2007年09月21日
ベスト10・・・第2回・・・・・
先日のベスト10の続きを。
生涯忘れえぬコンサート・ベスト10
第1位 白井光子リサイタル(1996年?/京都)
第2位 バーンスタイン&イスラエルPO演奏会(1985/9/8、NHKホール)
第3位 C.クライバー&バイエルン国立O演奏会(1986/5/11、神奈川県民ホール)
第4位 アルフレード・クラウス独唱会(1996/6/10、ザ・シンフォニーホール)
第5位 オペラ・ガラ・コンサート(1983/9/8、東京文化会館)
第6位 日独交歓NHK交響楽団特別演奏会(1984/4/29、NHKホール)
第7位 バッハ・アカデミー・ジャパン1985(1985/5/11、ザ・シンフォニーホール)
第8位 ハンス・ホッター特別講演会(1985年?/音楽の友ホール)
第9位 カミーユ・モラーヌ・リサイタル(1993/11/1、イイノホール)
第10位 D.F=ディースカウ・リサイタル(1983/10/21、神奈川県民ホール)
番外編 新日本フィル・軽井沢音楽祭(1975年・・・だったと思う、軽井沢)
今日は第9位のお話。
カミーユ・モラーヌ バリトン・リサイタル〜フランス歌曲の夕べ
(1993年11月1日、イイノホールにて)
(曲目)
シャルル・グノー (1818〜1893)
1.祈り
2.ヴェネチア
3.どこへ行きたいの
エルネスト・ショーソン (1855〜1899)
1.エベ
2.蝶々
エマニュエル・シャブリエ (1841〜1894)
1.肥った七面鳥のバラード
2.蝉(せみ)
デオダ・ド・セヴラック (1873〜1921)
1.ふくろう
2.仔馬への歌
ガブリエル・フォーレ (1845〜1924)
〜 ヴェネチアの五つの歌 〜
1.マンドリン
2.ひそやかに
3.グリーン
4.クリメーヌに
5.恍惚
モーリス・ラヴェル (1875〜1937)
1.孔雀
2.こおろぎ
3.白鳥
4.かわせみ
5.青紅鳥
1911年生まれのモラーヌ、82歳の奇跡の来日公演である。
学生時代、フランス歌曲に目覚めてしまった私にとって、モラーヌは特別な存在だった。スゼーも聴いた、パンゼラも聴いた、クロワザも、ジャニーヌ・ミショーも、クリュイセンも、エルビヨンも、いろいろ聴いた。でも私にはモラーヌこそが不動のナンバー1だった。バリトン・マルタンと呼ばれる透明至純な声、高貴としか言いようのない歌唱表現、自分では絶対に再現できないからこそ、モラーヌのフランス歌曲は私の大いなる憧れであった。
そんなモラーヌの生うたが聴けるのだ。もう何日も前から興奮していた。
リサイタル開始。もちろん82歳の声である。全盛期とは比べるべくもない。しかし歌に対する真摯さは変わらない。まっすぐ前を向いて、聴衆の一人一人に語りかけるかのように歌うモラーヌの姿を見ているだけで、私は涙が溢れてくるのを抑えるのに必死になっていた。
後半のフォーレからは声のコンディションもかなり良くなって、昔さながらの高貴な歌唱を聴かせた。ラヴェルでの渾身の劇的表現も立派だった。そこには確かに私が憧れ続けたモラーヌその人が立ち、歌い聴かせていた。すでに私の心の中は、感動と感謝に支配されていた。一言、すばらしい一夜だった。
同行していた竹ちゃん2号=弟も感極まっているようだった。
あれから14年、すでにフランス語の読み方さえ怪しくなってしまった私だが、この夜のことは生涯私の心の奥底に棲み続けるに違いない。
ひそやかに・・・・・En sourdine・・・・・