May 2008

May 28, 2008

アフタースクール

内田ゆうじ監督

母校の中学で教鞭をとる神野の元に、同級生だという探偵が、別の同級生木村を探しているとやってくる。怪しげな写真は持ってくるわ、怪しげなことに巻き込まれるわと、あたふたの神野。しかし実は神野もまた、昨夜から木村と連絡がとれずにやきもきしていたのだ。なにしろ……。

お見事はなまる!!

前作「運命じゃない人」からかんがみ、
1、期待大
2、余分な情報は入れないほうがいい
3、伏線に注意

と胆に念じて(?)観ました。
うん、満足です。

エンドロール後のラストシーンに繋がる人物だけは「これがフィクサーだな」と感じたけど、
後は「なるほどなるほど」と楽しく観させていただきました。

話が反転して、その後再び「実はこれはね……」という謎解きも無理がなく(やりそうだなあと納得できる)、
後味も、「騙された」という爽快感だけではなく、「しみじみ」という余韻があり、
アレな人はちゃんとアレになるという納得があり、
しかも気持ちに刺さるセリフが用意されてて。

今年の最高傑作でした。

「甘くみてるとダマされちゃいますよ」というキャッチコピーもまた、美しく決まってますね。


chikachan112 at 21:48|Permalinkclip!映画 |   【あ行】

May 18, 2008

ミスト

フランク・ダラボン監督

嵐の翌日、発生した霧。息子とスーパーに出かけた主人公に、突然の恐怖が襲う。霧のなかに謎の生物が現れたと、住民のひとりが血まみれになってかけこんできたのだ。買い物客はマーケットに閉じこもり、やがて謎の生物による血の惨劇がはじまって……という話。

いや、上手い造りだ。

たんなるクリーチャーパニックかと思って観てたのだけど、ラスト数分で膝を打ちました。
「衝撃のラスト」という宣伝文句が、あまりに「笑劇のラスト」に思えることが多かった最近だけれど、
今回は素直に面白かったといえます。
見事な逆転にぞくぞくしました。

いやもちろん、クリーチャーパニックとしても悪くないですよ。
閉じ込められた人々の極限状態も、かなりの見所。

ネタバレをしないほうがいいので詳しくはかけないけど、
観客の「共感」や「視点」をうまく利用して、ラストの残酷さに持っていってます。

つまり、自分ならどうするか、という行動をちゃんと共感できる人物にさせておいて、
(個人的には、あのおばあちゃん元教師がタフで素敵ですが、それはともかく)
そのうえできっちり裏切ってくれるわけです。
そして、起こっている状況を描いているように見かけはみせつつも、
でも実は、ほんの一部しか「あのひとたち」にはわかってないんです。
情報が与えられなかった(ことさえ忘れていた)狭い視点で物語が進んでいたのです。

嫌いな人はとことん嫌いな映画でしょうけど、わたしは好きだなあ。
なんて残酷で独り善がりな、「ヒト」の、物語。
きっといまもどこかで、同じことが繰り返されているのでしょう。

トラックに載せられたある親子の母親の台詞もまた、ここにきて「効いた」わけね。

chikachan112 at 18:06|Permalinkclip!映画 |   【ま行】

May 17, 2008

ハンティング・パーティ

リチャード・シェパード監督

戦場レポーターサイモンとカメラマンダックは名コンビだった。ボスニア紛争のとある生中継までは。その日、感情的になったサイモンはブチキレてクビになり、ダックはNYに戻りリッチな生活を手に入れる。やがて紛争は終結。その地をレポートしようと訪れたダックの元に、サイモンが現れ、再起をかける手伝いをと持ちかける。それは戦争犯罪人フォックスのスクープ……。

ちょいとイカれたジャーナリストの話かとおもいきや、
なかなか男気ある役をやっていましたリチャード・ギア。

軽いノリを装って作ってあるけれど、意外と社会派のドラマで見所がありました。

エンドロールの「これは本人」「これも本人」……でもこのエピソードは本当だけど、実際は男性だった。
――という脚注(というのか?)に爆笑。


chikachan112 at 16:05|Permalinkclip!映画 |   【は行】

May 16, 2008

しゃべれどもしゃべれども

平山秀幸監督

今昔亭三つ葉は、まさに「二つ目」の落語家だ。いまいち芸がつかめていない。古典落語への情熱と、行き詰まりを感じる現実に悶々としている。そんな彼がなぜかとある三人の話し方教室の師匠となる。ひとりは愛想のない美人、ひとりは関西弁ゆえにクラスから浮いている小学生。そして解説が下手な元プロ野球選手にして元解説者。

淡々としつつも、ほっこり暖かい、そんな映画。

国分太一の不器用な噺家ぶりもよく、どのキャラクターも万事解決といかない着地点もよく、
風情のある話でした。

ラストの船の上のシーンは要るのかなあ。
なにかしらのエンドマークをつけたかったのかもしれないけど、
ちょっと唐突な感じもしましたね。


chikachan112 at 17:04|Permalinkclip!映画 |   【さ行】

May 06, 2008

隠し砦の三悪人(1956)

黒澤明監督

戦国時代。隣国との戦いに参加して一旗上げようとした二人の百姓。しかしなんの利も得られず荒野をとぼとぼ故郷へ戻ろうとする。ところが領主が隠した軍資金を見つけたことで、お家再興を託された姫、腕利きの臣下が絡まってきて……。

ここから「スターウォーズ」のアイディアが……って話は聞いたことがあるけど、観たことのなかった映画。
リメイク(リボーン?(笑))されるということで、WOWOWでやってました。

はあ、なるほど、こんな話だったんですか。
いつになっても二人がコントをやっているので、どうなってるのかと不安だったんだけど、
姫が出た辺りから話が動き出し、敵陣突破を仕掛ける辺りから面白く見ることができました。

真壁六郎太(ミフネ)と敵方武家の田所兵衛の対決がいいねえ。
ヤマ場、雪姫も加えたやりとりが最高。
ふたりの義侠心、姫の凛とした態度、
今の時代から見ると「くさい」んだけど、
ちょっとうるっときてしまいました。

うん、やっぱりこの話の魅力は姫だ。

祭りのシーンは、北野武の「座頭市」にも引き継がれてるのかも。なんて気もしました。

chikachan112 at 20:15|Permalinkclip!映画 |   【か行】

May 05, 2008

不都合な真実

デイヴィス・グッゲンハイム監督

元副大統領(民主党・クリントン大統領時代)アル・ゴア氏による地球温暖化対策の講演会に、氏の半生をプラスしたドキュメンタリー。

映像素材が挟まってるせいとはいえ、なんてわかりやすい「講演」なのだろうとビックリ。
話しぶりも、人のひきつけ方も上手いなあ。

内容について感想ゆっとるより、むしろ実践せーや。

というとこでしょうね。
データで出ている数値の上下はあろうとも(上昇海面何センチが正しいかなど)
温暖化に向かっていることは紛れなき真実と。



てわけで、ええーと。
エコバッグと自転車行動メインってのと家の車がハイブリッドカー、ってあたりは実践中。

でも待機電力は三角。
パソはコンセント抜きをしてるけど、ビデオ機器等はタイマー録画のためにコンセントが抜けない。

緑を育てることもしてない。
……ってか、いつもいつも枯らしてしまいます。
実家では米や野菜を作ってるのに、なぜこうも不器用なんだ。


chikachan112 at 20:12|Permalinkclip!映画 |   【は行】

May 04, 2008

フィクサー

トニー・ギルロイ監督

大手法律事務所に属するマイケルは、裏方であるフィクサー(もみ消し屋)を務めている。現在事務所では巨大農薬会社に対する集団訴訟案件を扱っているが、担当でマイケルの親友であるアーサーが、協議の最中、奇行に及んでしまう。事態の収拾を任されたマイケルは、やがてある証拠を手にする。

渋かっこええー! な話でした。

主人公は、裏仕事を請け負うフィクサーで、実力はあるのだけど表向きのポイントにはなっていない。メインの仕事に戻りたくてもその実力ゆえに戻してもらえない。その不安から事業に手を出すものの、店を任せた肉親の不始末を肩代わりしなくてはいけない。しかも事務所で合併話があり、それが成立すると表の実績のない彼はそれまでの働きを正当に評価してもらえず切り捨てられる可能性もある。私生活では妻と離婚。病気の父親も弟に任せておくしかない。本人もカード賭博にはまって苦しんだことがある。

ってな裏事情がつかみづらいまま、あれよあれよとストーリーが展開するため、
前半は頭の中に「?」マークが。
それに加えて、ノース社の企業弁護士の女性や親友弁護士やエトセトラ、わざと混乱させてるのかと思えるくらいに事件や人間関係の説明が不親切。

冒頭で出てきた交通事故の加害者って、メインストーリーとは無関係? だよね?
そんなに詳しく描写する必要があるんだろうか。とラストで思ってしまった。
(つーか、「あの夜」からストーリーをはじめる必要がどれだけあるの?)

とはいえ、状況がわかってきた中盤以降はいっぺんに引き込まれていきます。

なによりの魅力は主人公マイケル、それを演じるジョジクル。
清濁併せ持つ人間の強さと弱さ、表情ひとつに息を呑みますね。
そんな彼だからこそ、話がその後どう展開していくのかと、手に汗握ってしまいます。

特に、右手と左手に、赤い表紙のレポートと小切手を持ったシーンは最高。

もちろん山場の対決とラストのタクシーのシーンも。

ノース社の企業弁護士を演じたティルダ・スウィントンがアカデミー賞助演女優賞を受賞したのだけど、ジョジクルも主演賞やってもよかったんじゃないかと思えるくらいによかったです。
(「ゼア……」のダニエル・デイ=ルイスを観てないのでなんとも言えませんが)


chikachan112 at 20:00|Permalinkclip!映画 |   【は行】

May 03, 2008

パラノイドパーク

ガス・ヴァン・サント監督

アレックスはカノジョよりもスケートボードに夢中な16歳。ある晩、ボーダーの溜まり場「パラノイドパーク」に一人で出かけた彼は、ひとつの事件に巻き込まれてしまう。
そして翌日、警備員の死体が発見された。普段と変わらぬ周囲、変わっていくアレックス。

友人への告白の文章&刑事の追及が冒頭にきてるので、
何によってアレックスが苦悩しているのか、後から納得する形になってます。
友人宅での「翌朝」が二回繰り返されていて、
アレックスの中でなにが揺さぶられているのかが、丁寧。

それにしても授業の真っ最中に呼び出しするのか。アメリカって。

先生(もしくは目上の大人)にはきっちり従いなさいという社会、なのでしょうか。



chikachan112 at 19:59|Permalinkclip!映画 |   【は行】

May 02, 2008

ナイト ミュージアム

ショーン・レヴィ監督

ラリーは夢多き愛すべき男なれど、生活能力はない。離婚して週二度しか会えない息子に呆れられたくなくて、なんとか定職をと、博物館の夜警の仕事にありつく。ところがその夜、なぜか展示物が動き出し……。

新味はないけど、楽しい映画でした。
家族愛、人間愛、向上心、エトセトラ。
家族向け映画で、奇をてらう必要はないよね。

笑ってドキドキしてちょっとほろりときて。
それで充分じゃないですか。


chikachan112 at 20:11|Permalinkclip!映画 |   【な行】