(「週刊メルマガクリルタイ」Vol.14 (2009/10/12 配信分) の原稿を再掲)

昨年の9月、大学3年だった私に思いもよらぬ事が起こりました。リーマンブラザーズの破たんです。ただでさえサブプライムローンの影響で厳しいと言われていた、2010年卒の就職活動はこれによって想像を絶するものへと変わりました。そこで、今回は私が見聞きした信じられない就活ドタバタ劇の一部をお話します。

最初に自己紹介を。
私は、某私大の経済学部経済学科の4年生。大学はいわゆる日東駒専クラス。
サークルではアニメ製作を行っていて部長兼監督もしていました。ゼミでは中小企業論を専攻してゼミ長もやらせていただき、大学から出版された某書の学生編集もさせていただきました。志望業界は出版(特にマンガ編集)、リサーチ業界を中心に回って就職活動をしております。


■説明会ゲットの基本はストーキングと・・・

選考に参加するのに最初に必要なのが説明会予約。説明会に参加しないと選考に進めない企業はたくさんあります。もちろん私も色々な企業にエントリーをして説明会日程情報を待ちます。企業から情報が来るときは大概「明日の○○時から予約を開始させていただきます。」という文面。当日予約をしようと予約時間の5分前からPCの前にスタンバイ。この時点では予約がまだ開始されていない。さすがにこれなら予約できるだろう。

そう考えていた私が甘かった。

予約時間と同時に更新した説明会予約画面には「満席」の文字。小田和正の「言葉に出来ない」が頭の中に流れつつ私はサイトを閉じました。
おそらく、ランクが上の大学から予約を受付け、順次下へというシステムなのでしょう。私が属している日東駒専レベルの大学に回ってくる説明会の席は(頑張ってストーキングをして)半分強位でした。夏以降は少し落ち着きましたがそれでも30分逃がすと予約できないみたいなことはちらほらあります。今年の就活生は(私を含めて)本当に必死です。


■企業はデレツン

説明会すら行くのが厳しい今年の就活。そんなときに嬉しいのが就活サイト経由でくる企業からの「特別求人」メール。「あなたを雇いたいから是非説明会に来てください」、そう言われるだけでも少し心が揺らぐものですから、とりあえずエントリーをします。企業のほうからは「エントリーでの選考の上、随時説明会情報をお送りいたします。」というメッセージ。私の気持ちをしては当然説明会にはいけるだろう、これでまた持ち球が一つ増える、と勝手に期待を膨らませてその企業について調べたり、ちょっとやる気が出てくるのですね。

が。後日企業からの返信を見ると、

「この度は、弊社求人にエントリーいただきありがとうございました。頂きましたデータをもとに書類選考をいたしました結果、弊社の求める人材とは異なると判断させていただきました。」

というマニュアル回答。企業のほうから声をかけてくれたはずなのに、一方的に企業にふられる。これは地味に辛かったです。私が勝手に期待値を上げていたせいもあるのでしょうがどうにも腑に落ちない。それだけ私も必死です。


■選考通過したはずなのに・・・

今年の就活で感じるのは企業側もどうしていいか分からない状況が続いているということ。
9月という就動直前にリーマンショックのような大事件が起きて今後の見通しがたたない状況となれば採用計画の変更もやむなしとも思うのですが、出来ればそれを学生に見せないでほしいというのが本音。企業の人事が振り回されているということはそれ以上に学生側も振り回されるんですよね。そんな中で一番ひどかったものを紹介します。

ある会社の1次面接が無事終了し企業から2次選考に進んでいただきたい、とのメール。
日程については後日詳細を送るとのこと。しかしながらこの詳細メールがいつまで経っても来ない。このことは『みん就』でもちょっとした話題になりましたが、次のメールが来ない。いくら待っても来ない。後々調べてみると来た人には来たみたいなんですが、来ない人も沢山いたみたいです。自分の企業の評判を下げてどうするのでしょうかね。おそらく選考途中で採用計画に大幅な変更があったと思うのですがこの対応はどうだったんでしょうか。企業側も必死です。

■絶対受からない最終面接

先ほどの話と似たような話をもう一つ。2次面接を終えてこれを通過すれば最終面接で願っても無いチャンス。例のごとくメールで企業から最終面接に進んでいただきたいとのメール。私にとって久々の最終面接だったので結構嬉しかったです。先ほどのような面接の日程が決まっていないこともなく、1週間後に面接をしたいとのこと。他にも就職活動をしながら面接2日前になったとき、その企業から電話で連絡が来ました。

電話の内容は、「最終面接に来ていただいてもいいが、来ていただいても内定は出せないだろう」というもの。話を聞くと会社の採用計画が急に変更が決まり、今年の採用はこれ以上できない。しかし、ここまで選考に来てくれた学生をそのまま落とすことも出来ないので形式上最終面接を行うらしい。はいそうですか、と引き下がるわけにも行かないので、形式上でも構わないから最終面接に行きたいと伝えました。もしかしたらこういう厳しい状況の中でも諦めない人材を求めているのかも、と自分を騙していざ面接へ。
実際に来ていた人は私含めて2人のみ。面接の控え室で出会ったもう一人の方とお話しました。彼にも私と同じような電話が来ており、さすがに全員落とすということは無く、あの電話も採用試験の一つでしょう、とすれば多くのライバルが減ったからこれはいけるんじゃないか、と二人で盛り上がっていました。

いよいよ面接の時間。最初から変だったのが、最終面接なのに二人同時に呼ばれたこと。社長からも、「こちらからとても失礼なお電話をしたにもかかわらず来て頂いて本当にありがとうございます」
と、こちらが立場が上になったような対応。この後、会社が今どれだけ厳しいのか、君たちみたいな人がいてくれるだけで私たちはまたやる気になれる等、社長の話が30分は続きました。私の本音としては社長の話よりも、ここまで私に感謝を述べるなら内定をくださいという感じでしたが。この面接で私が話す時間はほとんど無く、面接というよりは謝罪会見に近かったです。最後には社長自ら深々と頭を下げられたのには少々驚きましたが、これで私の最終面接は終わりました。面接室のドアを閉めた後、もう一人来ていた彼と顔を見合わせ、本当に採用できないんだなとお互い確認して落胆していました。その後、この方とお酒を飲みながら愚痴を言いあい友達になれたのが唯一の収穫でしょうか。

結果のほうですが、案の定私の元に届いたのは不採用のメール。ただしこの会社についてはあんまり悪く言う気になれないです。事情はどうあれ、少なからず誠意を見せていただけただけでも、かなりまともに感じました。直接電話をくれた人事も、謝りっぱなしだった社長も必死です。

■結びにかえて

私の現状ですが、未だに無い内定状態をキープしています。それはひとえに出版業界に行きたい、という夢物語を語っているからに他ならないのですが。今年は企業も学生も振り回されすぎてまともな状態になれない人も多かったのではないでしょうか。そろそろ親からのプレッシャーも厳しくなってきて居場所、逃げ場所がどんどんなくなっているのを感じますが、それでもやらなきゃいけない。壊れるまで頑張るしかないと思います。

(ryoQ10)