【ら行】

February 10, 2010

ラブリーボーン

ピーター・ジャクソン監督

おにゃのこの瞳と、おっちゃんの気持ち悪さが好き。
ラストはちょっとね。

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October 18, 2009

ラッシュライフ

真利子哲也&遠山智子&野原位&西野真伊監督

スタイリッシュな泥棒・黒澤、宗教団体に属する河原崎、不倫相手とともに夫を殺そうとしている京子、失業&離婚の失意のなかで街をさまよう豊田。彼らとその周囲の人生が交差し、ひとつの物語が生まれる。伊坂幸太郎の同名小説を原作とし、東京芸術大学映像研究科学生の手によって作られた映画。

東京で上映されたのが五月だったか六月だったか。
やっと名古屋に来たので観に行ってきました。原作未読者と。
わたしは原作を読んでます。

肝心の映画はというと、
原作ファンによる断片映像化、という印象でした。
良くも悪くも。
舞台となる街が違うとかのあれこれはあるけれど、それぞれのエピソードの雰囲気は原作とあっていて、じょうずに形になってると思いました。
でも、肝心な「とある仕掛け」がないし、ミステリ部分が存在してないじゃん?

原作未読の同行者は、「なんだかばらばら」ということでした。

ばらばらなのは理由があるんですけど!!
でもネタばらしが出来ないんですけど!!

ミステリ映画として伝えるテクニックがなくて「ゆるくつながる」「なんとなくいい話」にしたのかもしれなくて、それならコンセプトからして違うからどうしょうもないんだけど。

プロモーション映像ならいいのだけど、一本の長編映画としてみるなら(ミステリ映画でないにしても)、ちょっと物足りないかな。


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April 22, 2009

レイチェルの結婚

ジョナサン・デミ監督

姉の結婚式のため、厚生施設から一時退院したキム。ジャンキーだった彼女だが、薬物とは9ヶ月も関わっておらず、生まれ変わった自分を見て欲しいと感じている。しかし家族はまだキムを腫れ物に触るかのように扱い、問題を起こさないか心配している。家族とゆっくり語らいたいと思うキムなのだが、姉レイチェルの結婚準備でてんやわんやな皆からは二の次にされて……。

どちらかというと、自分はレイチェルのほうなんだろうなあ、と思う。

別にキムのような問題行動を起こすきょうだいを持っているわけじゃないけど、
コツコツ型で、ハメをはずせない(はずすのが下手)なタイプ。
他人に甘えるのも苦手。

とはいえ、うちの姉弟(わたしと弟ひとりのきょうだい)をご近所さんが見ると、
弟のほうが優秀だし、自分はモデルケースを生きていないから、
わたしのほうが困ったちゃんのキムだと思われていそうだけど(笑)

そう、キムはとても困ったちゃん。
わたしも最初は、反省の態度を見せている彼女に対し家族が冷たいことを不満に思いながら観てたのね。
結婚式を壊されたくないという姉の態度のほうが身勝手に見えて。
ところがどんどんキムの甘えん坊な部分が見えてきて、
言葉に行動が伴ってないんだから家族の態度も当然だろ、と、呆れてもしまい。

幾つかの気持ちを揺さぶる事件はおきるのだけど、
でもなにか、すごーい事件で誰かの気持ちが大きく変わるわけでもなく、
今までそれぞれが抱いていた「澱」みたいなものが、
結婚式の準備を行う中で、表に見えてくる。

割とだらだらとした展開なのだけど、
それだけに、このシーンで、自分がキムならどう感じるのだろう、
レイチェルなら、友人なら、パートナーの家族なら、久しぶりさんの知人なら……などと、想像しながら映画を観ることに。

「どうなのよ、その言動は」と思えていたキムにせよレイチェルにせよ、
彼女らの立場に立ってみれば、それぞれの言動を理解できる。

誰かしらの登場人物に感情移入するのも映画鑑賞の楽しみだけど、
それぞれに「なるほどなあ」と思いながら観るのも面白い。

これは術中にはまってしまったということなのかな。
最後にはすっかり、自分もこの結婚式の参加者の一員であるかのような気分を味わってしまった。


愛されたいと思う相手より、愛したいと思う相手に巡りあえるほうが幸福、
そんな意味のセリフを、父親の言葉としてレイチェルが式の最中に紹介していて、
ああ、いい言葉だなあと素直に思えた。
そういう相手に会えたらきっと、キムは独り立ちできるんだろう。
言葉にすると軽いけど。本当に。

多分それは、彼女にも伝わったのだろうと思えるようなラストの朝のシーンだった。


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June 02, 2008

ラスベガスをぶっつぶせ

ロバート・ルケティック監督

MITの優秀な学生ベンは、ハーバード医科大への入学が決まっていたが、30万ドルもの学費に頭を悩ませていた。そんなある日、ミッキー教授からラスベガスで儲けないかという話が持ちかけられる。それはブラックジャックで“カード・カウンティング”という手法を使うものだった。一度は断ったものの、学費と大学一の美女に惹かれ仲間に加わったベンは…。

MITの学生が数学理論を武器にブラックジャックでぼろ儲け……
という話は以前テレビの番組でみたことがあるので、
どんな映画になるか興味がありました。

なかなか満足。

学費を稼ぐだけのつもりが、徐々に儲ける楽しさにはまっていく主人公。
別の世界を知った彼は、以前の友人が野暮ったく思えてしまう。
慢心と反転。
そして大逆転。

ラストの「お友だちとの闊歩シーン」は、セリフも最高に粋でした。

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August 24, 2007

ラフ ROUGH

大谷健太郎原作

ラフとはラフスケッチのラフ。あなたたちは自由な線が描ける青春時代なのだと、寮母は言う。商売がたきの和菓子屋で生まれ育った圭介と亜美。同じ高校に入学し、同じ寮に入り、各々競泳と高飛び込みの選手として、ぶつかりながらも惹かれあう。そんななか、亜美の幼馴染の「お兄ちゃん」仲西が絡み……という、あだち充原作漫画の映画化。

感想の書きようがなくて困ります。
……なんというか、もう劣化コピーはいいかげんにしてくださいという気分。

原作の最初から最後までをご丁寧に(<嫌味)映画にしようなんて考えないほうがいいよ。
薄くなることは自明だろって。

そのうえ同性の友情部分にまで時間を割くから、肝心の三角関係が細切れ過ぎてワケわかんない。
原作は12巻あるから(実は8巻くらいかと思って本棚を確かめた)じっくりゆっくり青春を描けるけど、100分余の映画ではポイントを絞って欲しい。


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August 20, 2007

リトル・チルドレン

トッド・フィールド監督

家族で郊外の住宅街に越してきたサラは3歳の娘を持つ専業主婦。公園で子どもを遊ばせるご近所の奥様方になかなか馴染めず、同じ公園に子どもを連れてきた主夫ブラッドと悪戯のつもりでキスをしてしまう。ブラッドは司法試験を目指しており、ドキュメンタリー作家の妻に収入の殆どを頼っている。そんな頃、幼児への性犯罪で服役していたロニーが自宅のある街に戻り、平和な住宅街はざわめいていく……という話。

サラもブラッドも、世間から見れば「幸せ」。
でも「ここではないどこかを探したい」という「空虚」を心の中に持っている。
そんな二人が偶然出会い、あるきっかけで急接近してしまうというのは、
わからなくもない。

熱病が去った後、二人の出した結論(というかそれに基づく行動?)も
なるほどと思えるほど自然だし、
性犯罪者のロニーが実に「いいところ」で登場し、
二人や街の人々の心を上手に揺さぶってくれる。

だからとても納得のいく、うまい話、だと思う。
ケイト・ウィンスレットやジャッキー・アール・ヘイリーのアカデミー賞ノミネートも当然と思える熱演だし。

うまい話だよ、ほんと。
だけどサラとブラッドに自分を重ねられないわたしとしては
ふーん、という印象で。

いや、理屈では理解できるし、共感もするんだけど、
「空虚」を飼うことになったとしたら(まあ、いま現在、一匹も飼ってないとはいいきれないが)
別の方向に向かいそうだから。

ジャッキー・アール・ヘイリーのロニーの不気味さは、なかなかのもの(笑)


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May 23, 2007

LIMIT OF LOVE 海猿

羽住英一郎監督

海上保安官の潜水士、仙崎は鹿児島第十管区で任務についている。結婚式の打ち合わせに来た恋人・環菜と、微妙な空気になったまま、大型フェリー船の座礁事故に出動。しかし、浸水により沈没が予想されていて、引火事故もおこり、彼は要救助者2名とバディ・吉岡とともに船内に取り残されてしまう。……という話。

忙しい映画でした。
ツッコミと感動で。

車のガソリンが引火したら大変だといっているのに、駐車場を通って怪我人と避難するって、あり?
隊員の恋人だからって、どうして対策本部(他)に出入りできてるんだ?

そしてなにより。

最後の脱出ルート。煙突の脇のはしご。
……さっき、船、30度以上傾いているって言ってなかったっけ?
なんで垂直に登ってるんだ?

しかも頭上から水がふってくるけど、
あの水は、なんなんだろう?
煙突脇にスプリンクラーでもあったのか?
それともパスカルの法則よろしく、水圧によって煙突まで水が登って、それが脇から落ちてきたのか?
まさか沈没時の浸水の水じゃないよねえ?? 倒れる前だよねえ?(倒れ方も不思議だったが)
なによりまだ姿勢は垂直だもん。前を行く人間が落ちて、後ろの人間の足につかまって持ちこたえるんだから。

あの船の物理が理解できない。

高校時代の教科書をもってこようかと一方で思い、
でも、もう一方では、仲間を思う気持ちとか仕事に対する情熱とか恋人への想いとかにほろりときていました。

脳、フル回転状態。

いやー、ベタな展開には勝てません。
なんたって最後は、救急車に乗せられる手前で抱きあう恋人同士だものねえ。
ハリウッドアクションモノの定番。
もしかして、これがやりたかったのか??


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May 22, 2007

リバティーン

ローレンス・ダンモア監督

1660年代のイギリス。ロチェスター伯爵は卑猥な詩を朗読したことで国王の怒りを買い幽閉されていた。才能はあるが奔放な彼は、赦された後も、痛飲しては娼婦と寝る放蕩ぶり。やがて彼はひとりの女優とめぐり合いひとつの成功をみせるが、世間に迎合することができず、遂に死病に冒される……という話。

主演のジョニー・デップ目当てで観ました。
コスプレも似合うし、梅毒でぼろぼろになった顔もまた似合う。
また、破滅的で放蕩な役どころというのも、いかにもジョニデ。(「ブロウ」とか「ラスベガスをやっつけろ」とか)

ただこの映画が面白いかといわれると……いまひとつ。
時代背景の教養が足りないからかもしれないけど、
「才能溢れるゆえに世間と馴れ合えない男の物語」に魅力を感じない。
死の間際に改心(?)するようすも、なんだかなあ、だし。


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May 20, 2007

恋愛睡眠のすすめ

ミシェル・ゴンドリー監督

メキシコから母の住むフランスにやってきたステファン。デザイナーの仕事を紹介してもらえると聞いていたのに、なぜか単純作業の毎日。アパートの隣人ステファニーにも恋をするんだけど……でもフラれてしまう。
ナイーブな青年ステファンがとった行動とは、夢のなかで幸せになることだった。そして次第に夢と現実を混同して……という話。

ガーリッシュな話でした!

いや、主人公は男なんだけど、
夢見る……というよりむしろ妄想系の青年の役に、ガエル・ガルシア・ベルナルくんがぴったり!(とはいえ、彼は有名どころでは「バベル」のメキシコ編・飲酒運転の甥役などもやってまして、さまざまなキャラクターを演じています。注目株!)
そして彼の作り出す、手づくり感あふれるクラフトや布やおもちゃや……の可愛い世界が、
なんとも少女趣味!!

つまり、そんなちょっとオタクな男の子が好きな女の子(この場合の女の子というのは年令問わず)のための映画。

一般ウケはしないかもしれないです。
わたしが観た回でも、隣の人は「くすり」とも笑わず、
途中ででていった人までいたし……(悲)

でも、彼の妄想、エスプリきいてて笑えるんですよー。
自在に夢を見るための方法〜!といいながら、
おなべの中に、その日あったいろいろな出来事の破片を入れて、音楽(レコード)を入れて、そして過去(past)も少々ね……とパスタ(pasta)を入れる。
新作のカレンダーです、と持ち込むイラストが、
なんと毎月思い出してほしい世界の災害(津波やらハリケーンやら飛行機事故やら)!!

目を覚ませ!と言いたいもどかしさと、
彼のセンシティブな趣味につきあっていたいという気持ち。

誰かを想いすぎて、こういう風に妄想をふくらませてしまうことってあるよなー、って
そんな気持ちを思い出させてくれる小品。
わたしは好きだなあ。

まあ、もちろん、ミシェル・ゴンドリーの作り出す世界が、
可愛くて楽しくてハマれたからかもしれないけどね。
あと当然、ガルシアくんと(爆)


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January 26, 2007

ラッキーナンバー7

ポール・マクギガン監督

仕事をクビになり、恋人に浮気され、友人ニックを頼ってニューヨークに来た青年@ジョシュ・ハートネットは、ニックと間違えられギャングに拉致される。しかも2人の対立するギャング同士に、続けて!!だ。 それぞれがニックと誤解したまま、ニックの借金のカタとして、彼にヒットマンとなることを強要する。ニック本人は部屋におらず、どうするべきか、と相談できる相手は、砂糖を借りに来たニックの部屋の隣人リンジー@ルーシー・リューだけだった。行動的で明るいリンジーは次々とアイディアを出し、彼を救おうとするが……という話

騙すか騙されるかのクライムムービーです。
でも、ガッチガチに仕組まれている本格ミステリというより、どこかバカミスの匂いもする、ゆるくてしゃれてるコメディ映画でもあります。
だって、敵対するボス同士が、向かい合ったビルの屋上に要塞みたいなペントハウス建てて睨みあってるんだよ? おなじよーにとぼけた三下使って拉致るんだよ? コメディじゃん。
しかも粋。冒頭、帳簿のノートがタイトルバックになってて、そこの数字が変化して監督名とか俳優名がでてきます。「北北西に進路をとれ」とか「007」とかの話を上手にからめてて、インテリアとか小物とか壁紙とかルーシーのファッションとかもポップで可愛くて。ルーシーも今まで以上に魅力的。見た翌日、思わず同じような赤のコートを着てしまいましたよ(笑)
うーん、面白かった。

どんでん返しというほどの凄い返し技ではないけど、
(主要登場人物が少ないので、わかりやすい)
伏線をどう処理するかというものも含めて、ミステリ好きなら見て損はない映画。

内容が内容なので、隠しておきますね。↓↓↓
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December 11, 2006

ルパン

ジャン=ポール・サロメ監督

少年アルセーヌがどのように長じ、怪盗ルパンとなったのか……というお話

親子関係、恋愛関係、それなりに見せ場はあったのだけど、つぎはぎだらけの物語を見たという印象が強いですね。

ああ、つぎはぎじゃなく原作オマージュだったか。



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November 05, 2006

ラブドガン

渡辺謙作監督

愛人の出現によって両親が心中した少女(宮あおい)。組織のボスを殺して逃げてきた殺し屋(永瀬正敏)。彼の父親代わりだった師でもある老殺し屋(岸辺一徳)。組織から差し向けられたチンピラ(新井浩文)。
彼らの人生がからまるとき、殺しの銃弾が放たれる。
その弾の色は、おびえが浮かべば黄色に、憎しみが抱かれれば青になるという。そして誰も知らない赤の銃弾とは……という話。

111分あるんですが。異常に長く感じました。

撃った人間の感情で弾の色が変わるというのは、面白いアイディアだと思うけど、
そういうアートっぽいネタでひっぱるには長すぎませんかね?
結局殺し屋同士の過去がどうこうって話になってしまって、興ざめ。

例えば、オムニバス形式で色と銃弾の話を短く3つくらい作って繋げて、実は……というオチがあったほうが面白くないかなあ。全体の尺も1時間程度で。

そんななかでも、新井浩文はよかったなあ。
どうしょうもないチンピラが、老殺し屋や、他のふたりと絡まることによって成長する物語としては、111分も悪くなかった。(そういうドラマはあくまでサブなんだけどねえ)
新井浩文は、物語の中で「変わる」役が良く似合うように思います。
「ゆれる」では、フリーター的な青年が父親に。
「青い春」では、強者にくっついていた少年が暗闇の中に。
成長も退廃も絶望もしっくりくるいい若手役者さんですね。


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October 13, 2006

レディ・イン・ザ・ウォーター

M・ナイト・シャマラン監督

あるアパートのプール。管理人のクリーブランドはそこに謎の女が現れることを知る。やがて彼女と彼女のようすに酷似した物語を韓国人の女子大生に教えられ、アパートのひとびとは奇跡を見るのだった……という話。

映画の冒頭で、「この映画はあるおとぎ話に関わるストーリーですよ」と説明が入っているんですね。
これから観る映画にノレるかノレないかは、おとぎ話を信じるか信じないか、ですよと、
なにがおこってもおとぎ話だからね! と、
強調されているのですね。

夢物語のごとき話ではなく、
そのアイテムや意味に導かれるものがあるというストーリーラインで、
こりゃ、「バットを振れ」(以前の監督作「サイン」ですわ)だ! と思わされてしまいましたが。

まあそれでも、次に何が起きるのか、という興味で楽しませていただきました。
うん、それからどうしたの、どうしたの、とわくわくしました。


さてしかし。
語り主(監督)の作り出した架空世界のなかで物語る、というのが、
ファンタジーの定義ですよね。
でもその定義には法則があるんですよ。
世界観はとっぴょうしもないけど、でもあらかじめ総てが提示されていて、その世界の中ではブレがない。
だから観客も魔法めいたことが起こるのを納得する、
ってのがファンタジーなんだと思うんです。

「ものごとがどうおこるか」が、監督にしかわかっていないというか、
なんでもかんでもおとぎ話だからありでしょう、という展開には、
まあ、あんたがおとぎ話だっちゅーなら好きにしやあ、という気分もあったことは事実。

あ、いや、ファンタジーとおとぎ話は厳密にはちがうんだろうけど。



な〜んてことを言ってたら、真っ先に殺されてしまいますね。

この映画で一番笑えたのが、「映画評論家」でした。
薀蓄ばかり語って役に立たない男。
間違った法則を振りかざして、でもなにも生み出さない男。

よっぽどムカついていたんだなあ。と。
しみじみしました。


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October 04, 2006

river

鈴木貴之監督

警邏中に事件に遭遇したものの、人質を救えなかった警官。結婚式の数ヶ月前に恋人を殺された男性。ジャンプ競技の新星と期待されながらも故障してしまったバーテン。同窓会で再会した彼らは、過去を忘れる薬を盗む計画に加わり……という話。

「水曜どうでしょう」を観たことがないので(東海地方やってなかったよね?)、
鈴木貴之氏は、「銀のエンゼル」しか知らないのですね。
ほんわか系の「銀の……」の印象が強かったので、正直、驚きました。

ハードで、スタイリッシュな映画でした。

過去の「いじめ」に端を発する復讐談というのは、ありがちだし、
この話で、ラストを観客にゆだねる必要がどこまであるのかわからないのだけど、
(なんでもかんでも「ゆだねる」のはどうかと思うんだよね。
ゆだねた方が、より感情を揺さぶる場合にのみ効果があるのではと)
メインキャラ4人の気持ちの強さ・弱さ・揺らぎが面白かったです。

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September 30, 2006

LOFT

黒沢清監督

スランプ気味の女流作家礼子は、担当編集者木島の勧めにしたがって山合いの家に引っ越した。ある日、その家の裏手、朽ちた大学の研究施設に、一人の男がなにかの大きな包みをだかえて入っていく。それはどうやら、ミドリ沼で見つかったという千年前のミイラらしいのだが……という話。

怖い部分もけっこうあって、絵も綺麗で楽しめたのですが、
途中から退屈になってしまいました。
仕立てや舞台がいかにもで、展開がわかりやすすぎるんじゃないかということもあります。ラストはバレバレだし。

以下、ちょっとばかりネタバレ↓↓続きを読む

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August 13, 2006

隣人13号

井上靖雄監督

小学校の頃にいじめに遭っていた村崎十三。いじめの首謀者赤井と同じアパート、同じ職場にやってくる。そんな十三の傍には、彼と同じ服を着た凶悪な男13号が。はたして13号との関係は。十三の狙いは。そして性格は変わっていないが、妻子を持つ男となった赤井はどうなるのか……。

13号と十三の関係がよくわからなかったです。
いやもちろん、分裂した自身だというのはわかってますが。

ただ、なにかをしでかそうとしているのが13号であるなら、
十三はどういう立場に立っているのか、
どこまでふたりが役割を分けているのか、
十三は13号をどうしようとしているのか、
そのあたりがわからなかったんですよね。

十三もまた復讐を考えているのか、
赤井の家族を見て思いとどまろうと気持ちが変化しているのか、
別の隣人や同僚まで殺してしまったもう一人の自分にどう感じているのか。
もっと言うなら、アパートや職場を選んだのはどっちの彼なのか。
ジギルとハイドというほどに人格が割れてはいないようだけど。

心の中にも見える「ある家」のなかでふたりが葛藤しているシーンはあるけど、
現実の中での十三の葛藤があまり見られなくて
なんだか不思議な感じがしました。

赤井もよくわからない。家族の愛を押し出していながら、息子がなかなか帰らないことをあまり心配していないし。
母親(赤井の妻)のめぐみも無防備。ケータイの番号も聞かずに息子を預けていいの? そういうキャラなのか?

なんでこの人たち、現実感が希薄なのかなあ……と思っていたら、
ラストの「ひっくりかえし」で理由が氷解しました。

つまり…………以下ネタバレ↓↓
続きを読む

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August 10, 2006

レイクサイド マーダーケース

青山真治監督

お受験合宿のために湖畔の別荘に集まった3組の家族と塾講師。しかし主人公の並木はあまり乗り気ではない。妻との仲も冷えている。そんな彼らのもとに、並木の愛人が現れる。さらに夜、彼女は死体となって並木の目の前に……。

原作は未読。
映画は、ちょっとバランスが悪いなあという印象。

2時間の映画で、「死体」になるまでに1時間近くかかってる。
真犯人・事件のなりたちへの伏線とか、主人公夫婦の心情とか、集まった人々の様子とか、全部をまず紹介してから……というつもりなのかもしれないけど、
すっかり飽きてしまいました。

その後の展開とどんでん返しは次々進んだのだけど、
台詞が上滑りしていて、社会派なのかサスペンスドラマなのか親子愛(?)ものなのかわからないなあ。

見直したばかりのトヨエツ(塾講師)ですが、この映画では「まあまあ」でした。……すいません。
本性がわからない人間という部分はうまく出ていたと思いますが。
怖いのは、柄本明かな。さりげなくストーンズのTシャツ着てたりして。

予知能力の部分とラストシーンはよくわかりませんでした。

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August 07, 2006

ローズ・イン・タイドランド

テリー・ギリアム監督

ママはオーバードラック死。パパもヘロイン中毒。亡き祖母の廃屋に越してきたローズの友だちは頭だけのバービー人形。でも想像力豊かな彼女はまったく平気。奇妙な隣人もネタにして自分のストーリーを作るのだけれど、でも遂にパパも薬を打ったまま動かなくなってしまい……という話。

えーと。
やっぱりギリアムはよくわからない。
頭の中になにが詰まっているんだろう。

ローズの想像力の豊かさは、不思議の国のアリスを下敷きにしているとはいえ、楽しいし只者ではないです。
廃屋、秘密のクローゼット、壊れた車、どこまでも続く草原。
そういうのって、小さい頃、わくわくしたよなあー。
なにかに「みたて」て遊んだよなー、と、懐かしい世界でした。
でも、それ以上の筋立てや意匠はちんぷんかんぷん(笑)
昨日の記事の「嫌われ松子の一生」と同じ日に見たのだけど、117分のこちらの方が長く感じました。

10歳の少女がふたおやの死に立ち会うというシチュエーションから、
通過儀礼のような位置付けがあるのかなー、とも思ったのだけど、
(あえていえば、ラストがそれかなあ)
ちょっと考えすぎかな。
なにも考えずに不思議世界の想像力にどっぷり浸かるがよろしい、ってこと?

ローズ役のジョデル・フェデルランドは可愛くてなまめかしかったなあ。
演技なのか素なのかわからないけど。


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August 04, 2006

ロング・エンゲージメント

ジャン=ピエール・ジュネ監督

第一次世界大戦下、敵前逃亡(自傷)の罪で死刑にされたという恋人。しかし婚約者マチルドは、彼は必ず生きているという直感を頼りに捜し続ける。

オドレイ・トトゥは、頑固でどこかイッちゃってるヒロインが巧いですね。
同情を引くために、ここぞってところで車椅子に乗る性格がなんとも。

オトメな感情より、シュールなところの方が面白かったです。
カラダ、死体、その一部、喪失、爆破、生々しい肉体の描き方がグロくておかしい。<おかしい、ゆうな!
野戦病院の爆発シーンなども笑えて、でもとても綺麗で、さすがにジュネ監督という印象。

ただ、捜す、謎を解く、まだ捜す、謎を解く、……という展開が、ちょっと単調で長かったなあ。


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April 22, 2006

Rey/レイ

テイラー・ハックフォード監督

ソウルミュージックの神様、レイ・チャールズの伝記物語。本映画で、ジェイミー・フォックスはアカデミー主演男優賞(04)を受賞。

わたしのレイ・チャールズ初認識は、USA for Africa 
かの「We are the world」です。 
盲目のアーティスト&ピアノマンとして凄い人、と知ったのは、84年? 85年?
そしてまた、サザン・オール・スターズの「いとしのエリー」をリメイクした人、です。
サントリーかなにかのウィスキーのCMに出てましたよね。渋くてかっこよかった。

それ以前の曲の方がはるかに有名らしいですが、ごめんなさい、知らなかった。
なのに、映画にでてくる曲は、今聴けば、どれもどこかで記憶にある。
日々のどこかで触れていた音楽を世に送り出した人なのだなあと、いまさらながら感じます。


ストーリーは、
レイ・チャールズの特に前半生を、ヒット曲に乗せて綴っていくという
まさに伝記物語です。

黒人であるということ。
盲目であるということ。
他人が想像できない絶望と孤独と差別にさいなまれただろう彼。

それがゆえに「利用される」彼。
子供の頃に弟を亡くし、トラウマと幻想に悩まされ、それがきっかけでドラッグにはまった彼。
暖かな家庭を熱望しつつも、他に女を作り、薬に溺れ、なによりも音楽のためにすべてを犠牲にして、自分がどこに立っているかわからなくなった彼。
けれどもその総てが融合したかのように、凄まじい音楽を作り出した彼。

虚実はわからないけれど(女とドラッグ、は聞いたことありますが)、ちょっと単調だけど、
彼の物語には惹き付けられます。

話の面白さではなく、載せられた音楽との奇妙な一致によって。


ジャケや件のCMしか知らない彼のルックスですが、恐ろしいほど似て見えたジェレミー・フォックス。
それを中心に沿えた映像と、レイ・チャールズの音楽は、相乗効果をもっています。
観客は、本人の苦悩しているようすを、リアルタイムで覗き見ているように感じてしまいます。

「音楽」というものは、それだけで人の心に響くから、
あえて音楽を使わないという監督さんもいます。
(普段の生活で、BGMが流れることはないから)
それだけ音楽が、ある意味「怖い」ものだということなのでしょう。
音楽はいとも簡単に、人の心を揺さぶることができる。

ええ。揺さぶられてしまいましたとも。
観ていて鳥肌が立ちました。
感動した、とも、凄い、とも違う、
耳から肌に迫ってくる、不思議な感覚。でした。


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January 14, 2006

レディ・ジョーカー

平山秀幸監督

レディとは、誘拐犯グループ属するひとりの娘の愛称。虐げられる立場のものたちが、ビールという商品を人質に20億の金を奪おうとしたその理由とは。50年前の日の出ビール集団解雇事件を発端として、単に「金」だけの問題ではなかったのだが……。

原作は読んだのですが、もう6年は前。
毎度のことですが、細かな部分は忘れております。<ヲマエ……
二段組上下巻の分量の厚さだけでなく、物語の熱さをも楽しんだようには思います。

さてまあ、適度に忘れてるので、こんな話だったけ〜と思いながら見てましたが、
ちょっと中途半端。

誘拐犯グループのやりきれなさや、
日の出ビール企業陣営のタヌキっぷりは伝わってくるのですが、
警察組織がダメダメ。
それぞれのシーンで、なにを表現したいのか、見ている人にどう感じさせたいのか、
人間関係と立場がわかりづらいことも手伝って、ハテナマークの連続。

事件に立ち向かっていく最先鋒を担うのが、合田刑事。
「マークスの山」「照柿」から続くシリーズ(?)の人気キャラです。
映画の半ばまでは、単にちょっと突出した捜査スタッフとして描かれていましたが、
後半は警察組織のアレコレに苛立つ役割にすり替わってました。
そこらあたりは小説世界を移植してるようですが(の割に某重要キャラがいないようですが)、
映画世界のなかではそれまで説明されていないものだから、「はあ?」って感じです。

もともと2時間で収まる物語ではないのだから、
取捨選択するのは当然だし、描けない人間、省略するやりとりなどはあっても不思議はない。原作から離れてもいいと思う。
いや逆に、焦点を決めて、切り捨てないと面白い映画にはならないです。

だから警察組織を形式的にすることに異はないのだけど、
なぜか途中から色気を出してしまった。あれこれ手を広げすぎです。
そりゃ失敗もするよ。

誘拐犯グループの役者陣は味があってよかったように思いますが、
最初に出演者名を聞いた時には、管野美穂がレディかと思いました。
それだと、エンタメに走りすぎてるかもしれないけど、
見る人にもうちょっとガツンときそうな気もします。

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January 09, 2006

輪廻

清水崇監督

35年前にあるホテルでおこった大量殺人事件が映画化されることとなった。主役に抜擢された新人女優・渚(優香)だが、彼女はオーディションを期に、ある少女が「見え」始める。少女はどうやら被害者の一人らしい。やがて撮影が進み……。

なかなか面白かったです。
Jホラーを銘打った前2作(「感染」「予言」)がイマイチだったので、期待値が低かったこともあるのだけど。

まずは怖がらせ方。「そこになにかいた」「変な夢を見る」というのは、古典的だけど日常的だし、「前世」というのも全否定できない話。
いや、私にも見えるって言ってるわけじゃなくて、信じてるわけでもなくて、
周囲との会話で、体験しがちなネタというか、身近な怖さという意味で。
いいかげんホラーを見慣れて、映画では怖さを感じなくなってるのですが、
やっぱり視野の端になにかが横切ったら怖いです。
優香も怖がってる表情など巧かったし。
廃屋とか、人の少ないホテルとかも、舞台としていいですね。
ホテルの一室に逃げ込んで、扉越しに外をうかがうところなど、
「シャイニング」を思い出しました。<斧でませんがね

そしてその怖がらせの数々(少女に手を繋がれるとか、知らないはずなのに記憶があるとか)が、そのまま伏線になっていて、
「実は……だった」というひっくり返しに、綺麗に、ピタ! と当てはまったところが、お見事です。

ついでに、救いがないのもいいなー。
これは好みが分かれると思うのだけど、

……と、ちょっとネタバレしてるので、以下隠します↓↓
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November 18, 2005

乱歩地獄

竹内スグル、実相寺昭雄、佐藤寿保、カネコアツシ監督

虚構の悪夢に酔える、妖しさ全開、取り扱い注意の映画。

映画が終わってすぐ後ろで「難解すぎる」とお嬢さんたちの声がしましたが、
難解というより、趣味が合うかどうか、のような気がします。
考えずに、その世界に浸る映画といった風。

お子様はもちろん、紳士淑女の皆様にもストレートにはお勧めできない、
エログロ怪奇、甘い悪趣味の映像美と、各監督の想像力を楽しむ話。
浅野忠信、成宮寛貴、松田龍平といったいい男が見たいという「だけ」の理由でなら、行かないほうがいいと思います。

「映像化不可能といわれた乱歩の小説を映画化」と謳われていたけど、
正しくは、「乱歩の小説を素材に、各監督が乱歩リスペクトの物語(地獄絵図)を作り上げた」ですね。
あ、乱歩の小説といっても、少年探偵団な乱歩じゃなく、怪奇幻想系の短編です。

例えばいちばん有名だろう「芋虫」。
傷痍軍人とその妻、という形を原作どおりなぞりつつも、実は、という部分があります。
加えて、「屋根裏の散歩者」や「パノラマ島奇談」の匂いを振り撒いてもいます。
そしてラストは別の形を描いてみせる。

乱歩の怪奇ものは、読む人間の想像力が物語の怖さを増していくという印象。
「芋虫」は中盤の歪んだ愛とともに、ラストのうすら怖さと切なさが好きです。
でも、文章を読んで絵を想像するのは愉しいけれど、
そのまんまをなぞった映像にすると、陳腐かもしれない、とも思ってました。

乱歩の話を適当にミックスしただけじゃないか、という批判もあるかもしれません。
けれど、これはこれでアリだと思います。
他人の想像力を他人の物語として楽しめばいいので。
今回は監督の想像世界という違う形の「芋虫」を見せて貰えたので、
闇を這う男の絵は、自分のなかで楽しもうと思います。

さて、お気に入りは「鏡地獄」。
実相寺監督お得意の舞台的演出がきいてます。
原作は、映画中で浅野忠信演ずる明智探偵が言った
「球体の内側が全部鏡だったとしたら、その中には何が映るんだろう」
という疑問をもとにしたひとりの男が狂気していく話です。
映画を、そのイメージの中に、そのまま入れてしまったような舞台装置が素晴らしい。
幾つも映る鏡の向こう。その歪んだ世界、表情が、不思議気分を盛り上げてます。

原作には明智は出ないのだけど、ミステリー仕立てにしてあれこれキャラクターを出してます。
そうやって出てきた明智探偵と小林くん(中村友也)が、ちょっと妖しげでいい(笑)
でも、ここでいいのは、やっぱり成宮寛貴。
悪魔的な所業と脆い部分をあわせもつ様子に、酔えます。
狂気に陶酔する表情もいい。「S(サド)」っぷりも似合う。適切(?)キャスティング。
最近のドラマではすっかり良い人だけど(<つまらん)、
久しぶりに冷たい系の役を見たなあ。

「蟲」も面白い。特に後半が爆笑もの。
恐怖を突き詰めて笑いに転じさせる話として受け取りましたが、なにか。
見えない蟲に囚われて狂っていく男を演じる浅野忠信も可笑しいけど、
緒川たまきの腐乱死体ぶりが極上。
死体を演じて(それは演技か?)なお、これだけ魅力的とは。
また、人形的な顔立ちが、死体らしくて美麗。

アイスランドでわざわざ撮ってきたらしき「火星の運河」だけは、
イメージはなんとなく伝わるけど、ちょっとついていけなかったかな。

観ながら、もしかしたらと思っていた衣装は、北村道子。
彼女の爛れたような服は、好みです。


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September 18, 2005

ローレライ

樋口真嗣監督

期待してなかったせいもあるのか、思ったより面白かったです。

おもに、あの潜水艦(イ507だっけ?)内で起こる物語は、盛り上がりました。
ただ、背景がぐたぐた。話が分離してました。

レンタル開始から間もあるので、以下ネタバレありで。(強烈なのは反転します)

繰り返しだけど、艦内の物語は、結構楽しめたんですよ。

信念もつ艦長、子供思いの腹心、某アニメかよという軍医に機関長。
血気盛んな若者(最後に「子供」扱いされてたのには驚きましたが)
謎の男に謎の美少女。謎の「ローレライ」。
ドラマのねたは揃ってます。

ベタなエピソード(写真・紐・時計など)とくすぐり(アイスクリームとか)を含め、
心の交流、どんでん返し、解決、戦闘、決意、へと持っていく。

筋書き通りかもしれないけど、
各人物の演技もうまく、
悪役は悪役に、無骨役は無骨役に徹し、
見てる方の感情を盛り上げてくれる。

ヲイヲイというところもあるけど(彼女の存在はいつから秘密じゃなくなった?とか)
ストーリーの起伏を人間ドラマとともに描く
というところは
艦長の心の揺れ方と共に、見れました。
   ……って、え? 主人公は誰だっけ。

   いやいや、ラストの時計エピソードで納得したのだから
   一応気になってましたとも。


ところが背景っつーか、屋台骨が、なんとも。とことんリアリティを打ち砕いてくれる。

この場合のリアルとは「現実」ではないです。「本当の太平洋戦争」じゃないです。
「東京に第3の原爆が落とされる」「ローレライという武器がある」という
仮想戦記なのだから、
物語の中での「リアル」です。
だから作り事で全然いいんですけど。

ただ、作り事が建築物として成り立ってないと、その世界に入れない。

例えば、「自分の下では、誰も死なせない」
という艦長の信念。
現実の戦争では、全然リアルじゃないです。
でも、この物語の中ではリアルなマジックがかかる。
そうする背景と実際の行動を見せている。
だから艦内の物語は楽しめることができたと私は思ってます。


さて、この仮想戦記での敵は、誰か。
もちろん相手国の米軍ではあるのだけど、
フィクサーとして控えるのが、堤真一(役名忘れました)であり、
彼の「構想」こそが、主人公たちの相対するものなのです。
それがあったからこそ、最後の戦いに出向くことになったのだから。

でもねー、
その構想もそれに基づいて創ろうとしてた彼の理想の「日本」も
全然わかんないんだよー。

無条件降伏を受け入れアメリカの属国になるのはいかん!
とかゆってるけど、

武器「ローレライ」を差し出すだけならともかく、「首都東京」を差し出すって条件、
どこが日本にとって今後のためになるの?
それ、もっと「思うがまま」になっちゃうんじゃないの?

しかも途中で!文字アリ→自決しちゃうし。

「罪と罰」を引き合いに出してたところといい、
あんたの死にたがりに周囲が付き合わされたようにしか見えません。

交渉権を持つ人間がいなくなって、この先どうなるかわからなくなる。
という構成にしたかったのはわかりますが、
そんな中途半端で弱い「敵・対抗者」では物語がひっぱれないです。

でまた、交渉権を受け継ぐのかと見られてた鶴見辰吾(役名忘れました)も、
何しに行ったの? だし。

このあたりがしっかりしてたら、ずっこけずに楽しめたかなあ。
いかにもTVっぽいアップの多さも、そのうち気にならなくなったし。

さて最後に、
妻夫木くんは、「69」や「jam films(内、justise)」のような雰囲気のが
好きですね。過去の感想はここ69ここjf

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August 23, 2005

リンダ リンダ リンダ

山下敦弘監督

懐かしいなあ。
ブルーハーツの歌もだけど、
高校の文化祭(前〜最中)の「なにか」が凝縮された感じ。

なぜだかテンションが違うんだよねえ。
そして「なにか」があるような気分になるんだよねえ。

「ブルーハーツのカバーをする」という目的のために進むって映画じゃないんだよね。
あの時間を、空気を、全部を詰め込んで、切り取りたかったんだろうな。

大昔の高校生としては、
彼女らの数日を眺め見ることは
とても愛らしい時間だったんだけど、
今の高校生はどう見るんだろ。

蛇足だけど、
「映画のなかでビデオで撮ってる映像」と「そうでない映像」の違いがわかるスクリーンを持った館で見たほうがいいです。
ビデオ撮りとかフィルム撮りとかいう意味ではなく、
そういうシーンが出てきて、意味のある撮り分けだと感じたので。

【↑追記】反転してます
 最初に映研らしき人々のビデオで始まるんですよ。
 そこが、いかにも高校の文化祭のノリというか
 特別な時間が今から始まる、別の世界につれてく、という意図を感じました。

 
ところで、作中にちょっと出てたジッタリンジンの歌詞ですが、続きを読む

chikachan112 at 23:31|Permalinkclip!

July 29, 2005

LOVERS

チャン・イーモウ監督

唐の衰退期。台頭する叛乱グループ「飛刀門」討伐のために、朝廷の役人が一計を案じる。
「飛刀門」頭目の娘とされる盲目の踊り子を利用して、「飛刀門」の本陣に斬り込もうというのだ。
計画は動き出した。しかし、踊り子の美しさは思惑以上で……。

「グリーン・ディスティニイ」「英雄ーHERO」と、
色とりどりの映像と舞踏のような戦いを繰り広げてきたチャン・イーモウ。
今度は本気で踊ってます。
で、やっぱり踊りながら戦っているのですね。

方向性はもう判っているので、ストーリーについては何も言いますまい。

風のように生きる色男系の金城武を選ぶか、
思い込みの激しい真面目系のアンディ・ラウを選ぶか、
さあ、どっち?? という話です。

いやー、贅沢な選択ですね。

インファナル・アフェアでは断然アンディ・ラウでしたが、
わたしはやっぱり金城派ですね。
あの、すけべっぽさが素敵な(<誉めてます)笑顔に腰砕けです。

もっとも、そんな贅沢が出来るのは
アジアン・ビューティなチャン・ツィイーだけでございます。
彼女の選択やいかに。

もちろん彼女のサービスカットも満載で、
老若男女に向け、画面の隅から隅まで美しい世界が繰り広げられてます。
環境映画として、とてもとても見応えがあって、うっとりでした。

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July 22, 2005

レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード

ロバート・ロドリゲス監督

ギターを抱いた渡り鳥もとい伝説の殺し屋マリアッチ。彼を利用しようとするCIAの男。
おりしもメキシコにクーデターの風が吹こうとしていた。その首謀者こそが、マリアッチの宿敵だった……。という「エル・マリアッチ」シリーズ第3弾。

「エル・マリアッチ」というのは、ロドリゲスのデビュー作で7000ドルで作ったという、いってみれば自主映画みたいなものなのですね。
ところがこれが評判になり、2作目(微妙に続編ではない)「デスペラード」をアントニオ・バンデラス主演で作った、と。
そして本作には、ジョニデやデフォーやミッキー・ロークやという豪華メンバーが加わった、と。

ありえんガンアクションにありえん超人さにありえん展開という、
バカっぽいけど、でもとても楽しいじゃん! という映画。
ラテンな音楽もかっこいいっす。
(ちなみに、エンリケ・イグレシアスがイケメンホストっぽい役で出てます)

だから、ストーリーの不具合を突付くのは、この映画には向いてません。
面白いんだか痛いんだか判らないギャグも、
体に合えば笑えばいいし、合わなければスルーすればいい。

だって、ギターケースが開くと、
ギターの表を模した内蓋の下から武器がでてくるんですよ?

さっきまで音を奏でてたギターが、
マシンガンになったり火炎放射器になったりバズーカーになったりするんですよ?

カッコよすぎ。<……よ、よいのか?

好みに合うか合わないか、その一点で評価の分かれる映画です。
きっぱり。


さて、その上でだけど、
わたしは95年作の「デスペラード」のが好きだなあ。
これだけバカスカあっさりと人を殺してるんだから、
カタルシスが得られる能天気な展開の方がいい。
(タランティーノとスティーブ・ブシェミの酒場での語りもおいしいし)

ジョニデとバンデラスのパートが分かれすぎていたのも減点かな。


ところでどーでもいいことだけど、
本映画に出てたメキシコの祝日、髑髏を模した扮装で練り歩く死者の日って、
11月1日と2日なんですね。
……誕生日なんすが。わたし。
(日本のお盆みたいな日らしいですけどね)
死ぬまでに一度メキシコにいってみねば。続きを読む

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May 31, 2005

リチャード・ニクソン暗殺を企てた男

ニルス・ミュラー監督

1974年、民間機をハイジャックし、ホワイトハウス襲撃を計画した男がいた。いかにして彼はその計画を企てることになったのか……という話。

試写会にて……なので、以下↓↓続きを読む

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March 08, 2005

ラブストーリー

クァク・ジェヨン監督(「猟奇的な彼女」撮った人ですね)

父母の初恋の思い出を収めた箱。
その中に詰められた手紙を手にした主人公は、
知らない男の名が記されていたことに興味を持った。
どうやらその男は自分と同じように、友人のラブレターの代筆をした様子。
そしてそのラブレターの贈り先もまた、自分と同じく、
自らの憧れの人。……という話。

ノスタルジックで素敵なコメディでした。

楽しかったです。

……あれ? コメディじゃなかったですか?
いえもちろん、母(というより男側かな)と娘の切ない恋心は詰まってるんだけど。

以下ネタバレ気味↓
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