映画

July 14, 2010

恐怖

論理と感覚の間で戸惑っているような。

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June 15, 2010

シーサイドモーテル

キャストも設定も面白いのに……(× ×)

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May 25, 2010

月に囚われた男

今季最高。

あれは最初の寿命ばかりじゃなく宇宙線の影響もあるかと。

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May 18, 2010

武士道シックスティーン

かわゆす

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May 17, 2010

ハートロッカー

危険は麻薬

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April 20, 2010

アリス・イン・ワンダーランド

ティム・バートン監督の、いかにもクリーチャー趣味な映画。

3D初体験。この3Dは、2Dを変換していると聞いた。
そのせいか完全な立体ではなく、
幾重にも絵が重なっているように見えて、さほど感動はしなかったのでした。
(上映館&わたしの目のせいかもしれないけど)

話はまあまあ、ティム・バートンが好きなら楽しめるという感じ。
風車や独特な木など、つい笑ってしまう。

整合性もないけど、それはアリスにおいては「夢オチ」が許されるので、先日観た「…………」ほど、疑問に感じないのよね。


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April 15, 2010

第9地区

ニール・ブロンカンプ監督

快作、いや怪作。

B級作品のなかに、現代社会の抱える問題が詰め込まれてる、
なんて真面目な話はだんだんどうでもよくなっていく後半の怒涛のアクション。

スプラッターで悪趣味なところが素敵。

そしてラストの金属の花にほろり。


わたしも「三年」言われたときには、椅子から転げ落ちそうになったけど、
それ、地球時間の三年なのかな、彼らの時間の三年なのかな。


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April 13, 2010

ウディ・アレンの夢と犯罪

ユアン・マクレガーとコリン・ファレルが兄弟役。
兄は独立と女優との交際のために、弟は賭けで作った借金のために、叔父が持ちかけた犯罪に乗ってしまう。
そして……という話。

いまひとつ。
ストーリーが予定調和なのは仕方ないにしても、それまでの気持ちの動きなども定型から出ていなくて、
悲喜劇のおかしみもロンドン三部作のなかで一番少ないし。
いまさらこれを作ってどうするの? 作ってて楽しかった?
と聞きたくなった。

スカーレット・ヨハンソンは出ず。
ミューズを褒めそやす話なら、まだ作る動機を感じられるのだけど。


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April 12, 2010

シャッターアイランド

マイケル・スコセッシ監督

字幕か吹替えか迷ったのですが、結局字幕にしました。
TV画面ならともかく、大画面で、いかにもな外国人が日本語を喋る、というのがどうにもあわなくて。
(『ワルキューレ』みたいに、英語VS独語というのは気にならないんですが。
 ダーリンやらベイベーやらが外国人だというなら、もちろんいいですが)

でも別に、字幕でも問題なかったです。
アナグラム部分をどう表現していたかは気になったけど、本質はそこにはないし。


「ラストの衝撃は決して話さないでください」タイプの映画で、
「二度見ないとわからない」タイプの映画。

いや、場面ごとに解釈するのは何度見ても難しいだろうし、
逆になんでもありっちゃなんでもありで、
幾通りもの解釈の正解不正解を決められるのは製作者だけじゃないの? なところがあるので鼻白むのだけど。

でもどうやってそう持っていくか、楽しめたので、アリです。

最後の最後にディカプリオの発するセリフと選択が、重みを与えてくれたかな。

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April 07, 2010

マイレージ、マイライフ

ジェイソン・ライトマン監督

独身主義者(?)のジョジクルが、独身主義者でイケメンで仕事できる男の役をやる、
なんて興味もあって見たんだけど、
なかなか考えさせられるお話でした。

彼が今の立場やその他に、「楽」って思うのは、よくわかる。
それがちょっとしたことで「一抹の寂しさ」にかわることも、わかるんだ。
雇われ首切り人という彼の仕事の厳しさも、設定だけ聞くと、えー、って気もするけど、
実際に働く立場になると、ナルホドと思うんだ。

誰かを、ただ感情的に非難できるほど、わたしたちは子どもではないけれど、
すべてうけいれられるほどには、大人でもない。

そんなことをしみじみ思わせてくれるいい話でした。


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March 19, 2010

NINE

ロブ・マーシャル監督

シネマ・イタリアーノのパートが好き。
ソフィア・ローレン、ステキすぎ。

最後にもう一曲、歌でもりあがり、FInとして欲しかった。

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March 16, 2010

ニューヨーク、アイラブユー

『パリ、ジュテーム』のプロデューサーである、エマニュエル・ベンビイが企画したらしいんだけど、
『パリ……』のほうが印象的。

エピソードを重ねて群像劇にしてあるところが、逆に「締りの悪い」形になってないかな。

プロムのエピソードなんかは好きなんだけど。

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March 12, 2010

シャーロック・ホームズ

ガイ・リッチー監督

わーい、わーい、ガイ・リッチーだー。という印象。
楽しかった。

誇張はあるけど、ホームズの変人らしさがよくでてた。
ワトソン、君は元気すぎるよ。

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February 26, 2010

パレード

行定勲監督

犯人わかっちゃったんですけどおー。と結構最初から思っていた。
そういう映画じゃないんだけどね。

『愛妻家』のほうが好きかな。

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February 10, 2010

ラブリーボーン

ピーター・ジャクソン監督

おにゃのこの瞳と、おっちゃんの気持ち悪さが好き。
ラストはちょっとね。

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February 05, 2010

ゴールデンスランバー

中村義洋監督

堺雅人秀逸。
本当に青柳にみえる。
『ラッシュライフ』では黒澤にみえてたのに。


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February 02, 2010

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女

ニールス・アルデン・オブレヴ監督

これは傑作だわ。
展開が早すぎるきらいはあるけど、ハードで陰惨。
生ぬるさは一切なし。

探偵役の二人(特にリスベット)が魅力的。


スウェーデン映画って初めて観たかも……(製作国は、デンマークとドイツも共に上げられている)
しかしどんだけ自由な監獄なんだ。

次回の「火と戯れる女」も楽しみ。


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January 27, 2010

Dr.パルナサスの鏡

テリー・ギリアム監督

いかにもテリー・ギリアムという印象でした。

鏡の中に入っていくというより、テリー・ギリアムの頭の中に入っていくかんじ。
あの「巨大な博士の頭アドバルーン」は、むしろテリー・ギリアムにしてください(笑)

ヒース・レジャーの急死により、ジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウと、代役が三人立ったわけですが、どれも上手に処理してあります。
まあ、あの内容なら当然だけど。

多分誰もが思うことだろうけど、最初の、ヒースで撮るつもりだった台本が見てみたい。
編集編集で全然ちがう物語になるだろうけれどさ。

個人的には、あの娘がもうちょっと可愛ければなあ……と。
いやスタイルはとてもいいし、単なる趣味の違いなだけなんだけど。

代役三人の次の映画(『アリス』『ウディ・アレンの夢と犯罪』『ホームズ』)も楽しみ。


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January 26, 2010

今度は愛妻家

行定勲監督

これは面白い。地味そうに見えてかなりの傑作です。

タイトルのせいもあって、仕掛けは、カンのいい人なら早くにわかっちゃうんですよ。

私は濱田岳が登場した時に「もしや」が確信に変わりましたが、
それ以前、「今からでかける」「俺のメシは?」とか言っている前から、宅配ピザの箱が積まれていることでわかるかもしれない。

でも仕掛けがわかっても、本当は仕掛けのことを言っているのに、「遊び人の男が妻を大事にしようと改心しつつある」「そのために周囲も気遣う」という意味にも取れるセリフやしぐさが幾つも重なっていて、
そのダブルミーニングのうまさに頷きながら観てました。
美術(衣装や小物含めて)もいちいちうまい。

そして仕掛けは、観てる人全員にわかるようにちゃんと開示がされ、
丁寧なのに間延びしていない。

でも本質はそこじゃなく、登場人物それぞれの気持ちなんですよね。
「あ!」と思わせた後もたっぷり時間がとってあるし、
ずっと引き込まれたまま。
各人の心の動きを、役者たちが表情やら間やらで、うまく表現してる。
誰かが下手打つと、ガタガタになっちゃう物語を、芸達者が見事に支えている、という感じ。
たとえばワンシーンしか映らない井川遙も、巧い。
さすがはキャスティングに秀でた行定監督。

ラスト前、どう落ち着かせるのかと思っていた話が綺麗に決まったとき、
特に石橋蓮司のセリフには、泣けてきました。

「○○が、この人の○○で良かったと思える生き方をしようと思う」

いい言葉だなあ。
……一字一句正確じゃないんだけどね(^^;


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January 24, 2010

キャピタリズム

マイケル・ムーア監督

「なるほどー」「はああ……(そしてダウナーになる)」
という以外の感想がなかなか出てこない。

でも、この映画(というかルポ?)は面白かった。
ファニーじゃなくて、インタレスティングの意味。

労働者のストのこととか、会社が勝手に賭けてた保険のこととか、
びっくりしたーじゃなく、
今頃なに言ってるの?と感じてしまう。

アメリカってスト権がないの? 本当に? だって去年か一昨年か、脚本家ストの関係でアカデミー授賞式が開けるの開けないのって言ってなかった?

会社が勝手に賭けてる保険にしても、日本では、5年……いやそれ以上前に問題になってなかった? こちらはかなり今更感あり。
(以前、派遣先で総務を担当していたときに、会社が職員に無断で保険を賭けてはいけないという理由で、本人に承諾の印鑑を貰った、、、という記憶があるんですよね。6,7年前に勤めていたとこなんですが)

金融も税金も労働問題もなにもかも、
本人が知らないと損をするということなのよね。

知っててもなかなか言えない日本人と違って、
個人主義のアメリカではガンガンに言い立てているとばかり思っていましたが……。

アメリカンドリームですべてが誤魔化されているという話も、なるほどでした。


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December 30, 2009

パブリック・エネミーズ

マイケル・マン監督

最後まで仲間を助けようとする男、デリンジャー。
冒頭からそれをエピソードで見せていて、このあたりは上手いと。

良くも悪くも、自らの美学を貫く男。
そこがかっこいい。

ラストはキャピタリズムや腐敗(警察含め)や時代に追われ。
ああいう結末になるだろうことは映画のシーンからなんとなくわかったけど、
折角警察に行ったのならば、裏をかいて欲しかった。

中盤まで面白く、ラストはやや陳腐さが鼻についてしまった。

ジョニデを観に行ったわけだからいいんだけど。


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December 29, 2009

アイアンマン

ジョン・ファブロー監督

ロボット好きおやじ萌え。

科学者系武器商人が現状を知って正義の味方に、という単純ストーリー含め、
みんなどこか子供っぽくて可愛かった。

ロバード・ダウニー・Jrは、天才やんちゃ子供の役がよく似合うようで、
今度の『シャーロック・ホームズ』もどう料理してるのか楽しみ。


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December 09, 2009

イングロリアス・バスターズ

クエンティン・タランティーノ監督

第二次大戦下はフランス。みなさん狂気入ってますねなユダヤ系アメリカ人ナチ狩り部隊“バスターズ”と、ナチスに家族を殺されたユダヤ人女性が計画する復讐劇とは……。


やー、面白かった。
緊迫感ありまくりの第一幕にはじまり、いきなり二幕目の狂気。
悪役をいかに強く憎憎しげに描くか、つーのが復讐劇のポイントだと再確認でした。

カンヌ映画祭最優秀男優賞だっけ? のクリストフ・ヴァルツ。
ラストは「そりゃ甘いやろ、当然だわ」と思ったけど、見事な悪役と見事な語術でした。
ブラピの「イタリア語」には爆笑。
メラニー・ロランは可愛い系かと思いきや、赤ドレスが似合ってゴージャスだし、
「グッバイ・レーニン」のダニエル・ブリュールも青二才的な雰囲気が抜群。

ふたつの作戦が交錯していない(邪魔したり窮地に陥ったり、逆に協力相乗効果上げたり)のがやや残念かな。

ところでこの映画、二時間半もあったと後から気づいてビックリ。
全然長さを感じなかったですよ。むしろもっと観ていたかったくらい。


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December 08, 2009

THIS IS IT

ケニー・オルテガ監督

急逝したマイケル・ジャクソンが予定していたロンドン公演。その名は“THIS IS IT”
死の直前まで取り組んでいたリハーサル映像を編集し公開とのこと。

語るべき言葉が見つからないというのが正直な感想。

マイケルの、とことんまで音を追及する真摯な姿勢に泣けてきましたね。
幾万という観客がいないだけで、ライブ収録みたいだった。
ThrillerはMTVだったし。

家に帰って、絶対あるはずだとアルバム「Thriller」を録音したカセットテープ(!)を探してしまいましたね。
で、あったんだなー、これが(笑)

カセットデッキを探したら、これもあったので、早速聞いてみることに。
リバースも巻き戻しも早送りもできなくなってましたが、テープは無事でした。


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November 09, 2009

真夏の夜の夢(さんかく山のマジルー)

中江裕司監督

シェイクスピアの古典劇を原案として、沖縄・世嘉冨(ゆがふ)島を舞台に描くコメディ。キジムンたちが暮らすこの島だが、人間たちは彼らのことを忘れかけていた。島では村長の息子の政略結婚が目前で、青年会ではお祝いの劇が演じられようとしていた。そんななか、島出身のゆり子が不倫の恋に疲れ戻って来る。彼女を追って恋人が、またその妻がやってきて……

中江監督お得意の沖縄映画。
トークショーつきで見たんだけど、逆に沖縄映画のオファーしか来なくて、いろいろまいるなあ、とのこと(笑)

三角関係四角関係に精霊(この映画の場合はキジムン)が加わって大混乱、という基本があるので面白くないわけはないのですが……、

……いや、さほど面白くなかったのはなぜでしょうか。

どたばたラブストーリーよりも沖縄の自然や方言、精霊という設定のほうが魅力的だったので、なにも原作に拠る必要はないと思うのですよねえ。

ストーリー展開も結論などが投げ捨てられているし。

トークショーでは映画作りのことなどもお話され、
半大人が作る映画より、子どもたちの作る映画のほうが、
「どこかで見た感」がなくフレッシュで面白いと言ってらっしゃった。
だから結論のつく展開を投げているのか、
ならばなぜこの原作を下敷きにしたのか。

ちょっとわかんないです。
でも本当に、映像はよかった。太陽の「光」が、画面の中で生きていた。


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October 19, 2009

悪夢のエレベーター

堀部圭亮監督

産気づいた妻からの連絡で家に帰る途中の男、ヤクザ風ファッションの関西弁男、ジョギングに出かける途中だという黄緑ジャージ男、ずっと黙ったままのゴスロリ少女。深夜のエレベータに閉じ込められた四人は……。

なにを書いてもネタバレになりそうなので書きようがないです。

仕掛けはなかなか面白いし、伏線も丁寧に考えられているけど、細かいとこまで追求するとかなり無茶。
ばれないわけがないじゃん……。

途中の「実はその1」説明が長くてもたついたのが残念。
最初からなのか、映画館が悪いのか、途中から音が変で(スピーカーのひとつが死んでるみたいに聞こえた)した。中盤くらいには直ってたけど。

ラストは「なるほど」。
パズル風味のミステリが好きな人のみおススメします。
例えば「そして誰もいなくなった」とかのね。
動機は納得できるようなできないような……でした。

なお、エンドロールの最後にひとシーンあるので、観る方は明るくなるまでご着席のままでいらしてくださいまし。


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October 18, 2009

ラッシュライフ

真利子哲也&遠山智子&野原位&西野真伊監督

スタイリッシュな泥棒・黒澤、宗教団体に属する河原崎、不倫相手とともに夫を殺そうとしている京子、失業&離婚の失意のなかで街をさまよう豊田。彼らとその周囲の人生が交差し、ひとつの物語が生まれる。伊坂幸太郎の同名小説を原作とし、東京芸術大学映像研究科学生の手によって作られた映画。

東京で上映されたのが五月だったか六月だったか。
やっと名古屋に来たので観に行ってきました。原作未読者と。
わたしは原作を読んでます。

肝心の映画はというと、
原作ファンによる断片映像化、という印象でした。
良くも悪くも。
舞台となる街が違うとかのあれこれはあるけれど、それぞれのエピソードの雰囲気は原作とあっていて、じょうずに形になってると思いました。
でも、肝心な「とある仕掛け」がないし、ミステリ部分が存在してないじゃん?

原作未読の同行者は、「なんだかばらばら」ということでした。

ばらばらなのは理由があるんですけど!!
でもネタばらしが出来ないんですけど!!

ミステリ映画として伝えるテクニックがなくて「ゆるくつながる」「なんとなくいい話」にしたのかもしれなくて、それならコンセプトからして違うからどうしょうもないんだけど。

プロモーション映像ならいいのだけど、一本の長編映画としてみるなら(ミステリ映画でないにしても)、ちょっと物足りないかな。


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October 17, 2009

クヒオ大佐

吉田大八監督

クヒオ大佐・36歳は、父はカメハメハ大王の末裔で、母はエリザベス女王の妹の夫のいとこだというアメリカ人、湾岸戦争勃発の現在、日本駐在の米軍特殊部隊ジェットパイロットである。……というのはもちろん大嘘。その正体は結婚詐欺師で、弁当屋の女性経営者から金を巻き上げつつ、学芸員と銀座のホステスにも手を伸ばしているのだ。

……誰が騙されるんだよ、そんな経歴で。
と平成生まれの人は思うのかもしれないけど、マジに実在の人物です。
女性たちから一億円ほどもまき上げてたらしい。

でまた、どうして騙され続けるかな、と思わされる怪しい手口満載なんだけど、
映画の中のクヒオ大佐は、憎めないキャラクターとして描かれてます。
海千山千のホステスさんは別として、
弁当屋の彼女が騙されるのはなんかわかるなあ。

好きだから騙されてしまったというだけでなく、
自分が騙されていることを認めたら、それまでのすべてが終わってしまうような気がする。
信じていれば嘘ではなくなる、そう願ってしまうかのよう。

それこそが詐欺にまきこまれた人間の心理として怖いところではあるのだけど。

映画の中では、詐欺師であるクヒオもまた、自分の心を騙し続けることで、嘘が本当になると信じているかのようだった。

クヒオ演じる堺雅人の怪演っぷりがハナマル。
計画して騙すというより、息をするように騙していて、
彼はすでに竹内武男(本名らしいけど仮名とも聞く)ではなくなっていたのかもしれない。

ターゲットとなる3人の女性も魅力的だし、
女性経営者の弟とのかけあいもかなり笑える。

そういえば、昔『カタクリ家の幸福』(韓国映画『クワイエットファミリー』のリメイク、でもなぜかミュージカル)という映画で、忌野清志郎がクヒオ大佐をモデルにしたかのような怪しい白軍服のキャラを演じていたなあ。


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October 06, 2009

正義のゆくえ I.C.E.特別捜査

ウェイン・クラマー監督

ICE捜査官のマックスは不法移民たちを取り締まりながらも鬱屈を抱えていた。アメリカという移民の集まった国において、彼らを断ずることはできるのだろうか。
同僚の捜査官ハミードはイラン出身。一家でアメリカにやってきたものの、家庭に不和を抱えている。
オーストラリアからやってきたクレアは女優志望、グリーンカードの判定官コールと出会う。タズリマは幼い頃にバングラデシュから両親とともに入国。とあるレポートを提出したことでクラスの仲間からブーイングを買い……

一応、ハリソン・フォードが主人公ということになってるけど、群像劇。
幾人かのストーリーが絡まりあってます。

単純に、なにが正しくてなにが悪いかとは言えない物語。
それぞれの立場や考え方で、それぞれ生きてきた道があり、それぞれの選択があるということでしょう。
むごい部分もあるけれど、二時間たっぷり満足できる映画でした。

自分に誠実に向き合った人間の、いくたりかは報われていくのが救いかな。


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September 22, 2009

20世紀少年<最終章>ぼくらの旗

堤幸彦監督

西暦2017年、「ともだち」は遂に、人類滅亡の予言を出した。
物語は最後の結末をむかえる。はたして「ともだち」は誰だったのか?


どえらい金のかかった文化祭映画やなあ、という印象でした。

「過去語り」の形でストーリーを進めるのは一人二人にして欲しいですね。
この人どうなるの? という不安感がない映画はつまらないです。
……まあ、原作を知っているので、展開はわかるんだけど、映画単体としてのドキドキ感も削がれてる。
そのうえ色んな人が、「自分も参加したい!」とばかりに顔を出してるし。

やっぱり長編原作の映画化は難しい。
原作に合わせようとするとダイジェストになるし、添わせないと文句が出るし。

ともだちの正体に関しては、
顔を隠してるのをいいことに最初のともだちから次のともだちに取って代わったとか、
じゃあ結局小学校のときに○○が死んだという記憶はどこから出たんだ?とか、
ごちゃついてた原作を、映画という尺にあてはめるための変更(単純化?)だから、
まあいいのかなと思いました。

で、↑にも書いたけど、あまりに色んな人が出てるから、誰がどこにいたか確認したくてエンドロールのキャストを頑張って見てたんですよ。

でも、神木隆之介くんだけがどうしても、どこに出てたのかさっぱり思い出せない。
声変わりしてたよなあ、顔変わったかなあ、それなりの役は与えられる立場だと思うけど、いったいどこに……??

と、歌が流れてる間中、ずうーと記憶を探ってて、
これはもしや、と判明したのはラストのラスト、中学校の屋上のロングショットでした。
おかげで逆に、お面を外したときの衝撃がなかったですよ。
(たしか「Mr.Brain」でもガクトはどこにいたんだと記憶を探ってて、結局次回予告っていうのがあったなあ……)

ところで余談だけど、
神木くんは子役で活躍してたので、彼が長じた設定の大人役はバリエーション豊かなんですね。

「遠くの空に消えた」では柏原崇。
大河ドラマ「義経」ではタッキー。
TVドラマの「東京タワー」は大泉洋(……いつ天パになったんだろう)
そして「妖怪大戦争」では、本作における諸星、津田寛治でした(笑)


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September 07, 2009

空気人形

是枝裕和監督

東京下町の古いアパートで、ある男に囲われている空気人形。どういうわけだか、彼女は「心」を持ってしまう。持つはずのない、持ってはいけない心を。やがて外の世界に出た彼女が出会ったものとは……。

今年は南極がらみの映画が多いのかな?
……じゃなくて、……いえ、説明しないほうがいいですね。
人形が主人公です。

名演で監督挨拶付き先行上映会があったので観に行ってきました。(8月28日)

是枝監督の今までの作品とは雰囲気が違いました。
人間を人間たらしめているもの、人間が人間であると認識できるものってなんだろう、なんて思いましたよ。
「めんどくさい」というセリフがなんともせつない。

ま、哲学的な部分はおいとくとして。
ペ・ドゥナ可愛い。もう、めっちゃ可愛い。
動き始めたばっかの人形演技が最高。

公開は一ヵ月後。

以下は挨拶の覚書(ネタバレ注意)↓↓
続きを読む

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September 01, 2009

夏休みの宿題提出

知らない間に9月になってしまいました。

……いえ、嘘です。
月末は毎度ばたつくので、月が替わる時期はちゃんとわかってます。
わかってるんですけど、なんというか、あっという間です。

wowowから、この夏に観た映画をまとめて。


『JUNO/ジュノ』

余計なものを考えない純粋さ、かな。
あの時期だけの宝物かもしれない。
だけど一方で、余計なものを考えなくても生活していけるというのは幸せかも。


『純喫茶磯辺』

麻生久美子の役の子は、けっこう人に気を遣ってると思うけどなあ。やってることは無茶苦茶なんだけど。
「あなたは他人の気持ちがわからない」というのは、「自分の思う通りに動いてくれない」ってことなのかもしれない。
 
『TOKYO!』

短編(中編)三作。
面白かったのは、最後の蒼井優と香川照之の。
ポン・ジュノ監督は日本で始めて地震にあい、その体験からこの映画が生まれたとか。


『おくりびと』

峰岸徹と山田辰夫が映っただけで泣けました。
でもストーリーに予想以上のものがなにもない。それでこんなにウケてるなんて、凄い。


『グーグーだって猫である』

そういえば大島弓子の漫画を殆ど読んだことがないことに気づきました。
小泉今日子演じる「先生」は、とてもキュートだった。


『ブレス』

韓国の刑務所、あんなにいいかげんで大丈夫なの? と感じたけど、そんなものはテーマの前にはちっちゃいことなんだろうな。
……でもそのテーマが、わたしには理解不能だった。


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August 30, 2009

南極料理人

沖田修一監督

南極の内陸部に建てられたドームふじ基地。そこではわずか8名の隊員が、一年半もの観測のために勤務していた。海保に勤務する西村は、運命のイタズラで調理担当として赴任。彼らの胃袋を預かることになる。
二度の南極越冬経験のある西村淳氏のエッセイをもとにしたコメディ(コメディ……なんだろうなあ)。

最近、グルメ映画が流行ってる。
話の展開温度が低めで、生活と食べ物を丁寧に描き、「なんかほっとするー」と感じさせる話が。
『かもめ食堂』、好きなんだけど、
でもパターン化すると飽きちゃいそうな気もする。
このあとも『プール』とか『食堂かたつむり』とか、いかにもなものが待ってる模様。

この映画もソレ系のひとつと言えるかもしれないけど、
「可愛い動物はいません。いるのはおじさん8人です」(寒すぎてペンギンも白熊もウィルスもいないそうだ)と作中で出演者に言わしめしたように、男ばっかりのグルメもの。
いや、グルメものと言っていいのか、むしろ合宿物語というべきなのか。
どこか椎名誠の探険隊エッセイにも似て、
その「男ばっかり特殊世界」の、脂っぽくてだらけた感じが面白かった。

地球の将来を担うほどの仕事を任された大人の(20代?から50代まで)人たちなのだけど、
当初から子供臭さがあった彼ら、時間が経つにつれて一層子供になっていく。
原作にも書かれてたけど、東大・京大を初めとした頭のいい人たちの集団。
天才と変人の距離が近いからそうなったのか、
それとも男子校のノリで若返っているのか。
いや、男子ってもともとそういうものなのか。

映画ということで、キャラクターを濃くしてるのかもしれないけど、
8人が個性的で身勝手で、わがままっぷりがとても可笑しい。
彼らの母親みたいに、柔らかな平常心をモットーとしているように見える堺雅人演じる西村も、
その「平常」を表情に保ちながらも、たびたび静かに「ムカっ」としている。
見なかったことにしよう、とそっと扉を閉めていたのが、最後には向ってくる人間をけり倒して進んだりもする。

穏やかな顔をしてるけど、海保の巡視船隊員だもんなあ、肉体派だよな、と思ってたところ、
原作を読んでみたら、かなり豪傑なおじさんだった。納得。

女性の立場から言わせて貰えば、
冒頭のシーン、
天ぷらの後におひたしを作るなんてダメじゃん(天ぷらは揚げたてじゃなきゃ! 料理は冷めてもいいものから作るのが基本)と
その後の展開が不安になったけど、
だんだんどうでもよくなってきた。
そんな細かいことを気にしないのが男の料理なのだろうな、きっと。


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August 15, 2009

MW −ムウー

岩本仁志監督

16年前、“沖之真船島”で島民全員が一夜で虐殺された。生き残ったのは、少年が2人だけ。長じた彼らは別の道を歩むことになる。ひとりは、神父として。そしてひとりは、冷酷な殺人者として。やがて彼らは運命に導かれ、ひとつの名前にたどり着く。16年前の悪夢、その名は、『MW(ムウ)』

原作未読で映画を観て、やっと先日、手塚治虫の原作(1976年〜78年ビッグコミック連載)を読みました。
漫画喫茶ですがね(笑)
三巻しかないから、一時間で楽勝かと思ったら、さすが33年前の漫画だ。セリフが多くて死んだわ。……ヤワになったなあ、自分。

さて、原作を読まずに観た感想としては、
「つっこみどころはあるけれど、適度にエキサイトする、アクション映画」
「もっとも、どこかで観たアクションを積み重ねた感じ。そこが邦画アクションらしいともいえるけど」
「山田孝之は厚みがたりないかも。玉木宏は魅力的な悪役っぷり」
「ラスト、もったいつける意味があるのかなあ。ラスボスを殺さずにどうするんだ」

でした。

しかし自分、あまり余計な情報を入れずに観るほうなので、

どうやら、二人は同性愛者らしい
どうやら山田くんの役は、もっと年上だったらしい
どうやら原作ファンはがっかりしているらしい

ということを後で知りました。

……え。どこに同性愛が??
たしかに同世代ではなく、諌める役割の年上か、護って貰った負い目のある年下のほうが、ええと思うよ
つか、原作ってそんなに凄い作品なの?

と思い、
「面白いが取り立てて凄くもない。ごく普通」という程度の映画だったので、原作を読んでみようと思いました。

で、感じたのは。

たしかに枝葉落として幹だけにして、
しかしベニヤ板に加工されたらこういう映画になるわね、でした。
ラスト、実は○○でしたってとこだけ原作を踏襲してるのかな。(まったくの逆効果だけど)

当時、タブーとされていることをことごとく盛り込んでみました、という巻末のコメント
(読んだのは流通してる文庫サイズじゃなく、講談社の手塚治虫漫画全集です)
などを見ると、
多分、描かれた当時はショッキングだったんだろうなあ。

でも、今読んで、そんなに「トンデモナイ」と思えなくなってしまったのは、
時代のせいなのか、この世の中の色んな害毒に侵されてしまった自分のせいなのか。
(あ、手塚治虫がこんな問題作を……的なビックリはもともとないですが。なにしろ、最初に手塚作品にふれたのは小学校のとき『火の鳥』で、何編だったかは忘れたけど、ホテイアオイが怖かった。その次が『BJ』なんで、手塚=社会派という印象)


けど、原作の持つ衝撃度というのは、
きっとそのままの形で映画にしても「今の時代」には伝わらないと思うよ。
本映画の形がいいとは思えないけれど、でも原作に光を当てることだけはできたんじゃないかな。

作品の持つ力を伝えるには、映画化する時期を逸したような気がする、というのを結論とさせていただきます。


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July 29, 2009

ターミネーター4

マックG監督

2018年。“審判の日”から10年が過ぎ、スカイネット率いる機械軍と生き延びた人間は戦いを繰り広げていた。ジョン・コナーは抵抗軍のなかで活躍しているが、彼と、将来の父親であるカイル少年をスカイネットは最優先抹殺者として追っていた。一方、かつて死刑を執行されたはずのマーカス・ライトは眠りから醒め、未来の様子に驚愕していた。

これぞ大画面で観る映画! という映画でしたね。
思いのほか、面白かったです。

冒頭でスカイネット基地を叩くシーン。かっこいいことといったらない。

パート1につながるあれこれとか、マーカスがどういう役割を果たすのかとか、
上手に処理してあるし。

今後、パート5、6と続くようす。
まるでニュータイプのようにカンのいい(笑)少女や、母親のおなかの中にいるらしきジョン・コナー2世(?)なんかも絡んでくるのかな?

ターミネーターの傑作品は「T2」だと思ってるけど、
でも単純に続きが楽しみたい。

どうして捕らえたカイルをなかなか殺さないのかとか、抵抗軍のメカ類がスカイネットに乗っ取られない理由がわからんとか、いっそコンピュータウィルスを流してはどうかとか、
突っ込みたいことはあれこれあるけど、ひとつを除いて、まあどうでもいい。

そのひとつというのは……↓↓
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July 03, 2009

ディア・ドクター

西川美和監督

寒村に研修医としてやってきた若き医師、相馬。そこは長く無医村だったが、数年前に伊野という中年医師が着任していた。へき地ならではの大変さもあるが、伊野を神様のように尊敬する暖かい村人とそれを驕らず献身的に尽くす伊野の姿に、共感を抱き、自分もそのようになりたいとさえ思う。そんななか、伊野がひとりの老婦人の診断を迫られたことによって、物語が動いていく……。

映画内容についての情報は、なるべく入れたくないほう。

だけどこの映画、予告編だけで伊野が何者であるかバレバレじゃないですか。

わざとバラしておいて、考えるのが苦手な客をも取り込みたいと思ったのか、
いやそれとも、Aとみせかけて正体はB、……の後に再びどんでんがえし、と裏があるのか、
まさか単純に編集に失敗したのか。

とりあえず、少しでも早く観るしかないと、土日は用があったので、月曜は会社帰りの雨の中に行ってきたわけで。

なるほど主題は、彼の正体にはないわけね。(以下ネタバレ)↓↓
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July 02, 2009

ウルトラミラクルラブストーリー

横浜聡子監督

陽人は他の人とはちょっと違う思考経路の持ち主。青森の祖母の家近くに住み、農業をしている。一方、保育士の町子は死んだ元カレのことを占い師に相談するためもあって青森にやってきた。町子にひとめ惚れした陽人は、猛アタックを繰り返すが、度が過ぎていて町子には困ることばかり。そんなとき、あるハプニングがあって陽人に変化が……。

純粋といえば純粋な青年の恋物語なんだけど、
…………なんだろうこの話。

なにかの記事だったかで、「映画を頭でこねくりまわして考えるタイプの人にはわからない」みたいな話を読んだので、
ああ、わたしにはわからないのかも、とは思っていたけど、
本当にわからない。

純愛ドタバタ部分は、ちょっとシュールで可笑しくはあったのだけど、
ラストの意図はいったい??
どんなタイプの人にならわかるのか、聞いてみたい。


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July 01, 2009

ガマの油

役所広司監督

デイトレーダーの拓郎は、幾億をもの金を動かす男。慈愛に満ちた妻と、真面目な息子に恵まれ、自由奔放きままで豪快な日々を生きている。そんなある日、友人を迎えに行った息子が突然の交通事故に遭ってしまう。眠り続ける息子にかかってきた恋人からの電話に、つい息子のふりをしてしまい……。

若いうちに役者から転向した監督はけっこういるけど、
50くらいまでずーっと役者として生きてきた人間が監督をしてみる、というのはどういう気分なのかな。
色んな才能ある監督と組むうちに、刺激を受けたということだろうか。
原案も役所広司だそうだから、オリジナルみたいだけど。

ともあれ。
そんな情熱がほとばしったパワーのある話。
でもどこかすべってる。
気持ちが先に行き過ぎて、伝えたい(だろう)部分が伝わらなかったり、思ったより当たり前の結論になったりしてる。

親子三人の暮らしに突然の悲劇が襲い、しかしそれを乗り越えようとする……というあらすじだけ書くと、ありがちなんだけど、
そこに主人公拓郎の、子供の頃の記憶とも夢ともわからないものが混じり、
拓郎と妻、拓郎と息子の友人・恋人との会話は、すっかりコメディ。

だから観ていて面白かったし、ファンタジーと現実が混じっているところも痛いとは思わなかった。
それでもやっぱりファンタジー部分は浮いてるし、
特にラストの仏壇のシーンはどこかの宗教か仏壇屋のCMか?(「お仏壇のH」が仏具を提供してるようだけど)という気分で、
みんなでキャンピングカー生活になってるのも唐突だし、
ご先祖様を大切に……とか言われてもねえ。

と、話の流れは後半しぼんでいくのだけど、
でも演出というかシーンシーンの描き方は面白く、
特に息子の恋人「光」が、素人くさいけど生き生きとしていて、
電話のやりとりも、彼女のおばあちゃんとの裏に見え隠れする物語もよかったですよ。


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June 06, 2009

インスタント沼

三木聡監督

沈丁花ハナメ(麻生久美子)は不運続きの毎日で、遂には担当していた雑誌まで廃刊に追い込まれてしまう。子供の頃に招き猫を沼に捨てたことで運も捨ててしまったと思い救出しようとするハナメだが、既に干上がった沼ではどうしようもない。そんなとき、母(松坂慶子)の手紙から自分の出生の秘密を知り、実の父親(風間杜夫)を見つけだすものの、あまりのダメっぷりにますます凹むハナメだが……。

今回はアタリのほうの三木聡でした。

しおしおミロがああいう風に化けるとは、思いもよりませんでしたよ。
くだらなーいコネタも満載で、いつもの俳優さんたちも出てて、学芸会みたい。
ハナメ役も、『時効警察』の三日月さんが職業を変えてやってきたかのよう。

舞台がどこかはわからなかったけど、もしや蒲田だったりするのでしょうか?(笑)
出て行ったお父さんは平田満だったりするのでしょうか?
(……わかりづらいコネタですみません)

人生がけっぷちだというハナメだけど、けっこう根アカで立ち直りも早くて、とっても可愛い。

可愛いといえば、お母さん役の松坂慶子も可愛くて(某篤姫よりさらに貫禄を増してたように感じるけど)
ふたりが揃っているとそれだけで微笑ましい。

キッチンでのシーンなど、
他より画面が明るく思えたから、微笑ましく見えるように照明とか工夫してるのかも。


きゃほー! と叫んで踊っている彼女をみていると、
明るく生きた方が勝ちだな、と思ってしまう。
とことん楽しい映画でした。


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June 05, 2009

天使と悪魔

ロン・ハワード監督

教皇が逝去し、ヴァチカンでは新教皇を選出するべくコンクラーベが行なわれようとしていたその少し前、スイスは欧州原子核研究機構で反物質が奪い去られる事件が発生した。そして、ハーバードで宗教象徴学を教えるラングドン教授の元に、ヴァチカンからの緊急協力要請がなされた。かつてヴァチカンと対立し、迫害もしていた秘密結社「イルミナティ」からの意匠が届いたと……!

上映時間じゅう、楽しめる映画。
……ということなら、かなり高評価。

タイムリミット物語というのは、それだけで人を惹きつける力がある。
謎は畳み掛けるように次々と出てくるけど、
でも割と単純で、誰もがスッと理解できて、考え込む余地もいらず、
つまりは、物語が動くスピードを邪魔しない。
大団円を迎えたかと思わせて、その後に「実は」の展開もあり、物語の長さを感じさせない。
枢機卿の誘拐に新教皇の誕生に反物質爆発という、話のスケールも興味深く、大きい。

話の構成、要素は、盛り沢山で美しい。

だから面白かった。楽しめた。


…………面白くはあった。けど、なんというか。


よく考えると、そこまで仕掛ける必要あるのか? という犯人の犯行計画に、納得いかないものを感じるんだよねえ。……いいがかり?

というわけで、以下は、ネタバレ注意↓↓
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June 03, 2009

重力ピエロ

森淳一監督

遺伝子研究に携わる、大学院生の泉水。落書き消しの仕事をするフリーターの春。仲の良い兄弟である二人、優しい両親。しかしその家族には、ある秘密があった。
連続放火事件、24年前のとある犯罪、母の事故、すべてのパーツが絡まりあって……。

伊坂幸太郎はよく読む作家さんなんだけど、この話は自分の中での評価はそれほどでもなく。
初期の作品で一番好きなのは、なんといっても『ラッシュライフ』
新宿のバルト9でやるみたいだけど、地方にも来て欲しいな。

おっと、『重力ピエロ』の話でした。
そうそう、当時の感想メモを探したところ、展開がのんびりしすぎてるという印象だったようです。
ミステリの仕掛けとしては、かなり早い段階でわかっちゃったからね。
内容は悪くないのだけど、ミステリとして読んだのがまずかったのかも。(いやいや、これ、ミステリだよね)


で、映画だ。

主人公が兄なのも、彼の視点が中心なのも同じなのだけど、
映像が加わったせいもあって「家族の構図」みたいなものが鮮明になってきて、
家族ドラマ人間ドラマに重点が置かれてて、飽きませんでした。
風景と物語もマッチしてて、とても丁寧。

キャストもそれぞれの雰囲気にぴったりだと感じましたね。
ダサ理系院生というイメージを体現している加瀬亮、爽やかだけど内側の見えない岡田将生、謎のストーカー吉高由里子。
悪役を追わせるに相応しい渡部篤郎。彼の演技があるからこそ、後半の展開に説得力があるわけで。

それにしても、小日向さんのかつら姿が出るたびに笑えてきたなあ。
いくら若い頃という設定にしても、多すぎませんかね、髪。


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June 01, 2009

BLOOD

下山天監督

左遷の憂き目にあった刑事星野は、時効寸前のメイド殺人事件を追っていた。鍵を握るのは、被害者の雇い主の美女、美夜子ロジュンベルク。はたして現住所の洋館に訪ねていくと、美夜子は15年前の調書の写真と変わっていなかった。美夜子のアドバイスに従い、右京という男に会いに行った星野だが、そこで、少女の生血をすする右京を目撃して……。

津田寛治と要潤が目当てで観に行ったのですが、
メインは杉本彩だったみたいで。
無駄にエロでした。

……いや無駄じゃないのか(笑)
ターゲットはむしろそっちか。
だけどエロを目的で観にいくなら、さほどでもないようにも思うんですが。

話はケレンだけを集めたよう。
適度にまとまっているけど、目新しさはないです。

そのため、中途半端な印象を受けましたね。

津田寛治はどんな役でもやる俳優さんだけど、
要潤もなんでもやる人だなあ、と、改めて感心しました。
『亀泳』でハゲになったり、『キミハン』でアホな刑事になったり、
そういえば『吹ジャガー』もやってたんだっけ。
尊敬するし、そういうところに好感を持ってるんだけど、
そろそろ等身大の役にも戻らないとイロモノになっちゃいませんか?



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May 24, 2009

鈍獣

細野ひで晃監督

小説家・凸川の行方不明を受け、その町にやってきた美人の担当編集者。その町のホストクラブ「スーパーヘビー」には、凸川の同級生が集っていた。ナンバーワンホスト(※ただし一人しかいない)の江田に警察官の岡本、江田の愛人の順子ママ、ロリータファッションのノラ。彼らはどうも怪しげだ。それもそのはず、彼らは25年前の秘密を小説のネタにされたことにより、凸川を殺そうとしていたのだった……。


クドカンワールドはくだらなくて好きなんだけど、
テンポが遅いのか、あまりキレがないですね。

もとは舞台劇で、宮藤官九郎本人が映画用に脚本を作り直したそう。

相撲ばかりの田舎町
ホストがひとりしかいないホストクラブに集う町人
殺されても殺されてもやってくる男
そこから浮かび上がってくる、人間は鈍い獣であるという主題

舞台を観ていないので、イメージだけだけど、
このホストクラブに人が集い、男が来て、殺されて、しかしまた男が来て……
という繰り返しとドタバタの不条理劇を、
ライブで見るなら面白いのだろうなーと思う。

なんといっても勢いがあるだろうし、
同じ行動が何度も続くと、「また来るぞ、また来るぞ」と、観客としては麻薬的な期待しちゃうし。

ただそれが、どうしてだかこの映画ではテンポの悪さを感じてしまう。

凸川を探しに来る編集者が、一人ずつに、なにが起こったのかを聞いていくのだけど、
殺しても死なない男を探しているのだとわかったところで、ラストがなんとなく見えてくる。
見えているゴールに向うなら、もっとスピードをあげてくれないと飽きるよ。

でも役者陣はキレ味よかった。
わたしは「こっち」の北村一輝が好きなのだと、つくづく思いましたね。
某国営大河のほうは、”……似合わない”、と思って以来、まともに見ていないし。

ユースケ・サンタマリアには、”え? 宮崎あおいに続いて真木よう子まで?? なにこの役!”と、
まるでおじさんのような感想を持ってしまったわたし……(反省)
そういえば『少年メリケンサック』もクドカンでしたね。


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May 22, 2009

おと な  り

熊澤尚人監督

カメラマンの聡は風景写真を撮りたいと願っているが、モデルである高校時代の友人シンゴの写真でブレイクしたこともあってモデル撮影の仕事ばかりだ。一方、花屋で働く七緒はフラワーデザイナーの勉強のためにフランスへの留学を控えている。2人はアパートの「お隣り」同士だが互いの顔は知らない。しかし壁越しに聞こえてくる生活の音が、互いに互いの癒しとなっていた。そんな二人の生活に漣が立つ。きっかけはシンゴの恋人の茜と、七緒がよく行くコンビニの店員だった……。


気持ちの揺れ動きには感動したけど、話の展開には苦笑……というとこかな。

都会でひとり暮らしをしていて、
夢を持っていて、
多少は夢に手が届きかけているけれど、思い通りにはいかず、道は半ばでもがく毎日。
年齢的にもぎりぎりのような気がしている。
彼氏彼女はいない。積極的に求めているわけじゃないけど、気持ちの支えは欲しい。

そんな気持ちは、誰にだってある。
今現在がそうでなくても、過去に、未来に。また、想像もできる。


隣の部屋から聞こえる「音」。
誰かが生活している音を通して、自分も生きていることを実感する。

いい設定だと思ったし、
柔らかな印象の、気持ちのいい話だし、
壁を通して「歌う」シーンは、それぞれの気持ちや労りが伝わってきて、つい泣けてしまった。

岡田准一、麻生久美子という両主役は文句なく上手いし、
まさに等身大の描き方だし、
脇役も実力のある人を揃えてる。
スクリーンの向うで誰もが「生きている」ことが、ちゃんとわかる。


それだけに、「実は……だった」という展開には、
それでいいのかなあ? と、ちょっと気が削がれる感がありましたね。

……いや、ちゃんと伏線は張られてたけど。
……驚きの展開といえば、驚きの展開だけどさあ。

そんなウルトラCがなくても、なんか音がらみで出会わせようよ。
「音鳴り」というのが、この映画の最大の売りなのに。
そういうのが物語を見る醍醐味だろうに。

そういえば、同じ監督の『虹の女神』を観た時も、同じような感想を持ったなあ
あの時は、映像で語るべきとこを手紙で語っていて、
どうして折角の設定を活かさないのだ? と思ったんだっけ。

いい話だけに勿体ない。

……って思ったんだけど、
もしかしたらこれも、
「実は……だった」人と恋に落ちたい、というのがアラサーの大半の希望で、
自分にも同じことが訪れるかもしれないという期待が持てるじゃないかと、
身近な物語を狙ってのことなのかしらん?


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May 12, 2009

GW映画まとめ感想

単独記事にしたのもあるけど、その他のものはまとめて。

『魔法にかけられて』

シュレックみたいに、設定を変えた別の形のおとぎ話か、もしくは「本当は怖いなんとか童話」みたいな裏読みさせる話かと思ってましたが、こうきたか。
なるほど面白い。
しかしあの家の食器は使いたくないよ。


『アース』

どうやって撮ったのだという映像にくらくら。水族館に行きたくなった。
各生物のパートが少ないのは、ダイジェストになってるから仕方がないか。
不満ならそれぞれの生物について自分で調べればいいのだ。


『レッドクリフ Part1』

WOWOWで見たのだけど、同じ人間の名前紹介が何度も出て不思議な感じが。
俳優の顔が混乱するからありがたくはあったけど……。
良くも悪くも丁寧。これならパート2もビデオにする。


『KIDS』

盛り上げるための演出が逆効果になってしまったのか、
ただの「超能力系いい話」になっていました。


『西の魔女が死んだ』

ゆったりとした時間と美しい風景、伝えていくもの。
しみじみとしたいい映画だとは思う。ただ自分的にはWOWOWで十分だった。


『帰郷 ボルベール』

キラキラ色の画面が眩しい。
女性の強さも眩しい。


『赤い文化住宅の初子』

文化住宅って東西で違うという話も聞いたことがあるのだけど、普通に古いアパートに見えましたが。
近所にある「○○住宅」という名称の家は、長屋みたいな風貌で階段は内側にあり屋根も瓦(割れて壊れかけてる)です。
妄想入るところなどは面白い。


『天然コケッコー』

これも雰囲気ばつぐん。
でも、転校生の男の子の心境がわからないです。


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May 07, 2009

クライマーズ・ハイ

原田眞人監督

1985年8月12日。群馬の北関東新聞の記者・悠木は、翌朝、販売部の友人安西とともに、谷川岳の衝立岩に登るべく帰社するところだった。ところが突然の一報。日航123便が消えたというのだ。どうやら、群馬と長野の県境に墜落したらしい。

どこにポイントがあるのか、全然わからない話になってる。

人物関係を語ることなく現場の「雰囲気」だけを絵にしてるからか、感情が伝わらない。
たしか撮影当時の宣伝で、編集部内の絵を撮るのに、脇役もすべて演技をさせて引きで撮っていて、大変時間がかかった(だから凄い)というような話が出ていたけど、
そこにいくら力を投入しようと、他の演出がダメならどうしょうもないと思うよ。

主人公は誰なんだろう。
悠木(堤真一)より佐山(堺雅人)の方がよほど「男気良く」描けているんだけど。

山に行きそびれて大事故起きてるのに、安西に連絡取りたがってるようにしか見えない最初のほう。
佐山に締め切りが過ぎていることを伝えそこなったシーンも軽く流して。
家に帰って寝るなとは言わないけど、家族が出ていったという設定にしてるなら、あんなでかい事故の最中に戻らなくてもいいんじゃない?と感じてしまう。

もちろん、スクープを落としてしまうわけだし、家庭でも疎まれる父親だし、カッコよくある必要はないんだけど、
仕事や上司部下の軋轢の中で「苦悩」しているようすを描きこんで欲しい。
描いてるつもりだとは思うのだけど、過去の失敗がエピソードから抜かされていて、また上記のような「え?」なシーンがあるせいで、ちゃんと伝わってこないのよ。

悠木の家庭パートも説明不足。
息子とのあれこれ、安西の遺児とのあれこれ、バックボーンを語らぬまま山登りされても伝わらない。アンザイレンってなになのか山登りしない人にはわからないはず。
(ちなみに大辞泉:登山者が岩壁などを登る際に、安全のために互いにザイルで身体を結び合うこと)
しかもラストがニュージーランドって! 爆笑したよ。

原作も読んでるし、NHKのドラマ(主役は佐藤浩市)も観てるけど、映像でみるならNHKのほうが面白いですよ。
二夜分だったから描きこめたのかなと、試しにDVDをアマゾンで検索したら150分となってました。本放送で観たけど、そんなだったかな。
で、映画版は145分。
5分しかかわらないよ?? どれだけ薄い映画だったんだ……。


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May 06, 2009

グラン・トリノ

クリント・イーストウッド監督

妻に先立たれたガンコ爺さんの愛しているものは、グラン・トリノ(フォード車)と古き良きアメリカ。
朝鮮戦争の帰還兵で、フォードの自動車工として長年勤め上げ、しかし周囲の住宅街は彼の嫌いなアジア系移民ばかりになってしまった。
そんな彼が、とある事件で知り合った隣人一家と、そこに暮らす気弱な少年タオとかかわりを持っていく……。

男の子に道を示すことこそが、父親の仕事なのだろうか。

貞淑なカトリック信徒の妻と家庭を持ち、芝生のある一軒家に住まい、二人の息子を育て上げたという、理想の「形」を生きてきたことを自負するものの、
しかしその息子は自身の妻と子供の言いなりで、ライバルたる日本車のセールスマン。

息子にどう接していいかわからなかったと言いながら、タオに「男の生き様」を見せていく。

衝撃のラストというほど衝撃でもなく、むしろ日本人には納得のいく選択だったようにも感じる。
もっとも、武器には武器を!と、力で相手をねじ伏せてきたアメリカ(ひいては物語が始まったばかりのウォルト老人)にとっては、
こういう選択をするのか、という驚きはあるのだろう。

そのラストに向う道も、定型だけに丁寧に描かれていて、ゆっくりと変化が心にしみてくる。

エンドロールのグラン・トリノの歌もいいなあ。
クリント・イーストウッド本人と、『硫黄島からの手紙』の音楽も担当した子息カイル・イーストウッドの合作とのこと。


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May 04, 2009

銀河ヒッチハイク・ガイド

ddbda909.jpgガース・ジェニングス監督

その日、地球はあっけなく消滅してしまった。なぜか地球最後の生存者になったアーサーは、親友フォードに助けられて宇宙の旅へ。実はフォードは異星人で、銀河系で最も売れた本『『銀河ヒッチハイク・ガイド』の調査員だったのだ。ちなみにフォードという名は車の名前から。彼は、車が地球という星の支配者だと思って挨拶しようとし、轢かれそうになったらしい……。
原作はラジオドラマの脚本で小説版にもなっているダグラス・アダムスの同名SFパロディ。かのモンティ・パイソンの製作にも参加した人物。

『アース』の後で観たものだから、余計に笑えたよ。
イルカがジャンプを決めて見せるのは、地球滅亡の危機を人類に教える行為だとは……!

「さよなら、さよなら、いままでお魚ありがとう」という
あの歌が耳について離れない。
しかも地球滅亡の理由が、○○○○工事とは!

ユーモアと毒のある話で、コネタ満載で、実にくだらなくて、でも私は好き。
うつ状態のロボット(というか人型コンピュータ?)・マーヴィン(声優はアラン・リックマン)が銃をうつシーンにも爆笑。
写真の丸い人(人じゃないが)ですが、
このサイトの花粉予想のボールンロボの「多い」の顔に似てない?
そりゃあ暗くもなります。

一般受けはしないと思うけど、変な映画が好きな人にはおススメ。


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May 02, 2009

バーン・アフター・リーディング

イーサン&ジョエル・コーエン監督

飲酒問題でCIAを辞めさせられたオズボーン(マルコヴィッチ)。その妻ケイティ(ティルダ・スウィントン)は保安官のエロオヤジ・ハリー(ジョジクル)と浮気中で、離婚を決意しオズボーンのPCデータをCD-ROMにコピー。ところがそのCD‐ROMがジムで働く音楽中毒・チャド(ブラピ)の手に渡り、全身整形をもくろむ同僚・リンダ(フランシス・マクドーマンド)とともに金をせしめようと計画する。

人生とはほんのちょっとしたきっかけで、こうも悪いほうに動くものか……

何度も語られるコーエン兄弟の「どんどん転がる負の連鎖」物語でした。
『ファーゴ』や『バーバー』と違うのは、妙な能天気さでしょうか。
しかし内容たるや真っ黒で、
錚々たる登場人物の中で、地に足をつけてる人間が誰もいないというのが、かなり怖い。

とある事情でハリーがパニックに陥り、浮気男のくせに妻のサンディに泣きつくのだけど、
これは彼女こそが「地に足をつけているもの」であり、「悪夢から覚ましてくれる人間」だと思っていたからでしょうね。
わたしもそう思っていたよ。
それがまあ、ああいう有様。

そう見せかけた設定や話の持って行き方には感服するけど、
欲望のままに生きる現代には、マージ(『ファーゴ』でマクドーマンドが演じた女性署長)はいないのだなあ。
「人生にはもっと価値がある」とは、もう誰も言わないのか。

なにせ国家機関(CIA)からして「複雑なことがわからない思考停止状態で、何でも金で解決する」時代だもんねえ(笑)


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April 26, 2009

鴨川ホルモー

本木克英監督

我こそは京大生なり!と達成感に満ちていた四月が過ぎ、葵祭りのころにはすっかり気の抜けた安倍(二浪)。ごく普通のサークル、と繰り返す上級生の菅原に誘われ、友人の高村(帰国子女枠)とともに“京大青竜会”の新歓コンパに顔を出す。世にも美しき鼻をもつ早良(一浪)に惚れた安倍は、思わず青竜会に入部。そこには双子兄弟や、眼鏡女子の凡ちゃん、現役合格をひけらかす芦屋などがいて、風変わりながらもレジャー系サークルの粋内。しかし祇園祭宵山の四条烏丸交差点で明かされた真実は、仰天極まるものであった。

素敵に正しく阿呆な大学生活だ。
新歓コンパでタダ酒かっくらって怪しいサークルから抜けられず、
勝負がついてる三角関係に本人だけ気づかず、
他人にはまったく見えないもののために懸命の努力をし、
狂喜乱舞の発展形は裸になることで、
死闘をくりひろげつつも友情を育む。

オニがいようがいまいが、大学生がやることはかわらない。

今の大学生もああなのかしらん?と少々疑問もあるけど、
それでも基本的な部分は同じなのかも。

でもこの物語世界にはオニ……もとい、式神がいるらしい。
京の町を守るために、東西南北に位置する大学がホルモーなる対抗戦を繰り返しているらしい。
式神を操るには「言葉」と「ポーズ」が必要で、
会得するまで一年近くを要するらしい。
代替わりは二年に一度で、主人公が誘われたのは、第500代め。
つまりは千年の歴史があるわけで、
さすがは京都と言うしかない。

その京都の四季折々の風景、観光案内も散りばめられていて、
見所がある……というか観光案内を狙っているような気もするけど。
でも京都の各所や立命大他の協力もあるようだし、
なにより本物の吉田寮(京大)でも撮影されたそうで、ここは紛れもなく現在なので凄くも怖い。

無駄に筋肉がついてる(別映画のせい?)山田孝之も、不摂生で肉がついた感じに見えて良く、
濱田岳のピンクのシャンプーハットは最高で(ちょんまげは原作で知ってるしなー、と高をくくっていたからインパクト大)、
栗山千明は見事に大木凡人でした。鶏肉に喰らいついている顔がキュートです。


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