2007年05月

2007年05月29日

宮本百合子、書簡で森茉莉を「哀れな女」

青空文庫に掲載の宮元百合子書簡に鴎外・茉莉親子について
ふれたものがあった。「山田珠樹」で検索して見つけたものです。

宮本百合子 獄中への手紙 一九四〇年(昭和十五年)(青空文庫)

1年分が1つのファイルになっているのだが、森茉莉のことが書いて
あるのは「十二月二十七日」の後半(「茉莉」でページ内検索して下さい)。
長いけれども、その部分引用します。改行はこちらで適当にやってます。

茉莉さんが『明日への精神』のいい書評を『朝日』にかきました。
この茉莉さんは、美学の山田珠樹のところへお嫁に行って破婚になったのよ。
大した大した結婚式してね。その山田の家というのは下町の大商人で、
孫は(茉莉さんの子?)白足袋はかすという家風なのだって。そんな家へやる鴎外、
大臣なんかずらりと招く鴎外、そこに鴎外の俗物性が流露していて、しかも娘は、
湯上りに足を出して爪を切って貰うことをあやしまないように育てたりして。
茉莉さんという娘は、自分の知らないことのために不幸にされた哀れな女です。
杏奴の方はずっと自分の常識で、世間の仕合わせも保ってゆくような人。
杏奴は絵よ。旦那さんも。茉莉はものをかく方なのよ、どっちかというと。
ここにも何かのちがいあり。


森茉莉、ひどい言われよう。
というよりも、そういう娘にした鴎外への批判か。

与謝野晶子や長谷川時雨のツテで少しずつ書いていたからだろう、
「ものをかく方なのよ」とは言っているが、作家として有名になる
とは思っていなかったかもしれない。宮本百合子は森茉莉が
デビュー前に亡くなってしまったけれども。

「美学の山田珠樹」は仏文学で、「その山田の家というのは下町の大商人で」
山田珠樹の父はイリス商会の重役を勤めていたが出身は広島で住まいも下町
ではなかった。宮本百合子の勘違い? 気になるのは朝日に書いたという
『明日への精神』の書評。朝日新聞のことだろうか。

ご参考:宮本百合子の見た森茉莉(2004年06月24日記事)

青空文庫に入っている別の宮本百合子の文章で、森茉莉のことが
書いてあるものが2つあるが(昭和11年と13年)、書簡とはえらい違いだ。

追記:
山田珠樹父の出身地を最初「佐賀」と書きましたが、
「広島」の間違いでした。失礼しました。 2007年9月30日


chiwami403 at 22:19|PermalinkComments(0)森茉莉 

2007年05月19日

津和野の料理店「遊亀」に森茉莉色紙

Frog's Blog(かえるのブログ): ■津和野にて によると、

「遊亀」というお店。森茉莉さんと、その息子さんのサイン色紙あり。

津和野は10年位前に旅行した。森鴎外記念館は行ったけど
このお店のことは全然知らず、ちょっと後悔。津和野旅行を
予定している森茉莉好きさんはこのお店もぜひ。

遊亀(ゆうき)/タウンネットガイド全国版>島根県>津和野町>和食

■島根県 津和野町 [施設案内・森鴎外記念館]



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2007年05月17日

フロイド精神分析学の翻訳と森茉莉

神保町系オタオタ日記 ■[文藝] 大槻憲二の東京精神分析学研究所
の最後にある(参考)の一部を引用。

大槻憲二訳『フロイド精神分析学全集第8巻 分析療法論』
(春陽堂、昭和7年10月)の昭和7年9月付けの「譯者序文」によると、
「本書引用中のフランス文は森茉莉子女史(故鴎外博士令嬢)に
その譯意を教へられた。


と森茉莉の名前。お堅い本の翻訳に関わってるのは意外だ。
私は大槻憲二がどういう人が全然知らないのですが。

講談社文藝文庫の年譜を見ると、
昭和5年 森茉莉再婚、仙台へ。
昭和6年 離婚。仙台から東京へ戻る

翻訳は最初の離婚後から取り組んでいたようで、
昭和4年から雑誌などで翻訳作品を発表している。
この翻訳協力の翌年、昭和8年にマドゥモァゼル・ルウルウ刊行。


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2007年05月15日

佐々木邦と森茉莉の母親

猫額洞の日々 の「森茉莉付近(7)/「人生エンマ帳」の続き」 によると、
ユーモア作家、佐々木邦の随筆集『人生エンマ帳』に
森茉莉の母親しげの話が出ているとのこと。

佐々木邦は明舟町(現在の港区虎ノ門)に住んでいた
ことがあり、そのことは以前検索して知っていたけれど、
嫁ぐ前のしげが、佐々木邦の弟と遊んで(?)いたとは
初めて知った(リンク先に引用有)。

佐々木邦 年譜 によると

明治22年(6歳)一家は東京市芝区明舟町19に転居。
明治25年(9歳)弟、義朗が生まれた。
 ←リンク先引用の「三弟」にあたる人
明治29年(13歳)赤坂氷川町の叔母(父の弟の妻)の家に寄宿した。

しげの生家、荒木家は明舟町周辺の地主だった。
森しげは明治13年生まれ、佐々木邦は明治16年生まれ。
明治28年には佐々木邦の弟と母親が沼津に転居しているので
佐々木邦の弟としげが一緒に遊んでいたのは、明治25〜28年。

ご参考:森茉莉街道をゆく2004年8月分(1日〜22日くらいまで明舟町関係記事)


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2007年05月10日

高橋靖子のエッセイに森茉莉のことが出てるかも?

kurohani's art blog の 高橋靖子著『私に拍手!Yacco!! Pati Pati Pati Pati』を読む
によると、森茉莉が出てくるようだ。

いきなり森茉莉やアラーキー、ストーンズやディヴィッド・ボウイ、
イギー・ポップにオノ・ヨーコと私的には垂涎のエピソードてんこ盛りでした。


スタイリストのエッセイ集らしいのですが、近所の本屋にこの本があった
ので手に取ってみた。が、ぱらぱらめくる程度では見当たらず。
タイトルにある本じゃなくて、同じ著者の『表参道のヤッコさん』のほうに
出てるのかな?

あともう一つ。

南包の風呂敷 というblogの『ブラバン(津原泰水)バジリコ』
という記事で、この本に森茉莉の名前が出てくると知った。

本のあらすじや感想の他に、気になる箇所の頁数が記載されていて、
その中に森茉莉の名前があった。

p148のヨー・ヨー・マやp149の森茉莉。

ので、本屋へ行ったついでに該当箇所を見た(頁数記載に感謝)。
登場人物のセリフに森茉莉の名前が出てくる。
飲食店(バー?)の人が客(?)に、森茉莉の作品に
自分がモデルとなって出ている、というようなことを言っていた。
その頁だけ見たので、前後の文脈は全然分からない。

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2007年05月01日

一箱古本市に参加しました

4月29日の一箱古本市、晴天に恵まれ無事終了しました。
乱歩゚前に出店しましたが、ご来箱・お買い上げくださいました
皆様ありがとうございました。今年の売上は53冊、1万7千円弱。
持ち帰った本は5冊位とほぼ完売で身軽に帰れたのがよかった。

2年前は根津駅近くのオヨヨ書林、去年は西日暮里駅近くの花歩、
今年はほぼ中間地点の乱歩゚。晶文社の箱が出店するのでうちの箱から
もついでに買ってくれないかな〜とコバンザメ的期待(お蔭様で……)。
街歩きの人通りが多いので、古本市以外の目的で来た人も立ち寄って
くれるなど恵まれた出店場所でした。が、お昼過ぎ以降は日影がほとんど
ない場所なので帽子・日焼止め必須です。来年出店の人頑張って下さい。

スタンプラリーを根津駅もしくは西日暮里駅から開始する人が多いせいか
昼過ぎまではお客さんもまばら。午前中の乱歩゚は穴場だったんだな〜。
2時くらいになると両方向からのお客さんで大混雑であった。

乱歩゚の助っ人はシュダイご夫妻。去年は出店+助っ人だったのが今回は
助っ人のみで参加ということで、業務も手馴れたもので頼もしかったです。
ご主人は乱歩゚の角に立って道案内や地図の配布もするなど本格的(?)
で、一般のお客様も興味深そうに地図をもらいに来ていました。

ちくま文庫『出版業界最底辺日記』の塩山芳明氏と同じ出店場所という事に
気がついたのは開催2日前ほどで、強欲な値付けのスリップの挟み込み作業が
終わった後だったので「こんな出品者と出品内容じゃ怒られそう」と思っていた
わりに、当日はすごく馴れ馴れしく塩山氏に話しかけていた図々しい私であった。
娘さんと二人での参加で、大きいカートとダンボールで持参の本は重そうだったけど
夕方にはほとんど売れていた。読者の方からも時々お声がかかっていました。
しっかりしてそうな娘さんは淡々と店番を勤め(その姿が健気)塩山氏は
「俺が店番するより売れるから」と言いつつも「スリップ抜いたか!」など
と店番の娘さんを見守り、時々店番を交代していました。
ゴールデン街のフリマに出店したときの話や出品した本の話などいろいろ伺う。
勉強不足ですみません……家に帰ってから塩山氏のサイトをあっちこっち見た。

夕方のイベントは遠慮して、東京會舘へ寄って一人お疲れ様会。
よれよれの格好で(しかも手提げ袋から段ボールが見えている)
「マロンシャンテリーと、えーとあともういっこケーキ頼みたいんですけど」
と注文する雰囲気ぶちこわしな客となる。昼は食事らしきものをしなかった
のでマロンシャンテリーとチーズケーキををガツガツ平らげて帰宅。

会計方式が今までと変わり、今回はフリマ方式での参加でした。
利点→ 当箱は単価が安いわりに点数ばかり多いので、集中レジ式だと
他の人に申し訳なく思っていたから気が楽。値下げもしやすい。
辛い点→ 一人だとトイレや食事で席をはずしづらい。うちは不在時には
「ここにお金とスリップ入れてね」と紙袋で野菜無人販売所式を実施。

「みんな手に取ってたけど強欲な値付けゆえになかなか売れなかった本」
(を値下げした例)をご参考までに一部紹介↓
・クウネル台所特集(定価680円)400円出品 → 300円に値下げ
・光文社文庫『酒肴酒』 400円出品 → 300円に値下げ
・集英社文庫『モロッコ革の本』 700円出品 → 500円に値下げ
クウネルと栃折久美子本は、売り物としてより看板として役立っていたような。
他の本の値下げ具合も考えるとうちの品揃えでは200円〜300円が妥当な価格か。
高い本では、青蛙房の戸板康二本(800円、1000円)が早いうちに売れた。よかった。

「持って行くのはどうかな〜」と思っていたみうらじゅん『飲み屋のロック』は
退屈男さんが買って行かれました。50円。最安本はカバーなしの『馬は丸顔』と
今東光『毒舌仏教入門』が10円。

私がやっていた酒屋前掛けは通販で買えます↓
菊正宗酒造謹製 酒蔵「前掛け(長)」1575円、送料315円

写真は「開店前の森茉莉かい堂の箱」と「嫌記箱の店番をする娘さん」

2007年一箱古本市(開店前)

嫌記箱の店番をする娘さん

chiwami403 at 20:30|PermalinkComments(0)一箱古本市 | 一箱古本市