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ミニコミマネジメント論1:ミニコミを作る時に気をつけるべきたった一つのこと

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著者:クリルタイ
販売元:クリルタイ
(2012-05-11)
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みなさん、ミニコミ作ってますか?
もし、あなたがミニコミを作りたいと思い立ったとして、どうすれば良いでしょうか。「まずはアズ○ンと飲みに行って…」とか、「有名アニメ作家にインタビューしないと」とか考えていないでしょうか。
それも大事ですが、あなたにはそれよりも先に考えるべき事があります。今回から何回かに分けて、そんな、ミニコミを作る、という行為をマネジメント論として考えてみたいと思います。
といっても話は単純です。要するに数字の話。
実は、ミニコミを作る上で、気をつけるべき事はたった一つです。
正確には、たった一つの数字をどうするのか。

ミニコミ(に限りませんが)を作る上で気をつけるべきたった一つの数字。
それは、販売率です。
販売率というのは、私の造語ですが、要するに、
「印刷した部数中何パーセントが売れているか」という事を表す指標です。なので、販売率(パーセント)=販売部数/印刷部数×100 という事になります。この数字がなぜ大事なのかというと、ミニコミを作る上で全ての数字の根幹にかかわるからです。例をあげて考えてみましょう。例えば、定価1,000円のミニコミを100部刷り、販売率が50%とします。すると、売れる部数は50部、収入は50,000円という事になります。すると、このミニコミを企画する際、原価として必然的に50,000円以上はかけられない、という事になります。仮にこのミニコミの印刷代が40,000円だとすると差引10,000円のプラスです(ミニコミの原価はほとんどが印刷代)。
なぜ、そういうことになるのかというと、ミニコミを続けていくにあたって最重要かつ、一番難しいのは「赤字を出さない」事です。ほとんどの人にとってミニコミを作ることは趣味です。趣味で毎回数万円単位の赤字を出していたら、自分が嫌だし、第一周りの人間(親や恋人、家族などもろもろ)の理解も得る事は非常に難しいでしょう。そこで問題になるのは「販売部数が少ない」ことではなく「刷ったものが余ってしまう(過剰在庫が生まれる)」ことです。
この頒布部数と在庫重要な問題です。
ミニコミ界隈で良く問題になる数字、それは頒布部数です。「3ケタ(100部以上)行ったら上出来」などとは良くいわれる事です。「○○サークルは○○○部」とか良くいわれることですし、私も気になります。ですが、それは本当にすごいことなのでしょうか?同じ3ケタサークル(100部以上の頒布実績があるサークル)でも100部刷って100部売れているサークルと200部刷って100部売れているサークルのどちらの採算性が優れているでしょうか。具体的に数字を出すまでもないと思います。でも、ここを勘違いしている人が凄く多い。それは、なぜか販売率を100%もしくは非常に高い数字にしている前提があるためです。つまり、刷ったものがほとんど売れる前提で話をしている人が非常に多い。ですが、現実ではそんなことはほとんどありません。例えば、先ほどの定価1,000円のミニコミの例を考えると、販売率50%で原価が最高50,000円というのは先ほど触れたとおりです。ですが、ここで販売率100%の前提で考えるとどうなるでしょうか。原価は最高100,000円までOKという事になります。
やれることがいっぱい出てきましたね!
でも、販売率100%の前提で50部しか売れなかったらどうなるんでしょうか。この場合、経費はマイナス50,000円です。はっきりいって途方に暮れるレベルです。つまり、販売率100%はこれぐらい危険な状況という事です。

だけど、こう書くと「だけど販売機会を失うかもしれないから多めに刷っておいた方がいいだろ」という人もいるでしょう。
ですが、それに関しても以下の2点の問題があります。

・売れすぎたものを増刷することは簡単ですが、在庫になっているものを売ることは非常に難しい・・・即売会(委託については次回以降触れます)においてほとんどの人は「新刊」を買いにきている
・そもそも、ミニコミ即売会なんてそうそう開催されていない(参加できない)・・・色々やってる即売会に片っ端から参加して月一回とかそんなレベルではないでしょうか。ほとんどの人は半年に1回程度の参加(これすら死ぬほど難しい)です。つまり、最初売り切れたとしても最悪次の即売会までに在庫がそろっていればいいわけで、売切れてから増刷をかければ十分間に合います。

ミニコミという業界においては、「販売機会の損失」なんて事はほぼないわけで、それよりも過剰在庫のリスクのほうがずっと大きいと言えるでしょう。

では、この販売率、いくつに設定しておけば良いのでしょうか。私の経験を総合すると、その数値は50%です。この数値、悲観的でもなく、むこうみずでもないという絶妙な感じであるとともに、経験則的に50%以上の販売率になると、採算が良くなるという面もあります。さらに、50%であれば、仮に50%よりも販売率が良くなった場合、そのまま利益となるのとともに、50%を超えることはそこまで難しくないという側面もあります。

でもここで、一つの疑問が出てくるでしょう。それは「じゃあ、委託で書店に卸してもっと売れるようにすればいいんじゃないの?」というものです。次回、その悩ましい委託問題について考えてみたいと思います。

republic1963

節目の年に分水嶺となったか-第13回文学フリマ雑感-

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2011年11月3日、第13回文学フリマが開催された。2002年の文化の日に青山ブックセンターではじまった10年後には、それまでの大田区産業プラザPiOより東京流通センター(TRC)に移るという意味でも、節目の開催となった。

今回はサークル数は600に達したが、来場者は前回第12回の4000名に比べて400名少ない3600名に留まった。
今回クリルタイと合同ブースを構えて頂いた『ことのは(kotono8)』の松永英明氏は、秋葉原より蒲田に場所が移った第7回と第8回の来場者数が横ばいだったというデータより、「場所が変わると一般参加者は来づらくなる、という傾向はあるのでは」とし、他に「連休ではない祝日」「併催イベントがなく、同人誌即売会のみの勝負だった」という原因を示し、

『しかし、参加サークル数は伸びているのだから、次回以降を悲観する必要は「まだ」ないと思うのである。』

と、結論づけている。

※『第十三回文学フリマ参加報告と分析と入手品(【オ-01】ことのは) #bunfree』
  http://www.kotono8.com/2011/11/07bunfree13rep.html

私も松永氏のおっしゃるように、今回の結果によって、文学フリマの将来を憂う必要はないと考える。

それからもう一つ、マイナスのファクターとして挙げるべき点がある。前回の6月12日から5ヶ月弱と開催のスパンが短かったことが、参加サークルの動向に影を落としていたことだ。
映画批評ミニコミとして毎回開場直後に列が出来る『Bootleg』は今回不参加だったし、毎回キャッチーでキッチュな作品を引っさげて現れる芝浦慶一氏の『ノンポリ天皇』もブースを出さなかった。個人的に大好きな文芸同人『UMA-SHIKA』も参加を見送っている。
また、有力サークルでも新刊を投入せず、冬コミに照準を合わせているところが散見された。そういった、目玉となるコンテンツの不在が、客足に影響を与えた部分がなかったとはいえないように思える。

それから、特に創作・小説サークルでは、空気が少し変わっていたように感じた。1Fを中心に、初参加のサークルが30ほど、2回目・3回目の参加というサークルを含めると50弱の、新規層が入ってきている。
これらのサークルの多くが、ファンタジー、それもジュブナイルな内容のものが目立った。中には初音ミクらボーカロイドの二次創作を扱っているサークルも存在した。蒲田では、悪目立ちしたであろうミクが、新会場のTRCでは「溶け込んでいた」ということに、個人的には注目したい。
逆にクトゥルフなどや本格ミステリーを扱うサークルがその分だけ目立たなくなっていた。コミティアの小説島により近い雰囲気になった、というのが私の感触になる。

また、「少女」「BL」といった当事者性やテーマを前面に出すサークルが増えたこともチェックポイントだろう。
批評系でも『魔法少女まどか☆マギカ』を扱うサークルが複数あったことからも、第13回文フリの裏テーマは「少女」をどう料理するか、ということだったように感じられる。

いろいろな意味で、分水嶺となったように感じられる、今回の文フリ。

上記に挙げた「変化」が今回限りのものなのか、今後も続く潮流となるのかは、何ともいえないところだ。
が、多様な表現を受容する場として、文学フリマが機能して欲しいと願う身としては、次回以降のサークル数がさらに伸びること、そして来場者が増える「仕掛け」を事務局サイド・参加サークル側双方でセッティングしていくことにより、より「楽しめる場」になってもらいたいと考える次第だ。

(Parsley)
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