鳴り物入りで日本に上陸した「不倫専門SNS」、「アシュレイ・マディソン」。「ダイヤモンド・オンライン」を始めとする数々のメディアで取り上げられたのでご存知の方も多いだろう。だが、実際の使用感はどんな感じなのだろうか。自分の取材範囲で知りうる限りレビューしてみたいと思う。
なお、本記事では、「不倫の是非」や「サイトとしての訴訟リスク」といった話題については一切触れない。

  • アシュレイ・マディソンの立ち位置


本論に入る前に、そもそも世間で言われている「出会い系サイト」とはどんなサイト群の事を指すのだろうか。「出会い系サイト」は大きく分けて2つに分けられる。


ケータイ型:主にケータイでのアクセスを主体にしたサイト。従量課金制。繁華街にギャル系のモデルを起用して巨大な看板を出して広告していたり、エロ本やオヤジ雑誌に広告を出稿しているのが特徴。代表例:ワクワクメール、YYCなど
PC型:PCでのアクセスをメインにしたサイト。月額定額制。看板などでの告知は少なめだが、ネットではバナー広告などが多い。また、多くはMSNやyahoo!などのポータルサイトと提携していて、「ポータルサイト上の一サービス」として誘導されるのが多いのが特徴。代表例:マッチドットコム、エキサイト恋愛結婚など


最近はomiaiに代表されるfacebookアプリ系のような区別が難しいものもあるが、基本はこの形式に則っているといっていい。ケータイ型とPC型では利用している人の質やサービス形態、もっといえば運営業者が利益を上げている仕組みまでもが全く違っている。では、「アシュレイ・マディソン」はどのサイトに分類されるかというと、両者のいいとこどりをしているような形式である。男性は登録無料の時点ではゲスト会員であり、利用機能が制限されている。一方で課金してフル会員になると、利用ごとに「クレジット」がかかるという従量課金制になる(1クレジットがいくらかは不明)。これはPC型とケータイ型両方の課金システムの特徴を組み合わせた感じである。一方、PCとスマホ両方でアクセス可能で、かつダイヤモンドオンラインやZAKZAK、週プレNEWSといった「オヤジメディア」を中心に続々取り上げられ話題性も十分。日本上陸に向けてそれなりに準備を進めていたことがうかがえる。

  • セキュリティ意識皆無の会員登録制度


では、肝心のアシュレイ・マディソンのサイトはどんな感じなのだろうか。サイトの第一印象は、いわゆる良くある海外製のサイトを無理矢理翻訳したような形式で、婚活業界で言えば「マッチ・ドットコム」のようなややもっさりしたデザインである。「エキサイト恋愛結婚」や「YYC」などに比べると見た目という部分ではかなり見劣りする。一応、スマホアプリ版・PC版の両方が使えるが、スマホアプリ版はしょっちゅう落ちたりするのであまり使い勝手はよくない。
で、どんな人が登録しているのかというと、プロフィールの項目が「私がすごく興奮すること」とか「デートの好み」とかそんなのばかりなので良くわからない。年齢層はやや高めである。全体的に女性よりも男性の方がさらに高い印象。
そして、このサイトの最大の欠点、それは、女性が登録費無料どころか、本人確認すら全くされていないところ。これは凄いことである。日本の出会い系サイトは本人確認書類の提出が義務付けられていたような気がするが、それはまぁいいだろう(良くないけど)。このサイトでは、女性のアカウントがネカマだろうが、詐欺師だろうが全くお構いなしなのだ。その証拠に「ヘルプ」欄を見てみよう。


質問:会員になるためのメンバー審査はありますか?
答:アシュレイ・マディソンのシステムでは、メンバーに対する事前審査や保証は行っていません。常に身の安全にはご注意の上、よく考えて行動して下さい。気を付けていれば、必ずしも不要なリスクをとらなくても楽しむことは可能です。あなたがアシュレイ・マディソンで誰かに始めて会う時、その人は他人なのだということを忘れないようにして下さい。

質問:プロフィールはアシュレイ・マディソンが認証しているのですか?
答:いいえ。わたしたちはメンバーについて審査をしていませんので、プロフィールについて認証を与えてはいません。


なんということでしょう!この開き直りっぷりである。つまり、アシュレイ・マディソンで本当に「不倫相手、ゲットだぜ!」となるには相手のアカウントとメッセージの真贋を読み取る能力が非常に高いレベルで必要であり、これこそがアシュレイ・マディソンが超上級者向けサイトだと思われる理由である。
ところで、このサイトに登録するような「おっさん」がそんな能力を持ち合わせているのだろうか?

古田ラジオ