いままで宇宙人と遭遇する映画といえば、腹がよじれる傑作「マーズ・アタック」、安くても緊迫感だけで最高にドキドキするこれも傑作「エイリアン」もあったけど、そうかこの手があったか!と思わせる傑作。これも安いけど。

 おいおい、宇宙人がこんなに虐げられていいのかよ?まるでゼビウスのアンドアジェネシスみたいに浮かんだ宇宙船。「それもワシントンでもニューヨークでもなく・・・何故かヨハネスブルグに!」(映画より)そう、これは軽いハリウッドへの皮肉。なんでたっていつもいつもアメリカが地球を代表してるんだよコラ!ってところでしょうか。そしてこの若い監督は白人だけど南アフリカはヨハネスブルグの出身。ついでに主演俳優は彼のただの友人。それがどうした!くたばれハリウッド!全米1位だぞ!

 そんでその宇宙船にいた宇宙人は・・・。なんとただのやる気の無い難民でした。別に地球にナニするわけでもなく。かつ、風体は単なるエビ。地球は仕方無く受け入れ、アフリカに第9地区っていうエリアを作ったのでした。スラム化していく第9地区。

 ってな冒頭がウソくせえドキュメンタリー調でテレビインタビューなどで語られる。いや、でもぐいぐい見てしまうよ。「この映画当たりじゃねえ?」とこの時点で思った貴方の嗅覚は絶対に正しい!!

 「なんで宇宙人なんかに金使うんだ!」と堂々の宇宙人差別を行う黒人の暴動。何故かキャットフードが大好きでゴミあさりばっかりして働かないエビ宇宙人。そのキャットフードを高値で売りつけスラム街のドンになる地元ギャング団。そして第9地区から第10地区に移転させる業務を請け負った会社のサラリーマン、それが主人公。

 なんだこの設定は!おい、SF映画、エイリアン映画、違ったか?そうか、実際本当に宇宙人が来たら、別に大発見とかなる前に、普通に社会問題だよな!みんな宇宙人をエビ呼ばわりして大差別。そして主人公の彼、仕事中に感染して身体の一部が宇宙人になってしまうのだが、なんと会社は裏切って宇宙人と性交を繰り返した半社会的人物ってことにしてしまう!

 まああとは見てのお楽しみ。いや、面白かった。あっさりまだ早いけど2010年の最高傑作になりそうだ!ついでに宇宙人ものの映画ではマーズアタックをぶち抜いて俺的史的No1確定。

 それにしてもこの故郷ヨハネスブルグのスラムを舞台にした監督の彼30才は絶対に正しい!宇宙人がスラム街でゴミあさりしてキャットフード中毒なんだぜ!

ついでに製作のピーター・ジャクソンは、今をときめくロード・オブ・ザ・リングの監督だが、ちょっと待て、こいつはゾンビ中毒の俺たちの最高傑作、「ブレイン・デッド」(あのラストで血が300リットルほとばしる笑えるおばあちゃんゾンビ映画ですよ!ゾンビマニアから「90年代のゾンビ映画は結局『ブレイン・デッド』しかなかった」といわしめた!)の監督なんだよ!そして奴もニュージランド出身、ブレインデッドもニュージーランドが舞台。そういえばこの「第9地区」も一部はニュージーロケだ。

 さあ、あとは見るだけ。面白さは保証しておくよ。久々に感想文書かなきゃ、と思わせる映画でした。95点。

 *ちなみに第9地区というのは、旧南アのアパルトヘイト政策時に実在した第6地区によっている。でも政治も社会問題も、真面目に取り上げるより、こうやって宇宙人使ってやってみた方がよっぽど体感できるな。


しかしブレイン・デッド中古DVD49800円!!って!!でも気持ちはわかるけどさ。