January 14, 2006

レディ・ジョーカー

平山秀幸監督

レディとは、誘拐犯グループ属するひとりの娘の愛称。虐げられる立場のものたちが、ビールという商品を人質に20億の金を奪おうとしたその理由とは。50年前の日の出ビール集団解雇事件を発端として、単に「金」だけの問題ではなかったのだが……。

原作は読んだのですが、もう6年は前。
毎度のことですが、細かな部分は忘れております。<ヲマエ……
二段組上下巻の分量の厚さだけでなく、物語の熱さをも楽しんだようには思います。

さてまあ、適度に忘れてるので、こんな話だったけ〜と思いながら見てましたが、
ちょっと中途半端。

誘拐犯グループのやりきれなさや、
日の出ビール企業陣営のタヌキっぷりは伝わってくるのですが、
警察組織がダメダメ。
それぞれのシーンで、なにを表現したいのか、見ている人にどう感じさせたいのか、
人間関係と立場がわかりづらいことも手伝って、ハテナマークの連続。

事件に立ち向かっていく最先鋒を担うのが、合田刑事。
「マークスの山」「照柿」から続くシリーズ(?)の人気キャラです。
映画の半ばまでは、単にちょっと突出した捜査スタッフとして描かれていましたが、
後半は警察組織のアレコレに苛立つ役割にすり替わってました。
そこらあたりは小説世界を移植してるようですが(の割に某重要キャラがいないようですが)、
映画世界のなかではそれまで説明されていないものだから、「はあ?」って感じです。

もともと2時間で収まる物語ではないのだから、
取捨選択するのは当然だし、描けない人間、省略するやりとりなどはあっても不思議はない。原作から離れてもいいと思う。
いや逆に、焦点を決めて、切り捨てないと面白い映画にはならないです。

だから警察組織を形式的にすることに異はないのだけど、
なぜか途中から色気を出してしまった。あれこれ手を広げすぎです。
そりゃ失敗もするよ。

誘拐犯グループの役者陣は味があってよかったように思いますが、
最初に出演者名を聞いた時には、管野美穂がレディかと思いました。
それだと、エンタメに走りすぎてるかもしれないけど、
見る人にもうちょっとガツンときそうな気もします。

chikachan112 at 22:44│clip!映画 |   【ら行】