近藤大介

2018年08月06日

#未来の中国年表 超高齢大国でこれから起こること

本書の著者はジャーナリストで「週刊現代」編集次長の近藤大介氏で、本書は講談社より本年7月に発行されたばかりの新刊(講談社現代新書)だ。

 

近藤氏は、講談社入社後、中国、朝鮮半島を中心とする東アジア取材をライフワークとし、現在は明治大学講師(東アジア論)も兼任されているそうだ。

 

本書は「人口」という観点から中国の未来予測をしたもので、データを示しながら現在(2018年)から中国建国100周年を祝う2049年頃まで以下の様に年表形式(目次)で未来予想をしている。

 

·     2018年:中国でも「人口減少時代」が始まった

·     2019年:首都・北京の人口もごっそり減る

·     2020年:適齢期の男性3000万人が「結婚難民」と化す

·     2021年:中国共産党100周年で「貧困ゼロ」に

·     2022年:大卒が年間900万人を超え「大失業時代」到来

·     2023年:世界一の経済大国となり中間層4億人が「爆消費」

·     2024年:年間1200万人離婚時代がやってくる

·     2025年:「中国製造2025」は労働力減少を補えるか

·     2035年:総人口が減少しインドの脅威にさらされる

·     2049年:建国100周年を祝うのは5億人の老人

 

近藤氏は、中国への留学や駐在経験もあり、帰国後も定期的に中国に出かけ現場を回られているジャーナリストだけに、生きた情報が本書には満載されている。

 

同僚の青木肇「現代新書」編集長から、本書の執筆を依頼された際に次のように言われたそうだ。

 

「中国の政治や軍事はブラックボックスも同然で、経済指標もなかなか信用できませんよね。でも『人口』という観点からみると、かなり正確な分析や予測ができるのではと思うんです。つまり、『人口はウソをつかない』ということです」

 

チャイナ・ウォッチャーには必読の書で、是非お勧めしたい本だ。



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