【な行】

March 19, 2010

NINE

ロブ・マーシャル監督

シネマ・イタリアーノのパートが好き。
ソフィア・ローレン、ステキすぎ。

最後にもう一曲、歌でもりあがり、FInとして欲しかった。

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March 16, 2010

ニューヨーク、アイラブユー

『パリ、ジュテーム』のプロデューサーである、エマニュエル・ベンビイが企画したらしいんだけど、
『パリ……』のほうが印象的。

エピソードを重ねて群像劇にしてあるところが、逆に「締りの悪い」形になってないかな。

プロムのエピソードなんかは好きなんだけど。

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September 22, 2009

20世紀少年<最終章>ぼくらの旗

堤幸彦監督

西暦2017年、「ともだち」は遂に、人類滅亡の予言を出した。
物語は最後の結末をむかえる。はたして「ともだち」は誰だったのか?


どえらい金のかかった文化祭映画やなあ、という印象でした。

「過去語り」の形でストーリーを進めるのは一人二人にして欲しいですね。
この人どうなるの? という不安感がない映画はつまらないです。
……まあ、原作を知っているので、展開はわかるんだけど、映画単体としてのドキドキ感も削がれてる。
そのうえ色んな人が、「自分も参加したい!」とばかりに顔を出してるし。

やっぱり長編原作の映画化は難しい。
原作に合わせようとするとダイジェストになるし、添わせないと文句が出るし。

ともだちの正体に関しては、
顔を隠してるのをいいことに最初のともだちから次のともだちに取って代わったとか、
じゃあ結局小学校のときに○○が死んだという記憶はどこから出たんだ?とか、
ごちゃついてた原作を、映画という尺にあてはめるための変更(単純化?)だから、
まあいいのかなと思いました。

で、↑にも書いたけど、あまりに色んな人が出てるから、誰がどこにいたか確認したくてエンドロールのキャストを頑張って見てたんですよ。

でも、神木隆之介くんだけがどうしても、どこに出てたのかさっぱり思い出せない。
声変わりしてたよなあ、顔変わったかなあ、それなりの役は与えられる立場だと思うけど、いったいどこに……??

と、歌が流れてる間中、ずうーと記憶を探ってて、
これはもしや、と判明したのはラストのラスト、中学校の屋上のロングショットでした。
おかげで逆に、お面を外したときの衝撃がなかったですよ。
(たしか「Mr.Brain」でもガクトはどこにいたんだと記憶を探ってて、結局次回予告っていうのがあったなあ……)

ところで余談だけど、
神木くんは子役で活躍してたので、彼が長じた設定の大人役はバリエーション豊かなんですね。

「遠くの空に消えた」では柏原崇。
大河ドラマ「義経」ではタッキー。
TVドラマの「東京タワー」は大泉洋(……いつ天パになったんだろう)
そして「妖怪大戦争」では、本作における諸星、津田寛治でした(笑)


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August 30, 2009

南極料理人

沖田修一監督

南極の内陸部に建てられたドームふじ基地。そこではわずか8名の隊員が、一年半もの観測のために勤務していた。海保に勤務する西村は、運命のイタズラで調理担当として赴任。彼らの胃袋を預かることになる。
二度の南極越冬経験のある西村淳氏のエッセイをもとにしたコメディ(コメディ……なんだろうなあ)。

最近、グルメ映画が流行ってる。
話の展開温度が低めで、生活と食べ物を丁寧に描き、「なんかほっとするー」と感じさせる話が。
『かもめ食堂』、好きなんだけど、
でもパターン化すると飽きちゃいそうな気もする。
このあとも『プール』とか『食堂かたつむり』とか、いかにもなものが待ってる模様。

この映画もソレ系のひとつと言えるかもしれないけど、
「可愛い動物はいません。いるのはおじさん8人です」(寒すぎてペンギンも白熊もウィルスもいないそうだ)と作中で出演者に言わしめしたように、男ばっかりのグルメもの。
いや、グルメものと言っていいのか、むしろ合宿物語というべきなのか。
どこか椎名誠の探険隊エッセイにも似て、
その「男ばっかり特殊世界」の、脂っぽくてだらけた感じが面白かった。

地球の将来を担うほどの仕事を任された大人の(20代?から50代まで)人たちなのだけど、
当初から子供臭さがあった彼ら、時間が経つにつれて一層子供になっていく。
原作にも書かれてたけど、東大・京大を初めとした頭のいい人たちの集団。
天才と変人の距離が近いからそうなったのか、
それとも男子校のノリで若返っているのか。
いや、男子ってもともとそういうものなのか。

映画ということで、キャラクターを濃くしてるのかもしれないけど、
8人が個性的で身勝手で、わがままっぷりがとても可笑しい。
彼らの母親みたいに、柔らかな平常心をモットーとしているように見える堺雅人演じる西村も、
その「平常」を表情に保ちながらも、たびたび静かに「ムカっ」としている。
見なかったことにしよう、とそっと扉を閉めていたのが、最後には向ってくる人間をけり倒して進んだりもする。

穏やかな顔をしてるけど、海保の巡視船隊員だもんなあ、肉体派だよな、と思ってたところ、
原作を読んでみたら、かなり豪傑なおじさんだった。納得。

女性の立場から言わせて貰えば、
冒頭のシーン、
天ぷらの後におひたしを作るなんてダメじゃん(天ぷらは揚げたてじゃなきゃ! 料理は冷めてもいいものから作るのが基本)と
その後の展開が不安になったけど、
だんだんどうでもよくなってきた。
そんな細かいことを気にしないのが男の料理なのだろうな、きっと。


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June 01, 2009

BLOOD

下山天監督

左遷の憂き目にあった刑事星野は、時効寸前のメイド殺人事件を追っていた。鍵を握るのは、被害者の雇い主の美女、美夜子ロジュンベルク。はたして現住所の洋館に訪ねていくと、美夜子は15年前の調書の写真と変わっていなかった。美夜子のアドバイスに従い、右京という男に会いに行った星野だが、そこで、少女の生血をすする右京を目撃して……。

津田寛治と要潤が目当てで観に行ったのですが、
メインは杉本彩だったみたいで。
無駄にエロでした。

……いや無駄じゃないのか(笑)
ターゲットはむしろそっちか。
だけどエロを目的で観にいくなら、さほどでもないようにも思うんですが。

話はケレンだけを集めたよう。
適度にまとまっているけど、目新しさはないです。

そのため、中途半端な印象を受けましたね。

津田寛治はどんな役でもやる俳優さんだけど、
要潤もなんでもやる人だなあ、と、改めて感心しました。
『亀泳』でハゲになったり、『キミハン』でアホな刑事になったり、
そういえば『吹ジャガー』もやってたんだっけ。
尊敬するし、そういうところに好感を持ってるんだけど、
そろそろ等身大の役にも戻らないとイロモノになっちゃいませんか?



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February 14, 2009

20世紀少年<第2章> 最後の希望

堤幸彦監督

第一章、「血のおおみそか」から15年後の世界。世界を救った……はずのケンヂたちは、「ともだち」の策略により、テロリストとして追われる身になっていた。「ともだち」が支配するこの世界において、ケンヂの姪カンナは逞しく生きていた。そんな中、カンナのクラスメイト小泉響子が15年前のできごとを調べたことで「ともだちランド」に研修に行かされる羽目になる。問題児カンナも同様に……。一方、囚われの身であったショーグンが行動を起こす。

原作の右往左往してるとこを切り捨てていると思うのだけど、
すっきりしたというより、端折ってるという印象が強いです。

一番、そんな脚本あり? と思ったのは、
「ともだち」につながるかつての同級生、
「サダキヨ」と「ヤマネ」が、同じようにしか登場しないこと。

つまりどちらも、

怪しげに登場して危機をもたらすかと思いきや、しかし現在は自分を責めていて、重要な情報の一端を教え、謎を秘めたままで死ぬ。

という役割。

つきつめれば、敵方の枝葉にいる人物はそういう役割になりがちなのだろうけれど、
それにしてもあっさりしすぎというか、同じ立ち位置の人間を続けざま二人出してどうするのというか。

こういうのが、長編の物語を映画に縮めた時の問題なんだろうなあ。
要らない人間を切り捨てることができないんだよね。
(二時間というフィルムの中にはという意味での「要らない」ですよ。オリジナルの作品なら役を統一できるはずだから)

ケンヂの同級生たちは相変わらずの名演技。新たに登場した森山未来や小池栄子なども見事。
カンナ役はちょっといただけないなあ。どこも同じテンションで、仁王立ちしてればいいってものじゃない。

とまあ、「こんなものかなあ」という印象だった第2章だけど、
思わぬ拾い物が、小泉響子役の木南晴夏。

原作っぽければいいとはけして思わないけど、でもそっくりの表情にしぐさ。
なにより、混乱極める2章の中において、コメディエンヌとして雰囲気を明るくし、いい繋ぎ役になってました。
(同じ立ち位置の存在として蝶野刑事やブリちゃんたちがいるけど、いまいち華がなかった)

どこかで見たと思ったら、今クールドラマ「銭ゲバ」の三國茜(資産家・妹)でした。
めっちゃ暗い、でもいじらしい役です。まったくカラーが違うのに、どちらもいいなあ。
これはサブキャラ俳優好きとしては注目していかなくては。


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September 08, 2008

20世紀少年(第一章)

堤幸彦監督

1997年。ケンヂはロッカーの夢に破れて実家のコンビニで働く毎日。彼は久しぶりの同窓会で、最近流行の謎の教団と教祖「ともだち」の噂を聞く。それは、小学生時代ケンヂと仲間が作った「よげんの書」とそっくりだった。そしてケンヂの周りでは、不審なできごとが相次いでいく……。

三部作のまず最初、です。二部は1月公開で、ラストは来年秋とのこと。
劇場で見るか、まとめてDVDにするか迷ったんだけど、
よく考えれば原作は読んでいるので途中が気になるというほどでもなかった(笑)、と劇場へ。

感想はひと言。「上手に映画に出来ました」

ただ、感情表現の演出までもが漫画に近いのはいかがなものか(苦笑)


逆に原作をまったく知らずに観た人は、あのラストの続け方で納得するんだろうかとも思った。
三部作だから、と言われて観るんだから仕方ないけどね。


ところで……
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May 02, 2008

ナイト ミュージアム

ショーン・レヴィ監督

ラリーは夢多き愛すべき男なれど、生活能力はない。離婚して週二度しか会えない息子に呆れられたくなくて、なんとか定職をと、博物館の夜警の仕事にありつく。ところがその夜、なぜか展示物が動き出し……。

新味はないけど、楽しい映画でした。
家族愛、人間愛、向上心、エトセトラ。
家族向け映画で、奇をてらう必要はないよね。

笑ってドキドキしてちょっとほろりときて。
それで充分じゃないですか。


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April 10, 2008

ノーカントリー

ジョエル&イーサン・コーエン監督

80年代、メキシコと接するテキサスの荒野。累々と死体の横たわる麻薬取引現場から大金を持ち逃げしたモスは、謎の無慈悲な殺人者シガーに追われつづける。シガーは空気ボンベを武器とし、コインの裏表で相手を殺すかどうかを決め、自らのルールにのみ従う男。その二人を追うのが、老保安官エドだった……。

キレた殺人者にずーと手に汗握って、観てる間は面白かったのでまあまあ満足。
ただ、終わった後は、で? だから? という印象でした。

いやほんと、最初の手錠で……というとこも凄いし、
おかっぱ頭とぎょろ目の無表情も怖いし、
車を爆発させてその隙に……というところなど、面白いところはたくさんあったんだけど。

病んだアメリカの姿とか、虚無感とか、伝わってくるものはあるんだけど、
「悲しみ」や「痛み」が、わたしには響いてこなかったなあ。
多分、誰にも共感できなかったからでしょう。
エドがもうちょっと熱いタイプなら多少は違ったかもしれない。

制作者としては、熱さより「乾き」を狙ってるのかもしれないけど、
そこは好みの問題ですからね。


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December 17, 2007

ナンバー23

ジョエル・シューマッカー監督

動物管理局に勤めるウォルターは、誕生日の2月3日に、妻からある小説をプレゼントされる。
「ナンバー・23」というその小説の主人公は、過去の自分と共通する部分が多かった。
23に囚われる物語の主人公。歴史上、さまざまに重要な日は、23に収束する。そればかりかあれもこれも……と数字を足して引いて。
23という数字には秘密が隠されていると考える主人公に、次第に惹かれるウォルター。やがて妄想が狂気に変わり……

23という数字に意味があるのかないのかという期待で観てはダメでしょうねー。
ノストラダムスなみの怪しさだから。

11と12を足して23。
なんらかの答えがもしも、32だったとしたら、それは逆転の23。
22しかない物語があったとした場合、続く23にこそ語られなかった真実がある。

とにかく、こじつければ、なんでもかんでも「23」になるっていう論理。
(だからこそ妄想に囚われてると言えるわけなんだけど)

ついでに「事件の真実」も、そのネタならなんでもありやろ、という○○オチなので、
ミステリーとしてはどうかって気もするんですが。


でも割と面白かったです。

登場人物は少ないので、犯人候補も絞られ、緊迫感ありあり。
伏線もうまく張られている。

一番よかったのは、シリアス演技のジム・キャリー。
数字に囚われて狂っていく様子が真に迫ってます。
主役が彼でなければ、途中で飽きていたかも(爆)


ところで。
もう縮小上映になっていたこの映画。
地元シネコンでは、わたしと友人の2人、プラス、ひとり映画の方が3人でした。

これもこじつければ、23。……か?


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August 07, 2007

涙そうそう

土井裕泰監督

両親の再婚で幼い頃に兄妹となった洋太郎とカオル。だが父は失踪し、母は他界。先に島を出て、沖縄本島で暮らす洋太郎の元に、高校進学のためカオルがやってくる。成長したその姿に驚きを感じつつも、妹のため、店を持つ夢のため、懸命に働く洋太郎。一方カオルは実の兄ではないことを知らない様子で……という話。

ベタだなあ。
まあ、もともとテレビ局の企画で感動モノを作りたい、夏川りみの『涙そうそう』をモチーフにしたい、というのがあったからだけど。
三角関係(?)に格差恋に詐欺に貧乏に碌でもない親に、そして驚き(??)のラストに、と、
このくらいベタにしないと観客に伝わらないと思われてるんだろうか。

あのラストはかなり無茶だよ。
まあ、平良とみ演じるオバァのセリフには、ちょっとうるっときてしまったけど。

ところで、「タッチ」「ラフ」とあだち充原作をやってきた長澤まさみ。
この映画を観て「みゆき」じゃん! と思った人間は、きっと多いはず。
「じんべえ」あたりも似合うんじゃない?(設定かぶるか……)


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May 02, 2007

ナルニア国物語 第一章・ライオンと魔女

アンドリュー・アダムソン監督

第二次世界大戦のイギリス。疎開先の館、かくれんぼで逃げ込んだ衣装箪笥。その向こうに広がっていたのは雪景色だった。そこはナルニア国。白い魔女によって、100年もの間、閉ざさせていたのだった……。

これも眠かった。

原作は未読ですが、たんすの向こうに異世界があるというネタは知ってました。
魔法の国ナルニアの戦いと現実世界の不安定な政情、ってのが鏡の向こうとこっちのように、影響しあってるんだろうなあ、というイメージも持ってました。
と、まあ設定としては面白そうなんだけど……。

しっかしなー。魔法ですべて解決されちゃつまらんですよ。
確固たる法則とか設定とかがあって、どうしようもない部分・やりきれない部分に悶えるからこそ、ドラマが生まれるもの。
誰か(つか、アスラン)が犠牲になり(つか、なんで犠牲になるかさえわからん)、
ああ、死んじゃったのねー、悲しいねー(つか、状況不明で悲しい気持ちになれないが)と思いきや、
なぜだか復活(約束が違っていただかなにか、叙述トリックみたいな台詞があったような)し、万万歳。

それじゃ、なんでもありすぎで、がっかり。


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December 26, 2006

NOTHING

ヴィンチェンゾ・ナタリ監督

ダメ男ふたりの暮らす家。
なんとか平穏に暮らしていたふたりだが、陰謀とボタンのかけちがいによってふたりは窮地においこまれ、「みんな消えてしまえ!!」と叫ぶ事態に。
……そして。
そして「ふたりのまわりの世界」が、消えた。

「CUBE」の監督だそうですよ。
不条理な話が得意ということなんでしょうか。

シノプシスだけ聞くとオモシロそうだったので、みてみたのですが、

えーと、
あー、
よくわかんない。

これはコメディ、……なのかな?
笑えないんだけどな。

人を選ぶ話、だと思うのです。
わたしは選ばれなかったと思うのです。

いっそ、CUBEに入ってた「エレベータ」なみに短い話なら
面白かった……かもかも。鴨肉。


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November 25, 2006

紀子の食卓

園子温監督

17歳の紀子は、両親・妹・田舎の女子高生という家族のなかにあって形を成す「自分」から脱出したいと思っていた。やがて辿り着いたのが「廃墟ドットコム」というサイト。彼女はそこで「ミツコ」と名乗り、日常とは違う繋がりを作っていく。ある日紀子は激情に動かされたように家出をし、サイトで知り合った「上野駅54」ことクミコという女性を頼りとして、クミコの作るレンタル家族に深く関わっていく。一方、残された紀子の家族は……。

意味がわからない部分、理に落ちない部分はかなりあるのだけど、
でも「面白い」と感じましたね。

この映画、同監督02年作の「自殺サークル」の続編だとか。
(当時の感想はここ。本映画後に見直してみた感想はここ
さっぱりわからなくて楽しめなかった前作(特に後半が)だけど、
本作はそれに対し「みかけ」とっつきやすいというか、考えさせられるというか、
興味深い映画だったなあ。
なお、「新宿駅で54人の女子高生が手を繋いで自殺する」ということ、プラス
「自分という存在はどこに関係しているのか」という一種の哲学、以外は、
観た限り、前作とそれほど関連なさそう。
ただ、「自殺サークル」DVDの監督談(撮影秘話のなか)に、
「自殺したなかのひとりの女子高生の話」と「その事件を追う刑事の話」のどちらを先に撮るかと考え、今回は刑事側から撮った、
というくだりがありました。
そこから考えると、この「紀子の食卓」は女子高生の話、なのかな。……彼女が自殺した女子高生かどうかはネタバレするので口をふさいでおきますが。
だから、「続編」というより別方向からのアプローチ。
ひとつのモチーフから発展したもうひとつの構図。

という映画の背景はさておいて。

それぞれのキャラが、なにを考えてなにを求めているのか、
そのじれったい気持ちがこちらに響いてきて、
謎の部分は残るにしても、行動に納得がいきます。
全部はわからないけど、「ああ、そういうことあるよなー」と、なんとなくわからされるような気になってしまう。

そう感じさせられる一番の要素が、
クミコ(上野駅54)の「コインロッカー……(ネタバレのため略)」という過去。

クミコの過去にしても、レンタル家族にしても、集団自殺にしても、
それぞれ観客の興味を惹く要素が配されているんだね。
よくいえば「つかみ」の力がある、悪くいえばおいしいところを組み合わせてある、かな。

でも、家族とはなにか、その繋がりとはなにか、自分自身であるということとはどういうことか、
なんてテーマは面白いし、
このテーマだからこそ、あとは観たそれぞれが考えてくれ、と投げっぱなしにしてもいい問題だと思う。
エンターテインメント映画じゃないからね。
それでも、物語に関わっているひと、娘、二女、父親、などの「悲しみ」や「もどかしさ」もちゃんと見えるようになっている。

といったあたりが、面白いと感じた所以。

楽しめる映画じゃないけど、気持ちにひっかかる映画。


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October 26, 2006

虹の女神

熊澤尚人監督

駆け出しのADでいつも怒られてばかりの智也のもとに、大学時代の友人・あおいが事故で死んだという連絡が入る。恋の相談相手だったあおい。あおいに頼まれて自主制作映画にも出演したことがある。しかし一方のあおいは……という話。

予告編を何回か観ていまして、
こんなの予告しちゃったら展開がバレちゃうんじゃないの? と思っていたのですが。

公開は今週末。 試写会で観たので、以下……ネタバレ?? ↓↓↓ 
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October 22, 2006

日本以外全部沈没

河崎実監督

アメリカ大陸が沈んで一週間後、アジア大陸が沈んだ。そしてユーラシア大陸、アフリカ大陸と……。最後に残ったのは日本と、わずかな島々のみ。日本以外全部沈没の恐怖!!

原作・筒井康隆 原典・小松左京 監修・実相寺昭雄

なんでも、
「日本沈没」でアテた小松左京氏のパーティで、星新一が「じゃあ、日本以外全部沈没する話を……」みたいなことを言い出し、筒井康隆が二週間で書き上げた作品だとか聞きました。
そして74年の星雲賞(SFの金字塔的な賞だ)は、長編部門受賞・「日本沈没」、短編部門受賞・「日本以外全部沈没」だったとか。
そんなでたらめめいた生まれの物語なんですね。……素敵(ぽ)。

一緒に観にいったひとは原作を読んでいたのですが(でもほとんど忘れたらしい)、
わたしは未読。

いやー、大変楽しませていただきました。爆笑ムービー。
たしかに全世界を敵に回す映画だ。
パロディというのは、リアルだからこそ、タブーに触れるからこそ、面白い。
それを痛感しました。
不謹慎だからこそ笑えるのですね。
でもなかなかそういうのってできないです。これを世に出すのは勇気あるなあ。
細かな設定(イミン問題とか、ヤスクニ問題とか、キチ問題とか、イシ某さんのNOとか)は、今に合うように変えてるのかな?
料亭行きたい結婚したばかりの呆れ議員さんも出てたし。
各国トップ集団は、旬なひとだし。

原典の「日本沈没」を観ているかどうかよりも、
毎日のニュースをちょっとでも小耳はさんでいるかどうかのほうが、
楽しめるような気がします。

お話としては、
30枚の短編を98分の尺の映画にしたこともあって、少々、中だるみしてました。

日本だけが地球に残って、各国から人があふれやってきて、そこから起こるさまざまなできごとを、
よく言えば丁寧に、悪く言えば説明過多に描いてました。
長くしたぶん、妙にヒューマンな要素も入ってました。
あの「音頭」は二番はいらないなあ。
田所教授の行動を見れば展開は予想ついちゃう。
切れ味鋭い短編映画のほうが考える余地が少なくて面白かったとは思います。


さて、もういちど言います。
パロディというのは、リアルが命。
この映画で出てくる現実は、「今」を切り取っています。
だから来年、再来年になると、かなり現実から遠くなってしまうかもしれません。

観るなら、今、の映画。
実際、日本国首相は変わってしまったし。

……でも原作は、30年前なんだよね。
なのに色あせず、ここで注目されたわけだ。(日本沈没再映画化というのはあるにせよ)
どこが同じでどこが違うのか、原作を確認してみたくて、早速図書館に予約いれました。


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August 24, 2006

ノロイ

白石晃士監督

怪奇実話作家の家で火災が発生し、妻が焼死したが、本人は行方不明だ。彼の作ったドキュメンタリービデオ「ノロイ」が事件に関わっているらしい。そこには謎の女や、超能力少女や、アルミ箔男性や、心霊スポット取材などの映像が残っていた。

……という擬似ドキュメンタリー手法で、いかにもそれが事実であるかごとくに展開していく映画ですが。

いかにも事実……という狙いを持って進んでいく「遺されたビデオ」という手法が、
いかにも作り物、と感じさせてしまうのですね。
もはや2005年(昨年公開)では。

この手法は、最初に見た時には、「いかにも事実」に見えるのだと思います。
最初に思いついた人は偉いと思います。

でも、矢追純一ものとか、本当にあった……などというあおり文句の各種心霊・UMA他の特集ものとか、某雑誌とか、テレビだと「ダムド・ファイル」とか、映画だと「邪願霊」とか、「ブレアウィッチプロジェクト」とか。
もうさんざん観尽くしてしまって。
呪いのネタはそれなりに興味深いのだけど、使われ尽くした手法なだけに、物語が進めば進むほど嘘臭く見えてしまいます。
2、30分くらいの短編ならまだどう展開するか興味がもてるのですが、2時間近いと、のんびりしすぎて萎えました。途中までは笑ってたけど、そのうち早く終わらないかと時間をチェックする始末でした。

それともこれはホラーじゃなく、作り物くささを狙ったメタ作品、コメディなんでしょうか?
呪いの「ノロイ」じゃなく、展開が「ノロイ」というオチ? <いやそのギャグも手垢つきすぎ。

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August 18, 2006

NANA

大谷健太郎監督

恋に生きる奈々。夢に生きるナナ。同い歳のふたりは偶然出会い、暮らし始める。バンドで成功したいというナナの夢に惹かれ、自分もなにものかを求めようとする奈々。ふたりの人生は絡まりながら進んでいく……。

どこが盛り上がりなんだか、どこかラストなんだかよくわからないまま、いきなり映画が終わってしまい、ビックリしました。

続編狙いで、途中で切ったのだろうけど、
それにしたって約2時間の映画にするなら起承転結があるだろーが。

すべてが忠実ではないけれど、かなり原作に沿って作ってる様子がうかがえます。(原作は読んでいます)
成宮くんのノブとか、各キャラも「がんばってる」感はあります。
でもそのがんばりって、誰に向かってるのかなあ……。意識しすぎてるようにも思う。

私は映画は映画、原作は原作という考え方なので、どれだけ原作から変わっていても映画として面白ければそれで「○」だと思ってます。
でもだからこそ逆に、スクリーン上で表現できないものを伝えきれずに、原作やら読み解き本やらで補足するという物語の作り方は好きではないです(あ、観客の想像力にゆだねるというのはアリですよ。面白がる対象者が限られるというリスクはあるけどね)。
小説にせよ漫画にせよ、それぞれなりの表現の仕方があるのです。
2時間の「映画」で表現できないなら、あえて映画にする必要などない。
漫画のキャラが実体を持って動いてる、そんな程度のことに感動できるほど、
観客の感性は古くないはず。

原作のエピソードとかセリフとか、なぞってはいるけど、本当にツボがわかって使ってるのか? と感じてしまう部分もありました。
将来、主人公に大きく関わる主要キャラも、最後の最後にちょっとだけ出てるんだけど、でも性格もなにもわからないままで、一応出してみましたという扱いでした。「今回の映画」に限定すれば無理に前面に出す必要がないキャラでは? (……ってタクミのことです)

繰り返しになるけど、
一本の映画にするなら、キャラを絞り込んでエピソードも絞り込んで、単独で観ても面白い作品にすべきでは?

なぜそれができなかったのかなあ。
大谷監督は、デビュー作(アベック・モン・マリ)など、会話劇の上手いちょっと面白い感性の人という印象があっただけに、残念です。

あと宮崎あおいも、同じくデビュー作(ユリイカ)から観てるけど、今作はあまり可愛くなかったなあ。
イマドキメイクのせいか、狙いすぎたファッションのせいか……。キメの笑顔表情が1個だけだったし。


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May 31, 2006

日本沈没

樋口真嗣監督

海底プレートの沈降により、日本が沈没する。その危機が政府にもたらされた時、まだ3〜50年ほどの余裕があると思われていた。しかし深海調査を行った田所博士によると、沈没は一年後という演算に。彼に呆れる政府要人や他の科学者。が、すぐさま、北海道と九州で地殻変動がおき……。
原作は小松左京。1973年に、「藤岡弘。」主演にて映画化された作品のリメイク。

日本縦断プレミアム試写会だったそうです(鑑賞は、5・29)
武道館の模様が、名古屋、大阪、札幌、福岡、に生中継されました。
主要キャストを中継で眺めることに。
武道館では拍手と歓声だったのに、名古屋(ガメラに壊されたセンチュリーホール)では失笑が。なぜ??

舞い上がりまくった草薙君と、お人形みたいに綺麗な綺麗な柴咲嬢(素敵!!)と、プリティーな福田麻由子ちゃん(TVドラマ白夜行の主人公・少女役です)と、来る6月9日のリハーサルなのか「武道館ベイベー」と叫んだミッチーと(ライブがあるのです)、その様子を真似て愉しそうなトヨエツと、……えっと、いろいろ面白かったです。
……こっちの会場は生じゃないので、カメラチェックするほどのことかよ? って気分はありましたが。

公開は7/15です。

以下、感想↓↓ ご覧になってからどうぞ。
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March 05, 2006

ネバーランド

マーク・フォースター監督

スランプ中の劇作家バリが出会った4人兄弟とその母親。
兄弟のひとり、ピーターに昔の自分を見た彼は、父親を亡くした彼らの友人になり、同時に自分も癒されていく。
そして彼らとの交流が元で「ピーターパン」が描かれるが、しかしバリの家庭は崩壊寸前となっていた。また兄弟の母親も……。

予想通りだけど実に丁寧な話だなあ、という印象。

話の展開は見えてるのだけど、
全然、退屈じゃなかった。
主人公バリや兄弟、それそれが変化していくさまが、
無駄なく無理なく自然で、
ひとつひとつが響いてきました。

脚本も丁寧かもしれないけど、
俳優陣が上手いのでしょうね。

ダスティン・ホフマンの「キャプテン・フック? は!! くだらない!」
というセリフは映画ファンに向けたものですね。笑えました。
(昔『フック』でフック役やってました)

一番楽しめたのは、主人公バリが空想の世界と行き来する様子。
子供たちとの交流を通して、
どんどん彼が「自由」になっていくのが見えました。
一歩間違えると怪しい人物なのですがね……。

『シークレット・ウインドウ』の方でも書いたけど、
ジョニデならでは、の話ですよね。

chikachan112 at 19:56|Permalinkclip!

September 12, 2005

ナショナルトレジャー

ジョン・タートルトーブ監督

というより、ジェリー・ブラッカイマー製作といった方がしっくりくるんでしょうか。

「幼少から追いつづけてた謎」「親子の対立と協力」「インテリ女性との恋・共同戦線」「味のあるアシスタント」「強大な敵」「歴史とちりばめられた痕跡」etc……。
『インディ・ジョーンズ』(<代表して)の面白い要素をピックアップして並べなおしたという印象が否めませんねー。
アメリカ史&博物館巡りという舞台が目新しいくらいかな。

でも、なかなか面白い話に仕上がってるんですよ。
手がかりが順に出てくる所為もあって、飽きない。

そこがミソ。

「凄く感動する」とか「やられたという面白さ」は、ないけど、
それなりに楽しめる。
「おまえなー!!」と思わされる馬鹿映画でもないし、
齟齬もたいしてない。

一般受けするというか、そこそこというか、
平均点を少し超えた出来という感じ。

多分、最初からそれを狙ってる映画なんでしょうね。
冒険映画だけど、冒険心で作った映画じゃない。
マーケティングして計算ずくで作ったもの。
商売として正しいんだろうなーと思いました。
映画は、みんなのための娯楽である、という。

それがいいとか悪いとかじゃなくてね。
プロの技なんだなあ、と。
だから、観てる時間はきっちり楽ませてくれます。


感想としては、うーん。
面白いけど、萌え要素がない。かな。


chikachan112 at 23:13|Permalinkclip!

July 01, 2005

ニライカナイからの手紙

熊澤尚人監督

風希は幼い頃から沖縄竹富島でおじいと二人で暮らしている。
東京にいる母からは、毎年誕生日に手紙が届くものの、もう10何年も会っていない。母は自分を捨ててしまったのか。
20歳になればすべて説明すると書く母。夢の途上にいる風希に、やがてその時が訪れる。……という話。

ニライカナイ。
海の向こうにあるという、神様のいる楽土。
そこからみるく神(弥勒菩薩)がいらして平和な世の中を作るというのが沖縄の言い伝えなのだけど……、
そこから手紙がくる、というタイトルが何を意味するのか。
また冒頭、島の人々が助け合いましょうと言っているのはどういうことなのか。

そこを考えれば、どんな秘密が隠されているのか、
割と簡単に想像がつく話です。

けれど、なぜか気持ちを掴まれるのですね。

まずなにより、蒼井優がいい。
飾り気のない素朴な女の子っぷりがいとおしいです。
ネイティブなウチナンチュに見えてしまう。
そして、周囲の人々の暖かさがなんとも。

ネタを割るしかないので以下↓↓ですが。
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chikachan112 at 20:33|Permalinkclip!

March 11, 2005

ニコール・キッドマンの恋愛天国

ジョン・ダイガン監督

いやそこ、笑わない。

なんか凄いタイトルですが、原題は「FLIRTING」
映画の中では、会話の中で「恋愛ゴッコ」と字幕がついてましたが、結構マジ話。
60年代オーストラリア、湖の両岸に建ってる男子校と女子高の寄宿舎生徒同士の恋物語。
イギリス文化が強く残っている設定なのでしょうね。
爽やかでちょっと切ない話でした。
幼い恋にアフリカでの独立運動が影を落として。

主演はもちろん、ニコール・キッドマンじゃあありません
ダンディ・ニュートンです。

誰ですか、そんなタイトルつけたのは。


ちなみに「M:I―2」でトムクルーズの相手役をやった女優さんです(……微妙な)。
これでラジー賞まで貰ってるらしい(00年)。
相手(というか本当はこっちが主)はノア・テイラー。
この人は「トゥームレイダー」でトレーラーに住んで主人公をサポートしてるマシンオタクさん。
ジョン・ダイガン監督は、「妻の恋人、夫の愛人」(96年イギリス)を観てます。ってゆーか、それしか観てないか。
ジョン・ボン・ジョビが出てるヤツ。
ついでにこれにも、ニコール・キッドマンとダンディ・ニュートン出てます。

90年のオーストラリア映画だそうです。
シネフィルイマジカで撮って放置してたものなんですが、
ナオミ・ワッツも出てます(主役の親友グループ役)。
ニコール・キッドマンはちょっとキツめの優等生役。
ひと目でわかるほど、顔かわってないです。超美人。
……とまあ、ある意味「蔵出し」「お宝」映画です。

内容は、↑に書いたように、可愛く優しい青春話。
出演者達もみな、いい子だねえ(悪いコも含めて)、初々しいねえ、と思っちゃう。
主役と主役級の人たちが、今、有名になってるとこがすごい。
青春映画ってことも相まって、
原点なんだろうなあ、
その後、それぞれに夢を追っていったんだろうなあ、
と、しみじみしちゃいました。


chikachan112 at 22:31|Permalinkclip!

March 09, 2005

二重スパイ

キム・ヒョホン監督

80年代前半韓国。ひとりの脱北者が拷問を受けていた。
自由を目指して韓国にきたという彼は、北朝鮮では名うてのスパイだった。
2年後、彼は韓国の情報部に勤務する。かつての経験を生かして。
しかし実は彼は二重スパイで……、という話。

えっと、タイトルもそのまんまだし、
(韓国題はわかりませんが。英題はDOUBLE AGENTなんかな? )
宣伝もそれっぽいことを書かれているわけで、
主人公が二重スパイであることは観客は知ってるわけですね。
なので、主人公の立ち位置がどっちかというサスペンスは最初から、ない。
誰が見方で誰が敵か、というドキドキ感も、ない。

するとこの後、どうすれば話が展開するかといえば(シリアス路線で)、
1)二重スパイとして、多大な活躍をする。
2)なんらかの理由から二重スパイであることに苦悩する。
3)思想的に、大きな変化が生まれる。自らに疑問を持つ。
あたりかと思うのだけど、
残念ながら、どれもいまいち弱かったです。

以下、ややネタバレ↓

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chikachan112 at 14:13|Permalinkclip!