ちみをぶろぐ

宇宙一旨そうに飯を食って酒を呑み、アーだコーだする飯グダブログ。
尋常じゃなく写真がデカイのでPCで見るべき。※執筆依頼は https://twitter.com/chimiwo まで

合法的なトビ方を心得るカレー。秋葉原「カレーノトリコ」

  • 2018年02月24日

カレーは完全食だ。

昨今はCOMPとか言う味気ない完全食もあるが、誰がなんと言おうとカレーが「king of 完全食」だ。
様々な具材が溶け込んだ栄養バランスの良さは言わずもがな、食欲増進機能や提供の速さ、アレンジバリエーションの広さに薬膳的な効果まで、効果効能レンジはどんな料理よりも広く、まさに完全食にふさわしい。もはやライバルは養命酒くらいでは無いだろうか。

さらに近年はスープカレーやスパイスカレーなどと言った、インドの一般家庭主婦が見たら卒倒しそうなほど過剰な量のスパイスをふくむ「トビ感」抜群のカレーがある。

通常、食事を食ったあとの心境といえば満足してホッとするものだと思うが、これらのカレーは汗腺が全門開放し、意識にはモヤがかかり、シナプスがクロックアップして世界がゆっくりと見えたりと甚だアシッドな効果をもたらすもので、「完全食+トビ」はもはや食事体験として一つの究極形だと捉えて差し支えなさそうだ。

「+トビ」の概念。コレを抑えた店はそう数多くは無い。
スープカレーならマジスパ、イエロー、ガラムマサオ、スパイスカレーなら本町のバンブルビー、バビルの塔、担々麺だと武蔵小山(移転してしまったらしいが)のちりちり、先日も行った湯島の阿吽。
火鍋も本場台湾だと川鍋は何度でもトベる。

と言った感じでクミン、コリアンダー、メティや花椒など、唐辛子の辛味だけでは無く、複雑な効能をもつ様々なスパイスがオーバードーズ必至の量で、しかも粗挽き、もしくはホールのまま含まれており、そのジャリジャリとした食感も砂場を喰む修練ようで楽しい。



そんな「トビ飯」を求めやって来たのが「カレーノトリコ」。
店内は狭く湿気に富み、居心地は決して良くない。大変期待できる。
初めて来たため勝手がよくわからんので、とりあえずインド風カレー950円(チキン、3辛)。

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素晴らしい。店主はよくわかっている。

我々のようなスパイスマニアは世のカレーマニアとは微妙にニーズが異なり、如何に活きの良いスパイスをジャリジャリ食らえるかが重要となってくる。

その点、こちらのカレーは黒くなるまで良く炒ったマスタードシードやクミンシード、その上に景気良く緑鮮やかにふりかけられた乾燥メティが踊っており、スパイスマニアの思いをガッチリキャッチしている。

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しかし一口啜ると、スパイスの量に反して薬臭さやえぐ味は無く、濃厚な旨味の土台にスパイスがキチン整列している、そしてカリッと良く焼きのチキンが濃厚で丸いパンチをプラスし、米も含め全体が一つの腰の入った張り手のように、面で叩きつけられる旨さがある。

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そうするうちに、まるでニトロでも飲んだかのように心臓のプラグは火花を散らしてストロークし、血管がグイグイと広がる、つれてじわじわと脳が温まりニューロンにセロトニンが次々と滑り込んで行き、次第にフワフワとした多幸感が溢れ出したかと思うと、まるでベビーベッドでくつろぐ赤子の頃の古い古いメモリーを喚び起こすような退行が全身を包みだす。



「あー」「うわあー」



言語野停止で語彙が死んだところでゲームセット。
ギリギリ会計ができるレベルのIQで退店。



バランス良い栄養と中毒性高い多幸感、昼食べたのに夜も食べたい、そんなカレー。
たぶん今回の辛さ3は辛味、トビ、ともに不十分だったので、次は5辛↑を行ってみようと思う次第です。
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五味を越えた「麻味」の宇宙意思。湯島「四川坦々麺 阿吽」

  • 2018年02月10日

坦々麺、特に汁無し担々麺が昨今、世間を席巻、またたく間に店舗が増加している。まぜそばの切り開いた大陸の白地に「四川」と言う陣を張り人々を魅了、小さなムーブメントとなっているようだ。

既存の日式坦々麺との違いは花椒による「麻味(マミ)」の有無。この五味には数えられない「麻味」とは何か???

基本五味は、味の四面体「甘味、酸味、塩味、苦味」に池田菊苗が発見した「うま味」を加えたも、この五味は口内の味蕾の受容体で認知が可能なものであり、それ以外の「味」とは明確に区別されている。

この五味に含まれない「辛味」は痛覚を刺激するが味蕾に受容体が無いため五味とはされず、同様に「麻味」も受容体が無いため五味以外と定義される特異「味」のひとつである。

この「麻味」成分、侮りがたいもので、何故か不思議とこの人体に受容も出来ない危険な成分をムラムラと欲する瞬間が人にはあり、あの雷光のような舌の痺れ、よろめきが、あらゆる味蕾記憶が寄せては返す波のように巻き起こるループ再生に耐えられなくなり、私は今、舌を震わせながら湯島に降り立ったのである。



■湯島「四川担々麺 阿吽」
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行列。人気店。寒空の中で待つこと10分程度、入店成功、いつも通り円転滑脱かつ淀みない所作で券売機に紙幣を投入し食券をゲットアンドリリース。


■ラー油と山椒のレベルを選べる
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店員に渋く「3の4」(辛さ3痺れ4)と告げ、更に待つこと5分程度。



■黒胡麻つゆ無し担々麺(900円)
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到来。水菜の上にも火山灰かのような多量の花椒。見てるだけで口内が麻痺。

■うま味のローキックこと干しエビ
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こいつらこそがうま味を原色3次元にアップコンバートする食べるタイプの走査線。

■丁寧に天地を返し・・
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もういっちょ・・

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いざ尋常に摂取開始!
口内に広がる黒胡麻がドッシリと弾む芳醇な風味とエビのきれいなカウンター、からのそしてワンテンポ遅れてやってきました雷光の痺れ!!!!!!卒倒!!!!!!!!!!

これだこれだコレを求めていた!五味は全てジャブ、この電気を直接食べたかのような痺れ、コレこそが麻味!!!!幼少の頃に舐めて感電した掃除機に充電器のコネクタのような爽やかで軽やかに突き抜ける感触!!!!!!!!!!!!これは美味しとか美味しくないとか辛いとか辛くないの話しでは無い「清々しく愉快な拷問の時間」!!!!!!!!!!!!!!!!

すでに過ぎたるは猶及ばざるが如しなどと言う故事は届かない、食べ進めれば進めるほど心を焦がす電撃は増してゆき、舌は焼き払われ、触感が鈍いはずの胃壁からも救難信号が放たれる。
腹に落ちていく麺と毒、その満足度と反比例に沮喪していく体力、ここでたまらず味変。

■温泉温玉(100円)
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救世主到来。

■さっそく割腹して絡める
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????????????????????????????????????

なんだ?黄身を絡めるも効果が見られない。麻味の痺れが強すぎることで一片のまろやかさも寸刻寸秒で脆く儚く蒸発、それどころか黄身の味を黄身として感じられない、まるでゲル状フリスクのような、脳にまで響き渡るパキンとした「麻」だけがそこに残されていた。「そうか」。オレはここで味蕾に起こっていた奇妙な変化がに気がついた、どうやら麻味によって味蕾のレセプターが変形しているようだ。「くそっ、混乱している」では酢を掛けてはどうだ。

■酢
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酢を投入!!!!!????????????甘い?????酢を甘く感じる、もはやわけがわらない。完全に倒錯している、もう駄目だ、このまま歪んだ受容体で食べ進めるしか無い。


・・・・・・・


そんなこんなで麺を全て食べ終えると、湖底には多量のひき肉がドス黒い油を携えて泥濘と化し、なにかを訴えかけてくる。

■泥濘
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こんなに旨そうな泥があるかよ。白飯で引導だ。

■半ライス(30円)
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■ガシガシ混ぜる
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美しくまばゆい白をドス黒い泥で蹂躙するカタルシス!



この最高に退廃的な光景には、さしもの浅井健一も名曲「DIJのピストル」でこう歌っている。

「分かるかい オレは殺し屋 魅力的なおまえの その白い足に ミートソースをぶっかける」

軽快なロックンロールにのせて「白飯を担々麺の残った汁にぶっかける」とはとても歌えなかったであろう、「白い足にミートソース」は素晴らしい形容である。



そしてこのドロドロとした目眩の権化を口に運ぶもやはりとどまらぬ麻味、痺れ、飛び、ホルモンの乱れ。五味を越え、六味目、七味目、八味めと、花椒が連れていくサイケデリックな多重世界体験、終わらない精神と時の部屋、これこそがあのフラワームーブメント????????サマーオブラブ????????果に待つは宇宙意思の解読待った無し!?!?

完食し店を出たあとも胃から痺れと目眩が突き上がって来る。コレが五味を超越した「麻味」の世界、麻味の麻は麻酔の麻、生あるうちに必ず体験すべき、食べるタイプの宇宙の祭典である。
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鳥の塩釜焼き、それはタダの土木工事だった。

  • 2018年01月06日

去るクリスマスの話し、世界が息を潜め愛を語らい合う1年で最も静謐なる24日の夜、私は出勤であった。

どうしてこうなってしまったのかは解らない。
ただ私は神へ背信的行為は一切しておらず、不幸というものは、カルマの残量に関係無く平等に、そして前触れ無く降り注ぐことだけを理解した。



「気が狂う・・せめて鳥を・・鳥さえ食えば一欠片の諦めが・・・」



鳥さえ食えば正気を取り戻せる、そんな気がする。今や鳥肉は私にとっての向精神薬、デパスやプロザックに等しいのだ。



さて、今夜は鳥をどのようにして食おうか、どうせなら派手なのが良いな・・、あれこれ思索しながらハナマサに向かう道すがら天啓を受信。

「塩釜・・」

もちろんやったことは無い、そもそも塩釜と言えば鯛のイメージが強い、鳥肉でできるのだろうか?
とクックパッドを検索すると幾つかのレシピが。

やるか。一見派手なようで、とどの詰まりは塩で肉を固めりゃいいだけだろう。
そうと決まればハナマサで鳥胸肉と博多の塩一袋などを購入。



胸肉を適当に開き、味付け。いただきものの謎のスパイスソルトがあったので塗り込む。

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黒いのは、炭のようなものが塩に添加されているから、胡椒ではない。
しかし肉に塩を塗り込むと言う行為、今日の自らの傷口を痛めつけているかような妙な共感覚、自虐性がほのかに立ち上る。塩のしみる手で肉をさすりながら嫌なトリップをする。

開いた鳥肉にレモンとローズマリーを巻きつけ、

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ロール。

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皮目を表にすると、なんだかグロいな。若干のベルセルクみがある。



お次は塩釜作り。卵を割り卵黄と卵白にセパレート、

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卵白を4つ分ほど塩と混ぜ込む。そうすると塩が粘度を帯びてくるので鳥肉に塗布。コテコテと包み込む、コンクリをいじっている感覚だ。



ドドン!


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料理のビジュアルではない、巨大な蚕のようだ。
コレを200度で50分、オーブンで焼き上げる。

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その間ソース作り。先ほどの卵黄に塩、レモン等で味付けをしてソースに仕立てる。

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濃厚で良い、タンパクな色合いは配管用のパテのような風合いだが味は良い。



そしてとうとう焼きあがる!

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ビジュアルやべえ。早速割ろう。


#塩釜 #土木工事 #チキン #リスマスメリーク

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かってぇぇぇ、スプーンの柄でガチガチ殴るとやっと割れる。ハツリでもやっている気分、もはや土木工事ではないか。動画の声がAVっぽいのはご愛嬌だ。

中はぷっくりと汁気を孕んだ濃密な肉塊、割った瞬間にハーブとレモンの爽やかな臭気を撒き散らす。すでにロールの両端からは肉汁がダブダブと漏れ出しており、今直ぐにクラシアンを呼ばねばならない。

包丁を入れると、素晴らしい地層が現れる。

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クリスマスだ・・これがクリスマスだ・・。オッサン一人で迎えんとする苛酷な聖なる夜にささやかな彩りが添加された瞬間だ。

食べよう、夜の出勤にそなえ酒は飲めないが、腹いっぱい食べて全部全部忘れよう。
最早痴呆すらも歓迎する破滅願望を発露しながら肉を頬張る。

「しょっぺ」

下味が濃かった。塩で包む事を計算に入れず普通に下味を付けてしまったからだ。
泣きっ面になんとやら。悲しい、悲しい。

とは言え肉の内側は程々の塩気で全然食べられる、上手く切り分けて内側だけをほじくり返して食べる。



下味が失敗したといえ、これほど肉がしっとりとする技法も無いのでは無いだろうか。塩で包まれた内部の湿度が保たれた上、塩から遠赤外線でも出るのだろうか中までシットリと仕上がる。巻きつけたハーブの香りもたっぷり充満する。

他の食材への応用はもちろん、ちょっと時間は掛かるが工程としてはカンタンなので是非試して欲しい調理方、塩釜、宅飲みでモテる事うけあい、土木工事のような豪快さが超楽しいのでオススメ。

※しょっぱく成りすぎた部分の肉は後日スープにして全部いただきました。


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