2005年09月

2005年09月29日

古書店猫額洞さんによる森茉莉回想

森茉莉に会って話を聞いたことのある古本屋さんが書いた
当時の回想記事をまとめてリンク。

blogのトップはこちら:猫額洞の日々 (中野にある古本屋さんです)


モリマリさんとお茶を (1)

モリマリさんとお茶を (2)

母校の白百合に講演しにいった話は初めて聞いたような。

モリマリさんとお茶を (3)

単行本『贅沢貧乏』のノンブル(頁番号)を見ると
確かに手書きっぽい。これ読むまで気がつかなかった。

「ひどい結婚のことをモリマリアージュっていうのよ」
これはいかにも森茉莉って感じの発言でかわいいと思う。
「いまから思うと、珠樹も可愛そうなのよ。」読んで少しほっとした。
「あたしだって10年我慢」は意外だけどそういえばそうだなあ。

猫額洞さん、貴重なお話を書いていただきありがとうございました。
作品も好きだけど、森茉莉御本人の発言のひとつひとつが実に面白い。
このblogでは、森茉莉に会ったことがある、見たことがあるという
方の目撃談を随時絶賛募集しております。


chiwami403 at 23:36|PermalinkComments(2)TrackBack(0)森茉莉 | 森茉莉

2005年09月25日

長谷川深造について考察したサイト

長谷川時雨のことで以前こちらにコメントくださった人のサイト
を拝見したら、長谷川時雨とその父深造について記事があった。

トップページはこちら:はんちはんかい備忘録

長谷川時雨についての記事はこちらから:
はんはん備忘録482: 長谷川時雨のこと1 源泉小学校
※リンク先頁の一番下にある「NEXT」をクリックすると次の記事へ

特に、深造の職業、代言人(現在の弁護士)についての考察がかなり詳しい。

はんはん備忘録485:長谷川深造のこと1 深造の記述をめぐって
※同様にリンク先一番下にある「NEXT」をクリックして次の記事へ

『旧聞日本橋』に出てくる深造についての記述でも、当時の時代背景や
弁護士の歴史にも触れ、時雨の思い違いや記述の検証などもしています。
今までの長谷川時雨の評伝や関連書籍では語られなかった分野でもあり、
私は法律関係には本当に疎いので有り難い限りです。

長谷川時雨・長谷川深造についての記事の一覧はこちら:はんはん備忘録の綴じ帳17
9月25日現在、長谷川時雨は1〜3、長谷川深造は1〜11まで記事があります。

chiwami403 at 22:40|PermalinkComments(2)TrackBack(0)長谷川時雨 | 長谷川時雨

2005年09月21日

全集未収録?「赤鉛筆三重丸の『銭形平次』」

筑摩の森茉莉全集の作品索引には「赤鉛筆三重丸の『銭形平次』」
がなかったので、都立中央図書館で閲覧してきた。
銭形平次役だった大川橋蔵の夫人が書いた本『ふたりひとつ』に
掲載されている文章である(2005年5月5日記事参照)。

A5版で、森茉莉の文章は4ページ分。
・テレビ欄の銭形平次のところにはいつも三重丸をつけている
・平次の「此奴は大福が好きなんですよ」という台詞に、なんともいえぬ
 情愛を感じて、自分が平次の下っ引きになりたいと思った
・自分も大福が好きだから、平次が「此奴は大福が好きなんですよ」
 と八のことを言ったのが嬉しかったとか、そういう話。

世田谷文学館で閲覧してきた『少女座 森茉莉の世界』に掲載された
「茉莉おばちゃん」(姪の山口五百さん筆)によると、大川橋蔵からは
「上京したらおたずねしたい」と手紙をもらっていて
「橋蔵が戸を開けたたとたん、どんな顔すると思う」と言ったという。

銭形平次捕物控 まだら蛇


chiwami403 at 20:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)森茉莉 | 森茉莉

2005年09月18日

今日出海「森茉莉とその良人」

今日出海「森茉莉とその良人」は新潮の昭和34年2月号に掲載され、
山田珠樹との結婚生活を描いた森茉莉の作品(『記憶の書物』)
について教え子の目に映った山田珠樹の回想をまじえて書いたもの。

これに答える形で翌月「私の離婚とその後の日々」を
森茉莉が同じく新潮に発表(筑摩全集1巻に掲載)。

冒頭はご成婚前の美智子様の話題で(以下、太線部分引用)

私は夫婦生活を続けて行くのに一番大事なことは努力だと思つている。

ともっともな意見を述べ、森茉莉の作品と破綻した結婚生活について
考察している。主に今日出海から見た森茉莉と作品の印象について抜き書き。

茉莉女史は鴎外の長女として、父に愛された話や愛の中に
育った話をその随筆に長々と書いている。育ちのいい人の
伸び伸びとした筆致と繊細な感覚はやはり女房稼業に明け暮れ
している普通の女性とは相違しているが、どこが非凡かと云えば、
少女時代の夢のような話を、老境に入ろうとしている女史がまだ
瑞々しく書けるというところだった。

私より年上の女史が、少女時代の思い出を楽しげに語る、
その語り方には異常な若さを感じるのである。

庭の花壇に咲く花や立ち木や小鳥と、そして夫の珠樹氏や周囲の人々とを、
どのように区別して観察しているのか(中略)奇異に思うのである。

「父の帽子」にしろ、「靴の音」にしろ、そこには父か母か、
でなければ大抵自分のことばかりが飽きずに語られている。
(中略)これはエゴイズムと呼ぶべきではない。自我以前の
子供のようなセルフィッシュネスである。


そして今日出海は教室や酒場での山田珠樹について回想し、

茉莉女史は、このように変化する珠樹氏の性格を理解したり、
追随したり、或はリードしたりする、所謂世話女房とは凡そ
縁が遠いようだ。逆に彼女のお守りが必要なくらい自分のことに
かまけていたようだ。

よく言えば才女が才筆を弄しているのだが、甘やかされた人間の仮面を見ている
ようで、離婚の悲劇も、別れの愉しさもなにも私は感じとれなかった。むしろ
何もないところに悲劇を読み取っただが、このような悲劇には結末がない。


今でこそ森茉莉は、そのダメっぷりも魅力として愛されている(?)が
まだ当時はデビューしたばかりだったし、良妻賢母がよしとされた時代の
男性にとってはそんなに驚愕だったのだろうか。
今の読者が見れば「いや、それが森茉莉なんです」って話ばかりでおかしい。

作品の良さを認めつつも、森茉莉がいわゆる良妻賢母でなく子供のようで、
山田珠樹とお互い結婚生活で努力がなかったことが、今日出海にとっては
理解の範囲を超えているというか、やりきれなさを感じているようだと
私は思った。

この時点ではまだ『贅沢貧乏』は出ていないから(発表は35年)まさか
森茉莉自身がユーモアのネタになる作品が生まれるとは思いもしなかっただろう。
勿論ドッキリチャンネルも同様。

ついでに、森しげと森茉莉の悪妻話もあった。

ただ鴎外を独占していたかった人らしい。
茉莉女史もこの意味の独占欲の強い人で

茉莉女史は悪妻の評判が高かったが


現在では、森茉莉は作家としか思われてないから、森茉莉悪妻説は
森茉莉の被害妄想もあるんじゃないかと私は思っていたが、
今日出海は辰野隆の教え子だし、この世代には知れ渡ってた?

悪妻だと言っていた人たちは皆死んでしまい、
今は逆に山田珠樹が、森茉莉の夫だった人で悪い奴という
イメージのほうが有名になってしまったのではないか。
古本も仏文学にも興味ない人なら、辰野隆もただの悪役。



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2005年09月15日

今日出海『私の人物案内』

私はずっと今日出海の『私の人物案内』(中公文庫)を
古本屋で探していた。この人が東大仏文で山田珠樹に教わって
いたそうで、何か山田珠樹のことは書いていないかと思ったのである。

もうネット古書店で注文しちゃおうかなと思っていたある日、
会社近くのやる気なさそうな古本屋に入ったらあっさり見つかった。
山田珠樹のことはちょっとだけ書いてあった。

今日出海は明治36年生まれ、中学では白洲次郎と同級、初代文化庁長官。
この本によると、結婚した日に辰野が今日出海を花街に呼び出し、
途中で辰野から山田に交代して結局外泊させたが、そのとき山田は

「女房って奴は最初が大事だよ……あまりにちやほやすると
もう後で取返しのつかぬほどつけあがる。結婚初期に手当てを
しておくのが肝腎さ」
   
                  
と説教したのだそうだ。芸者もこういう考えも今から見ると
時代錯誤と思う人もあるでしょうが、そういう時代ってことで。

もう森茉莉とは離婚していたと思うけど、この説教は
森茉莉との結婚生活で得た教訓なのだろうか。
森茉莉は「つけあがらせると」とかそういう問題は超越した存在
だから山田珠樹には気の毒であったとしか言いようがないが。

それから、今日出海が大正5年ごろ神田の基督教青年会館の音楽会に
出かけたら、森鴎外が令嬢を連れて来ていたという話も出ていた。
森茉莉か杏奴かは分からないけど、森茉莉だったら13歳くらい?

私は森茉莉全集は持っていないけど、新潮から出た「ロマンとエッセー」
シリーズの『父の帽子』だけは持っていて、それに出ていた「私の離婚と
その後の日々」は、今日出海の文章に答える形になったものだそうだが
それは掲載されていなかった。調べたら『私の人物案内』が出たのは
昭和20年代後半で、森茉莉がデビューする前のことであった。

『私の人物案内』には白洲次郎や青山二郎の人物記も出てます。
他に今日出海の『隻眼法楽帖』も読んだけど、これも文士交流話が多い。

白洲次郎 占領を背負った男


chiwami403 at 22:46|PermalinkComments(2)TrackBack(0)森茉莉 | 森茉莉

2005年09月14日

ぶろぐ「潮騒」かくパクリき

森茉莉浪漫館の文章パクってるじゃん! と怒りの記事を
書いたが、その後ぐぐったら全てパクリなりけり。
これが無断転載じゃなくて、作家別関連サイトのリンク集に
なっていたらすごーく便利で良かったと思うんだけどなあ。

作家紹介、、、ぶろぐ 「 潮 騒 」

(森茉莉)
・art random - 人生のセイムスケール - age 84 

 (の森茉莉のところ) 
・森茉莉浪漫館

(有島武郎)
作家別作品リスト:有島 武郎
有島武郎 - Wikipedia
有島武郎:作家事典:ほら貝
木田金次郎美術館
北区エピソード史28

有島武郎だけでこれだけある! もう面倒なのでやらん。
はてなダイアリーつけた日数が69日あるってことは膨大だろな。
作家の紹介サイトなどを作っている人は、自分のサイトや書評が
パクられてないか調べてみたほうがよろしいかも。

これが文学じゃなくて漫画とかゲームだったらすごい祭りに
なってるだろうに、さすが文学は地味だ。

chiwami403 at 21:44|PermalinkComments(2)TrackBack(0)脱線 | 脱線

2005年09月12日

森茉莉浪漫館文章を無断転載したはてなダイアリー

私はほぼ毎日、未来検索とはてなダイアリーのキ―ワードで
森茉莉について書かれたものがないかどうかチェックしています。

今、はてなダイアリーのキーワード「森茉莉」でとある日記を見たら
森茉莉の著作と簡単な経歴が載ってて、まあこういうのはよくあるよね
と読んでいたら、これって読んだことあるような……

っていうか森茉莉浪漫館そのまんまじゃん!
(何回も読んでるから覚えている)
 

無断転載禁止と明記してある森茉莉浪漫館から
勝手にパクッった記事はこちら↓ 
作家紹介、、、ぶろぐ 「 潮 騒 」 (9月12日記事参照)

森茉莉浪漫館の「森茉莉語録」はこちら。
まったく同じでしょ? 

森茉莉ファンサイトの元祖、森茉莉浪漫館。
定番中の定番、森茉莉好きにとっては心の支えに等しいサイトです。
「森茉莉についてはこのサイト参照」とリンク貼れば済むことなのに
勝手にパクって自分が書いたように装うとは、断じて許せーん!

ちなみに同じ人の与謝野晶子の概要

堺市立文化館
与謝野晶子ネットから無断転載している。
他のも全部パクリなんだろーな。せっかくはてなダイアリー書いてるのに
内容は全部借り物で自分の言葉で語らないなんて、一体何が目的なんだろう。
アクセス伸ばしたり儲けたりしたいなら、この分野最も向かないと思うのだが。

chiwami403 at 22:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0)森茉莉 | 森茉莉

2005年09月09日

他のblogの森茉莉記事いくつか

猫額洞の日々 9月2日記事「今日もせっせと? 」によると、
このblogは中野にある古本屋の店主さんが書いているのですが
森茉莉から直接話を聞いたことがあるのだそうで、羨ましい。
そのときのエピソードの記事化、心よりお待ちしております。

foggyな読書 5月25日記事「「アホイ」について」
紹介されているフランスの歌について、コメント欄で
「森茉莉の小説に出てきた」と指摘されています。
私は全然覚えていなかったのですが、不思議な歌詞です。

お針当番の縫い物カゴ 4月5日記事 「贅沢貧乏・刺繍」
では単行本『贅沢貧乏』の表紙アルファベットが刺繍になってます。
うおーこれかわいいなあ。私は不器用だから絶対こんなの無理だ。

chiwami403 at 22:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)森茉莉 | 森茉莉

2005年09月07日

英語版Wiki「YAOI」に森茉莉の項

男同士のエロ小説とかやおいとか腐女子とか苦手、
もしくは知らない人は読まないほうがいいです。

CUTTING EDGEの中の人の日記 で英語版Wikipediaの「YAOI」に
森茉莉を説明する項があると知った。
やおいの歴史に森茉莉は欠かせないってことなのか。
不快に思う森茉莉好きさんもいるかなあ、こういうのは。

Yaoi - Wikipedia, the free encyclopedia
の下のほうに森茉莉の項目へのリンク。

Mori Mari - Wikipedia, the free encyclopedia

『恋人たちの森』や『枯葉の寝床』は同性愛自体を目的にしていないと
森茉莉が言っているが、ボーイズラブ小説がなかった頃から現在まで、
同性愛小説好きの女子が森茉莉の小説に引き寄せられている、と
いう事がとても気になる。


以前、森茉莉浪漫館黒猫ジュリエットの手紙の掲示板で、
海外で森茉莉を取り上げた文献はないか問い合わせていたのを
見た気がするが、あったよここに。やおいだけど。

現在は訂正済みだけど、最初見たときは切腹自殺したことになっていた。
三島との間違いだろうけど森茉莉に自決って不似合いだなもう。

やおいといえば、tigerbutterで紹介していた「 文壇・文学史で801 」
は住人の読む本の幅広さに驚き、伏字とかの検索除け技術(?)が
すごいと思った。元スレには矢田部達郎×山田珠樹の名前も挙がっている!
そういうのダメな人は見ないほうがいいです、本当に。

chiwami403 at 22:27|PermalinkComments(2)TrackBack(0)森茉莉 | 森茉莉

2005年09月06日

世田谷烏山には愚連隊が

森茉莉はエッセイで『恋人たちの森』について
愚連隊のあんちゃんではこんな粋な会話はできまい、
というようなことを書いていた、確か。

愚連隊というのはもう死語だと思っていたが、
先日世田谷文学館に行ったら付近に「愚連隊」の
落書きがあった。世田谷地方ではまだご健在らしい。

パソコンでも普通に変換できるし(IME使用)
辞書にも出てるのかしら。でも会話では流石に出てこなさそうだ。

うちの近くの公園のトイレにもグレンタイの落書きがあったんだけど
「愚」の字を2回間違ってそれをスプレーで消してその脇にようやく
正しい字を書いていた。神奈川県地方のヤンキー様は漢字が苦手。

日本国語大辞典第二版オフィシャルサイト:日国.NET によると、

「ぐれん隊」も、このグレが語源でしょう。「愚連隊」と書くのは当て字です。

「はまぐり」→「ぐりはま」→「ぐり」が動詞化→「愚連隊」
当て字とは初めて知ったが、うまい字を当てたもんだな。
どっかの外国語か何かだと思ってました。

愚連隊

岸和田少年愚連隊


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