2006年03月

2006年03月31日

戸板康二が折口信夫邸で見た長谷川時雨

戸板康二『思い出す顔』を読んでいるところ。
慶應大学に入学し折口信夫の家に行っていた頃の話で
折口邸に来ていた女流作家・歌人の中に長谷川時雨の名前。
戸板康二が見ていたのは、世代が違うと思ってたので意外だった。

晩年の長谷川時雨のことを回想した、若林つやの『野薔薇幻相』に
折口信夫の話が出ている。
大病をした後の長谷川時雨は一人で出歩くことをせず、誰か必ず
同行していたが、折口信夫の家に行くときは例外だった
(折口が若い女を嫌うから)。折口信夫自らお茶を入れてくれたこと
などを若林つやに話している。

書き下ろしの『思い出す顔』は次から次へと交流のあった人の
名前が出てくるけれど『ちょっといい話』とは趣が違うような。
知らない人の名前も多いのだが、でもふじたさんの日用帳
で名前見た人だなあというのがちらほら。この本は何年か経って
再読するといいんじゃないだろうか。


chiwami403 at 12:19|Permalink長谷川時雨 | 長谷川時雨

2006年03月30日

長谷川春子挿絵の尾崎士郎『空想部落』

中央区の図書館で、尾崎士郎『空想部落』を借りた。
馬込の郷土記念館で見た本の実物を見たいと思い、
ダメ元で検索したら所蔵でしかも貸出可だった。

馬込文学マラソン:尾崎士郎の『空想部落』を読む
によると、

昭和11年、新潮社から初の単行本が発行された。
挿絵を長谷川春子が描いており、味のある造本だ。
昭和14年、ソフトカバー版が同じく新潮社から発行された。
これは紙の劣化が著しい。


以前私が神田の古書展で見たのは、昭和14年の本と思われます。
表紙は長谷川春子だけど挿絵はない。馬込の郷土記念館に
あったのは昭和11年の本で、挿絵のあるページを展示していた。

図書館で手にした昭和11年本は「京橋区立図書館蔵印」(※)
が押してあり、裏表紙も取れていてかなり年季の入った本であった。
借りて帰ってもし何かあったら困るので、館内で閲覧のみにする。
※昭和23年に日本橋区+京橋区=中央区)

長谷川春子の絵は、新聞の連載時に掲載された挿絵が
10点近くと、それぞれの章の扉絵。

長谷川春子が装丁や挿絵を担当した本を探しています。
以前ヤフーオークションで小島政二郎の本を見たのですが
他にどなたかご存じでしたら教えていただけたら。

chiwami403 at 12:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)長谷川時雨 | 長谷川時雨

2006年03月26日

室生犀星旧居跡

大田区郷土記念館から歩いて5分くらいの所に室生犀星旧居跡があります。

■道順■
大田区郷土記念館出て右手に進み、坂をのぼる

信号のあるバス通りを渡って更に直進

道なりに進み坂を下って右手にアグネス教会が見えたらその左側の路地へ

右側にある赤っぽい壁の「室生マンション」が旧居。
私は見に行ってないけど、旧居裏の万福寺に犀星の碑があるそうです。

左側の路地に入るのを気づかず地図をひっくりかえしながら
来た道を戻って路地に入り、あれーないなーとうろうろしてやっと発見。
一応案内プレートもありますが、全然気が付かずに通り過ぎてしまった。

確か森茉莉は室生犀星の家に行こうとして道に迷っていたが
いざ自分で行ってみると、森茉莉でなくてもこりゃ分かりづらいなあと。

自分ではあまり方向音痴でないと思ってたけど、この辺りは細い道が
曲がりくねって自分がどこにいるのかよく分からなくなり、更に坂道多し。
商店も歩いている人も少ないので、馬込文士村の地図があって助かりました。

それと、郷土記念館と室生犀星旧居跡のへんには飲食店ほぼないです。
この日行った龍子記念館周辺は少し見かけたけど、私はスーパーで
パン買ってベンチで食べた。あと真夏と真冬の文学散歩は辛いと思う。

(この日のコース)
都営地下鉄西馬込駅→郷土記念館→室生犀星旧居→長谷川春子旧居附近
→尾崎士郎・宇野千代旧居跡→龍子記念館・公園→バスで大井町線荏原町

龍子記念館見学の際は、旧居とアトリエのある龍子公園も見るのをお勧めします。
係の人の案内がないと入れませんが、一日三回無料で開催しています。



chiwami403 at 10:25|PermalinkComments(2)TrackBack(0)森茉莉 | 森茉莉

2006年03月23日

森茉莉の葉書(宛名面のみ)が馬込郷土記念館に

日用帳のふじたさんから、大田区の郷土記念館に森茉莉の
葉書が展示されていると教えていただいた。
が、宛先に書かれた住所の変遷が展示の目的で、肝心の文章は
見られないと。でもまあとりあえず行ってみようと出かけた。

室生犀星が住んでいた周辺は文士が多く住み、馬込文士村と呼ばれてました。
ご参考:馬込文士村 
    馬込文学マラソン
    大田区郷土記念館

初めて行く場所でバスに乗るのは不安で、西馬込駅から歩いて郷土記念館へ
(徒歩5分程度)記念館は入場無料、文士村解説の地図は100円、解説本は200円。

森茉莉の葉書は企画展の「―昭和前期の馬込・山王さんのう・新井宿あらいじゅく―」
に、大田区の区名・町名の変遷を示すものとして展示されています。
室生犀星宛の封書が昭和初期には「(東京)区外」だったのが大田区になり、
森茉莉の葉書の宛名は大田区南馬込○丁目×番地で、住居表示が実施
された後の住所なので、その一例として展示。なんか悲しい扱いではあるが。

係の人に一応聞いてみたが、葉書の裏面を閲覧するのは不可(←当然か)。
葉書の料金は5円で切手部分は国会議事堂の絵。消印の年月日は読み取れず。
紺色の万年筆で「室生犀星先生」と丁寧な字で書かれている。

所蔵してるなら文面も見せて欲しいわーーーッ!!
常設展じゃなくて企画展なので宛名だけでも見たい人は是非(4月9日まで)。

森茉莉以外の郷土記念館の話↓

長谷川時雨の妹、長谷川春子も馬込に住んでいた。
尾崎士郎『空想部落』の挿絵を春子が描いているので、常設展に
挿絵入りの初版本と連載していた新聞の切り抜き展示有。
住まいは室生犀星旧居近くだったので見に行く。何もないが満足。

大森周辺で盛んだった海苔養殖関係の展示の中に、諏訪大社に奉納した額の複製。
信州の人が大森に海苔養殖の出稼ぎにきていた関係で。明治16年のもので絵は柴田是真。
日本橋の海苔業者の名前の中に、山本徳治郎(山本海苔店の店主)の名前があった。

馬込東中学校附近

写真は南馬込2丁目附近の廃屋(?)なんとなく料理屋の建物っぽい。
玄関前の犬小屋もいいと思った。

chiwami403 at 20:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0)森茉莉 | 森茉莉

2006年03月22日

円地文子『鴉戯談』

古本屋で安かったので「円地文子にもこんな作品があるのね」と買ったのが
円地文子の『鴉戯談』で、読んでみたら森茉莉の『黒猫ジュリエットの話』
を思い出した。

森茉莉のほうは猫の視点で語られているのに対し『鴉戯談』はオバアサン
(=円地文子)と上野の山に住むカラスの勘公との会話が中心になっています。
歴史や文学の他に当時の世相など話題は色々で、円地文子は元は戯曲を書いて
いたからか勘公との掛け合いが面白い。上品に猫をかぶって客と話すオバアサン
を、勘公が窓の外から眺めている所なんかも。

上野公園のすぐ近くに住むオバアさんが、地元なのに上野公園内で迷子になる
という話が出てくる。大丈夫なのか、円地文子。
編集者小島千加子さんの『作家の風景』には森茉莉の回想記が載っているが、
円地文子のことも書いていて、それによると家事は全然ダメだったらしい。
森茉莉とは性格も作品も全然違うけれど、お嬢様育ちで浮世離れしている
という点ではなんか似てるなあと。

表紙は加山又造の絵。絵画買取・卸販売の会社サイトの紹介
見ると円地文子の本の表紙とは違うけど、似た鴉の絵がある。

ご参考:去年2005年は円地文子と平林たい子の生誕100年だった。
円地文子・平林たい子生誕100年の会 : 出版トピック :
本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

円地文子『鴉戯談』

chiwami403 at 12:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0)森茉莉 | 森茉莉

2006年03月16日

小堀杏奴と幸田文の出会い

昨日、都立中央図書館に長谷川春子の本を見に行って
請求本が出てくるのを待っている間、幸田文全集を見ていた。

最後の巻、第23巻に「私のメニュウ」があった。
森茉莉も『暮しの手帖』に書いて、文庫の『貧乏サヴァラン』に
載っているのでよく読み返すのだが、幸田文の食卓もおいしそう。

それから22巻に「女流作家 小堀杏奴」という文章がある。
昭和23年5月に週刊朝日に掲載されたもので、杏奴と初めて会ったのは
「去年のくれ」と書いている。以前、野田宇太郎が撮影した幸田文と
小堀杏奴の写真のことを記事にしたので(※)、うれしい発見であった。
解読によると、週刊朝日の同じ欄には小堀杏奴の「女流作家 幸田文」
というのがあるらしい。
全集に掲載されているけど、幸田文が書いたものではなく
喋ったのを記者が纏めたものではないかな? という気がした。
※ご参考:野田撮影の写真は森茉莉でなく小堀杏奴

他にはラジオに書いた放送用の台本も載っていて、幸田文がこんなものも
書いていたのかとちょっと意外だった。
全集にしてはこぢんまりしたサイズの幸田文全集、重くてでかい本が
苦手な私でも読みやすくてありがたいや。

朽葉色のショール


chiwami403 at 21:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0)森茉莉 | 森茉莉

2006年03月13日

矢川澄子『野溝七生子というひと』

地元の古本屋でずっと売れないままでいたので
矢川澄子の『野溝七生子というひと』を買った。
野溝七生子は女性に人気のある作家らしい位しかイメージ
がなくて、鴎外の研究をしていた人と今回初めて知った。

森茉莉関連事項↓

野溝七生子は森茉莉と鴎外関係の会合などで面識があった
「それでね茉莉さんは文才ありますよ」と野溝七生子が
矢川澄子に語っている。森茉莉は野溝七生子に「鴎外をこれほど
理解して下さる人は初めて会った」と言ったそうだ。

野溝七生子に「鴎外のことなら安んじてあなたにおまかせ
できるけど、でも、パッパはあげられないわよ」とダメを押した
というエピソードを、森茉莉は矢川澄子に話している。いたずらっぽい
目つきだったというのが森茉莉らしい。

作曲家高橋悠治が森茉莉の「夢」の朗読を作品にした話を
以前記事にしたが、この話を提案したのは矢川澄子だった。

茉莉さんて、フランスの詩を暗したりするの、お得意よ。
自作の朗読ならよろこんでなさるんじゃない?


で、森茉莉の朗読を録音して、それに即興演奏の再録と笛を組み合わせて
作品にした。発表当日森茉莉は参加できなかったが、後日ライブテープを
聞いたら雑音が多くてよく聞き取れないと歯がゆがっていた、と書いてある。
楽曲なしでいいから朗読だけ聴きたい(といったら失礼か)。

森茉莉が好きな人は矢川澄子も好きな人が多そうだ。
森茉莉とも交流があった作家なのに、少女的なものが好きな人には
欠かせないだろうに、読んでてすごいなあと思うんだけど、どうにも
興味がわかない矢川澄子。なんでだろう。

2004年12月16日:森茉莉の声を録音した作曲家の回想

リンクをはった高橋悠治の日記はリンク切れになっているが
今検索したらPDFになっていた。そこの2001年7月に森茉莉の話。

(PDF版)書きかけのノート

「父の娘」たち―森茉莉とアナイス・ニン


chiwami403 at 23:00|PermalinkComments(4)TrackBack(0)森茉莉 | 森茉莉

2006年03月08日

4月に森茉莉の新刊(?)

はてなダイアリーのキーワード「森茉莉」経由で見た
黌門客 3月7日「四月の新刊文庫
によると森茉莉の新刊が出るらしい(?)

森茉莉 小島千加子『マリアの空想旅行』*5(ちくま文庫)630円

*5 には「この本は、何?」とコメントがありますが、
思い出したのが、森茉莉ドット文学館の「マリアと宗平」というコーナー。
2004年1月31日の欄に、全集未収録作品の話が出てるのです。

☆筑摩版マリア全集未収録作品
最近、筑摩の編集者から葉書が届いた。《未収録作品をまとめ
たいので、ぜひご協力 を》と、差出人である編集者は記している。


4月の新刊は著者が森茉莉になっているし、いよいよまとまったのだろうか。
あと担当編集者だった小島さんによる解説か回想? 
これは私の勝手な想像なので、4月を楽しみにしよう。

この新刊案内は本やタウンというサイトからの引用のようです。


chiwami403 at 13:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0)森茉莉 | 森茉莉

2006年03月07日

虎屋のようかん

『森茉莉 贅沢貧乏暮らし』には白川氏が提供した
森茉莉遺品の写真が多数掲載されています。

大きく○印を付けた虎屋の羊羹の広告と、森茉莉が描いた
羊羹の絵を白川氏が額に入れたものは、白川氏がとって
おかなければゴミとして処分されてそうな品だ。

とらやの和菓子 羊羹|株式会社虎屋

によると、羊羹は現在6種(夜の梅 おもかげ 新緑 空の旅 阿波の風 珈琲)。
でかい羊羹買っても食べ切れないし……と思ったらミニサイズも売ってます。
これなら全種類制覇できるかもしれない。

歴史上の人物と和菓子 -森鴎外と饅頭茶漬け-|株式会社虎屋
↑鴎外の好物、饅頭茶漬けの紹介。他に寺田寅彦や内田百鬼園先生なども。

虎屋といえばこんなのもあります→虎屋オリジナルトートバッグ
羊羹の箱が入るサイズだそうで、私は緑色の小さいのを通勤で使ってるのです。
虎マーク入りよ!

chiwami403 at 22:29|PermalinkComments(2)TrackBack(0)森茉莉 | 森茉莉