読書など アンソロジー

2010年12月19日

NOVA3

大森望氏責任編集の「NOVA3」読了しました。

書き下ろしSF短編集NOVAもこれで3冊目。

どれも高水準の作品が多いのですが
一番のお気に入りは小川一水氏の「ろーどそうるず」。バイクに搭載されたAIと、
その実走データをモニターする本社ホストコンピュータAIとの友情物語。
泣かせてくれます。

長谷川敏司氏の「東山屋敷の人々」も良い。著者の長編「あなたのための物語」が
個人的に全然ダメだったんですが短編の「allo,toi,toi」は文句なしの傑作
だったし、この方は短編の方が良いのが多いのかも。

円城塔氏の「犀が通る」も円城節全開。この方にSFとか純文学とかジャンル分けは
必要ないんじゃないかしら。

朝暮三文氏の「ギリシャ小文字の誕生」は、もうエッチで大爆笑です。

東浩紀氏の「火星のプリンセス」は続きが気になる作品なのですが、(連載なので)
やはりこの方、出自がSFじゃないのを実感。
純粋なSF作家ならなんらかの意味がないと、このタイトルはつけないですよね。
それとも完結時にはこのタイトル意味をもってくるのかな?

トリを勤めるのは瀬名秀明氏の「希望」。一番長い作品だし、それなりに読ませて
くれるのですが、個人的にこの著者の作品は苦手。
どの作品も、すごい前フリで期待させてくれるのに、いつもラストがそれかよ~って
がっかりしちゃうんですが…

個々の感想はさておいて硬軟取り合わせて良作揃いの短編集です。



chirakasi8796 at 19:29|PermalinkComments(4)TrackBack(0)

2010年10月15日

NOVA2

大森望責任編集とカバーにも記されている書下ろしSF短編集「NOVA2」
読了いたしました。

「NOVA」もこれで2冊目。
書き下ろしアンソロジーの先駆にホラー短編集「異形コレクション」がありますが、
こういうのは作家さんも競争心が煽られるのか、今回も傑作、佳作、なんじゃこりゃ、
と 各種とりそろっております。

なんといっても一押しは、もう国民的作家宮部みゆき氏の「聖痕」。

そして著者の出自が広島なのを改めて感じさせてくれる妖しくももの哀しい
津原泰水氏の 「五色の舟」。
それに恩田陸氏の「東京の日記」。

あと、これはまったく予想外に良かったのが(自分でもまったく不思議)
東浩紀さんの 「クリュセの魚」。

次回のNOVA3も楽しみです。

しかし、これに傑作が集まると創元社から出てる年度別の日本SFベスト短編集の
ラインナップとダブらないかが気になるんだなあ。




chirakasi8796 at 20:01|PermalinkComments(6)TrackBack(0)

2010年09月25日

量子回廊

「量子回廊」読了しました。

大森望、日下三蔵両氏選による2009年度日本SFベスト・アンソロジーです。

読み手としてもプロなお二方の選なので、どれを読んでも好みはあるでしょうが
ハズレは無しでおもしろいです。

しかし、年間ベストSF選はこれで3冊目の刊行なんですが、この三冊目どうも
センス・オブ・ワンダーに欠ける気がします。

それと第一回創元SF短編賞受賞作の「あがり」も読ませてはくれますが、
短編ならではのインパクトに欠け小さくまとまっているような。

個人的なお気に入りは、アニメ「アベノ橋魔法☆商店街」を思わせる田中哲弥氏の
「夜なのに」。新城カズマ氏の「雨降りマージ」も良いな。
珍しく比較的わかりやすい作品だった円城塔氏の「バナナ剥きには最適の日々」。
それとコミックの「日下兄弟」「無限登山」です。




chirakasi8796 at 19:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年12月18日

NOVA 1

大森望さん責任編集の書き下ろしSF短編集「NOVA1」を
読み終わりました。

北野勇作、小林泰三、藤田雅矢、山本弘、田中啓文、田中哲弥、
斉藤直子、牧野修、円城塔、飛浩隆と新人から中堅まで
フルラインナップ。

書評家として有名な大森望氏の責任編集という事で期待大でしたが、
筒井康隆氏の不条理ギャグを思わせる田中哲弥さんの「隣人」と
これは今年の短編SFのベスト!と思わせる飛浩隆さんの
「自生の夢」が傑作(^.^)

SF界期待の円城塔さんも寄稿されてるんですが、いつも
編集者さんにプロットを図形で渡して悲しそうな顔を
されるという逸話の持ち主の氏が、大森望さんにプロットを
渡された時はやはり悲しいお顔をされたかどうか
激しく気になります^^;

大森望さんは日下三蔵さんと一緒に年刊日本SF傑作編も編んで
おられるのですが、内容がダブらないんだろうか。

それと未完ではありますが35才の若さで亡くなられた伊藤計劃さんの
「屍者の帝国」が掲載されています。

完成の暁にはきっと傑作になったであろう事を予感させる
プロローグ。
まことに惜しい方を亡くしたと実感します。




chirakasi8796 at 22:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年07月18日

超弦領域 年刊日本SF傑作選

2008年度版短編ベストSF選“超弦領域”読み終わりました。

法月綸太郎「ノックス・マシン」
林  巧「エイミーの敗北」
樺山三英「ONE PIECES」
小林泰三「時空争奪」
津原泰水「土の枕」
藤野可織「胡蝶蘭」
岸本佐知子「分数アパート」(「あかずの日記」より)
石川美南「眠り課」
最相葉月「幻の絵の先生」
Boichi 「全てはマグロのためだった」
倉田英之「アキバ忍法帖」(イラスト・内藤泰弘)
堀  晃「笑う闇」
小川一水「青い星まで飛んでいけ」
円城 塔「ムーンシャイン」
伊藤計劃「From the Nothing, With Love.」

とベテランから若手まで。SF作家やそうじゃない方。マンガ、短歌、シリアス、
ギャグと、まあ今回も内容テンコ盛り(^.^)

大森氏と日下氏、選ばれた作品もそれぞれ好みのカラーがでていて、
そのせめぎ合いのようなものも感じられて楽しい。

ちょっとズルいと思うのは、書下ろしなのに載っている円城塔氏。
それだけ期待が大きいって事なんでしょうね。

お値段、文庫にしてはちょっと高めですが期待を裏切りません。



chirakasi8796 at 20:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)