March 2009

March 31, 2009

プラスティック・シティ

ユー・リクウァイ監督

ブラジルの裏社会。コピー商品を売って儲けているアジア系ブラジル人ユダと息子のキリン。しかしキリンは、幼い頃にアマゾンのジャングルで両親を亡くした後ユダに拾われた日系の青年だ。彼らは歓楽街・スラム街において成功を収めていはいたが、しかしユダの失脚をもくろむ勢力から狙われていて……。

アンソニー・ウォンは裏社会が似合うなあ。
ぎょろ目と、ちょっと崩れたハンサムのせいかもしれない。

オダギリジョーはアフリカン風味(アマゾン風味かもしれない)のタトゥを入れた、二代目というか腹心の部下というか、ユダを慕う役割。
いわゆるヤクザ役なのだけど、あまり堕ちた雰囲気はなかったですね。
けっこう真っ直ぐで熱い性格にみえるから、
ラストで「あのシーン」になってしまったのが唐突に感じました。

裏社会勢力争いのドラマで進んでいたのが、突然よくわからないバトルシーンになってしまい、
これは空想なのか現実なのか混乱しました。
アマゾンに行く段になっては、ますます「?」マーク。

狙ってやってるんだとは思う。
誰もが判る映画がいいとは思わないし、またわたしの想像力が足りないから判らないだけかもしれない。
でも、例えばロドリゲスのようなハチャメチャさが前半になかっただけに、
「お約束」を踏み越えている映画だということに気づかないままきてしまいました。
前半と後半が分離してる、という印象かな。

どちらのパートも空気感がいいだけに、勿体ないなあ。


chikachan112 at 23:39|Permalinkclip!映画 |   【は行】

March 25, 2009

ワルキューレ

ブライアン・シンガー監督
ナチス政権化のドイツにおいて、密かに、しかし幾度となく計画されてきたヒトラー暗殺計画のひとつ「ワルキューレ作戦」。それは軍内部と政府の要人が結びつき、愛国者シュタウフェンベルク大佐によって起こされたものだった。ヒトラーを暗殺し、同時にヒトラー親衛隊を決起させたとみせかけて、クーデター鎮圧のための予備軍を動かし、一気に政府機能を乗っ取ろうとしたのだ。そして計画は実行にうつされ、運命の日がやってきた……

人間には決断力が必要だ――

この映画を見てまっさきに思ったのはこれでしたね(笑)

ヒトラーの最期は世に知られていることなので、
作戦が失敗に終わるとわかりながら観ていたのだけど、
それでも歴史の「if」を考えてしまいます。

もしも、爆発後すぐに、オルブリヒト将軍が計画通りの行動をしていれば、
「狼の巣」からの指令が届く前に親衛隊は鎮圧され、山荘にいなかったベッペルスも逮捕でき、政権を握ることができていたかもしれない。
三時間のタイムロス、イコール、ナチス政権が「狼の巣」を爆破後の混乱から立てなおす貴重な時間だったともいえます。
通信が途絶えた時がチャンスだったというのに、保身やためらいが自らの首を絞めてしまったわけです。

また、もしもをさらに言うならば、
最初のチャンスで爆弾をしかけていたら、壕の中だから爆破の規模も大きく、確実にヒトラー他の連中を爆死させることもできたはず。

あー、惜しい。くやしい。

……と、こうやって結果を知っていてもなお歯がゆく思われるのは、
それだけ劇中のサスペンス効果が成功していたということかな。
面白かったですよ。

ところで。
史実からは外れるかもしれないと思いつつ、
実はこの作戦でヒトラーは爆死していたのかもしれないなんて、ちょっと妄想してしまいました。

だって、爆破後は観客に顔を見せてないんだもん。
もしかしたら、ヒトラーの影武者が用意されてたのかもしれない。
三時間という余裕の間に、入れ替えが行われ、彼の死は隠蔽されたのかもしれない。

あー、やっぱり惜しいなあ、オルブリヒト将軍のためらいの時間が。


chikachan112 at 19:18|Permalinkclip!映画 |   【わ行】

March 24, 2009

ダウト 〜あるカトリック学校で〜

ジョン・パトリック・シャンリー監督

ケネディ大統領暗殺の翌年(1964年)、ブロンクス地区のカトリック学校において、進歩的なフリン神父と、厳格な校長シスター・アロイシアスは、時代の変化と宗教の教えについての考え方の違いで対立していた。ある日、若きシスター・ジェイムズが、フリン神父のとある行動を目撃し不審を持ったことを相談されたアロイシアスは、彼への疑念を大きく育てていく……

実に面白い。(<福山雅治風に)

「ダウト」という単語で、わたしがまず最初に思い浮かぶのが、
カードゲームです。
あの、プレイヤーが円になりトランプを1から順に伏せて出していくやつ。先にカードがなくなったら勝ち。
手持ちにそのカードがなければ別のカードを出して、周囲を騙すことができます。
「ダウト!」というのは、その時に別のプレイヤーが指摘する言葉ですね。
騙したことがバレれば騙したプレイヤーの元に、場に出たカードが渡されるけど、
その人が正しいカードを出していれば、指摘した人の元にすべてのカードが渡される。
「ダウト=疑い」を申し立てるのは両刃の剣なわけですよ。

で。

以下ネタバレ気味↓↓続きを読む

chikachan112 at 23:16|Permalinkclip!映画 |   【た行】

March 17, 2009

ジェネラル・ルージュの凱旋

中村義洋監督
愚痴外来の医師にして倫理委員会長である田口のもとに届いた匿名の投書。そこには、ERセンター長・速水が医療メーカーと癒着しているという内容が書かれていた。ジェネラル・ルージュの異名を持ち、受け入れ要請のある総ての患者を断らないことで有名な速水になにがあるのか。一方、厚生労働省の変人白鳥が骨折により再び病院にやってきて……

なぜあのCDーRにあの声が入っていたんだろう。とか、
ヘリポートって、ドクターヘリを持ってなくても消防(救急隊)がヘリを持ってたら使えると思うんだけど。そして消防でヘリを持つかどうかは自治体の問題のはずなんだけど(ドクターヘリは「医師」が乗り込むからドクターと名称がはいるんで、現地やヘリ内で治療行為ができることが売りでは?)。とか、

いろいろツッコミどころはあるんだけど、なかなかドラマティックで面白かったです。

今回は原作未読。田口が医者とは思えないくらいにトロいのは気になるけど、
他のキャラクターはそれぞれ立ってたように思います。
変人白鳥は変人ぶりをアピールし、ベテラン看護師藤原@野際陽子は如才なく、
平泉成演じる黒崎教授など、セリフを喋ったとたん、笑えるほどに平泉成でした(それ、褒めてる?)
なかでもチュッパチャプス速水医師@堺雅人が見事な存在感。

話も地味に進みながら、あれこれと謎が深まりつつ、
後半大スペクタクルになって、一気に盛り上がり。

かつて地下鉄サリン事件が起きたとき。聖路加国際病院において、非常事態宣言をアナウンスして外来をストップさせ、野戦病院さながらに大規模救急を受け入れたことがあったそうです。
聖路加ではロビー、廊下、礼拝堂などのスペースに酸素排気口が装備してあり、緊急事態に備える体制をとってあったとか。(理事長日野原重明氏の戦時中の体験によりどうしても設置したかったそうです)ありとあらゆる場所で治療を行ない、スタッフも総出で一体となったそうです。
以前聞いたことのある、この話を思い出しました。
ヒントにしたのかな?

ラストも、意外感はないものの、こうあってほしいというとおりに、綺麗に着地。
チュッパチャプスも効いてましたね。


chikachan112 at 00:02|Permalinkclip!映画 |   【さ行】

March 16, 2009

チェンジリング

クリント・イーストウッド監督
1928年、ロサンゼルス。シングルマザーのクリスティンは、9歳の息子ウォルターを懸命に育てていた、ところがある休日出勤の日、ウォルターが突然消えてしまう。なにがおきたのかわからぬまま息子の消息を求めるクリスティン。警察も不正だらけであまり頼りにならない。そして5ヶ月後、息子が見つかったという連絡をうけたのだが……。

母親の強さに恐れ入る。
それしか感想が言えないほど、クリスティン役のアンジーは凄かったですよ。

実在事件を元にしているということなので、
「そんなの酷すぎる!」という演出過多に疲れそうになったんだけど、
きっと「事実は小説よりも奇なり」なのでしょう。
となれば、いかに役者さんたちが、それっぽく演じるかを楽しみたい。

20年代のアメリカファッションは漫画でしか知らないのだけど(爆)
ダイナマイトボディはどこにいったんだ? というくらいスレンダーなアンジーの衣装には納得。
ああいう帽子、ああいうストーンとしたワンピース、妙にでかいブローチ、面白いなあ。

ジェフリー・ドノヴァンの警部役、見事に憎たらしくてよい感じです。
精神病棟の看護師たちも表情がなくて怖い怖い。
今回は人道派のマルコヴィッチも好演。最初は裏がある役なのかなあ、なんて思ったけどね(笑)


chikachan112 at 18:58|Permalinkclip!映画 |   【た行】

March 15, 2009

探偵<スルース> (1972年作品)

ジョセフ・L・マンキウィッツ監督

ロンドンのとある邸宅。老いた推理作家ワイク(ローレンス・オリヴィエ)は、妻の間男マイロ(マイケル・ケイン)を呼び出し、宝石強盗をもちかけた。両者が得する策だとして……。しかしそこにはワイクの計算があったのだ……。
元は、A・シェイファーによる舞台劇。07年に、ジュード・ロウとマイケル・ケインによって再映画化。

去年上映された「スルース」の72年映画化作品がwowowでやるということでみてみました。

なるほど、3幕目が全然違うわけね。
07年作で「老人」を演じていたマイケル・ケインが、本作では「若者」の役で出てます。
この映画、騙しあい・ゲームも面白いけど、「老いと嫉妬」も大きなテーマ。
同じ役者が両方を演じているというのは、72年作のほうも観てみるとより味わい深いです。
07年作って、意外とマイケル・ケインが若いというか、エネルギーに充ちているので、72年作のほうが悲哀がでてます。

で、かなり違う3幕目。
72年作を観てしまうと、07年作の浅さが見えちゃいますね。
3幕目で、こてんぱんにやられるからこそ、ラストの選択が納得いくわけで。
そして、ゲームに力技で勝ってしまった「彼」が、人生においては総てを奪われてしまうだろう失望感。(もう一人の彼も「終わっちゃった」わけだけど、逆にゲームの最後の最後は勝ったかのような印象)
人形の館の舞台設定も、とても効いてました。

忘れ去られた名作にもう一度注目して欲しいと思ってリメイクを作る……という話を、
ガス・ヴァン・サントが「サイコ」を再映画化したときに聞いたけど、
これもそういう「再評価」を期待してたのかな。
新旧両方を知ってる人にとっては、どうしても「旧作」のほうがよく見えてしまうもの。
そこで独自性を出すのか、逆に「サイコ」みたいにわざとというほど同じに作るのか、製作者にとっては悩みどころなんだろうなあ。

本作の場合、舞台装置や役者の演じ方は別でもいいけど、3幕目のシナリオは旧作のままにしたほうがよかったように思うなあ。


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March 13, 2009

オカマを……

ほられちゃいました。

ははは。うちの車、呪われてるかもしれん。
これで二回目です。先日一回目の車検をしたばかりの、つまりまだ3年目の車です。

前回は、買った初年、実家近くの某交通安全の神社にお参りに行こうと思ってたところでした。
信号待ちの手前に路上駐車の車があり、それに目をとられた車がぼんやりしてたのか、勢い良くぶつかってきました。

今日は、映画を見てきた帰り、のろのろ運転の最中に、いきなり衝撃がきました。
(……てか、あたしのパソコン、なぜ「笑劇」と先に変換されるのか!!)

多分、体は大丈夫だし(今はなんともない)、
100−ゼロだから車も直せるし、
時間をとられることは困るけど、とりあえず問題ないけどさ。


みんな、前を見ようよ。

前を向いて生きようよ!!

chikachan112 at 20:10|Permalinkclip! 

March 09, 2009

クローンは故郷をめざす

f4d80d0e.jpg中嶋莞爾監督

近未来。宇宙飛行士の高原耕平は、宇宙船外での事故で殉職する。しかし彼はその直前、公には初となる合法クローン再生の契約をしていた。クローン医療の弾みになるとほくそえむ研究所の影山。当初の説明では記憶のバックアップは万全で、すべてが元の「耕平」になるはずだった。……がしかし、目覚めた再生クローンがまず話し出したのは、幼いころに死んだ双子の弟、昇のことだった……。

2006年度、サンダンス・NHK国際映像作家賞受賞脚本。中嶋莞爾は本作で商業映画監督デビュー。ヴィム・ヴェンダース製作。及川光博主演。

なかなか面白いテーマで楽しめました。
けど、あれこれ惜しいなあ、という印象。

たとえば名前のつけかた(双子の生き残るほうが大地に根ざす「耕平」で、死ぬ方が天に「昇」、妻の名前が「時枝」=時間・遺伝子の枝分かれ(双子・クローン)とかあれこれ恣意的)などみても、
きっと練りに練ってるんだとは思うのね。
だけど、逆に、考えすぎてるのか、変なとこも目に付きます。

というわけでネタバレ以下(というか、観た人しかわからない内容かもしれません)↓↓
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chikachan112 at 20:34|Permalinkclip!映画 |   【か行】

March 06, 2009

罪とか罰とか

ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督

崖っぷちアイドル円城寺アヤメは、情けない自分の写真に逆上し、グラビア雑誌を万引きしてしまう。バーターで“一日警察署長”をすることになったものの、そこには殺人狂の元恋人やら適当な署員やらが右往左往していて、どうしていいのかわからない。折しもコンビニ強盗事件やら誘拐事件やらが発生して……。

はちゃめちゃなコメディでした。
半ばくらいまでちょっとだれてたんだけど、
後半は爆笑の渦。
しかし成海凛子、可愛いけど別人のようにぽんわりとみえました。役柄ゆえ?



chikachan112 at 22:51|Permalinkclip!映画 |   【た行】

March 05, 2009

少年メリケンサック

宮藤官九郎監督

退社寸前のレコード会社契約社員・栗田かんなが見つけたのは、パンクバンド“少年メリケンサック”のライブ映像。これぞいけると契約交渉に臨んだものの、しかしそこにやってきたのはよれよれの「中年」ロッカー……。ありえない!と吼えるものの、なぜだかネットで人気が高まって、周囲を騙したまま”中年メリケンサック”は全国ツアーに……!?!

愛ですねえ、愛。
もちろん、パンクロック愛。おじさんバンド愛。

よれよれになってくだまきながらも、しかし誰より根っこは太いぜ。情熱負けないぜ。
おっさんそれでもかっこええやん、というのが描きたかったんだろうなあ。
しかし同時に、可愛い女の子にお世話されるのもええのお、っつー妄想が現実化したんだろうなあ。


倒れそうに可愛い宮崎あおいも、匂いそうな佐藤浩市も、情けない勝地涼もいいんだけど、
やっぱり一番は「テルヤ」の田辺誠一でしょう。


chikachan112 at 22:53|Permalinkclip!映画 |   【さ行】