kindleで「『婚活』症候群」を購入した。

「婚活」症候群 (ディスカヴァー携書)
山田昌弘
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2013-07-26



内容的としては、婚活の現場に即したレビューや最新動向について解説するというよりも、専業主婦や夫婦に代表される昭和的結婚観への批判という「婚活におけるリベラル言説」が中心に据えられていた。
もちろん、これら「婚活におけるリベラル言説」のほとんどは非常にまっとうな内容である。共稼ぎでないととてもじゃないと暮らしていけないとか、女性の子育て支援が重要、とか。これらは非常にまっとうな意見であることは間違いがない。
しかし、不思議なのは結婚観や家族観といったものの「自由」はことさらに言い募るわりに、自己所有権という人間にとって最も基本的な「自由」を無視していることが実に多い、ということだ。ごく簡単に言えば、「どういう家族関係を望み・作るか(もしくは作らないか)」は本人の勝手であり、他の誰かが価値判断を下したり、意見することはできない。この自己所有権というものはこの社会において最も基本的な「自由」だと私は思うのだが、白河・山田両氏にはその認識は薄いらしい。
単純な話、この本を読んで「専業主婦を止めて共稼ぎでやろう!」っていう気になる人っているの?というのがはなはだ疑問なのだ。「専業主婦を望んでいるけど結婚できなくてずっと一人」な人がいて、希望するのは勝手だしそれで結婚できなくてもそれは本人の勝手だろう。要するに「リベラルな家族関係」をいくらリベラル側が推奨ししようが、それが嫌だと思う自由がある以上、どうもすることはできないはずである(保守の場合、こうした矛盾は起こらない)。そして、「フルタイムで仕事するのはかなりキツい」って事がバレちゃってる以上、そうそう人々の意識が変わるとは思えない。「他人」である我々が唯一、できることは「共稼ぎの方が得」「子供がいたほうが得」なようにゲームのルールを変えることだけである。
とはいえ、白河桃子という人の嗅覚は結構凄いと私は思っている。なんせ「婚活」「妊活」と2つも当てちゃってるわけだから、今回の専業主婦批判に関しても私の杞憂であるのかもしれない。