塾長日記

智翔館東進衛星予備校 加納塾長の日記。

夏を制する者は受験を制す。

毎日暑い日が続きます。夏休みに入って1週間が過ぎました。みなさん、どのように過ごしていますか。部活動や運動にがんばる。趣味の幅を広げる。ふだんできないことに挑戦する。人それぞれで目標も違うでしょうが、充実した毎日を送ってください。
 さて、今年もまた夏期講習会の時期を迎えました。7月20日の英単語特訓会を皮切りに、22日からは中2・中3のベーシック、29日から夏期本コースが始まります。受験生にとって、とても大切な時期となることはもうみなさんご存知でしょう。使い古された言葉ですが、「夏を制する者は受験を制す」といいます。この夏に、どれだけ力を伸ばせるかが、秋以降の実力の伸びを大きく左右することになるのです。気を引き締めてかかりましょう。長い夏休みはこれからが本番です。
 1・2年生も、学校の授業が進まない今が復習の絶好の機会です。部活動と遊びだけに明け暮れるのではなく、計画的に復習を行なってください。日ごろからコツコツ努力している者が、必ず後で優位な立場に立つことができます。後悔したり慌てたりすることが絶対にないように、早めに取りかかりましょう。
 夏明けの、みなさんの伸びを楽しみに、この夏もみなさんを鍛えさせていただきます。お互いに体調には充分注意して、精一杯の努力とあふれる元気でこの夏を乗り切りましょう。

先週のこと

先週のことです。長崎学習塾協会の理事会に出席するために長崎市へ行こうと、高速バス乗り場へ向かいました。乗車するつもりのバスの出発時刻15分前には着いたのですが、すでに多くの人が並んでいます。長崎行きの高速バスは予約制ではありませんので、「これはもしかするとやばいかな」と思いながら、最後尾に並びました。仮にこのバスをやり過ごしたら、次のバスに乗っても理事会には遅刻してしまいます。目的のバスが到着しました。次々にお客さんが乗車すると、案の定、「定員のためもう乗車いただけません。次のバスをご利用ください。」というアナウンスが流れます。私の後ろに並んでいた数名の方は、もうあきらめた様子で引き返しています。そこへ「どなたか代わってくださいませんか」という声が聞こえました。私の3人前に並んでいた女性です。おそらく私の母よりはいくらかお若いだろうという年配の方です。「娘の手術がお昼から始まるのです。その前に娘に会っておきたいのです。お願いします。」という悲痛とも聞こえる叫びです。しかし、驚いたことに誰も反応しません。見かねた運転手さんが口添えをして車内の乗客に声をかけていますが、誰も反応しないのです。塾生のみなさん、もし君が乗客のうちのひとりだったら、どうするでしょうか?
難しい問題です。心情的には代わってあげたい気持ちはあっても、仕事であったり、約束であったり、自分も時間通りに目的地へつく必要があると代わってあげることはできません。おそらく、あのとき車内に座っていた乗客の多くは、何だか後ろめたい嫌な気分を味わっていたのではないかと思います。
数分も経っていないと思います。バスのそばから動こうとしない女性に声をかけることにしました。「よかったら、一緒に長崎へ行きませんか。バスに乗れないので、私は車で行くことにします。よかったら、乗ってください。」
1時間半ほど女性とふたりでドライブしました。女性はやはり私の母と同年輩で、佐世保市に住むMさん。数ヶ月前、長崎市に住む娘さんに初期の腫瘍が見つかり、今日N病院で手術を受けること。本当はもっと早くから娘のところへ行きたかったのだが、身体の若干不自由なご主人の世話があって思うようにいかなかったこと、などが車中での話からわかりました。
「今日、娘の手術だというのに、運が悪いですね。娘の手術、うまくいくといいんですが。」と女性が言います。
「大丈夫ですよ、おばさん。おばさんは運がいいですよ。バスに乗れなくても、手術に間に合うように長崎に行けるんですから、ついてるじゃないですか。運がいいに決まっています。手術は大成功ですよ。」私は無責任なことを口にします。
このあたりから、私は相手の女性を「おばさん」と呼んでいました。
N病院へ着きましたが、この病院だったかどうか自信がないというおばさんに、「受付で尋ねてみて違ったら、ここへ電話をください。似た名前の病院を教えてもらってそちらへ行きましょう。私はしばらくここにいます。」と言って、携帯電話番号のメモを渡しました。5分ほどして、「この病院で間違いありませんでした。」とおばさんから電話があり、私は心置きなく理事会の会場へ向かうことにしました。おばさんは何度も何度も「ありがとう」を繰り返していました。

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中学生のみなさん、期末試験の結果はいかがでしたか?
今週末は国立高専の一般入試、来週早々に国立大学前期試験、公立高校一般入試に向けた炎の最終章突入と、毎日があわただしく過ぎていきます。日曜日には英検の2次試験もありますね。それぞれの試験を受験する塾生のみなさんは、最大の努力をお願いします。泣いても笑っても、試験当日までしか努力できません。
どんなにあわただしくても、どんなに目先のことに追われていても、身の回りの人々に心を配れるような人でありたいですね。自戒を込めて・・・。

師走

師走に入りました。今週に入って、ずいぶん寒くなったものだと思います。ただでさえあわただしい年末、今年は衆議院議員選挙が加わり、あわただしさに拍車をかけます。4日公示、16日に投票です。昨日の午前中に出社すると、佐世保駅前ではふたつの政党が演説の真っ最中でした。ひとつは学研CAI、学研サイエンススクール、プリンスの入っているJR校側の角に立って、国道を通る車に向かって話しています。他方は、佐世保駅前校の目の前にある市営バスの停留所に車を停めて、その上にふたり上って市営バスを待っている人や道行く人に向かって演説しています。不思議なことに、他の乗用車が停まっているとクラクションを鳴らす市営バスも、昨日はバス停を占拠している車の横にバスを停めて乗客を降ろしています。私はあきれてしまいました。
すぐに車に近づきました。車のそばにいた男性が私の方へ向き直ります。一瞬、「選挙運動の妨害になるのか?」と思いましたが、そんな難しいことはこの際関係ありません。その男性に向かって、「ここでやる必要がありますか?」と尋ねました。
私よりひと回りは年上であろうと思われる男性が、「いいえ、特にはありません。」と答えます。
「それでしたら、お願いですから場所を変えてやってください。ひと月後に本番を控えた受験生が、目の前の校舎で朝から頑張っているのですから、その邪魔をしないでください。」
男性は頷くと、車にかかっているハシゴを半分くらい上がって、演説をしている男性に伝えました。
それまでうるさいくらいに響いていた声が急に止んだからでしょうか、あたりの人の顔が車の上に向きます。すると、「ここは受験を控えた受験生が頑張っている塾の前だということで、これから場所を変えて○○党の考えをお伝えします。受験生のみなさん、頑張ってください。」という主旨の発言を、一段と声を張り上げてマイク・スピーカーを通してやるのです。またまたあきれてしまい、今度は怒りさえこみ上げました。本当にわかっちゃいない。
周りが目に入らない、自分たちのことしか考えない人たちに、政治をやる資格があるのでしょうか?これから2週間ほど、ほとんど内容などないと思われる選挙カーの騒音に悩まされます。立候補者のみなさん、お願いですから、周囲の方たちや近隣の方たちにも充分に心を配って、内容のある主義主張をなさってください。候補者名と政党名を怒鳴り散らすだけの選挙カーは御免です。

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中1、中2生の親子勉強会が好評のうちに開催されています。今年度から「チーム智翔館」に参加を決めてくれた前田孝明先生、大活躍です。生徒のみなさん自身も保護者のみなさんも、ここで得たことをこれからの生活に生かして、受験勉強を順調に乗り切っていって欲しいと願っています。

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先週から風邪気味で苦しんでいます。途中3度、インフルエンザの検査をしてもらいましたが、インフルエンザではありませんでした。こんなに風邪の症状が長引いたことが、かつてあっただろうかと考えます。これも年齢と体力のせいでしょうか。
塾生のみなさん、特に受験生のみなさん、体調には充分に気をつけてください。うちの家族の中ではいちばん「うがい」と「手洗い」に勤しんできた私が真っ先に風邪を引いてしまいました。風邪を引かない管理と努力も必要ですが、引いてしまったら、早く治すことが大事です。

小6県中受検・特別対策 中3理科特訓会

ふと気がつくと、10月ももう終わりです。朝夕は肌寒ささえ感じるようになりました。風邪や体調不良での欠席も、少しずつ出始めました。「頭が痛い」とか「のどが痛い」と症状を訴える生徒も出てきました。体調の管理には充分に気を配ってください。うがいと手洗い、基本的過ぎるのでしょうが、有効な対策だと専門家がすすめています。

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さて、10月13日土曜日から小学6年生を対象にした県立中学受験対策の特別面接練習が始まっています。受講生はこれまでも講習会等を通して面接の練習に取り組んできたのですが、今回はガチガチに緊張している生徒が見られます。昨年より聖和女子学院中学校・高等学校の先生方が面接官を引き受けてくださり、面接練習と面接後のアドバイスをしてくださっています。今年1月に入学者選抜に臨んだ生徒たちが「本番はとても緊張したけれど、聖和の先生たちと面接練習をしたことを思い出したらリラックスできた」と語っていました。6年生のみなさん、1月13日の入学者選抜本番で持てる力の100%を出し切るためにも、今はたくさん失敗して改善を加えていってください。
10月22日にテレビ佐世保の「がんばれ受験生」の収録がありました。11月6日から放送が始まります。ここ数年の間、安東先生をはじめ、若い先生たちに任せてきたのですが、今年はリクエストにお応えして数年ぶりに登場しました。久しぶりのカメラに、緊張しました。6年生の気持ちがよくわかります。けれど、場数を踏むと、緊張感は徐々に薄れていくものですよ、きっと・・・。

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10月21日の理科特訓会を皮切りに、中学3年生対象の日曜特訓会がスタートしています。昨日は社会。この後、英語、数学、国語と年内に5教科を終える予定です。また、これに先駆けて土曜特訓会も始まっています。受験本番に向けて用意されたさまざまなメニューがひとつずつ動き出しました。すでに受験生としての心構えができた生徒は、順調にスタートを切ったと思っていいでしょう。たとえ夏に悔いを残していたとしても、これからの挽回は充分に可能です。受験生としていまひとつピリッと引き締まった気持ちになれない生徒は、自分で自分を躾ける良いチャンスです。頑張って当然のこれからの時期に、納得のいくまで頑張ることのできる環境を、自分自身の手で作り上げましょう。

今の性格を生かしたままの粘り

9月も下旬を迎え、朝晩は涼しくなりました。塾生の皆さんは運動会や文化祭と、学校行事に追われる毎日を忙しく過ごしていることでしょう。そうそう、今は「合唱コンクール」というものもありますね。

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先日、とある校舎で中等部に通う女の子から挨拶の声をかけられました。声は明るいのですが、何となく疲れ気味に見えます。「なんだかお疲れだね」と言うと、目に涙が浮かびました。私はあわてて近くの教室へその子を入れました。
女の子は「すみません」と言いながら、無理して微笑もうとします。でも、そうすると涙がこぼれるのです。しばらく待っていると、学校へ行くのがとてもつらいと切り出しました。集団行動が苦手だし、社交的ではないので、親しい友達が少ないというのです。もっとみんなと仲良くなりたいと思っているのですが、うまく話せないと言います。
「人と話す時、相手の顔色ばかり気になります。嫌われたくないから、話を合わせてしまいます。でも、そんな自分がとても嫌なんです。前向きな気持ちになれません。もっと自分のことを主張できるようになりたい。」
心配させたくないので、親には学校生活について話したことはほとんどないと言います。運動会の練習で、周りが楽しそうに騒いで楽しんでいるのを見ていると、うらやましくて、胸が苦しくるのだそうです。

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少年期や青年期に、いや、ある程度年をとってからでも、この子と同じような悩みで苦しんでいる人は多いように思います。私の見るところ、現代社会には「明るく元気に!」という姿勢が過度に強調される傾向があって、内気な人が多少無理を強いられているという側面があるようです。本当は、それぞれの性格の持ち味を生かせば良いのでしょうが。
 彼女も自分を主張し、楽しく騒がなければならないという思いが強すぎて、かえって暗くなってしまっているのでしょう。「うまく話せないから、みんなと仲良くなれない。」という焦りがあるのかもしれません。しかし、「これを解決するためには、自分の性格を変えなければならない。」と思っても、空回りするばかりではないでしょうか。
 性格は変えるより、その強みを生かそうとする方が大切だと思います。
「相手の顔色を見て、相手に話を合わせる。」
これは確かに苦しいのでしょうが、それこそが彼女の強さかもしれないと考えるようになりました。むしろこれを徹底して、相手の話をじっくりと聴き、誠実さで勝負してみてはどうでしょう? 内気な人は、地味ですが、相手を傷つけないことで信頼を勝ちとることができ、ゆっくりと存在感をかもし出すことができるように思います。おとなしくて社交的ではない、そのままの性格で充分です。大切なのは、「今の性格を生かしたままの粘り」だと私は思います。
先日は授業前と言うこともあり、彼女の話を聞くばかりでうまく声をかけることができませんでした。数日たって、元気を取り戻してくれていることを願います。

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スポーツの秋、食欲の秋、芸術の秋と言いますが、もうひとつ、「秋の夜長」は読書に最適です。小学生の頃は「本をよく読む子」と「国語のできる子」はほとんどイコールと言って差し支えないでしょう。読書にいそしむ子は想像力に優れ、言葉が豊富で、読むスピードも持ち合わせていることがほとんどです。しかし、中学、高校になると、「読書好きな子」と「国語のできる子」は必ずしも一致しなくなってきます。大学受験に近づくにつれ、読書だけではなく、体系立てた学習が必要になってくるのです。
だからと言って読書を捨てるのは早計というものです。小中高校生の時代には、読書が心に良質の肥料を与えてくれます。ですから、高校卒業の時期までには読書の習慣をつけておく必要があると私は考えています。この時期までに本に親しんでいない人は、考える力も表現力も伸び悩む傾向にあります。本を読んでいないということが、決定的に知的能力の成長を阻みます。
「近ごろの子どもたちは活字離れがはげしくて、本を読まなくなった」と言われますが、そういう大人も活字離れが進んでいます。現在は新聞を取っていない家庭が数多くなってきたと聞きます。万一、身の回りから「活字情報」が遠ざけれれる現実があるのなら、私たちは意識して「活字情報」を獲得する動きを起こさなければなりません。「活字離れ」の結果、言葉を知らない子どもたちが増え、言葉での表現力も乏しくなってきているという事実があります。若者の会話はワンパターン化し、個性を感じることができません。また、このことが学習にも大きな障害になります。本を読むことによって独力で学習するということができなくなり、また考える力が弱いため、学力も伸び悩むのです。もちろん一般論ではありますが・・・。

秋、後半戦

夏休みが終わり、すべての学校の通常授業がスタートしました。いかがでしたか? 長い休み、充実した毎日を送ることができたでしょうか? 夏休みの課題は、提出し終えましたか?
 今年も、とても暑い毎日が続きました。夏期講習開始3日目、まるで後期日程に突入したかのような身体のだるさに、この夏持ちこたえることができるかどうか心配しました。とにかく1日1日を精一杯に送ることだけに心を砕きました。
そうして迎えた9月。早朝は過ごしやすい気温となりました。朝日が昇って、光に照らされると、さすがに暑くはありますが、数日前の暑さとは明らかに異なっています。季節は確かに秋となっています。
これから当該学年の後半戦です。焦らず、無理をせず、着実に己を高めていきましょう。

考えながら、学習を進める

夏期ベーシックが終了し、今日から本コースが始まります。今朝、佐世保駅前校に出勤すると、小学生の元気な声が聞こえました。県立中受験対策講座の生徒たちです。朝から本当に元気です。中学3年生も授業開始時間よりもずいぶん早い時間に登校して、黙々と自習に励んでいました。なんだか、とてもいい「夏期講習会のスタート」が切れそうです。
ベーシック期間中は各校舎を回り、中学3年生に1コマずつ、「国語の学習で重要なこと」、「受験勉強を進める上で重要なこと」をお話してきました。力をつけるために、何をどうしなければならないのかを考えながら、学習を進めてください。くれぐれも「学習したつもり」にならないように・・・。

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暑い毎日が続きます。体調にはくれぐれも気をつけて、この長い夏を乗り切ってください。梅雨が明けたとたんに早朝から鳴くセミの声が、まるで嫌がらせのように聞こえてしまいます。私の「夏ヤセ」を現実のものにしてくれるのであれば、この暑さも歓迎するところですが、「夏バテ」だけじゃあねぇ・・・。

「薬」にも「ナイフ」にもなる。

梅雨明けは、まだ来そうにもない毎日が続きます。しとしとと降り続く、うっとしい毎日が「梅雨」だと思っていましたが、このところの雨は「嵐」を連想させるほどの降り方です。先日、ニュース番組を見ていましたら、「スーパー・ゲリラ豪雨」という言葉が使われていました。いつぐらいから「ゲリラ豪雨」という言葉が使われるようになったのでしょう。ほんの数年前のような気がします。今は、それに「スーパー」がくっついてしまいました。ニュース番組の中では、温暖化がひとつの原因だと語られていましたが、そうだとすれば、急速に進んでいるこの事実を、私たちは重く受けとめなければならないですね。先週、7月12日木曜日の天気予報では、「熊本県と大分県を中心に、これまでに経験したことのないような大雨」と予報官が話していました。この言葉に、「あれ、これまでとは違うぞ」と感じた方は、全国に大勢いらっしゃったと思います。豪雨の程度がますますひどくなっていることが、これらの表現からも感じられます。

◇        ◇        ◇        ◇        ◇

7月3日の火曜日、朝のことです。いつものように市内のH中学に出かけたのですが、外は本格的な雨が降り続いています。傘をさして30分歩く勇気はありませんので、車で行くことにしました。雨は少しずつ強くなっているように感じられます。そこで、中学1年生の息子を乗せていくことにしました。家を出るときにはそれほどでもなかったのですが、数分後には叩きつけるような雨に変わっていました。中学に着いたときには、本当にひどい「降り」でした。校門のあたりにはお子さんを送ってきた車が列を作っています。私は息子を降ろすと、いつものように校門に立つのはやめて帰宅しようと思いました。Uターンして校門を出、坂を下り始めると、前を走る車が坂を川のように流れる雨水を跳ね上げました。跳ね上げられた水は、豪雨の中を両手で傘を握り締めて登校してくる、すれ違う子どもたちに容赦なく飛びかかりました。その姿を見ると、やっぱりいつものように校門に立って声をかけなければいけないという思いがわきました。ふたたびUターンをして学校に戻り、駐車場に車をとめて、校門に立ちました。
いつのように「おはようございます」、「行ってらっしゃい」、なんて声をかけたのですが、元気よく挨拶を返してくれるどの子も、髪の毛までびっしょりと濡れています。つい、「タオルできれいに拭かんばよ」、「すぐにジャージに着替えなさいよ」と余計な言葉を加えてしまいました。
傘をさして立っているだけですが、吹きつける風のせいで、私も髪の毛まで濡れてしまいました。校門の内側では、傘をさしたレーンコート姿の校長先生が、子どもたちを送ってきた車の誘導、整理をなさっています。それくらい車両が多いのです。
数人で登校してきた男子の1人が、「おはようございます」と挨拶してくれた後、「今日、歩いてきたのは、僕たちだけですか?」と私に尋ねました。「いや、いっぱいいるよ。みんなびっしょり濡れてたよ。君も風邪ひかんように。」と答えると、「よかった。自分たちだけかと思ってました。いつも、ありがとうございます。今日もありがとうございます。」という言葉を残して、校舎へと消えました。私はうれしくなりましたが、「よかった」という彼の言葉が気になりました。彼には「いっぱいいるよ」と答えたのですが、私が立ってから正門を歩いて通った子どもたちは、本当は30人弱でしょうか。ほとんどの子は、車で送ってもらっていました。
この子たちの他にも2名の女の子が、それぞれ挨拶に加えて「ありがとうございます」と声をかけてくれました。この子たちの言葉をもらっただけで、びしょ濡れになりながらでも校門に立っていた甲斐がありました。言葉って、「薬」にも「ナイフ」にもなるものですね。このときは「元気」をいただきました。

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ほとんどの中学校や高等学校では、期末テストの結果が出そろった頃でしょうか。どうぞ、結果にこだわってください。学校では「訂正ノート」の作成を課題として出された先生もいらっしゃるでしょう。先生に提出するための「訂正ノート」ではなく、どうせやるなら今後に活かすための「訂正ノート」にしてください。自分が書いた答案用紙をじっくりと眺めて、分析と反省をお願いします。反省とは、「テスト勉強の時間が足りなかった」とか「○○の部分はわかったつもりだった」とか、改善点をあげるだけではありませんよ。「この部分はこういう考え方をしたので、しっかりと得点できた」、「この問題で得点できたのは、試験直前に見直していたからだ」などと、「良かった点」もしっかりと記録に残しておきましょう。それが「今後に活かす」ことにつながっていきます。

公立校は20日の金曜日で授業終了、待望の夏休みに突入します。部活動、旅行、野外活動などと、楽しみにしていることはたくさんあるでしょう。長いけれど、終わってみれば短く感じる夏休み。9月にはひとまわりもふたまわりも大きくなった自分をイメージしながら、充実した時間を過ごしてください。

あの日の夜

梅雨らしい毎日が続きます。ジメジメとして、蒸し暑いですね。体調の管理には、じゅうぶんに気をつけましょう。

さて、6月22日の金曜日に「合格出陣式」をアルカスSASEBOで行いました。厳かな雰囲気で始まり、厳粛な雰囲気のまま2時間の式が終了しました。中学3年生のみなさんの、受験に対する気持ちはどう変化したのでしょう。キミの気持ちはどうですか。

25日の月曜日の夜、わざわざ私の部屋まで来て「先生、これから入試まで頑張ります。」と宣言してくれた2人連れの男子がいます。「出陣式の日は、午後10時前に親子で帰宅したのですが、すぐに自分の部屋へ行き、机に向かって勉強を始めてくれたのには驚きました。」とは、火曜日にお会いしたお母さんの言葉です。あの日の夜、帰宅してから机に向かってくれた中学3年生が何人もいると聞いています。うれしいですね。キミたちの心が素直だから、先生たちの気持ちがストレートに届いたのでしょう。
まだまだ本気になれていないみなさん。焦ることはありません。受験生と自覚して努力を始めた友だちにくっついて、その影響を少しずつ少しずつ受けてください。けれど、もう7月。「焦らず、急げ。」ですね。

人は変わることができる

中体連、高総体の結果はいかがでしたか。勝負事は「勝ち」もあれば、「負け」もあります。要は、自分自身で納得できる結果を残せたかどうか、ということだと思います。中学3年生、高校3年生のみなさんは、受験も同じだと肝に銘じましょう。来春、自分自身で納得できる結果を手に入れられるかどうかは、これからの君自身にかかっています。どうか君自身の気持ちを奮い立たせてください。

先月、学習塾の集まりで、他県の学習塾の、教室長の先生とお会いしました。30代の男性です。「智翔館の加納先生ですね。」と声をかけられて名刺をいただきましたが、学習塾の名前は知っていますが、先生のお名前には心当たりがありません。私は自分の名刺を差し出しながら、「はじめまして。よろしくお願いします。」と応じました。すると、先方は「いいえ、初めてではないんです。6年前のこの会で加納先生とお会いして、本当にお世話になりました。今日はお会いできて良かったです。その節はありがとうございました。」と言います。ここで、私の頭の中ではいろんな考えが渦巻きます。「この人と、いったい何の話をしたんだ?」「お世話になったって、俺は何をしたんだ?」「そもそも、本当にこの人と会ったことがあるのか?」「人違いをされているんじゃないか?」・・・・・・。
そんな動揺が顔に出てしまったのでしょうか。その先生は「昔話になりますが」と前置きをして、6年前のことを話してくれました。

大学を卒業して学習塾の仕事を始めて、ようやく5年目を迎えたころのことでした。上司から呼ばれ、それまで勤務していた教室の教室長を命じられました。加納先生とお会いしたのは、そのひと月後くらいです。まだまだ駆け出しですし、先頭に立つガラでもないとしり込みしていましたし、自信もありませんでした。とにかく「ミスがないように」と気にしながら毎日を送っていた私が、加納先生に胸のうちを漏らしたところ、先生は「誰も、君なんかに期待していないよ」とおっしゃって、私の肩をポンと叩かれました。私は「自分のことを読まれてる」と思いました。そして、加納先生は「人が君に期待してくれるかどうかは、君のこれからの働き次第さ。過去の君には、誰も期待なんかしてないさ」とおっしゃいました。
それまでの私は、生徒や保護者から「先生、先生」と奉られて、自分では元気が良くて景気のいい人間のつもりでいました。上司に叱られるたびに、「たかが教室長のくせに、なんだ」と思っていました。ところが、いざその教室長を命じられると、なんという逃げ腰、なんたる小心者、情けないくらいの小さな人間。「不戦敗」の自分に赤面しました。そんな自分に気づかせていただいた御礼を申し上げたくて、今日はここまで参りました。

思い出しました。会議・研修の後の懇親会で、少しアルコールが入っていたからでしょうか、愚痴とも独白ともとれるようなことを私の前でブツブツと呟く青年がいました。「あんたなんかには誰も期待していないよ」という私の言葉の後で、この男性は難しい顔をして黙ってしまいましたので、私の言葉に怒っているのかと思っていました。彼の内面では、このときもこの後も、さまざまな考えが戦いを繰り返してきたのでしょう。今、彼はそのときよりもひと回りもふた回りも大きくなって、立派に教室長を務めているとのことです。人は自分から変わろうと努めれば、必ず変わることができるということでしょう。そういえば、彼の体回りも、あのときよりもずいぶん立派になっていました。
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