May 2009
May 24, 2009
鈍獣
細野ひで晃監督
小説家・凸川の行方不明を受け、その町にやってきた美人の担当編集者。その町のホストクラブ「スーパーヘビー」には、凸川の同級生が集っていた。ナンバーワンホスト(※ただし一人しかいない)の江田に警察官の岡本、江田の愛人の順子ママ、ロリータファッションのノラ。彼らはどうも怪しげだ。それもそのはず、彼らは25年前の秘密を小説のネタにされたことにより、凸川を殺そうとしていたのだった……。
クドカンワールドはくだらなくて好きなんだけど、
テンポが遅いのか、あまりキレがないですね。
もとは舞台劇で、宮藤官九郎本人が映画用に脚本を作り直したそう。
相撲ばかりの田舎町
ホストがひとりしかいないホストクラブに集う町人
殺されても殺されてもやってくる男
そこから浮かび上がってくる、人間は鈍い獣であるという主題
舞台を観ていないので、イメージだけだけど、
このホストクラブに人が集い、男が来て、殺されて、しかしまた男が来て……
という繰り返しとドタバタの不条理劇を、
ライブで見るなら面白いのだろうなーと思う。
なんといっても勢いがあるだろうし、
同じ行動が何度も続くと、「また来るぞ、また来るぞ」と、観客としては麻薬的な期待しちゃうし。
ただそれが、どうしてだかこの映画ではテンポの悪さを感じてしまう。
凸川を探しに来る編集者が、一人ずつに、なにが起こったのかを聞いていくのだけど、
殺しても死なない男を探しているのだとわかったところで、ラストがなんとなく見えてくる。
見えているゴールに向うなら、もっとスピードをあげてくれないと飽きるよ。
でも役者陣はキレ味よかった。
わたしは「こっち」の北村一輝が好きなのだと、つくづく思いましたね。
某国営大河のほうは、”……似合わない”、と思って以来、まともに見ていないし。
ユースケ・サンタマリアには、”え? 宮崎あおいに続いて真木よう子まで?? なにこの役!”と、
まるでおじさんのような感想を持ってしまったわたし……(反省)
そういえば『少年メリケンサック』もクドカンでしたね。
小説家・凸川の行方不明を受け、その町にやってきた美人の担当編集者。その町のホストクラブ「スーパーヘビー」には、凸川の同級生が集っていた。ナンバーワンホスト(※ただし一人しかいない)の江田に警察官の岡本、江田の愛人の順子ママ、ロリータファッションのノラ。彼らはどうも怪しげだ。それもそのはず、彼らは25年前の秘密を小説のネタにされたことにより、凸川を殺そうとしていたのだった……。
クドカンワールドはくだらなくて好きなんだけど、
テンポが遅いのか、あまりキレがないですね。
もとは舞台劇で、宮藤官九郎本人が映画用に脚本を作り直したそう。
相撲ばかりの田舎町
ホストがひとりしかいないホストクラブに集う町人
殺されても殺されてもやってくる男
そこから浮かび上がってくる、人間は鈍い獣であるという主題
舞台を観ていないので、イメージだけだけど、
このホストクラブに人が集い、男が来て、殺されて、しかしまた男が来て……
という繰り返しとドタバタの不条理劇を、
ライブで見るなら面白いのだろうなーと思う。
なんといっても勢いがあるだろうし、
同じ行動が何度も続くと、「また来るぞ、また来るぞ」と、観客としては麻薬的な期待しちゃうし。
ただそれが、どうしてだかこの映画ではテンポの悪さを感じてしまう。
凸川を探しに来る編集者が、一人ずつに、なにが起こったのかを聞いていくのだけど、
殺しても死なない男を探しているのだとわかったところで、ラストがなんとなく見えてくる。
見えているゴールに向うなら、もっとスピードをあげてくれないと飽きるよ。
でも役者陣はキレ味よかった。
わたしは「こっち」の北村一輝が好きなのだと、つくづく思いましたね。
某国営大河のほうは、”……似合わない”、と思って以来、まともに見ていないし。
ユースケ・サンタマリアには、”え? 宮崎あおいに続いて真木よう子まで?? なにこの役!”と、
まるでおじさんのような感想を持ってしまったわたし……(反省)
そういえば『少年メリケンサック』もクドカンでしたね。
May 22, 2009
おと な り
熊澤尚人監督
カメラマンの聡は風景写真を撮りたいと願っているが、モデルである高校時代の友人シンゴの写真でブレイクしたこともあってモデル撮影の仕事ばかりだ。一方、花屋で働く七緒はフラワーデザイナーの勉強のためにフランスへの留学を控えている。2人はアパートの「お隣り」同士だが互いの顔は知らない。しかし壁越しに聞こえてくる生活の音が、互いに互いの癒しとなっていた。そんな二人の生活に漣が立つ。きっかけはシンゴの恋人の茜と、七緒がよく行くコンビニの店員だった……。
気持ちの揺れ動きには感動したけど、話の展開には苦笑……というとこかな。
都会でひとり暮らしをしていて、
夢を持っていて、
多少は夢に手が届きかけているけれど、思い通りにはいかず、道は半ばでもがく毎日。
年齢的にもぎりぎりのような気がしている。
彼氏彼女はいない。積極的に求めているわけじゃないけど、気持ちの支えは欲しい。
そんな気持ちは、誰にだってある。
今現在がそうでなくても、過去に、未来に。また、想像もできる。
隣の部屋から聞こえる「音」。
誰かが生活している音を通して、自分も生きていることを実感する。
いい設定だと思ったし、
柔らかな印象の、気持ちのいい話だし、
壁を通して「歌う」シーンは、それぞれの気持ちや労りが伝わってきて、つい泣けてしまった。
岡田准一、麻生久美子という両主役は文句なく上手いし、
まさに等身大の描き方だし、
脇役も実力のある人を揃えてる。
スクリーンの向うで誰もが「生きている」ことが、ちゃんとわかる。
それだけに、「実は……だった」という展開には、
それでいいのかなあ? と、ちょっと気が削がれる感がありましたね。
……いや、ちゃんと伏線は張られてたけど。
……驚きの展開といえば、驚きの展開だけどさあ。
そんなウルトラCがなくても、なんか音がらみで出会わせようよ。
「音鳴り」というのが、この映画の最大の売りなのに。
そういうのが物語を見る醍醐味だろうに。
そういえば、同じ監督の『虹の女神』を観た時も、同じような感想を持ったなあ。
あの時は、映像で語るべきとこを手紙で語っていて、
どうして折角の設定を活かさないのだ? と思ったんだっけ。
いい話だけに勿体ない。
……って思ったんだけど、
もしかしたらこれも、
「実は……だった」人と恋に落ちたい、というのがアラサーの大半の希望で、
自分にも同じことが訪れるかもしれないという期待が持てるじゃないかと、
身近な物語を狙ってのことなのかしらん?
カメラマンの聡は風景写真を撮りたいと願っているが、モデルである高校時代の友人シンゴの写真でブレイクしたこともあってモデル撮影の仕事ばかりだ。一方、花屋で働く七緒はフラワーデザイナーの勉強のためにフランスへの留学を控えている。2人はアパートの「お隣り」同士だが互いの顔は知らない。しかし壁越しに聞こえてくる生活の音が、互いに互いの癒しとなっていた。そんな二人の生活に漣が立つ。きっかけはシンゴの恋人の茜と、七緒がよく行くコンビニの店員だった……。
気持ちの揺れ動きには感動したけど、話の展開には苦笑……というとこかな。
都会でひとり暮らしをしていて、
夢を持っていて、
多少は夢に手が届きかけているけれど、思い通りにはいかず、道は半ばでもがく毎日。
年齢的にもぎりぎりのような気がしている。
彼氏彼女はいない。積極的に求めているわけじゃないけど、気持ちの支えは欲しい。
そんな気持ちは、誰にだってある。
今現在がそうでなくても、過去に、未来に。また、想像もできる。
隣の部屋から聞こえる「音」。
誰かが生活している音を通して、自分も生きていることを実感する。
いい設定だと思ったし、
柔らかな印象の、気持ちのいい話だし、
壁を通して「歌う」シーンは、それぞれの気持ちや労りが伝わってきて、つい泣けてしまった。
岡田准一、麻生久美子という両主役は文句なく上手いし、
まさに等身大の描き方だし、
脇役も実力のある人を揃えてる。
スクリーンの向うで誰もが「生きている」ことが、ちゃんとわかる。
それだけに、「実は……だった」という展開には、
それでいいのかなあ? と、ちょっと気が削がれる感がありましたね。
……いや、ちゃんと伏線は張られてたけど。
……驚きの展開といえば、驚きの展開だけどさあ。
そんなウルトラCがなくても、なんか音がらみで出会わせようよ。
「音鳴り」というのが、この映画の最大の売りなのに。
そういうのが物語を見る醍醐味だろうに。
そういえば、同じ監督の『虹の女神』を観た時も、同じような感想を持ったなあ。
あの時は、映像で語るべきとこを手紙で語っていて、
どうして折角の設定を活かさないのだ? と思ったんだっけ。
いい話だけに勿体ない。
……って思ったんだけど、
もしかしたらこれも、
「実は……だった」人と恋に落ちたい、というのがアラサーの大半の希望で、
自分にも同じことが訪れるかもしれないという期待が持てるじゃないかと、
身近な物語を狙ってのことなのかしらん?
May 21, 2009
桜海老を求めて
GW直後(9日)に静岡まで。
目的は、桜海老としらす(笑)
……食い気しか行動理由がないのか……。
でも日程をずらしたおかげで、行きも帰りもさほどの渋滞には巻き込まれなかったです。
豊田岡崎間だけはどうしようもないけれどね。
(アップダウン&複数の高速が流れ込むという地理的な問題があるようす)
春なので、霞がかかっているだろうと全然期待してなかったのだけど、
綺麗な富士山が!!(写真は三保の松原より)
新幹線の行き帰りに見るくらいしかなく、間近に見えて嬉しくなりました。
小さいころからこういう風景を見て育つと、性格に影響するんだろうか。
おおらかになれるようなイメージがあるけど、実は見慣れていて意識しないのかも??
それはともかく、桜海老。
目指すは由比。漁協がやっているというかきあげ屋さん。
11時少しには着いたのだけど、結構並んでました。
……配給(笑)されたのは、30分くらい後かな。
この日は漁があったそうで、生からあげたそうです。
かきあげ丼と、由比丼(ゆでたしらすと桜海老)。ともに650円くらいだった。
桜海老のかきあげ、香ばしくて美味しいです。単品注文も出来るそうだけど、他に食べたいものもあったので、丼のみ。
その後、生しらすを求めて、清水港の「河岸の市」に。観光向けの魚市場。
しかししらすは上がらなかったらしく、釜茹でしかありませんでした。……残念!
ここでは本まぐろ丼(1200円)を。
滅多に食べられない大トロ、中トロ。これまた新鮮でたいそうおいしゅうございました。
……さすがにかきあげの後だから、やや大トロがくどくなってきたけどね。(これはわたしが悪い)
その後、少しは観光もと、三保の松原へ。
海岸へ向う松は枯れかけていたし、ここが「羽衣の松」ですという囲われた松もやっぱり茶色くなっているし、松喰い虫の被害はかなりのもの。
でもその向うに広がる駿河の灘は爽快感いっぱいの広がりで、
風が少しあったせいでとても気持ちが良かったですよ。
写真を上手く撮れなかったのだけど、カイトサーフィンっていうのかな?
パラセイリングのカイトをつけて、サーフィンをやってる人もいました。
ボードは普通のサーフボードの人もいれば、スノーボード風に細いタイプも。
その後、焼津まで行ってお酒買って。
磯自慢、数年前に美味しいと聞いたけど、愛知北部辺りでは売ってないんだよね。
そうこうしてる間に、洞爺湖サミットだかで有名になっちゃって、ネットでは値がつりあげられてるとか。
やあねえ。
蔵元で、定価で買いました。……いやそればかりか、二本買ったので端数をまけてくれました。(一本は実家へのおみやげ♪)
いいひとだ……。
さて夕食は清水で買ったお土産。
生桜海老の刺身。
お店の人に食べ方を聞いたら、
地元では、殻の口当たりを柔らかくするために、酢で食べる人が多いとか。
わさびと生姜を用意して、醤油、ポン酢、酢、で食べ比べてみたら、
酢と生姜の組み合わせが私的GOODでした。
冷凍の生しらすも。
解凍したらすぐ食べなさいと言われてたのだけど、保冷財を入れてたにも関わらず家に帰ったら解けていたので、夕食に。
もちろん釜茹でしらす丼も(はーと)
いやあ、スーパーで売ってるのとは全然違うよ。
臭みもないし、ほわっと柔らかい。
来年も行きたいなあ。
目的は、桜海老としらす(笑)
……食い気しか行動理由がないのか……。
でも日程をずらしたおかげで、行きも帰りもさほどの渋滞には巻き込まれなかったです。
豊田岡崎間だけはどうしようもないけれどね。
(アップダウン&複数の高速が流れ込むという地理的な問題があるようす)
春なので、霞がかかっているだろうと全然期待してなかったのだけど、
綺麗な富士山が!!(写真は三保の松原より)
新幹線の行き帰りに見るくらいしかなく、間近に見えて嬉しくなりました。
小さいころからこういう風景を見て育つと、性格に影響するんだろうか。
おおらかになれるようなイメージがあるけど、実は見慣れていて意識しないのかも??
それはともかく、桜海老。
目指すは由比。漁協がやっているというかきあげ屋さん。
11時少しには着いたのだけど、結構並んでました。
……配給(笑)されたのは、30分くらい後かな。
この日は漁があったそうで、生からあげたそうです。
かきあげ丼と、由比丼(ゆでたしらすと桜海老)。ともに650円くらいだった。
桜海老のかきあげ、香ばしくて美味しいです。単品注文も出来るそうだけど、他に食べたいものもあったので、丼のみ。
その後、生しらすを求めて、清水港の「河岸の市」に。観光向けの魚市場。
しかししらすは上がらなかったらしく、釜茹でしかありませんでした。……残念!
ここでは本まぐろ丼(1200円)を。
滅多に食べられない大トロ、中トロ。これまた新鮮でたいそうおいしゅうございました。
……さすがにかきあげの後だから、やや大トロがくどくなってきたけどね。(これはわたしが悪い)
その後、少しは観光もと、三保の松原へ。
海岸へ向う松は枯れかけていたし、ここが「羽衣の松」ですという囲われた松もやっぱり茶色くなっているし、松喰い虫の被害はかなりのもの。
でもその向うに広がる駿河の灘は爽快感いっぱいの広がりで、
風が少しあったせいでとても気持ちが良かったですよ。
写真を上手く撮れなかったのだけど、カイトサーフィンっていうのかな?
パラセイリングのカイトをつけて、サーフィンをやってる人もいました。
ボードは普通のサーフボードの人もいれば、スノーボード風に細いタイプも。
その後、焼津まで行ってお酒買って。
磯自慢、数年前に美味しいと聞いたけど、愛知北部辺りでは売ってないんだよね。
そうこうしてる間に、洞爺湖サミットだかで有名になっちゃって、ネットでは値がつりあげられてるとか。
やあねえ。
蔵元で、定価で買いました。……いやそればかりか、二本買ったので端数をまけてくれました。(一本は実家へのおみやげ♪)
いいひとだ……。
さて夕食は清水で買ったお土産。
生桜海老の刺身。
お店の人に食べ方を聞いたら、
地元では、殻の口当たりを柔らかくするために、酢で食べる人が多いとか。
わさびと生姜を用意して、醤油、ポン酢、酢、で食べ比べてみたら、
酢と生姜の組み合わせが私的GOODでした。
冷凍の生しらすも。
解凍したらすぐ食べなさいと言われてたのだけど、保冷財を入れてたにも関わらず家に帰ったら解けていたので、夕食に。
もちろん釜茹でしらす丼も(はーと)
いやあ、スーパーで売ってるのとは全然違うよ。
臭みもないし、ほわっと柔らかい。
来年も行きたいなあ。
May 12, 2009
GW映画まとめ感想
単独記事にしたのもあるけど、その他のものはまとめて。
『魔法にかけられて』
シュレックみたいに、設定を変えた別の形のおとぎ話か、もしくは「本当は怖いなんとか童話」みたいな裏読みさせる話かと思ってましたが、こうきたか。
なるほど面白い。
しかしあの家の食器は使いたくないよ。
『アース』
どうやって撮ったのだという映像にくらくら。水族館に行きたくなった。
各生物のパートが少ないのは、ダイジェストになってるから仕方がないか。
不満ならそれぞれの生物について自分で調べればいいのだ。
『レッドクリフ Part1』
WOWOWで見たのだけど、同じ人間の名前紹介が何度も出て不思議な感じが。
俳優の顔が混乱するからありがたくはあったけど……。
良くも悪くも丁寧。これならパート2もビデオにする。
『KIDS』
盛り上げるための演出が逆効果になってしまったのか、
ただの「超能力系いい話」になっていました。
『西の魔女が死んだ』
ゆったりとした時間と美しい風景、伝えていくもの。
しみじみとしたいい映画だとは思う。ただ自分的にはWOWOWで十分だった。
『帰郷 ボルベール』
キラキラ色の画面が眩しい。
女性の強さも眩しい。
『赤い文化住宅の初子』
文化住宅って東西で違うという話も聞いたことがあるのだけど、普通に古いアパートに見えましたが。
近所にある「○○住宅」という名称の家は、長屋みたいな風貌で階段は内側にあり屋根も瓦(割れて壊れかけてる)です。
妄想入るところなどは面白い。
『天然コケッコー』
これも雰囲気ばつぐん。
でも、転校生の男の子の心境がわからないです。
『魔法にかけられて』
シュレックみたいに、設定を変えた別の形のおとぎ話か、もしくは「本当は怖いなんとか童話」みたいな裏読みさせる話かと思ってましたが、こうきたか。
なるほど面白い。
しかしあの家の食器は使いたくないよ。
『アース』
どうやって撮ったのだという映像にくらくら。水族館に行きたくなった。
各生物のパートが少ないのは、ダイジェストになってるから仕方がないか。
不満ならそれぞれの生物について自分で調べればいいのだ。
『レッドクリフ Part1』
WOWOWで見たのだけど、同じ人間の名前紹介が何度も出て不思議な感じが。
俳優の顔が混乱するからありがたくはあったけど……。
良くも悪くも丁寧。これならパート2もビデオにする。
『KIDS』
盛り上げるための演出が逆効果になってしまったのか、
ただの「超能力系いい話」になっていました。
『西の魔女が死んだ』
ゆったりとした時間と美しい風景、伝えていくもの。
しみじみとしたいい映画だとは思う。ただ自分的にはWOWOWで十分だった。
『帰郷 ボルベール』
キラキラ色の画面が眩しい。
女性の強さも眩しい。
『赤い文化住宅の初子』
文化住宅って東西で違うという話も聞いたことがあるのだけど、普通に古いアパートに見えましたが。
近所にある「○○住宅」という名称の家は、長屋みたいな風貌で階段は内側にあり屋根も瓦(割れて壊れかけてる)です。
妄想入るところなどは面白い。
『天然コケッコー』
これも雰囲気ばつぐん。
でも、転校生の男の子の心境がわからないです。
May 09, 2009
視覚の魔術 だまし絵
名古屋市美術館で開催のだまし絵展、観てきました。
くわしいことはここ。
ダブルイメージとか、視覚的なマジックとか。
ミステリ魂をくすぐります。
アルチンボルドの絵(写真)も定番で、観甲斐があるけど、
流派の誰かが描いたらしき《水の寓話》もなかなか。……というか気持ち悪いくらいリアルな魚だった……。
20世紀のシュールレアリスム、ダリ、エッシャー、マグリットは言うまでもなく、現代美術も面白いです。
先に見た友人から紹介された《水の都》、立体に描かれた絵で、海に揺れてるように見えて、何度も左右に行き来してしまいました。
上記サイトにもある《壁面5°の拡がり》も好み。
パソコンの画面だとわかりづらいけど、ナマで見ると、仕立てに感動〜。
このあとは、
●Bunkamura ザ・ミュージアム
2009年6月13日(土)〜8月16日(日)
●兵庫県立美術館
2009年8月26日(水)〜11月3日(火・祝)
とのことです。
くわしいことはここ。
ダブルイメージとか、視覚的なマジックとか。
ミステリ魂をくすぐります。
アルチンボルドの絵(写真)も定番で、観甲斐があるけど、
流派の誰かが描いたらしき《水の寓話》もなかなか。……というか気持ち悪いくらいリアルな魚だった……。
20世紀のシュールレアリスム、ダリ、エッシャー、マグリットは言うまでもなく、現代美術も面白いです。
先に見た友人から紹介された《水の都》、立体に描かれた絵で、海に揺れてるように見えて、何度も左右に行き来してしまいました。
上記サイトにもある《壁面5°の拡がり》も好み。
パソコンの画面だとわかりづらいけど、ナマで見ると、仕立てに感動〜。
このあとは、
●Bunkamura ザ・ミュージアム
2009年6月13日(土)〜8月16日(日)
●兵庫県立美術館
2009年8月26日(水)〜11月3日(火・祝)
とのことです。
プラネタリウム
ついでにそばにある科学館のプラネタリウムにも行ってきました。
今年は、土星の輪が見えなくなる年だそう。
土星の輪というのは、太陽に対して一定の角度を保ったまま公転しているのだけど、その角度のせいで太陽光が反射して、地球からも輪が見えるそうですね。
で、地球との位置関係から、わっか部分が真横になる時期が15年に一度あるそうな。
(土星の公転周期は、地球年での30年だから)
ことしはその15年分の1にあたるらしい。
これもある種の視覚マジックだよなあ。
さて、そこで仕入れた情報だけど、明日5月10日の夕方(早めの夜)に、地球の衛星軌道を周回している国際宇宙ステーションが見られるらしい。
場所のコピーが張ってあったので、写してきました。
10日が無理でも、11日、13日にもチャンスはあるそうな。
時間にして数分とのことだけど、今出ている土星なみの明るさとか。
見られるといいなあ。
今年は、土星の輪が見えなくなる年だそう。
土星の輪というのは、太陽に対して一定の角度を保ったまま公転しているのだけど、その角度のせいで太陽光が反射して、地球からも輪が見えるそうですね。
で、地球との位置関係から、わっか部分が真横になる時期が15年に一度あるそうな。
(土星の公転周期は、地球年での30年だから)
ことしはその15年分の1にあたるらしい。
これもある種の視覚マジックだよなあ。
さて、そこで仕入れた情報だけど、明日5月10日の夕方(早めの夜)に、地球の衛星軌道を周回している国際宇宙ステーションが見られるらしい。
場所のコピーが張ってあったので、写してきました。
10日が無理でも、11日、13日にもチャンスはあるそうな。
時間にして数分とのことだけど、今出ている土星なみの明るさとか。
見られるといいなあ。
May 07, 2009
クライマーズ・ハイ
原田眞人監督
1985年8月12日。群馬の北関東新聞の記者・悠木は、翌朝、販売部の友人安西とともに、谷川岳の衝立岩に登るべく帰社するところだった。ところが突然の一報。日航123便が消えたというのだ。どうやら、群馬と長野の県境に墜落したらしい。
どこにポイントがあるのか、全然わからない話になってる。
人物関係を語ることなく現場の「雰囲気」だけを絵にしてるからか、感情が伝わらない。
たしか撮影当時の宣伝で、編集部内の絵を撮るのに、脇役もすべて演技をさせて引きで撮っていて、大変時間がかかった(だから凄い)というような話が出ていたけど、
そこにいくら力を投入しようと、他の演出がダメならどうしょうもないと思うよ。
主人公は誰なんだろう。
悠木(堤真一)より佐山(堺雅人)の方がよほど「男気良く」描けているんだけど。
山に行きそびれて大事故起きてるのに、安西に連絡取りたがってるようにしか見えない最初のほう。
佐山に締め切りが過ぎていることを伝えそこなったシーンも軽く流して。
家に帰って寝るなとは言わないけど、家族が出ていったという設定にしてるなら、あんなでかい事故の最中に戻らなくてもいいんじゃない?と感じてしまう。
もちろん、スクープを落としてしまうわけだし、家庭でも疎まれる父親だし、カッコよくある必要はないんだけど、
仕事や上司部下の軋轢の中で「苦悩」しているようすを描きこんで欲しい。
描いてるつもりだとは思うのだけど、過去の失敗がエピソードから抜かされていて、また上記のような「え?」なシーンがあるせいで、ちゃんと伝わってこないのよ。
悠木の家庭パートも説明不足。
息子とのあれこれ、安西の遺児とのあれこれ、バックボーンを語らぬまま山登りされても伝わらない。アンザイレンってなになのか山登りしない人にはわからないはず。
(ちなみに大辞泉:登山者が岩壁などを登る際に、安全のために互いにザイルで身体を結び合うこと)
しかもラストがニュージーランドって! 爆笑したよ。
原作も読んでるし、NHKのドラマ(主役は佐藤浩市)も観てるけど、映像でみるならNHKのほうが面白いですよ。
二夜分だったから描きこめたのかなと、試しにDVDをアマゾンで検索したら150分となってました。本放送で観たけど、そんなだったかな。
で、映画版は145分。
5分しかかわらないよ?? どれだけ薄い映画だったんだ……。
1985年8月12日。群馬の北関東新聞の記者・悠木は、翌朝、販売部の友人安西とともに、谷川岳の衝立岩に登るべく帰社するところだった。ところが突然の一報。日航123便が消えたというのだ。どうやら、群馬と長野の県境に墜落したらしい。
どこにポイントがあるのか、全然わからない話になってる。
人物関係を語ることなく現場の「雰囲気」だけを絵にしてるからか、感情が伝わらない。
たしか撮影当時の宣伝で、編集部内の絵を撮るのに、脇役もすべて演技をさせて引きで撮っていて、大変時間がかかった(だから凄い)というような話が出ていたけど、
そこにいくら力を投入しようと、他の演出がダメならどうしょうもないと思うよ。
主人公は誰なんだろう。
悠木(堤真一)より佐山(堺雅人)の方がよほど「男気良く」描けているんだけど。
山に行きそびれて大事故起きてるのに、安西に連絡取りたがってるようにしか見えない最初のほう。
佐山に締め切りが過ぎていることを伝えそこなったシーンも軽く流して。
家に帰って寝るなとは言わないけど、家族が出ていったという設定にしてるなら、あんなでかい事故の最中に戻らなくてもいいんじゃない?と感じてしまう。
もちろん、スクープを落としてしまうわけだし、家庭でも疎まれる父親だし、カッコよくある必要はないんだけど、
仕事や上司部下の軋轢の中で「苦悩」しているようすを描きこんで欲しい。
描いてるつもりだとは思うのだけど、過去の失敗がエピソードから抜かされていて、また上記のような「え?」なシーンがあるせいで、ちゃんと伝わってこないのよ。
悠木の家庭パートも説明不足。
息子とのあれこれ、安西の遺児とのあれこれ、バックボーンを語らぬまま山登りされても伝わらない。アンザイレンってなになのか山登りしない人にはわからないはず。
(ちなみに大辞泉:登山者が岩壁などを登る際に、安全のために互いにザイルで身体を結び合うこと)
しかもラストがニュージーランドって! 爆笑したよ。
原作も読んでるし、NHKのドラマ(主役は佐藤浩市)も観てるけど、映像でみるならNHKのほうが面白いですよ。
二夜分だったから描きこめたのかなと、試しにDVDをアマゾンで検索したら150分となってました。本放送で観たけど、そんなだったかな。
で、映画版は145分。
5分しかかわらないよ?? どれだけ薄い映画だったんだ……。
May 06, 2009
グラン・トリノ
クリント・イーストウッド監督
妻に先立たれたガンコ爺さんの愛しているものは、グラン・トリノ(フォード車)と古き良きアメリカ。
朝鮮戦争の帰還兵で、フォードの自動車工として長年勤め上げ、しかし周囲の住宅街は彼の嫌いなアジア系移民ばかりになってしまった。
そんな彼が、とある事件で知り合った隣人一家と、そこに暮らす気弱な少年タオとかかわりを持っていく……。
男の子に道を示すことこそが、父親の仕事なのだろうか。
貞淑なカトリック信徒の妻と家庭を持ち、芝生のある一軒家に住まい、二人の息子を育て上げたという、理想の「形」を生きてきたことを自負するものの、
しかしその息子は自身の妻と子供の言いなりで、ライバルたる日本車のセールスマン。
息子にどう接していいかわからなかったと言いながら、タオに「男の生き様」を見せていく。
衝撃のラストというほど衝撃でもなく、むしろ日本人には納得のいく選択だったようにも感じる。
もっとも、武器には武器を!と、力で相手をねじ伏せてきたアメリカ(ひいては物語が始まったばかりのウォルト老人)にとっては、
こういう選択をするのか、という驚きはあるのだろう。
そのラストに向う道も、定型だけに丁寧に描かれていて、ゆっくりと変化が心にしみてくる。
エンドロールのグラン・トリノの歌もいいなあ。
クリント・イーストウッド本人と、『硫黄島からの手紙』の音楽も担当した子息カイル・イーストウッドの合作とのこと。
妻に先立たれたガンコ爺さんの愛しているものは、グラン・トリノ(フォード車)と古き良きアメリカ。
朝鮮戦争の帰還兵で、フォードの自動車工として長年勤め上げ、しかし周囲の住宅街は彼の嫌いなアジア系移民ばかりになってしまった。
そんな彼が、とある事件で知り合った隣人一家と、そこに暮らす気弱な少年タオとかかわりを持っていく……。
男の子に道を示すことこそが、父親の仕事なのだろうか。
貞淑なカトリック信徒の妻と家庭を持ち、芝生のある一軒家に住まい、二人の息子を育て上げたという、理想の「形」を生きてきたことを自負するものの、
しかしその息子は自身の妻と子供の言いなりで、ライバルたる日本車のセールスマン。
息子にどう接していいかわからなかったと言いながら、タオに「男の生き様」を見せていく。
衝撃のラストというほど衝撃でもなく、むしろ日本人には納得のいく選択だったようにも感じる。
もっとも、武器には武器を!と、力で相手をねじ伏せてきたアメリカ(ひいては物語が始まったばかりのウォルト老人)にとっては、
こういう選択をするのか、という驚きはあるのだろう。
そのラストに向う道も、定型だけに丁寧に描かれていて、ゆっくりと変化が心にしみてくる。
エンドロールのグラン・トリノの歌もいいなあ。
クリント・イーストウッド本人と、『硫黄島からの手紙』の音楽も担当した子息カイル・イーストウッドの合作とのこと。
May 04, 2009
銀河ヒッチハイク・ガイド
ガース・ジェニングス監督
その日、地球はあっけなく消滅してしまった。なぜか地球最後の生存者になったアーサーは、親友フォードに助けられて宇宙の旅へ。実はフォードは異星人で、銀河系で最も売れた本『『銀河ヒッチハイク・ガイド』の調査員だったのだ。ちなみにフォードという名は車の名前から。彼は、車が地球という星の支配者だと思って挨拶しようとし、轢かれそうになったらしい……。
原作はラジオドラマの脚本で小説版にもなっているダグラス・アダムスの同名SFパロディ。かのモンティ・パイソンの製作にも参加した人物。
『アース』の後で観たものだから、余計に笑えたよ。
イルカがジャンプを決めて見せるのは、地球滅亡の危機を人類に教える行為だとは……!
「さよなら、さよなら、いままでお魚ありがとう」という
あの歌が耳について離れない。
しかも地球滅亡の理由が、○○○○工事とは!
ユーモアと毒のある話で、コネタ満載で、実にくだらなくて、でも私は好き。
うつ状態のロボット(というか人型コンピュータ?)・マーヴィン(声優はアラン・リックマン)が銃をうつシーンにも爆笑。
写真の丸い人(人じゃないが)ですが、
このサイトの花粉予想のボールンロボの「多い」の顔に似てない?
そりゃあ暗くもなります。
一般受けはしないと思うけど、変な映画が好きな人にはおススメ。
その日、地球はあっけなく消滅してしまった。なぜか地球最後の生存者になったアーサーは、親友フォードに助けられて宇宙の旅へ。実はフォードは異星人で、銀河系で最も売れた本『『銀河ヒッチハイク・ガイド』の調査員だったのだ。ちなみにフォードという名は車の名前から。彼は、車が地球という星の支配者だと思って挨拶しようとし、轢かれそうになったらしい……。
原作はラジオドラマの脚本で小説版にもなっているダグラス・アダムスの同名SFパロディ。かのモンティ・パイソンの製作にも参加した人物。
『アース』の後で観たものだから、余計に笑えたよ。
イルカがジャンプを決めて見せるのは、地球滅亡の危機を人類に教える行為だとは……!
「さよなら、さよなら、いままでお魚ありがとう」という
あの歌が耳について離れない。
しかも地球滅亡の理由が、○○○○工事とは!
ユーモアと毒のある話で、コネタ満載で、実にくだらなくて、でも私は好き。
うつ状態のロボット(というか人型コンピュータ?)・マーヴィン(声優はアラン・リックマン)が銃をうつシーンにも爆笑。
写真の丸い人(人じゃないが)ですが、
このサイトの花粉予想のボールンロボの「多い」の顔に似てない?
そりゃあ暗くもなります。
一般受けはしないと思うけど、変な映画が好きな人にはおススメ。
May 02, 2009
バーン・アフター・リーディング
イーサン&ジョエル・コーエン監督
飲酒問題でCIAを辞めさせられたオズボーン(マルコヴィッチ)。その妻ケイティ(ティルダ・スウィントン)は保安官のエロオヤジ・ハリー(ジョジクル)と浮気中で、離婚を決意しオズボーンのPCデータをCD-ROMにコピー。ところがそのCD‐ROMがジムで働く音楽中毒・チャド(ブラピ)の手に渡り、全身整形をもくろむ同僚・リンダ(フランシス・マクドーマンド)とともに金をせしめようと計画する。
人生とはほんのちょっとしたきっかけで、こうも悪いほうに動くものか……
何度も語られるコーエン兄弟の「どんどん転がる負の連鎖」物語でした。
『ファーゴ』や『バーバー』と違うのは、妙な能天気さでしょうか。
しかし内容たるや真っ黒で、
錚々たる登場人物の中で、地に足をつけてる人間が誰もいないというのが、かなり怖い。
とある事情でハリーがパニックに陥り、浮気男のくせに妻のサンディに泣きつくのだけど、
これは彼女こそが「地に足をつけているもの」であり、「悪夢から覚ましてくれる人間」だと思っていたからでしょうね。
わたしもそう思っていたよ。
それがまあ、ああいう有様。
そう見せかけた設定や話の持って行き方には感服するけど、
欲望のままに生きる現代には、マージ(『ファーゴ』でマクドーマンドが演じた女性署長)はいないのだなあ。
「人生にはもっと価値がある」とは、もう誰も言わないのか。
なにせ国家機関(CIA)からして「複雑なことがわからない思考停止状態で、何でも金で解決する」時代だもんねえ(笑)
飲酒問題でCIAを辞めさせられたオズボーン(マルコヴィッチ)。その妻ケイティ(ティルダ・スウィントン)は保安官のエロオヤジ・ハリー(ジョジクル)と浮気中で、離婚を決意しオズボーンのPCデータをCD-ROMにコピー。ところがそのCD‐ROMがジムで働く音楽中毒・チャド(ブラピ)の手に渡り、全身整形をもくろむ同僚・リンダ(フランシス・マクドーマンド)とともに金をせしめようと計画する。
人生とはほんのちょっとしたきっかけで、こうも悪いほうに動くものか……
何度も語られるコーエン兄弟の「どんどん転がる負の連鎖」物語でした。
『ファーゴ』や『バーバー』と違うのは、妙な能天気さでしょうか。
しかし内容たるや真っ黒で、
錚々たる登場人物の中で、地に足をつけてる人間が誰もいないというのが、かなり怖い。
とある事情でハリーがパニックに陥り、浮気男のくせに妻のサンディに泣きつくのだけど、
これは彼女こそが「地に足をつけているもの」であり、「悪夢から覚ましてくれる人間」だと思っていたからでしょうね。
わたしもそう思っていたよ。
それがまあ、ああいう有様。
そう見せかけた設定や話の持って行き方には感服するけど、
欲望のままに生きる現代には、マージ(『ファーゴ』でマクドーマンドが演じた女性署長)はいないのだなあ。
「人生にはもっと価値がある」とは、もう誰も言わないのか。
なにせ国家機関(CIA)からして「複雑なことがわからない思考停止状態で、何でも金で解決する」時代だもんねえ(笑)