」の方法はなかったものかと残念。

ワイクの哀しみや嫉妬は、妻を寝取られたというだけでなく、
マイロという青年の「若さそのもの」に対しても向けられているようで、
気持ちのどこかが捻じ曲がっていて、凄みを感じる。

マイロは大胆で勝手で、でもどこか虚勢を張っていて、
相手をなんとかねじ伏せてやろうというパワーに満ちていて、
エネルギーに溢れてました。

ふたりとも、とても色気があって艶かしい。
壮年と青年の色男対決を愉しませてもらいました。

ワイク「どんなホテルでも好きなところに泊まるがいい」
マイロ「じゃ、王宮に泊まってやる」
ワイク「いいとも、女王とは知り合いだ」
というやり取り(大意)には笑ってしまいました。
これも原作舞台や前作にあるのかなあ。
マイケル・ケインは「サー」の称号が与えられているから楽屋ネタかと思ったけど。

一度機会をみつけて前作を見てみたいもんです。


chikachan112 at 00:14|Permalinkclip!映画 |   【さ行】

April 13, 2008

死神の精度

筧昌也監督

死神「千葉」は、不慮の死が訪れる人間のそばで7日間観察し、「実行」か「見送り」かを決める役割だ。人間にさほど興味はないが、“ミュージック”は最高だと思っている。そして彼が仕事に就くときは必ず雨が降っている。クレーム処理担当のOL、昔かたぎのヤクザ、美容師の老婦人……と、彼は約40年のなかでひとつの物語をつむぐことになる……。

うー……ん。これは正直微妙でした。

筧監督は「美女缶」も好きだし、深夜ドラマの「ロス:タイム:ライフ」も好きなんだけど、
どちらも、独自アイディアの巧さと、それを処理するキレのよさや驚きが、自分的評価の大きなポイントなんだよねえ。
いずれも短編向きの資質。

今回は初の長編にチャレンジ、ということだったらしいけど、
短編をぶつぶつとつなげ合わせただけの物語にしか思えない。

というか、それもそのはずで、原作は伊坂幸太郎の短編小説。
初回(クレーム処理OLの話)を小説雑誌で、残りを単行本で読んだんだけど、
さりげなくもセンスのいい物語という印象。
「死神」というキャラはありがちだけど、伏線の張り方が巧妙なので「騙され感」がある。
特に第一話とラストの繋がりは、上記のような変な読み方のせいで「良かったねえ、いい人生だったねえ」と軽い感動を与えてくれた。

映画は、原作を読んでるせいで、「実は……」の物語を先に知ってたのがまずかったのか、
(それにしてもバレバレな使い方だったけど)
細かな演出がわざとらしく感じられたし、間延びしてる。113分も要らない。

原作付きが多少なりともプラスだったのか、それともマイナスに働いたのかはわからない。
それを見極めるためにも、今度はオリジナルでの長編映画が見てみたい。

chikachan112 at 10:13|Permalinkclip!映画 |   【さ行】

April 11, 2008

バンテージ・ポイント

ピート・トラヴィス監督

スペインのテロ撲滅国際サミット会場で、衆人環視の中、アメリカ大統領が狙撃された。その銃声の後、広場に爆発が起きる。報道スタッフ、シークレットサービスの男、観客のカメラ、地元の刑事など、8つの視点から暗殺事件の真相が現れてくる……。

いやあ、面白い。
一瞬の隙も見逃せない。

同じ時間を視点を変えて繰り返すように見せつつ、少しずつ本当のできごとがわかっていく、という流れ。
犯人グループを炙り出すまでの話かと思ってたら、大統領が……というひねり、そしてラストのこれでもかというカーアクション。
90分という短い尺も緊張が途切れずよかった。

ロケ地はスペインではなくメキシコのようですね。
エンリケ役でエドゥアルド・ノリエガ(「オープン・ユア・アイズ」のハンサムさん)が出てました。彼、結構好きです。

chikachan112 at 00:01|Permalinkclip!映画 |   【は行】

April 10, 2008

ノーカントリー

ジョエル&イーサン・コーエン監督

80年代、メキシコと接するテキサスの荒野。累々と死体の横たわる麻薬取引現場から大金を持ち逃げしたモスは、謎の無慈悲な殺人者シガーに追われつづける。シガーは空気ボンベを武器とし、コインの裏表で相手を殺すかどうかを決め、自らのルールにのみ従う男。その二人を追うのが、老保安官エドだった……。

キレた殺人者にずーと手に汗握って、観てる間は面白かったのでまあまあ満足。
ただ、終わった後は、で? だから? という印象でした。

いやほんと、最初の手錠で……というとこも凄いし、
おかっぱ頭とぎょろ目の無表情も怖いし、
車を爆発させてその隙に……というところなど、面白いところはたくさんあったんだけど。

病んだアメリカの姿とか、虚無感とか、伝わってくるものはあるんだけど、
「悲しみ」や「痛み」が、わたしには響いてこなかったなあ。
多分、誰にも共感できなかったからでしょう。
エドがもうちょっと熱いタイプなら多少は違ったかもしれない。

制作者としては、熱さより「乾き」を狙ってるのかもしれないけど、
そこは好みの問題ですからね。


chikachan112 at 23:41|Permalinkclip!映画 |   【な行】

April 09, 2008

ジャンパー

ダグ・リーマン監督

デヴィットは川に転落したことで、自分のテレポート能力に気づく。父親との葛藤に悩んでいた彼は、能力で銀行から金を盗み、ひとり立ちをする。10年後、その能力で得た生活を満喫していた彼の元に、謎の組織「パラディン」の手が伸びて……。

話はかなり大雑把。主人公があまりに頭が悪くて呆れてしまう。
狙われてるのにうかうか親元に戻ったり彼女に会いにいったりって、どうなのよ。
まあ、でも最初から考えなしだったから、彼のキャラ的には正しい行動かもしれないけれど。

ストーリーにはのれないけど、テレポートでバトルするアクションは面白かった。
超能力っていろいろ種類があるけれど、テレポート能力しか持ってないと使い道も限られてしまうかもしれない。

そういう部分では、なるほどこの手があったか、と思いました。


chikachan112 at 23:40|Permalinkclip!映画 |   【さ行】